南東北ボルダー巡り

2001年 4月30日記

 連休の前半、相棒と2人で、福島、宮城のボルダーを巡る旅に出た。

 最初は宮城は七ヶ宿の傾城森から福島大日岩、いわき丑の倉の順に行くつもりであったが、3日目が雨の予報だったので、確実にボルダーの有る丑の倉、大日岩をメインに、余裕が有れば傾城森迄足を伸ばすこととして、先ずはいわき丑の倉を目指す。

 朝5時に出発。土浦桜から常磐道に乗る。朝も早かったので、渋滞はない。

 いわき中央インターで降り、地図を頼りに丑の倉の岩場まで。しかし、岩場に入る道の入口がわからない。適当に検討を付けて脇道に入るが、地図の神社が見つからない。と言うよりも、やたらと鳥居が有る。どれが目的の神社の鳥居かわからない。地図にない道もたくさんある。

 それらしい道を行ったり来たりしていると、どうもおんなじ道を行ったり来たりしている様だ。そうこうするうちに、地図に書かれたと思しき竹林と鳥居が現れる。しかし、どうも自信が持てない。

 多分3回以上はすれ違ったであろう犬を連れたおじさんにこの近くに大きな岩が無いか聞くと、大日岩のことかと聞く。岩登りをする岩として有名な様だ。こんなことならもっと早く聞いておけばよかった。

 砂利道を少し進むと左側にボルダーが現れた。多分登竜門ロックであろう。因みに9時半、いわき中央インターから1時間もかかってしまった。

 車を道端に停め、支度をする。天気が良く暖かいのでTシャツにする。

 先ずはここのメインであるハーフドームに行くことにする。作業道を少し登ると程なくハーフドームの前の広場に出た。

 手前がクォータードームである。この岩には人工のホールドが5個位付いている。自然の岩に人工ホールドが付けられているところが有ると聞いたことは有るが、見るのは初めてである。

 マットを広げ、ストレッチをする。相棒は朝が早かったせいかハーフドームの岩の前の岩の上で寝ている。

 話の種にと、人工ホールドのJ.Cウォーミング・アップ用トラバース課題に取り付く。5.11-らしい。足が無いので結構きつい。結局完登ならず。この岩は5mと高い。カンテを何個所か触るが登れそうに無い。裏に回ると、自然石をボルトで止めたホールドとチョップドホールドのハンド・メイド・フェイスという課題がある。5.10+となっているが、とても登れない。

 蛙岩を偵察する。庇のような岩で、ハング・マントルの課題がいくつか有るらしい。多分かんがえるという5.9のマントルの課題らしい所を登る。出だしを一瞬考えたから多分かんがえるだろう。

 荷物を持って登竜門に戻る。この岩も5mと高い。クラックが何本か走るフェースがある。トラバースの課題も有るらしい。

 先ずは、斜めのカンテのマントルを試みる。易しい。易しすぎる。その隣のクラックを使って登ってみる。2手ぐらいでカンテが取れてしまう。そのカンテは使いたくなかったのだが、結局掴んでしまった。

 右のフェースに移る。このフェースには2本のクラックが走っている。左のクラックの左のカチカチのフェースに触る。リップ1歩手前迄行くが、最後が取れない。3回、4回、少し高いから少し恐かったが、何とか登る。その右のクラックを使って登る。出だしが難しい。何とか出たら、今度はクラックが持てない。

 そのクラックから雨蛙が顔を出す。困った。クラックが使えない。相棒が上からこの蛙をビデオで撮影する。写っているのかなぁ。

 蛙がいなくなったので、再び挑戦する。ここも3回、4回目にやっと登る。

 林道を結構車が走る。この岩の前に車を停めて何かを取りに行く人もいる。でも、クライマーは来ない。

 ファイナルロックを見に行く。ポケット・フェイスやハング・マントルがあるらしい。ポケット・フェイスらしいフェイスを触るが、出られない。何通りか試すができない。この岩は難しい。

 そろそろ昼近くなったし、結構遊んだので、ここはおしまいにする。

 今日は大日泊りにすることにして、大日岩に移動する。

 いわき中央インターから常磐道に乗り、磐越自動車道を通って二本松まで行く。時間もありそうだから下の道を行くことを考えたが、出来れば明るいうちに大日岩に行きたかったので、高速を使うことにした。

 常磐道に乗ると、磐越道が20km程渋滞していると掲示板に表示されている。これは困った。でもひとまずは最初のインターまで行かなければ。

 しばらく進み、最初のインターに近づくと、渋滞は大幅に短縮されたと掲示されている。そのままインターを降りず、差塩パーキングに入る。むちゃくちゃ空いている。これがここ本来の姿であろう。

 家から用意してきたおにぎりで昼食を取る。連休とは思えないのんびりした休日である。

 大日岩は少し迷ったが、14時40分ころ到着。意外と早く着いた。

 写真で見た岩を確認する。2つはすぐに分かったが、四角い壁が分からない。

 岩小屋岩で少し遊ぶ。インターネットで紹介されていた課題は難しすぎて4級の課題すら歯が立たない。でも、限定無しに勝手に遊ぶ。だから、一応何個所か登る。相棒も易しいところを登る。

 ここは日当たりが良く暑い。誰もいないし、誰も見ている人がいないから、上半身裸になる。

 あちこち少し歩き回る。対岸に渡ろうと偵察するが、簡単に渡れそうな所はない。大日岩のハングの下の壁を見ると、見つからなかった四角い岩が見える。近くに行って確認すると、間違いない。

 下が岩で、段差があるし、終了点からは飛び降りなければならない。マットを持ってくる。

 4級のトラバースの課題を試す。1回落ちたが、2回目には出来た。でも、3級の右カンテはできない。クラックを使って登ってみる。易しそうに見えたが、易しくはない。

 下の岩小屋岩の右のスラブの岩を登ってみる。意外に易しい。今度はその右のラインを登ってみる。こっちも難しくない。相棒も登る。でも、相棒には無理の様だ。

 5時を回った。ここで泊るにはハング下に泊ることになるのだが、あまり良い場所はない。他に快適な場所も見付からない。どうせ夕食を食べに町に出なければならないから、いっそ次の目的地の七ヶ宿に行ってしまうことにする。

 二本松インターで高速に乗って、国見インターで降りれば早いのだが、その間40km位しかないし、途中福島を通るので、国道4号を行くことにする。

 途中、国道の側の中華飯店で夕食にする。ここは阿武隈川の辺にあり、窓から阿武隈川が良く見える景色のよいところだ。

 国見インターの所から七ヶ宿ダムに向かう道に入り、傾城森を目指す。しかし、既に暗い。景色が良く見えない。走っている道が目的の道なのかどうかがわかり難い。

 どうやらダムを過ぎ、ダムサイトを走っているらしい。前方にやけに明るい所が見えてくる。近付くと七ヶ宿公園だったかの公園である。

 一応入って偵察する。広い。外灯が煌煌と点きすごく明るい。駐車場も広い。駐車場の先にも道が続いているので、さらに進むとその先に少し小さい駐車場があった。

 この公園を過ぎればもうすぐ傾城森だ。

 傾城森の駐車場に到着。しかし、この駐車場は砂利敷きである。テントを張るには道のすぐ側だし、あまり環境が良いとは言えないので、さっきの公園まで戻ることにする。

 小さい方の駐車場で泊。

 朝起きると、天気はまぁまぁだ。近くにトイレも有る。水道も完備している。東屋で朝食。でも、本当はこの公園でのキャンプは禁止らしい。まぁ、われわれはキャンプではなくビバークということにしておこう。

 傾城森に移動。良く見るとしたにも駐車スペースがある。草地もある。ここでもテントを張れたようだ。

 吊り橋を渡って、急な崖を降りると河原にでる。トポのボルダーを偵察する。結構大きい。でも、なんかあまり面白そうではない。川に面する方は少し被っているのだが、ホールドはあまり無い。小生には無理だ。高さも有るし。

 下流面という岩の一太郎というルートがピンが3つで、10aというグレードだし、ぎりぎりフリーソロ出来そうなので、マットを持ってきて取り付いてみる。

 ホールドは基本的にはガバである。垂壁を少し左に向かって登り、ハングの下で右に行って、ハングを乗っ越すらしい。ホールドは少し遠い感じはするが、ハングの下まで行き、右手でガバを取ってマントルの所まで行く。左足をリップに上げてマントルなのだが、被っているから、足がなくなる。足ブラでマントルをすれば、この課題は終わるのだが、既に5〜6m位上っている。マットは左に外れている。落ちるわけには行かない。

 手を探すが、左手はちょうどよいホールドが無い。思い切って左足に乗り込めない。足ブラになれない。手もパンプしはじめている。仕方が無い。降りるしかない。下にマットのある所までクライムダウンする。マットめがけて飛び降りる。

 手は完全にパンプしている。仕方が無いから少し休む。ボルダーに戻って、下流の面の傾斜の緩いスラブチックな苔々のフェースを登ってみる。易しいけど高いから恐い。何とか登る。上にはピンが2個所に打たれていた。

 再び下流面に戻り、一太郎を触ってみる。ぬめる。まだ腕のパンプが納まっていない。ここは無理と諦める。

 8時過ぎにここに来て既に10時過ぎになっている。2時間は遊んだ様だ。他に遊ぶ所もないし帰ることにする。

 ダムサイトの道の駅に寄る。湖面からなにやら水柱が立っている。巨大な噴水らしい。最近はこんなこともやるんだ。

 こごみやうど等、山菜をたくさん売っている。岩魚やヤマメ焼きも売っている。でもすごく高い。多分相当高いと思う。いちごのソフトクリームを食べる。こっちは高くない。だからかどうかは知らないが、ほとんどの人がソフトクリームを食べている。

 昨日通った道を戻る。途中材木岩という所に寄る。材木岩公園という公園になっている。人がいっぱいいる。駐車場もほぼ満杯である。

 材木岩とは柱状節理のことである。相当に高い岸壁を形成している。

 この公園でボルダーを発見。相棒が登ってみる。少しハング気味のボルダーだが多分相当に手強そうだ。

 虎岩公園という公園も有るらしいので、その公園にも寄る。こっちの公園は駐車場には車が1台しかいない。まったく空いている。この駐車場から少し歩いて展望台に行く。でも、どれが虎岩なのかわからない。せっかく岩を見に来たのに。

 国見から、昨夜夕食を食べた所まで戻る。そこにはやすいガソリンスタンドが有ったのだ。普通は110円以上のハイオクがここのガソリンスタンドでは104円であった。

 ここからは、福島県の阿武隈山地を抜けてゆく399号線を通っていわきまで行くことにした。なぜって、せっかく福島まで来たのだから。

 この399号は市長村道よりも狭い国道である。所々広くなってはいるのだが、山に入るとすれ違いができないくらい狭い所が出てくる。それに、1本で真っ直ぐには走ってはいない。ぶつかっちゃ曲がりぶつかっちゃ曲がりしている。この道を夜に走ったらいわきまで行けなかったかも知れない。そんな道である。

 飯館村の長泥という所の比曽川という川に掛かる長泥橋という橋を渡っていると、右側の畑の中に格好のよいボルダーを発見する。少し行き過ぎたが、即座に戻り偵察する。

 高さは3m位。上が平らな大きなボルダーである。多分花崗岩である。正面に長い丸太と短い丸太を立てかけ、足場として登れるように置いて有る。誰しもこういう岩を見ると登りたくなるのであろう。ボルダリングとはそういう行為なのだ。

 右のカンテの左を登ってみる。登れる。右も登ってみる。右も登れる。丸太の有る正面も登ってみる。正面の真ん中辺には細いレッジが走っている。ここを使ってマントルしてみる。出来た。その先はリップにマントルだ。さしずめダブルマントルである。

 この岩の右に真ん丸の小さな岩が有る。1.5m位だろう。手はパーミングでマントルである。そこそこに易しくそこそこに難しい。相棒にはちょうどよい岩だ。30分位も遊んだだろうか。

 このあたりは山の中に花崗岩のボルダーが結構ごろごろしている様だ。あちこちに岩が転がっている。本気で探せば、結構ボルダーは有るようだ。このうちの一つでも千葉に有ればなぁ。

 いわきに近付くと山が深くなってきた様だ。それまではほとんど人家の無いところはなかったのだが、しばらく人家がなくなった。やっと山道を走っているという感じになった。

 いわきに入ると既に暗くなっていた。ここから千葉迄は約3時間の道のりである。


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作成年月日 平成13年 4月30日
作 成 者 本庄 章