御岳ボルダーその10

2000年6月4日記
 前回御岳に一緒に行ったジムの仲間の一人A氏がまた御岳に行きたいとのことだったので、もう一人御岳に行きたいという女性B嬢を誘って、3人で御岳に行った。

 土曜日朝9時西船橋駅に集合。自動車で、湾岸から首都高、中央道を使い、八王子経由で御岳に行く。ディズニーランド、お台場、レインボーブリッジ、東京タワー、武道館、新宿副都心、おまけに府中競馬場と、まるで東京観光コースである。道は空いていた。

 11時半、御岳到着。玉堂美術館の上の駐車場に自動車を入れる。天気ははっきりしない。時々わずかな雨粒が落ちて来る。でも、空はこの前の時よりは暗くはない。

 なんか一人で駐車場に佇んで空を見上げている人がいる。なにしてるのかなぁと皆で話しつつ、支度を整えて出発しようと脇の自動車を見ると、その人がクライミングの道具を出している。彼もクライマーだったのか。それで天気を気にしていたのか。

 ひとまずとけたソフトクリーム岩辺りで遊ぼうと河原に降りて行く。小生以外はこの辺のボルダーは初めてだったので、一応案内をするという事でピンチオーバーハングの岩に行く。下は乾いていた。どうもここの所水量は少ない様だ。冬場でも最近はこの岩の下地は水がついていることが多かった。土曜日という事だけでは無い様だ。

 ウォーミングアップをということで、それぞれ左右の少し易しい所に取付く。だが、ここは被っているから、小生にはウォーミングアップにはならない。B嬢もどうも登る所が無い様だ。A氏だけが元気に登ってる。それぞれで、適当に岩を触っているうちに雨が降ってきた。

 先日の経験から、デッドエンドの岩は雨が降っても少しは遊べそうだったので、デッドエンドの岩に転進するか、忍者返しを見学してからトラバースボルダー辺りで遊ぶか迷ったが、やっぱり御岳は忍者返しだからと、忍者返しに行く事とする。

 途中御岳小橋たもと岩の私の家を見学。ルーフの下にコッヘルとかが置いてあり、なんとなく生活の臭いがした。なんか余り雰囲気は良くない。最近はこの課題にもチョークが付くようになったようだ。

 内緒のルートを使って忍者返しの岩へ。このルートは別に内緒ではないが、まっ、ここでは内緒。

 ボルダー観光も兼ねるということもあって、マミ岩、水の詩岩を見学しつつ、忍者返しの岩へ。先客が一人いた。その人もプッシャーのゾーンを使っていた。小生の分とB嬢の真新しい分とで都合3つのゾーンがそろった。やっぱりこのマット、薄いくせに結構人気が有るようだ。

 先客の分と小生の分の2枚のゾーンを忍者返しの下にセットする。

 忍者返しに取付いてみるが1手目が出ない。やっぱり疲れが抜けていないみたいだ。先週の土曜日に御岳に来て、その翌日の日曜日にはいつもの相棒を連れてクライミングジムへ行った。そして、火曜日と木曜日に何時ものジムに行って、今回の御岳である。土日と続けた後、1日置きのボルダリングであった。その為か、火曜、木曜と、どうも調子が出ず、疲れが抜けないなと感じていた所だった。やっぱり程々にというのが年寄りのボルダリングの鉄則なのかも知れない。

 A氏も忍者返しに取付いたが、1手がやっと取れるか取れないかという所で草々に退散する。

 白狐岩、その横の岩と、各人が自分で選んだそれぞれの課題に取付く。小生、マントライクを岩に乗らずに地面からスタートする。でも、この課題3級ってことだけど、なんか限定でも有るんだろうか。

 また雨が降り出す。忍者返しの岩の下に皆して避難する。今回は結構長く降る。忍者返しの岩も大分濡れる。暫く景色を見たりお話したり、昼食を摂ったりしながら雨宿りをしていたが、ただ雨宿りをしていても仕方が無いからと、少し小降りになった所でトラバースボルダーに移動する。想像した通り岩は濡れてはいなかった。

 A氏が右から左へトラバースを試みる。ホールド、スタンスはガバガバという感じだが、少し被っているので、結構きつい。それに所々難しい所が出てくる。また、通しでやると長いので、それなりに厳しい。小生には通しではとっても出来ない。A氏も何回か試みたが、3/4位の所の核心部と思しきところが越えられない。小生は、彼の真似をしたので、核心部手前迄ムーブだけは何とか繋がった。B嬢も、小生と同じく細切れに取付いていた。その後、A氏は結局最後まで核心部を越えられず諦めた。気が付くと雨は止んでいた。

 日本で一番早く乾く岩と言われているらしい、とけたソフトクリーム岩なら登れるだろうと、そちらに行く事にする。

 今回は御岳ボルダー観光も大きな目的とするしかないという事で、命ください岩、鵜の瀬岩にも寄って行く事にする。命ください岩は、正面だけ乾いていたので登ってみる事にする。しかし、正面の課題の上の方に3匹の毛虫がいたので木の枯れ枝で取り除く。すごく小さなムカデ様の虫までいたが、その虫は自分でどっかに行ってしまった。そんんこともあってか、またなんとなく湿っているためか、うまく登れない。小生は最初のスタンスが滑ってだめだった。A氏も何回となく試みたがあと一歩で登れず、悔しがっていた。トラバースとともに次の課題とすることにした。一手課題って、登れないと結構悔しい者である。

 とけたソフトクリーム岩は完全に乾いていた。先ずはレイバック様のアンダーという課題、その横のマントル気味の課題などを登る。しかし、A氏、B嬢とも最初はうまく登れない様だった。A氏の方はすぐに両方登ったが、B嬢の方はマントル気味の課題が難しい様だった。

 A氏とこの岩の一番易しい3級という事で、凹角の右側に或る3級の課題も登ってみる。小生は過去に何回か登っているのだが、久し振りだったからか、疲れていたからか、登れない。彼も、なかなか登れないでいる。3回か4回挑戦してやっと登った。何時もの分厚いマットではなかったから、結構恐かった。その後彼も登った。

 続いて、凹角右の課題を右側に出るムーブで試みる。こうすると3級位らしい。小生、やっぱりなかなか出来ない。小生、やっぱり今日は絶不調の様だ。それでも、4回目か5回目でやっと登る。こっちもすごく恐かった。彼もやっと登る。やっぱり恐かったらしい。彼の場合、掌を指を下に向けて岩に押し付け身体を上げるムーブが苦手らしい。従って、この岩のマントルがすごく難しくなっているようだ。小生よりも相当に苦労して登っていた。

 裏の9級とか7級の課題をB嬢も含めて登ってみる。小生、登れる事は登れたが、なんかぎこちなく少し恐かった。

 A氏、B嬢とも、外は余り経験が無いとのことだったので、やっぱりとけたソフトクリーム岩の様なすべすべの岩は苦手のようだった。小生のように、膝を使ったりとか、ひどい時にはほっぺたを岩にこすり付けてしまったりとか、大いにチョンボ臭いムーブは使わず、オーソドックスなムーブでこなすから、余計に難しい様だった。

 6時も回ったので、先日も寄った御嶽駅前の中華料理屋で御岳ラーメンを食べて帰った。帰りも道は空いていた。


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作成年月日 平成12年 6月 4日
作 成 者 本庄 章