ライオン岩ボルダー群に行ってきました

2004年12月 3日記
 土曜日の日にジムの仲間二人と三人で群馬のライオン岩ボルダー群に行ってきた。

 金曜日の夜、誰からもお誘いが無いし、土曜日は天気が悪いし、日曜日には野暮用もあったし、おまけに少々風気味だったこともあって、週末は静かにしていようと思っていたところに、ジムの何時もの仲間から電話で、土曜日の天気が好転してきたので、何処かに行かないかとのお誘いがあった。で、結局相棒に同意を求めて、行きましょうと返事をしてしまったのだ。

 行き先は以前仲間に行きたいと思っていると話したことのある榛名黒岩のライオン岩に一応決まったので、慌てて資料を引っ張り出し、日曜日の野暮用を考えて出発時間を何時もより少し早めた事もあって、直ぐに寝る仕度をした。

 布団の中で、咳をしながら、勢いで行こうと返答をしてしまったことを僅かに悔いながら、暫くは寝付かれなかったのだが、何時の間にか寝てしまっていた。

 朝、5時半に目覚し時計の音で目覚め、風邪の症状が僅かに好転したことを確認しながら、急いで遣り残した仕度を整えて、待ち合わせ場所に向う。

 何時もに比べればいくらか早めに家を出たのだが、やはり土曜日だったせいか、途中の道路の混雑のため、殆ど約束の時間に待ち合わせ場所に着いた。

 首都高から外環で関越に乗る予定だったのだが、仲間の、直接外環の乗り場の三郷まで行った方が早いのではとのアドバイスを受け入れ、下道で松戸から三郷まで行く。

 朝が早かったから松戸までは順調だったのだが、やはり土曜日だったのか、松戸から三郷までの道が混んでいた。その先、大泉の関越との合流点も渋滞したが、その後は順調に走り、前橋経由で、10時頃には黒岩の下に到着した。

 ライオン岩へのアプローチは黒岩経由と道路から直接登る道があるのだが、直接登る道は駐車スペースがなということで、黒岩経由で行くことにする。黒岩の下の駐車スペースには既に10台近い自動車が停められていた。

 比較的緩い踏み跡をだらだらと歩くと直ぐに黒岩の基部に到着する。黒岩には既にヘルメットを被ったパーティーが何組か取り付いていた。

 黒岩の基部を左の方向に進み、少しきつい踏み跡を登ると、ニつか三つの岩が現れ、やはりそれぞれの岩にも幾つかのパーティーが取り付いていた。

 尚も登ると、少し大きめのスラブが現れ、その基部に自然保護だかなんだかの大きな看板があらわれる。どう考えてもクライマー以外には見ないだろうという場所だから、クライマーの為の看板としか思えないが、なんの意味があるのか、よく分からない看板ではある。

 そのスラブの左側の僅かな尾根を乗っ越すと、これも僅かな、崩れた石段のような感じの浅いルンゼが上に伸びている。そこを、ゼイゼイいいながら登ってゆくと、、間も無くライオン岩が現れる。

 大きな岩である。斜面の傾斜もきつい。落ちたら転がり落ちそうな斜面に大きな岩峰が立ち上がっているのである。

 仲間が、トポと見比べながら、前方の大きな二つの岩峰がトポのCブロックだという。小生もトポは持っては来たが、見るだけの余裕は無い。

 そのライオン岩の基部を左に回りこんで、少し広めの傾斜の緩い場所に荷物を置く。

 仲間の「先ずAブロックから見て行こう」との提案を素直に受け入れ、靴を持ってトラロープが張られたりしている急斜面を真っ直ぐ登って行く。

 尾根の一番上辺りの岩に到達する。多分Aブロックの一番上の岩だろうという。傾斜は余り無いから、多分やさしい。仲間二人はアップで登ったが、小生は写真撮影をしていたので登らなかった。

 その岩がAブロックの一番上だろうということは納得したのだが、その下に広がるというAブロックとその更に下のBブロックの岩が分からない。トポの踏み跡はBブロックの大きな岩の左側を登って、Aブロックの岩に行くようになっているのだが、そんな大きな岩のそばを登った記憶がないから、そのBブロックの大きな岩が分からないのだ。

 Cブロックのライオン岩の頭の左のEブロックの方に廻り込むと、いかにもボルダーという感じのボルダーが現れる。左が綺麗なカンテになっていて少し被った面を持つ3m程のボルダーである。

 早速仲間がそのカンテを登る。小生も、仲間のアドバイスを受けながら何とか登る。結構面白い課題である。因みに「雨の日」という課題らしい。難度はB1だから難しくは無いらしい。

 ライオン岩の頭の陰に面白そうなボルダーを発見する。トポには記載はないボルダーの様だ。

 お誂え向きのスタートホールドがあるから、そこから仲間がスタートする。そこから2手程でリップが取れると見たのだが、その後のホールドが良いのが無いらしい。跳べばリップに届く程の距離なのだが、真後ろには大きな岩が迫っているから、ランジに失敗すると、間違いなくその岩に背中を、下手をすると頭辺りをぶつけてしまうのだ。スタティックにしか行けないのである。仲間が交互に何回かトライを繰り返したが、結局登れなかった。

 最初に打ち込んでしまっては不味いと、Bブロックの岩を探しに行くことにする。

 少し大きめの岩を回りこんで、仲間に遅れて、少し濃い目の潅木帯をがさがさと登って行くと、既にスラブ状のところを仲間が登っている。

 ブッシュの薄めのところを選びながら近付くと、僅かに寝た3m程のスラブである。

 この面には3つ程の課題があるらしいのだが、左側の2つの課題は下地の傾斜が急だから、飛び降りるのが怖い課題である。当然一番右側の課題に取り付いている。

 丁度胸の辺りのフレークでスタートし、足を上げてリップを取れれば終わりと言う感じの課題である。

 仲間二人は、足を上げきれず、中々リップが取れないでいる。左の課題のクラックの淵を使おうとしたりしているが、その淵も持てないようである。

 小生も登って見る。

 まず、少し細かいスタンスにもマークを付け、離陸する。思ったよりは手強いようだ。

 何とか離陸し、右手を僅かなホールドに上げ、マークしたスタンスを使ってみる。しかし、靴のソールが減ってしまっている靴だったせいか、意外とエッジングが利かず、使えないことが分かる。

 交互に何回かトライを繰り返した後、何とか右足を上げ、左足に乗り込んでリップを持つことが出来た。リーチと言えばリーチである。続いて、もう一人の仲間も登る。

 因みにAブロックの「ライトランジ」という課題らしい。そうか、さっき廻りこんできた少し大きめの岩がBブロックの岩か。ということはこの奥がAブロックのメインの岩か。ということで奥を見に行ったが、岩が高く、ソロでは怖そうだった。

 戻るときに、トポには3mと書いてあるBブロックの岩のフィンガークラックの課題を見てみたが、下地が急で高さも結構ありそうだった。

 一旦荷物の所まで戻り、その先のFとかHブロックの方を偵察に行く。

 FといいHといい、皆岩が大きい。下地の傾斜も結構急な所が多いようだ。

 一応Hブロックまで行ってみたが、余り登れそうなところが無い。3mから4mの課題が5本ほど設定された岩も、意外と高く見える。

 確かに高く見えるし、何となく難しそうにも見えたが、顕著なフレークでスタートするところが、何となく登れそうな感じがしたので、「ここなら登れるかも」というと、仲間は「高いよ」と言って登ろうとしない。そう言われれば確かに低くは無い。でも、傾斜は無いから登れそうに見える。

 少し考えたが、登ってみたくなったので、取り付いてみる。

 下はフレークを使って登って行き、フレークの上で少し左に行き、ホールドやスタンスを拾って再び右上し、傾斜の緩いスラブに出た。そのスタンスのいっぱいあるスラブを直上して終了点まで行ったのだが、そこから上のブッシュに入らなければならない。ところが、そのブッシュに入るところで意外とホールドが無い。終了点のスリングを掴んでしまえば良いのだが、ここまで来てスリングを掴むのもなんと無く気が引ける。なんとかホールドを探してブッシュに這い上がる。

 続いて、仲間二人も登る。

 仲間の一人がその右の場所を登る。少し難しいらしい。もう一人の仲間も登ったので、小生も登ってみたら、先程の課題で手が腫ってしまったようで、殆ど登れなかった。やっぱりさっきの課題では、ホールドやスタンスを探したり、ムーブを探ったりで、結構時間が掛かってしまい、おまけに落ちたくないからと、結構岩にしがみついていたようだ。

 トラロープの張られた少し急な場所を登ってGブロック方面に行ってみる。

 顕著なフレークを持ったそんなに大きくは無い岩峰が現れる。「スーパーフレーク」という課題の岩のようだ。トポには5mとあるが、そんなに高いようには見えない。下地の傾斜は急である。

 仲間が、正面からでは出られそうにないと、左の方の斜面の途中から岩に取り付いてみる。離陸が意外と悪いらしい。その後何とか離陸し、3手か4手程進んだが、フレークの上でホールドが乏しくなり、降りてくる。

 もう一人の仲間が取り付き、先の仲間が詰まったところで詰まりはしたが、結局左側のカンテをうまく使って上に抜ける。途中、一瞬バランスを崩しかけたところが有り、下地の傾斜もあるから、うまく飛び降りなければ落ちたら危ない所だったから、少しはらはらしたが、何事も無くよかったよかった。

 小生は既に終わりと言うことで取り付くことはしなかった。

 仲間の一人が最初の頃にやったライオン岩の頭の所ら辺の岩にもう一度挑戦したいと言うことで、Eブロックの岩の前を通って行ってみる。

 その場所は既に日が翳っている。しばらくは仲間の挑戦を見学していたのだが、少し寒くなってきたので、先に小生一人で荷物のところまで戻ってしまった。

 荷物の中からチョッキを引っ張り出して着込み、ウインドブレーカーまで羽織って、食べ残した昼飯のパンを食べる。水筒の水は既に無い。今回は結構喉が渇いたようだ。やはり風邪のせいなのだろうか。そういえば風邪を引いていたんだっけ。思い出したらやけに鼻水が出だしたような気もしてくる。これで帰って寝込んでしまったらどうしよう。明日は用事があるって言うのに。

 まだ日が当たっていたし、着る物も着込んだから、寒くは無かった。

 仲間の一人が戻ってくる。そしてこれからルートを登ると言う。そして、もう一人の仲間のハーネスを借りたから、ビレーをお願いしたいと言う。丁度何もすることが無かったから、ビレーをすることにした。

 その仲間は、昔は高難度ルートを登っていたらしいが、最近は体重も増え、余り難しい課題は登れなくなってしまっているという。

 最初に取り付いた10aとかの課題では、リングボルトだしランアウトしていると言うことで、途中から降りてきた。次の11aでもやはり途中から降りてきた。本当にルートは大分に下手になったようだ。

 もう一人の仲間が戻って来たので、借りていたハーネスを返し、見物に廻る。

 仲間が途中で降りてきた11aの課題をもう一人の仲間が登って行く。先の仲間と同じところで降りれ来る。やはりその先ランアウトするからとても難しいようだ。

 この課題、後で別のトポを見ていたら、どうやら彼らが途中で降りてきたところ辺りでナチュプロを使用する課題だったらしい。実際触ったわけではないから、その課題かどうかは定かではないが。まぁ、蛇足である。

 Fブロックの少し短めの岩のルートを触るのを見学した後、日も翳ってきたからと、引き上げることにする。

 帰りは直接車道に出る道を下る。

 途中、仲間の一人がロープを沢に落としてしまったり、道が途中でなんだかわかりにくくなってしまったりということがあったが、無事、コンクリのよう壁の切れ目にある階段に続く小沢に出ることができ、道路に下りることができた。

 道路を下ってゆくと、玉石をつかったよう壁にも切れ目があり、そこにも踏み跡が上がっていたから、最初にこちらに来た場合は相当に迷っただろうことが想像された。それに、その玉石のところの踏み跡の上のほうには倒木を使ってバリケードが作られていたから、相当の人が迷い込んだのだろう。黒岩からの道で正解だったようだ。

 この車道が意外と長い。トポでは自動車で5分とあったのだが、本当に5分は掛かりそうだった。

 降るときは伊香保温泉でもと言うことだったのだが、意外と時間がかかり、自動車に辿り着いたら既に5時近かったので、そのまま帰る事にした。

 相変わらず山道では道路から外れっ放しになるカーナビを横目で見ながら、来た道を戻り、前橋から関越に乗った。

 6時台だと言うのに空いている。練馬の渋滞しかない。やっぱり11月下旬では房総や伊豆くらいしか混む所はないようだ。

 料金所でも、大泉でも混むことなく、順調に外環を走り、三郷の降り口での僅かな渋滞に会いはしたが、ほぼ8時には出発点付近に着いた。

 仲間二人は丁度小生の帰り道だったので、そのまま二人を家の近くまで送り、家に戻った。

 途中、食事をするには中途半端だったので、夕食を摂らずに家に帰ってしまったので、ありあわせの夕食になってしまったが、前回に続いて早めの帰還とはなった。

 やっぱり、空いてるって、いいなぁー。


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作成年月日 平成16年12月 5日
作 成 者 本庄 章