南東北のシークレットエリア巡りその2

   南東北春のボルダーめぐり第一段目
2005年 5月27日記
 連休の後半は、前半の中国地方に続けて、東北である。

 連休の5日、先に東北に出かけている仲間の後半の行動を電話で問い合わせる。仲間もなかなか具体的な行動は決まらないらしい。

 5日は朝から出かけ、その後落ち合う場所を決める予定だったのだが、出るのがだんだん億劫になり、結局は夕飯も済ませた夜の9時過ぎに家を出発する。今回も相棒と二人である。

 出発直後の仲間との連絡で、落ち合う場所は丸森町の不動尊キャンプ場の駐車場と決まったので、丸森町を目指すこととなった。

 途中どこかで寝なければならないし、あんまり遅くもなれないからと、首都高から東北道に乗ることにする。

 連休の谷間だし、時間も時間だから、道は空いている。

 12時前に上河内サービスエリアに到着するが、高速最後のパーキング迄走ろうと、吾妻パーキングまで行くことにする。このパーキングは例のスピード体感コーナーのあるパーキングだ。

 朝6時頃、吾妻パーキングで目を覚ます。見ると、いつも入れている銘柄のガソリンスタンドが営業している。あれぇー。事前にサービスエリアでくれる地図で各サービスエリアなどのガソリンスタンドの銘柄を調べたのだが、小生がいつも入れている銘柄は東北道には無かったはずなのだが。再度地図を見直したら、地図が古くて、合併前の昔の銘柄のマークが載っていたので、勘違いをしてしまっていたらしい。その目で地図を見直したら、東北道にもいっぱいそのスタンドはあった。って、この地図、何時の地図だろう。相当に古い地図のようだ。何時ものカードを使って、ガソリンを満タンにしてもらう。

 程なく、国見インターで高速を降り、阿武隈川沿いの道を丸森町に向かう。途中、再び仲間と連絡を取ったら、丸森10時半頃だというので、我々は大分早い到着となりそうだ。

 見たことのあるキャンプ場の駐車場に到着したのだが、その手前の不動岩の脇の駐車スペースの方が気持ちが良さそうだし、そこよりは目立ちそうだったので、そのまま不動岩の横の駐車スペースに移動する。

 まだ7時半である。10時半頃ということだから、まだ3時間ほど時間がある。この不動岩の下には手ごろなボルダーが一つあるので、そこででも遊ぶか。でも、なんだかやる気が起こらなかったから、デジカメを持って、その石と、川原の適当な石の写真を撮ってきた。前回来たときの写真は全部パーにしてしまっていたのだ。

 その行動にそんなに時間はかからない。朝も早かったしと、そのまま二人で自動車の中で寝てしまった。

 10時ちょっと過ぎに目を覚ます。そろそろ来そうだ。その前にトイレに行かなければ。確か国民宿舎あぶくま荘の前辺りの公園の駐車場にトイレがあったはずだと行ってみたら、間違いなく洒落たトイレがあった。

 程なく仲間とそのお友達が現れる。自動車は4台である。で、6人だったか。お友達は前回お世話になった人たちと、関東からの一人である。

 後続の人たちが不動岩をちょっと見学しに行った後、出発する。

 以前、この丸森の岩場のボルダーを少しだけ触ったことがあったが、そのルートの岩場付近のボルダーを触りに行くのだとばっかり思っていたのだが、既知の岩場とは違う場所のボルダーだった。

 林道の横に一つだけ少し大きめのボルダーが転がっている。その少し奥には東北一の難しいマントルの課題のある石があるらしいのだが、そちらには皆さん目もくれない。

 先ずはその岩の側壁辺りでアップ後、仙台勢に促されて、関東の二人組が正面のプロジェクトらしいところを触りだす。

 足元が被っているが、上はやや寝ている。しかし、ホールドらしいところは殆どない。唯一スタートホールドとなる、僅かな窪みと、その左上の細長いやはり僅かな窪み、そして、その右手上の僅かなポケットのみの様に見える。離陸すら難しいようだ。

 各人が色々なムーブを試し、一人が、スタートホールドへのヒールフックを発見する。しかし、そのフックが極端に難しいらしい。角度とか深さとか、微妙に悪いらしい。

 そんな中、一人がそのヒールに成功し、右上のポケットを取ることに成功する。

 ギャラリー、できるんだ!! 妙に納得していた。

 小生もそのホールドを触ってみた。なんか、指先のふくらみが引っかかる気はするが。

 結局、登れたのはその人一人。

 小生はというと、そんな高難度なセッションに加わることは出来ないから、彼らがアップしていた側壁で少し遊んでみる。

 先ずは、右側の壁。なんだかホールドが持ちにくい。右による。駄目か。左による。やっぱり駄目か。足を探す。これかな。持ちにくいけど、この手で行くか。

 離陸する。手を伸ばす。ホールドが無い。岩肌を撫でまわす。これか。ちょっと悪いけど仕方がないか。足を上げる。よし乗った。次はリップか。よしガバだ。ってな感じかな。

 今度は左側の壁だ。

 左側の左の方はガバがいっぱいある。でも、なんだか方向が悪い。案の定離陸で落ちる。

 下には石が出ている。それをうまいこと跨いで落ちる。まぁ、この辺が楽しいところだ。

 今度は気を引き締めて上に抜ける。

 その直ぐ右の壁が面白そうに見える。僅かに難しくなるらしい。下には石も出ているし。

 ホールドが斜めである。スタートの足は左のガバだが、位置が悪い。そのスタートホールドがあまりよくないから持ちきれない。3回、4回と落ちる。その都度、身体が半分回わされながら、それでも石を避けながら落ちてくる。下地は傾斜しているから、そのままバランスを崩してよろけながら着地する。見た目は相当に危なっかしく見えただろう。でも、本人には計算済み?

 それでも何とか力でねじ伏せ、少し地ジャンぽく離陸して、右足を思いっきりカチスタンスに無理やり上げ、上に抜ける。

 離陸地点に戻って、なんだか納得が出来なかったから、スタティックに離陸する術を探ってみる。

 何気なく、斜めのスタートホールドを半身で持ち、そのまま足の外エッジで立ってみた。簡単に立てる。静かに立てる。右足を上げてみた。左半身を石にくっつけているから、あれほど苦労した右足の高い位置のスタンスに何の苦労も無く右足を乗せることが出来た。なんだ、易しいじゃん。2グレードは下がる感覚だ。当然そのまま上に抜けた。

 この壁の右のカンテを右に回りこんで、太鼓の様によく響く音のする薄いフレークを使ってトラバース気味に登る課題を連れの人達がやっていたのだが、カンテを回り込むことが小生には出来なかった。

 その石も一通り登ったからと、林道の反対側の斜面にある石に移動することになった。

 連れの人達が先に移動してしまって、小生は少し遅れてしまったので、少し迷いかけたが、何とか次の石に辿り着く。

 お結びみたいな石を半分に割ったような、一面が綺麗な割面になっている石である。その割面を登るのがやはりプロジェクトになっているらしい。当然二人組がそこを触りだす。

 小生は、仲間の一人が触っていたその裏側のスラブ面を触って見る。ホールド、スタンス、殆ど無い。まぁ、スタンスは有るといえばあるが、その上のホールドは殆ど無い。傾斜も微妙な傾斜だから、小生にはホールド無しには石に留ることは出来ない。

 その左側のカンテが登れそうだったから、そのカンテを登ってみた。まぁ、落ちることは無かったから、易しかったのだろう。疲れたけど。

 一人のおじさんが現れる。以前お会いしたことのある、連れの方達のお仲間である。昼御飯を食べに来たのだとか。チョークバックまで持って。直ぐ近くでお仕事をされているということだったが、それにしてもねぇ。

 二人組はというと、ホールドが指に刺さるとか言いながら、前進はしているらしい。裏だから小生にはわからなかったが。

 スラブ面の右側がまあるく膨らんだスベスベの玉葱のような格好の面になっていて、そこの左上のほうに大きなポケットがあるのだが、そのポケットに地ジャンで飛びつきマントルを返すという課題が設定されていて、そこが面白いと連れの人達が勧めてくれる。

 やってみたら、ポケットに留ることが出来ない。ポケットといっても、そのリップはスベスベノスローパーなのだ。

 連れの一人がやってみせてくれたので、それを真似してやってみたのだが、なかなか成功しない。でもしつこくやったら、やっと留るようになった。しかし、そのスローパーでまん丸のリップに足を上げることが出来ない。体が硬いし、ホールドに耐えられないからだ。二つも出来ない原因があるから、諦めざるを得ない。でも、その後も未練たらしくポケットに留れなくなるまで何回もやってしまった。

 二人組の一人がプロジェクトを登ったらしい。さすが花崗岩スペシャリストだ。指ももげなかったらしい。

 その割面の左側のカンテが登れそうだと、取り付いてみた。しかし、スタート時のカンテは垂直である。離陸すると剥がされてカンテを持っていられなくなる。同じことを何回かやっていたら、関東からの人がスタートのスタンスとホールドを教えてくれた。

 左側のちょっとしたスタンスと、腰の辺りに斜めに走るちょっとしたクラック様の細く浅い溝である。そのクラックのホールドで身体の開きを止めることができる。なるほど。

 離陸が出来れば足を整え、手を上げて行く。カンテはだんだん寝てくるから、持ちやすくもなってもくる。スタートで持った溝は格好のスタンスになる。カンテに足をフックするとより安定する。上のほうではカンテにスタンスが出てくるから、そのスタンスに乗り込む。石の天辺を掴む。折角だから、一度完全に割面に身体を戻し、一番高いところでマントルする。

 先に小生が触っていたポケット地ジャンの課題を割面のプロジェクトを登った人がポケット無で登ってしまう。唖然。

 やはり小生が先に触っていたスラブを他の人たちも触りだす。

 下のほうの溝をうまく使って、身体を上げ、最後はランジ気味のデッドでリップを取る。そんなムーブである。

 ずっとプロジェクトをやっていた関東からの人は、疲れていたのか、最初のリップを掴み切れずに落ちてしまった。リップも掴む場所があったようだ。

 何時頃まで遊んだのだろうか、二つの石で結構遊んだので、そろそろ引き上げる事になる。

 次は展示場に行くという。展示場?

 ゴチョゴチョ走って、ゴチョゴチョ曲がって、自動車が停まった。

 仲間が歩き出すから、ついていったら、道路わきにボルダーがゴロゴロ展示されている。

 展示場って、ボルダーの展示場? 奥に行くと、少し大きなボルダーも展示されている。スペースを稼ぐためか、ボルダーとボルダーの間は殆ど無い。小さなボルダーは重ねられたりもしている。

 少し小振りだが、まん丸なボルダーが幾つあるのだろうか。数えるのも億劫なくらい並べられている。将に展示場だ。

 仲間が奥の少し目立つ少し大き目のボルダーを触り始める。少し脆い石らしい。確かに最近剥がれたような跡が何箇所か見える。

 その石は少し高いから、小生はその石の脇の小さな石を触ってみる。

 まん丸だから、足が無い。手も無い。チンケな石だが登れない。隣の石を触る。こちらはホールドらしきものがあったから、辛うじて登れた。

 少し離れたところに丸くない、山型の石を見つける。あれなら登れるだろう。

 行って見たら、すごく簡単だった。

 連れの人たちは、端から全ての石を登るという、そういうゲームも出来そうだと言っていたが、それがどうして、なかなか手ごわい岩も多いから、全て制覇するには相当の技量を要しそうだ。

 ここはお遊びということだから、適当で切り上げ、仙台に向かう。前回ご厄介になった方の家にまたしても、今度は相棒付きでご厄介になることにさせていただいてしまった。

 復活なった仙台牛タンを食べて、北バイパスだかなんだかの新しい道の近くの空いているスーパー銭湯に寄ってから、お邪魔した。


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作成年月日 平成17年 5月27日
作 成 者 本庄 章