御岳ボルダーその11そして白妙その2

2000年6月18日記
 梅雨の真っ最中、6月17日の土曜日に、今回も大勢で御岳に行った。なんとプロのカメラマン付である。

 10時とけたソフトクリーム岩集合。総勢11人である。

 小生、いつもの相棒と待ち合わせ場所に丁度10時に到着。しかし、既に雨が僅かに降り始めていた。なんとか保ってくれる事を祈るのみ。

 先ずはとけたソフトクリーム岩に取付く。アンダーを登る。なんかラインが少し右寄りみたい。続いて裏側の易しい所。でも、小生は登らない。次はその左の少し難しい所。ここも小生は登らない。

 実は今回、こんなに人が多いのに、小生と一緒に登る人は4人だけ。勿論相棒はビデオに専念。その他の人達も一緒に行動はするが、一緒には登らないという、なんとも奇妙なボルダリング行だったのだ。仮に小生と一緒に登る人をお師匠さんのA氏、その弟子B嬢とC嬢としよう。他は現在リハビリ中のDさん、A氏の仲間のEさん、Fさん。それからカメラマンとその仲間2名といつもの相棒。それで計11名。因みにカメラマンとその仲間の人とは初対面であった。

 雨も、わずかな水滴がたまに感じられるくらいで、降っているという訳ではない。空もなんとなくもやってはいるが、そんなに暗くはない。

 次はキックマントル、3級。ここは以前、何回かの格闘の末やっと登った課題なのだが、その登り方が少々違ったようだ。A氏及びC嬢の登り方は右の少し高い目のスタンスに乗ってマントルという登り方だ。小生のは左の方にわずかなスタンスを見つけて、左上のカチホールドを使って登った様に思う。左のガバホールドはどうも限定されるらしい。右のスタンスを利用すると、下に有る石の上に落ちる心配は無くなり、大分安全な課題になる。以前の小生の登り方だと、少し恐い課題となっていた。

 その右スタンスへの乗り込みだが、A氏は簡単に爪先でのるが、C嬢はヒールをかけるのがやっとという。小生には足すら上がらない。手も決して良くはないし。また御岳に一つ課題が増えてしまった。

 次は凹角の左。やっぱり3級。ここも以前登っている。右手をクロスで取りに行くという記憶が有ったので、やってみたがどうも左手が効いてくれない。2回目だったかには左手が滑ってすっぽ抜けてしまった。どうも、アップが足りないのか未だ指が効かないようだ。A氏のお手本でC嬢、小生で何回か試みたが、ともにだめだった。

 次はすべり台。6級である。ここは1手課題。ここはいつも初級者がいると、「ここはねぇ」とか言って登ってみせる課題である。ところが、登れない。なんで? そんなばかな! B嬢、C嬢は登る。カメラマンの仲間の人も登る。やっぱりアップが足りないのか。

 つぎはオーストラリア岩のモンキーカンテ。ここは4級。ここも何回と無くトライした末にやっと登った課題である。そして、その後1回位した再登できていない課題でも有る。

 やっぱり、最初は登れない。前回も登れないで落ち込んだ課題だから、今回も登れなくても仕方が無いと諦めてしまってはいるのだが。

 最初は両手でカンテに張り付くのだが、その手がぬめる。足が決まらない。力はまだ十分に有るのだが。2回目、頑張った末やっと何とか次の右手が取れた。でも、立てない。そうか、左足に体重を移せば右手が出るんだと悟り、3回目にやっと、かろうじて登る事が出来た。

 今日は湿度が高い様だ。とけたソフトクリーム岩とかオーストラリア岩は御岳でも特につるつる系の岩だ。どうしても、ホールドがぬめるようだ。モンキーカンテの最初のホールドなんか、小生の次にトライしたC嬢が、触った途端にぬめってると言ったくらいだから。そんな中で、モンキーカンテを登る事が出来た事は非常に嬉しい。3級の課題が登れなくてもいいやという気持ちになってしまった。

 鵜の瀬岩に移動する。鵜の瀬橋の袂に猫がいる。いつもそこで寝ている猫だそうだ。でも、小生はあんまりその猫の事は知らない。なにせ、家にいる2匹の猫で手いっぱいなので、よその猫など気にもしていなかったのだ。

 鵜の瀬岩は下地が草ぼうぼうで、取り付ける状態ではなかった。従ってパス。忍者返しの岩エリアに行く。

 Eさん、Fさんは既に先回りしていた。忍者返しの岩の前にはこの2人に加え、先日ここで一緒に雨宿りをした人と、ソフトクリーム岩に小生が到着した時、その周辺で岩を登りながらビデオを回していた3人組もいた。しばしここで小休止。

 今回はここでは忍者返しには触らない。なぜって? そういう予定だったから。

 先ずは白狐岩の一番右側の4級の課題のホールドを入念に掃除する。そして、A氏の模範演技。続いてB嬢、C嬢が取付く。

 この課題、結構力の要る課題である。ずっと、とっても4級とは思えないでいた課題であった。

 この白狐岩は「しろきつねいわ」というそうな。因みに、凹角は「ぼこかく」とのこと。これC嬢の説である。確かに、小生のFEPでは「びゃっこ」も「おうかく」もその読みではその漢字はでない。ボルダリングと同じく何とも情けないパソコンである。

 この4級の課題、なんとか登る事が出来た。それにしてもなんとなく情けない。

 ついに雨が降り出す。仕方が無いからまた少し小休止。そして、何とか登る場所を探る。

 A氏、玄関岩のガバハングを登る。大分悪いらしい。乾いていても小生にはなかなか登れない所を、A氏という人はやっぱりすごい人だった。

 水の詩岩の裏側というか横というか、の6級の課題に取付く。右手であんまり掛からない縦リスを持って、その上のリップを捕らえるという、左手の限定っぽい課題だが、これが、難しい。何しろ右手で耐えて足を上げる事が出来ないのだ。A氏は例によって幾つかのやり方で簡単に登るのだが、我々にはそのどれも出来ない。そこで、小生が、少しチョンボ臭く、右手のその甘い縦リスと左手オポジションで、右足を最初から高い所に上げてしまうムーブでなんとか登る。ところが、降りる時に、そこは滑るから気を付ける様にとの指示をもらい、気を付けた途端に滑って岩に尻餅を付いてしまった。

 A氏、玄関岩の裏側の正面フェースを登る。続いてカンテ。やっぱり濡れてるから悪いみたい。ついでだからと、小生その下のSDスタートのルーフのラインを教わる。4級である。この前一応登ってみたが、どうも上に上がりすぎたようだ。今度また教わったラインで登ってみよう。

 マミ岩に行ってみる。先のビデオ撮影をしていた3人組みが登っている。暫く待って、A氏がマミ岩右、3級の模範演技をする。小生は左の穴ポコからスタートしていたが、やっぱり、右手でスタートし、左の穴ポコを取るのが正しい3級らしい。真似して3回位やってみるが、スタートできない。仕方なく左の穴ポコでスタートする。ここはそのムーブで何回もやっているので、今回も出来た。

 雨が大分降ってきた。またまた小休止。でも、暫く止みそうにない。A氏が忍者返しで、忍者返し直上、子供忍者返し、とか、訳の分からないとんでもない事をやっている。皆集まってきて、ああだこうだ言い始める。そこでC嬢と一緒に、忍者返しの登り方を色々と教わる。出だしのホールドの持ち方も教わる。あのホールドは、中がガチャガチャしていていつもどう持てば良いのか触りながら迷うってしまうのだが、A氏は右手人差し指のジャミングだそうだ。真似をしてみたが、効いているという感覚はない。それがベストという感覚も無い。でも、手は一番落ち着く気はする。C嬢が次の手の取り方を教わる。A氏は我々が右足を置くスタンスに左足を置き次の左手を取りに行く。早速真似をしてみる。とってもじゃぁないけどそんな体勢ではホールドに手が届かない。そしたら、こうすれば良いとA氏は足ブラで次のホールドを取りに行く。つまり足を全く使わず手でぶる下がっただけで次のホールドを取る。こんなことの出来る人の真似なんかできる訳はないと改めて納得する。

 雨が少し小降りになったので、A氏が白狐岩の左のずんぐりした岩の7級を登る。この課題、やさしそうで結構難しい。B嬢、C嬢ともに登る。小生、川側の6級に挑戦。この前にやっと登れた課題だ。今回は足が思い出せず、やっぱりだめだった。

 もう既に2時だし、ここまで雨が降ればもうトラバースボルダーしかないと、トラバースボルダーに行く事にする。途中、一応遊歩道の上の汚い岩も見てみる。乾いていると思っていたら、左の方は濡れていないものの被った方はしみだで濡れていた。やっぱりチャートか。

 さすが、トラバースボルダーは湿ってはいても濡れてはいなかった。

 最後に皆で一斉にトラバースして本日の終わりとした。

 でも、なんか物足りなかったので、雨の日でも登れるという白妙の7mのルーフに行こうという事になる。他の人達はそのまま帰るという事で、結局、A氏とEさん、Fさん、それに相棒と小生の5人で行く事となった。

 白妙は氷川の奥の日原鍾乳洞への道の途中に有る石灰岩の岩場である。普通はルートの岩場として有名だが、我々はその前の河原にあるボルダーが目的である。

 バス停のすぐ前の吊橋の袂を河原に降りて、7mのルーフを見に行く。ところが、A氏の第一声は「下地がー」であった。つまり、沢が増水していたのである。普段は水のない所まで水が上がっていたのである。ルーフの中まで水浸しであった。仕方がないから、一応飛び石伝いにルーフの中に入り見学する。

 ルーフの天井はガバガバのホールドがいっぱい有る。一手一手はガバだからすごく易しいが、完全なルーフを延々と7mも行く事になるから、トータルでは1級になるとか。でも、今回はこのホールド群もびちゃびちゃに濡れていた。

 対岸の河原に人影が有る。やっぱりクライマーのようだ。河原の岩壁を見上げている。

 我々も吊橋を渡って対岸の河原に降りる。先客が垂壁のあるボルダーを触っていた。対岸からこのボルダーを見た時は結構難しそうな感じがしたのだが、近くで見ると、高さもそんなになく、そう悪そうでもなかった。

 白妙の岩場は雨が降っても登れるとの事だったが、やっぱりこう1週間も雨が降ったあとはしみだしで、下地は濡れていないのに、岩は濡れてしまっていた。

 先客のうちの一人がなんとなくネットのBBSに白妙に行くとの書き込みをしていた人ではないかという感じがしたので、聞いてみると、やっぱりその人だった。その人とはBBS上では何回もお話はしていたが、お会いするのは初めてだったので、一応ご挨拶をする。

 立ち話もなんだし、雨の中何時までも岸壁を見上げていても仕方がないと、皆で草々に引き上ることとする。すでに4時を回っていた。消防車と救急車がサイレンを鳴らしながら日原方面に登っていった。


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作成年月日 平成12年 6月18日
作 成 者 本庄 章