丸森に行ってきました

2001年 7月 2日記

 土曜日に相棒と二人で、日曜日に福島県の原町と言う所に用事があったので、序と言う事で、宮城県の丸森町のボルダーの偵察に行って来た。

 土曜日は朝7時前に出発。いつものように筑波から常磐道に乗り、盤越道から東北道に入り国見インターまで行く。

 今日土曜日の天気予報は、北関東は雨だが、これから行く宮城は、昼間は曇り、夜から雨というものである。常磐道では僅かに雨が降っている。しかし、道路が濡れる程ではない。ワイパーも時々動かす程度である。

 途中、前回体験した、スピード体感コーナーを相棒にも体感させるべく、吾妻パーキングエリアに寄る。ここまで来ると雨は止んでいた。

 既に12時を過ぎていたので、しばしスピードを体感した後、昼食にする。メニューは月替りメニューの牛タン定食。まあまあである。

 前回と同じく国見インターで降り、国道4号及び349号を使って、前回とは反対方向の丸森町を目指す。

 途中から349号は阿武隈川左岸沿いに走る。相変わらず川の水は茶色く濁っている。この川はいつもこんな色をしているのだろうか。それ程増水している様子もないのだが。

 丸森の市街に入るのに阿武隈川に掛かる橋を右折して渡らなければならない信号の無い十字路を直進してしまい、途中から引き返すハプニングもあったが、無事丸森町に到着。それにしても、あんな大きな交差点に信号が無いとは。そして、それまでに幾つか有った国民宿舎あっぶくま荘への案内板が見当たらなかったとは。単に見落としただけかもしれないが。

 丸森の市街を抜け、少し細くなった道をあぶくま荘迄の案内板を頼りに進む。

 岩場はこのあぶくま荘がある辺りの山の中に散在しているらしいので、先ずはこの国民宿舎を確認する事にする。

 相変わらず空はどんよりと曇っている。時間は既に2時を廻っている。

 あぶくま荘の近くの農産物直売所に寄る。沢庵の酢漬け、と青豆を買う。観光客らしい人達も何人かいる。やっぱり観光地のようだ。

 近くに不動尊公園キャンプ場と言う所があって、そこにテントを張る予定なので、雨が降らない内にテントを張る事にする。

 このキャンプ場はまだ出来て日が浅いらしく、非常にきれいな気持ちの良いキャンプ場である。既に駐車場はほぼ満杯状態である。

 受付を済ませ、聞くと、駐車場は我々が置いたすぐ上に未舗装の大きな駐車場が有るらしい。それならば、車で出歩いても安心である。実は帰って来て駐車場が無かったらどうしようかと本気で心配していたのだった。

 リヤカーで荷物を運ぶ途中、デイキャンプらしい一団がいる。

 沢を渡ってテントサイトに行く。

 テントサイトは、林の中に1サイト毎に区切られ、古電柱を使ってきれいに盛り砂がして有る。ざっと見渡しても誰もテントは張っていない。テントは我々だけのようだ。

 このテントサイトの小川を挟んだ山側にはきれいなコテージが並んでいる。他の人達はそちらを利用しているのであろう。

 最初はこのキャンプ場のすぐ近くの不動岩という登攀禁止の岩の隣に有るらしい大岩に行って見る事にする。そこには4本位の6〜4級位までの課題が設定されているらしい。すぐ近くらしいので歩く。

 不動岩は道路のすぐ脇らしく、来る時に確認しながら来たのだが、結局わからなかったので、道端では無いであろうと検討をつけ、野鳥の森とかに行く小道に入る。道路は内川という沢沿いに走っているので、この小道はその内川に降りて行き、橋を渡るように付いている。

 案内文では公園の赤い橋の脇に大岩が有るとなっているが、その橋はクリーム色である。しかし、その小道の脇の少し奥に少し大きなボルダーが見える。草むらの踏み跡を辿って行って見ると、どうやらその岩が大岩らしい。川側には「どスラブ」も有るし、その裏側のハングにはチョーク跡もある。その横には大きな高い岩が有り、登攀禁止と書いた立て札もある。

 荷物を置いて岩を偵察する。不動岩側は下半分が結構被っており案内文の様にマントルの課題が有りそうだ。ガバホールドにはチョークも着いている。しかし、下地は岩が出ており、良くはない。おまけに下地全般が湿っている。水が溜まって濡れている所もある。リップも傾斜が有り、マントルも悪そうだ。とても4〜5級とは思えない。

 そのハングの右の上流側の壁はほぼ垂壁で、ホールドもスタンスもそこそこ有る。川側は傾斜の緩いスラブになっている。

 飛び降りるには、そこそこ高い岩なので、先ずは下降路を探す。しかし、良い所がみつからない。スラブは一応6級となっているし、高くて、下1m位が切れているので、降りるのはいやだ。

 上流側の垂壁を探る。

 下部は易しいが、その上が結構傾斜の有るスラブになっており、登るのも少し恐いから、降りるのは無理だ。

 結局下降路が見つからないので、登る事は諦める。

 スラブを途中まで登ったり、マントルを足を上げる所までやって見たりして、少し写真を撮る。

 次は車に戻って、これも道路の駐車スペースのすぐ脇に有るらしい茜岩を探す。

 車で走りながら、案内図の駐車スペースらしきものを探す。

 この辺の道は狭く、所々に待避所が設けられている。その待避所と駐車スペースの区別がわかり難い。通り過ぎてからあそこが駐車スペースかと解る事もしばしばである。駐車スペースが草付きの一寸したスペースだったりすると尚更である。

 結局、茜岩はわからず、カマネコ岩の取り付きの道を発見する。そこにはカマネコ岩と書いた小さな名札様の物が木にかけられているので、はっきりとわかった。

 カマネコ岩までは15分位らしい。行って見る事にする。

 途中、林の中に沢山のボルダーが存在する。大半は傾斜が無かったり、小さかったりだが、中に手頃な高さの手頃な面を持ったボルダーがある。

 その一つに近寄って岩を触る。やっぱり花崗岩だから表面はざらざらでジャリジャリしている。しかし、脆くはなさそうだ。結晶もそんなに大きくはないし、磨けば十分に登れるだろう。

 ワイヤーブラシ等は持って来てはいないから、そのままの状態で登って見る。ノークリーニングの初見だから当然難しいのは登れない。7〜8級、せいぜい6級止りである。

 少し高いが、ガバホールドがいっぱい有りそうなボルダーを見つける。傍に行って岩に触る。登れそうなので登って見る。カンテのフリクションが使いたい所だが、掃除をしていないからざらついて滑って使えない。リップに少しデッド気味に手を飛ばす。

 いつしか雨が降り出したようだ。しかし、林の中だから、まだ、岩は濡れてはいない。

 きれいな垂壁を持ったボルダーを発見する。

 左よりのところにフレークが走り、カンテに少し甘いが縦ホールドがある。

 そのフレークを使って登って見る。最初は垂壁だけで行こうとしたが、途中でフレークが無くなり、ホールドも乏しくなる。降りる。

 下には木が生えていたりするので飛び降りる事は出来ない。クライムダウンする。今度はカンテを使って見る。スタンスが滑る。カンテにフックをする。少し遠いカンテが取れる。マントルを返し抜ける。

 降りて来て、今度はマントルを返した所からもう少しリップをトラバースし、壁の真ん中をマントルする所を写真に納める。

 少し小さなボルダーを見つけ、カンテを使って登って見る。バランスが悪く、少し難しい。でも、低いから少し思い切ってホールドが取れる。

 と、そんなことをやりながらカマネコ岩への踏み跡を登って行くと、程なくカマネコ岩の基部に出る。

 雨は結構降っている。

 ここの岩は、全体的にそれ程大きくない岩が多く、大きな岩場でも、一つの岩が一枚の岩壁を作っている所は少ない。小さな岩が幾つか積み重なって大きな岩壁を形成している、そんな壁が多いようだ。だから、適当な大きさのボルダーが林の中の斜面にごろごろしている。多分この辺の山の中一帯にその様なボルダーが腐るほど点在しているのだろう。

 しばしカマネコ岩を見学し、写真を撮って帰路につく。

 途中小さいが被った面を持つボルダーを発見する。リップは苔苔だが、SDスタートに丁度良いホールドも有る。リップを磨けば、そこからリップへのデッドの課題が出来そうだ。触って見る。

 スタートホールドは悪い。足も悪い。そこからリップへのデッドの1手だが、小生には出来そうにない。従って、リップの苔は剥がさなかったが、出来れば楽しいそうだなと思った。掃除をすれば、間違いなく小生の面白くないシリーズの傑作にはなるであろう。

 車に戻り、ストロベリーフィールドを探す。ここは道の駐車スペースからすぐらしい。

 来た道を少し戻り岩岳本峰への登山口の方に行く。

 第二登山口の所で、登山口には看板が有るとのことなので、すぐにわかると思ったが、駐車スペースがわかり難い。結局登山口の看板は確認できたものの駐車スペースがわからず、その上の第一登山口の大きな駐車場まで行ってしまう。

 第一登山口の駐車場は、トイレも有り、30台近くの車を置く事が出来る、舗装された立派な物だ。ここでUターンして戻る。

 第2駐車場の駐車スペースであろうと見当を付けた、道が少し広くなった所に車を止め、ストロベリーフィールドのテンパル岩を見に行く。今回は靴などの道具は持たずに行く。

 テンパル岩は登山口から5分となっているが、多分5分もかからない。ここも、近くにボルダーがいっぱい有る。

 この駐車スペースの近くの沢の対岸に姫岩という岩が有るらしいのだが、沢への降り口が探しても見つからなかった。

 ここら辺一帯にピンクのテープが沢山付けられている。しかし、そのテープが何を意味するのかはわからない。最初は岩場への赤布かと思ったが、どうもそうではないらしい。道路か林業か、そんな関係の目印のようだ。

 雨も降っているし、もう5時を廻ったので、食事に出る事にする。

 キャンプ場の受付に戻って丸森町の案内図をゲットし、丸森の市街まででる。

 最初はガソリンも少なくなったので、国見まで戻り、そこでガソリンを入れながら、食事をする予定であったが、それも面倒だし、丸森にもガソリンスタンドはあるので、丸森で食事をすることにした。

 斎理屋敷とかいうところの駐車場に車を止め、丸森の町を傘をさして歩く。所が、地図に書かれたメイン通りに面した食堂は悉く閉まっている。といって、4〜5軒ではあるが。

 少し遠い多分町立であろう病院の前の中華料理屋をやっと見つけ入る。当然客はいない。

 定食、時価というやつはなにかと聞くと、野菜炒め位しか出来ないというので、それはいくらかと聞くと700円とのこと。それを頼む。

 最近は地方に出た場合は出来るだけ、大衆食堂の様なところで食事をする事を心掛けているのだが、ここはその点ではうってつけの所だったかもしれない。味もまぁまぁだったし。なにしろ、そば入りの中華スープを飲む事ができたのだから。

 テントに帰ってもまだ7時である。雨が結構降っている。もうする事は何も無い。一応キャンプ場を一周してみる。

 テントはさすが外に誰もいなかったが、コテージはほぼ満員の様だ。ほとんどのコテージに電気が付いている。コテージの前で、大きなブルーシートを張って大勢でバーベキューをやっている集団も有る。駐車場に沢山車が有ったのもうなずける。

 一周したといっても、そんなに大きい訳ではないからすぐに終わる。10分もかからない。相棒と二人でテントに戻り寝袋に入る。

 昨年、籤引きで当たった中波のラジオを聞く。ここは結構電波が入るようだ。

 NHKを聞いていると仙台放送局と言う。さっきの中華料理屋のテレビもそうだったが、ここは仙台の放送を見、聞いているようだ。

 雨は結構強く降っている。しかし風が無いのが幸いである。

 ラジオを聴きながら、すぐに寝てしまったようだ。

 明るくなったような感じがして目が覚める。しかし、時計を見るとまだ23時である。もう相当に寝たと言う感じなのだが。雨は上がっていた。

 車に残してあったデジカメを取りに行き、結局車の中でその映像を確認する。フラシュを焚いたから暗かったけど結構きれいに写っている。満足して、トイレに行って、再び寝る。

 テントの中は結構暑い。ベンチを開けて寝る。

 6時前に目を覚ます。今日は9時迄に原町迄行かなければならない。1時間位で行くらしいのだが、一応7時頃には出ることにしている。

 夜中に雨は上がったのだが、林の中だから、雨だれが落ちて来て、テントは濡れていた。

 日曜日は原町での仕事も無事終わり、12時近くに家に着いた。

 早速撮って来た映像をパソコンに移そうと、デジカメのICカードをパソコンに刺して調べたら、何かおかしい。

 実は出る前にいつも使っていたノートパソコンが壊れてしまい、古いノートパソコンを引っ張り出してつかったのだが、それがおかしいようだ。

 デスクトップのパソコンの元々少し調子の悪いカードリーダーで見るともっとおかしい。少々焦って、相棒のパソコンにそのカードリーダーを付けてみたらやっぱりおかしい。仕方が無いから、カードをデジカメに戻し、デジカメで映像を確認すると、映像が無い。

 約1ヶ月位前からの数十枚の映像がない。消えてしまったらしい。勿論丸森の映像も、折角撮ったスピード体感コーナーの写真も消えている。アチャァー、どうしよう。なんて言って見ても始まらない。その代わり、何だか変な名前のすごく大きなファイルがある。藁をも掴む思いでその変なファイルをノートパソコンにコピーしようとしたが、パソコンのディスク容量が足りないのでコピーできない。ネットワークを介して別のパソコンで見るとそのファイルは見えない。

 出かける時にはノートパソコンが壊れるし、相棒は眼鏡を落として来るし、どうもついていない週末ではあった様だが、まぁ、そんなこともたまにはあるものなのだろう。仕方が無いか。


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作成年月日 平成13年 7月 2日
作 成 者 本庄 章