御岳ボルダーその18

2001年1月14日記
 土曜日の日にジムの仲間2人と3人で御岳に行った。今回は電車である。

 沢井駅待ち合わせであったが、実際は立川駅のホームで落ち合う事が出来、3人で沢井へ向かう。途中沿線にはちらほらと雪が残っている。太陽も出ていない。何となく寒そう。

 初めて降りる沢井駅から鵜の瀬岩に向かう。実際寒い。

 砂箱岩、鵜の瀬岩を偵察。鵜の瀬岩は染み出している。仲間が目的とした鵜初段はスタンスが濡れてしまっているようだ。対岸の命ください岩に向かう。

 対岸は雪が相当に残っている。橋の上では風も強くおまけに凄く冷たい。日も射していない。モチベーションも上がらない。足も冷たいし。

 命ください岩の前には雪はないが、その回りには少し雪が残っている。荷物は雪の無い水辺の石の上に置く。しかし、ここは風が通る。凄く寒い。大変な時に来てしまった物だ。あまり寒いので、靴の中に入れるための携帯カイロの封を切る。これは昨冬に買ったものだが、その所為か、なかなか暖かくならない。結局このカイロは、暖かくはなったが、最後まで大して役には立たなかった。

 3人で命ください中央2級に取付く。寒い所為か、それとも、最近取付く人が増えた所為か、スタンスが凄く滑る。小生も滑って登れない。何回かの試技の後仲間2人は登るのに小生は登れない。靴をカチ靴からベルクロ靴に履き替えてみたが変らないのでカチ靴に戻す。

 この課題のスタートの右手は目の前の細かいホールドを持っていたのだが、仲間は右横の縦ホールドでスタートしているので、それを真似してみると、そちらの方が少し楽のようだ。

 仲間は隣の命ください右1級に挑戦している。小生はしつこく中央の課題を攻める。でも、右足がどうしても滑ってしまう。足を置く場所を少し吟味する。少し右寄りの方が効きそうな気もする。でもどうやら、小生は、少し軟らか目のベルクロ靴の時の習慣で、踵を少し落し気味でスタンスに立っていたようだという事に気付く。

 靴の踵を落とさず、エッジでしっかりと立つ感じで立ってみると滑らなくなった。で、やっと登れた。

 仲間は、命ください右は出来そうにないと諦め、SDの命ちょうだい2級の課題に挑戦している。仲間は2人とも登る。小生もやってみたが、右足のヒールフックで足の脹脛がつりそうになってしまったので、即止める。

 忍者返しの岩への途中、仲間が触った事が無いというので、遊歩道岩に寄ってみる。この岩には7級以下の課題と1級のトラバースの課題が設定されている。

 仲間の一人が正面の7級の課題を登る。降りてきて、今度はそれをSDで登る。結構難しくなるようだ。小生も真似をしてみる。スタートが出来なかったり、最後の足が悪かったりで、なかなか登れなかったが、何回かの後にやっと登る。

 この岩、そんなに大きくはなく、リップもガチガチしていて、どこでも持てそうなのだが、それがそうでもない。やっぱり結構持てる所と持ちにくい所が有る。それに、下が少し被っているから足が見えない。おまけにつるつるであまりスタンスも無い。一見やさしそうだが実は易しくはない、そんな岩だ。

 仲間が今度はそこから右へのトラバースを始める。これも足が悪く、なかなか成功しない。3人でああでもないこうでもないの後、一人がホールドの持ち方を変えて成功する。後にもう一人も登る。小生のグレードでは無いから、小生は1回くらい触ってパス。

 最後に仲間が左端のカンテの9級の課題を紐を締めていない運動靴で登る。小生も真似してサンダルで登る。でも、こんなバカはボルダリングでしか出来ない。ルートでこんな事やったらビレーヤーに怒られてしまう。だからボルダリングは止められない。

 忍者返しの岩の前に行く。先客が一人いた。

 クライマー返しのスタートのナックルジャムのコツを仲間から教わる。今迄小生がやっていたのと指のポジションが微妙に違うが、教わったポジションでやると確かに効いているという実感が持てる。まだ靴を履いていなかったから、本当に効くかどうかは試さなかったが、効くという感触を得る事が出来た。

 仲間の知り合いが一人現れたので、少しお話をする。正月は暖かいビショップだったとか。羨ましい。

 その人がアップに忍者返しに取りつく。ところが、核心部で落ちてしまった。あまりに寒いから体が伸びなかった為の様だ。本当かな。でも、さも有りなんという寒さだ。ここ忍者返しは凄く風通しが良いのだ。忍者返しの岩の陰に隠れても風が来る。

 既に昼時を過ぎていたので、我々は玄関岩の陰に隠れる様にして昼食にする。ここはこの付近で唯一風をいくらか避ける事の出来るスペースだ。

 横の川では、生徒が2人ではあるが、カヌーの講習会をやっている。我々も物好きだが、この時期にわざわざカヌーの講習会を受ける人も相当に物好きだ。こっちは濡れないが、あっちはずぶ濡れになるかもしれないのだから。早々にあんな寒い真冬のカヌーからは足を洗った小生はやはり賢かったのかも知れない。

 今回もまた忍者返しには触らず、マミ岩に取付く。

 最初は中央の4級の課題から。いつも言っている事だが、スタートが分からない課題だ。出来ない訳ではないが、4級のムーブが分からない。でも、色々と限定を付けたりして皆で何回か登る。

 次は右のSD2級。この課題は小生はガバ両手スタートがまだ出来ていない。一手増えるだけで疲れてしまうのだ。仲間も登っていない様だ。

 3人で取付く。が、3人ともなかなか出来ない。仲間は、ヒールフックをかましたり、色々試してみるが、決め手が見つからない様だ。小生は先に登れたムーブにこだわってトライする。

 3人ともなかなか登れないので、スタンドアップでトライしてみる。こちらは皆登る。しかし、小生はそうは思わないのだが、仲間は上も充分に悪いという。

 その後、仲間のうち一人は小生のムーブで登り、もう一人はヒールフックで登る。例によって小生だけ登れない。後一歩なのだが。

 最後に気合を入れてトライ。でやっと登る。この課題、仲間も正真正銘の2級だと太鼓判を押してくれた。やっぱり嬉しい。これでやっと左手ホールドの持ち方がわかってきたようだ。また、ボルダリングは気合だという事も今回ではっきりと自覚した。

 一旦吉野街道に出て、玉堂美術館の前のピンチオーバーハングに行ってみる。チョークがべたべただ。下に雪が少し残っていたので、偵察に止め、デッドエンドを目指す。

 デッドエンドには先客が1人。やはり仲間の知り合いのようだ。結局我々とは入れ替わりとなる。

 3人でデッドエンドに挑戦する。

 仲間の一人が成功する。でも、その仲間は下のスタンスで上のホールドが取れるのだ。従って、もう一人の仲間と小生には参考にはならない。

 小生と仲間の2人で最初は縦カチでレイバック気味に次のホールドを取るというムーブを試していたが、このムーブではリーチの無い人間、というより平均的リーチの人間には次のホールドに届かない。足が無いのだ。そこで仲間が、入れ替わりとなった先客から聞いた正対ムーブを試してみて、そちらの方が実現性が高そうだといい、その後の何回かの試技で成功する。小生とはリーチが殆ど同じ仲間だから、小生も、そのムーブが合いそうだと、そのムーブを真似てみる。でも、ホールドを保持するにはまだ力が足りない様だ。

 デッドエンドでは、気温的には昼間よりも2〜3度は下がった様なのだが、風が止んだためかそんなに寒くは無かった。やっぱり風さえなければそこそこ暖かい様だ。

 縦カチが取れた時はあと少しで登れるかと錯覚したが、足が無くそのムーブでは登れないという事がわかり、自分にも合いそうなムーブもやってみて、やっぱりデッドエンドは当分登れそうに無い事を自覚する。また、やっぱり1級なんだと言う事も納得する。

 1級を登れるようになるのは暫く先のようである。

 今回は殆どカチ靴で登った。デッドエンドも前回ほどは滑らなかった。今回でやっとこの靴に慣れてきたようだ。

 最後はやっぱり例によって御岳ラーメンを食べ、電車に乗った。電車の中では仲間の撮ってくれたビデオを見せてもらった。結構格好良く登っているように見える。贔屓目かもしれないが、ひとまずは安心。

 御嶽駅から東京駅まででも3時間。電車の中は一応座って来たが、やっぱり御岳は遠いや。そして、やっぱり御岳は混みさえしなければ自動車の方が早いや、運転は大変だけど。


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作成年月日 平成13年 1月14日
作 成 者 本庄 章