経ヶ岬のボルダーに行ってきました

   京都・山陰・山陽のボルダーめぐり第一段
2005年 5月27日記
 大型連休の前段から中段の前半にかけて、相棒と二人で、京都丹後半島、鳥取砂丘、島根半島から尾道を巡るボルダリングツアーに行ってきた。これは、その第一段目である。

 連休の始まる前夜、午前零時頃に家を出る。

 何時ものガソリンスタンドに寄ると、ガソリンが値上げされている。それも結構大幅な値上げである。休み前の駆け込み値上げの臭いがするが。

 さすが、大型連休の初日前夜だ。夜中とはいえ結構自動車は走っている。

 いつもの様に、首都高を湾岸からレインボーブリッジを渡って渋谷方面へ。相変わらず、池尻を先頭に渋滞している。この辺はいつも渋滞しているところだ。渋谷近辺から東名方向に行く自動車が合流してくる場所の様だ。道理で夜中の12時過ぎだというのに渋滞しているはずだ。

 横浜から厚木を過ぎても自動車の交通量はそれほど減りはしない。やっぱりな。

 そろそろ泊ろうと、富士川サービスエリアに入る。自動車の数が半端ではない。自動車を停める場所すら見当たらない。若者の集団が闊歩しているし。仕方がないからそのまま素通りし、二つ先のパーキング「日本坂」で泊ることとなった。因みに午前3時着であった。

 明朝8時起床。余りゆっくりもしていられないからと、早々に出発する。

 既に渋滞が始まっているようだ。電光掲示板に1km5分の表示が現れた。

 岡崎の手前で再び渋滞が始まる。278キロポスト付近での事故が原因らしい。自然渋滞と違って本当に動かない。少し動いては停まってしまう。

 反対車線をパトカーが走ってゆく。少ししてから今度は救急車が走ってゆく。この先の事故のためだろうか。多分そのパトカーと救急車だろう、程なくこちらの車線の登坂車線を走り抜けていった。

 事故現場に差し掛かる。乗用車3台による事故ということだったが、走行車線2車線と登坂車線の3車線の内、2車線を事故車両、警察の車両等が塞いでおり、警官が交通整理をしていた。

 既に11時を廻っている。距離にすれば数キロの渋滞だったのだが、結構時間を食ってしまったようだ。

 渋滞を抜けて直ぐの美合パーキングに寄る。意外と空いている。

 ハンバーガー屋があったので、早お昼ということで、ハンバーガーを食べ、コーヒーを飲んでいたら、だんだんだんだん混み始めてくる。コーヒーのお代わりをと思った時には、時既に遅し、カウンターに長い列が出来てしまっていた。

 コーヒーのお代わりは諦め、外に出ると、駐車場は既に大半が埋まっている。またしても、事故直後に近い時間に現場付近に近づいたようだ。そういえば、同じ東名で、我々のほんの何百mか先で事故が起こり、渋滞に巻き込まれてしまったことがあったっけ。よくよくついていないというか、ついているというか。

 中京地域の最近出来たらしい新しい道への分岐や合流を幾つかやり過ごす。伊勢湾岸道、東海環状道、東名阪道、中央道、万博会場への分岐、東海北陸道などなど、最近の中京地域の高速道路は複雑に入り組んでいて、何がなんだかこの衰えた頭では覚えきれない状態である。

 今回は若狭湾を目指しているから、米原JCTから北陸道に入る。琵琶湖沿いのこの道を走るのは多分初めてであろう。

 賤ヶ岳サービスエリアに寄り、北陸道の地図を手に入れる。このサービスエリアのガソリンスタンドは普段入れている銘柄のスタンドだったので、普段使っているカードで給油をしてもらうことにする。

 ところが、そのスタンドへは、一番建物寄りの道を走ってこないと入れない構造になっている。建物から離れた駐車場の真中の道を走っていったから、スタンドまでは逆走しなければならなくなってしまう。駐車場の中とはいえ、反対方向から本線に戻る自動車が走ってくる道だから、逆走するのもおっかない。仕方がないから、スタンドエリア内を逆走して行ったら、スタンドのおじさんが、駄目だ、駄目だ、見たいな仕草をする。でも、そうしなければ給油場所に行けないから、強引に走っていって、並んでいる自動車の真横から割り込む形で列に並ばせてもらった。変なスタンド!

 峠道に差し掛かると、霧雨が落ち始める。今日は雨なんて、天気予報には無い。お天気の実況放送でも晴れているといっている。ここだけなのだろうか。

 敦賀で高速を降り、国道27号線を舞鶴に向かって走り出す。再び霧雨が落ち始める。なんかいやな天気だ。

 美浜、小浜を通り、大飯とかいうところの情報交差点とかでお菓子を買ったり、シーサイド高浜道の駅に寄って、インターネットで自分のHPの無事を確認したりしながら、舞鶴市に入る。

 舞鶴港とれとれセンターという道の駅が現れたので、寄ってみる。5時ちょっと過ぎである。

 普通の魚屋さんが集まった市場というか、物産センターなのだが、そこに小さな小屋で営業をしている食べ物屋があって、何種類かの魚の定食が安くで食べられるようになっている。食事場所は露天か市場の中の休息スペースである。市場内を一回りした後、その店で刺身定食を食べた。ツミレ汁になぜかコロッケがついて、650円。結構うまかった。

 明日の昼食をと、宮津市内のスーパーによって、丹後半島方面に走って行ったら、「天橋立公園」の看板が見える。既に暗くはなってしまっているが、時間は有るからと、寄ってみることにする。

 左折の交差点をそのまま直進し、細い道を進んで行くと、防波堤にぶつかった。そのまま防波堤沿いの道を右方向に走っていったら、海辺の松林の中の公園様の所にでた。尚も進むと、右手にトイレらしい明かりのついた建物があらわれる。その先は自動車侵入禁止の看板が建っている。

 相棒は自動車を降りてその道を少し先まで歩いていって、これが天橋立らしいという。松林の両脇が海らしいのだ。いわれればそんな風にも見える。

 自動車を置く場所が見つからなかったので、仕方が無く、そのままUターンして戻ってきたが、あれが天橋立の遊歩道だったようだ。

 入ってきた交差点に戻り、今日の泊り場である道の駅に向かう。

 若狭湾沿いの細い道を進むと、道の駅「舟屋の里 伊根」の看板が現れる。看板に従って国道から右折し、坂道を登ると、なんだかと言う公園の看板が現れる。道の駅はその公園の中に入ってゆくらしい。真っ暗な中を進むと、薄暗い道の駅が現れた。

 それほど広くはない駐車場には既に数台の自動車が停まっている。一番奥の静かそうな場所に自動車を停め、ヘッドランプを点けて、トイレを探す。

 見つからない。それらしい建物が見当たらないのだ。大きな建物が二つ建っているから、その周りを探ってみたが、やはり見つからない。

 少し大きな建物の既に閉められた入り口の案内板を眺めてみたら、トイレ用の独立の建物はなく、その大きな建物の中に併設されていて、その入り口は二つの建物の間を入った、その少し大きめの建物の横に造られているように書かれている。建物の間に入っていったら、電気のついた入り口があった。

 建物の前の薄暗い東屋で、やはりヘッドランプを点けて炊事をしていたオートバイのお兄さんが挨拶をしてくれる。ヘッドランプで仲間と感じてくれたのだろうか。

 自動車に戻り、支度をして寝袋に潜り込んだら、隣の自動車の発電機の音がやけに五月蝿く聞こえてくる。どおりでこの一角が空いていた訳だ。寝袋から這い出し、窮屈な格好のまま、自動車を反対側のライトの下に移動する。

 その後何台かの自動車が入ってきて、我々が最初に停めた場所に自動車を停めては移動していた。ったく迷惑な自動車である。

 10時になったのだろうか、駐車場の明かりが全て消される。そんなぁ。まぁ、寝るものにとっては都合が良いのだが、山の中腹の公園の中と言う、それでなくとも薄暗いさびしいところの道の駅だから、仲間がいなければ心細いところである。それにしても、こんな真っ暗な道の駅は初めてである。

 先ほどから降りだした霧雨が相変わらず降っていた。

 朝の5時頃だったか、目を覚ます。

 トイレに行くと、何人かの人とすれ違う。皆さん早起きなんだなぁ。

 オートバイのお兄さんも起きていて、挨拶をしてくれる。

 7時頃に再び目を覚ますと、周りの自動車の人たちも既に起きだしている。

 まだ僅かに霧雨が落ちているから、リアゲートを開け、ガスバーナーで朝食を作る。その音で、隣の自動車の老夫婦が、こちらを覗き込む。その老夫婦は東屋で、やはり炊事をしていたようだ。この方達も仲間と思ってくれたのだろうか。

 周りの自動車が殆ど出てゆく中、我々はコーヒーを沸かし、天気を見ながらゆっくりと過ごす。

 しかし、霧は晴れてはくれない。これでは岩は駄目だろうか。日が指せば直ぐに乾くとは思うのだが。

 色々考えた挙句に、昨夜の天橋立を見物している間に霧も晴れ乾くかもしれないと考え、再び天橋立見物に向かうことにする。今回は最初から、半分は観光気分なのだから。

 国道に戻り、集落の中を走ってゆくと、舟屋構造の家が見えてくる。そうか、ここが若狭の舟屋の町だったのか。道の駅の駐車場からも、遠くに伊根湾沿いの舟屋が見えたが、この街道の海側の家は皆舟屋構造なのだ。昨夜は夜だったから見えなかったのだが、今は明るいから良く見える。やっぱり戻って良かったようだ。

 既に霧が晴れ、日が差している海岸淵を走り、宮津の町まで戻る。

 昨夜入った路地に有料駐車場があったはずだと、その路地に入ってみたら、月ぎめの駐車場だった。

 引き返して、天橋立のメインの場所に行ってみたら、フリーの有料駐車場がいっぱい有ったが、人もいっぱいいたから、そのままその先の天橋立が良く見えるという道を走ってみた。

 確かによく見えたが、片方の側だけしか見えないから、普通の海岸の松林にしか見えない。やっぱりケーブルで登る何とか公園から股覗きをしなければ駄目なようだ。途中で引き返し、経ヶ岬を目指す。

 先ほど走った舟屋の細い道を戻り、その先に進むと海岸の切り立った崖を這う道に続き、やがて半島の先っぽ辺りに出てくる。

 ちょっとした駐車スペースに公園様の場所のあるところに出たので、自動車を停め公園様の展望所に上がってみる。崖の下には結構岩がいっぱいあった。

 レストハウスから岬の駐車場への道に入り、灯台方面に行ってみる。近いと思ったら、意外と距離があった。

 灯台の駐車場にはやはり自動車が何台も停まっている。一応トイレを済ませ、ちょっとだけ灯台の方を眺めて、レストハウス迄もどり、その前の駐車場に自動車を停める。

 ここを紹介してくれた雑誌の記事では、レストハウスの駐車場の如くに書かれているのだが、何となく半分がレストハウスの駐車場で、レストハウスから遠い方は一般の駐車場の様にも見える。傍に建っていた案内図もそう読めるような記述になっている。一応挨拶をとその紹介記事には書いてあったが、自動車も何台も停められていたし、人も多かったから、またレストハウスから遠い方に停めたからと、特には挨拶せずに岩場を目指す。

 海沿いの休息所を目途に、最初は舗装された立派な遊歩道を歩き出す。

 100mかそこら進んだら、道の脇に自動車が3台ほど停められている。「なにわ」ナンバーだから、この地域の人ではないようだ。もしかして。

 一旦は海岸まで下り、また登り返すと、道は細くなる。尚も進むと、灯台方面の道が上に分かれてゆく。そのまま水平に先に進むと明るく開けた場所に出る。その少し先に目印のコンクリートの休息所が見えてきた。

 その休息所の前から踏み跡を辿って岩がいっぱいある海岸に降りてゆく。

 海岸に面して半円を描いてへっこんだ岩壁が現れる。その中は一段低くなった岩盤になっている。

 最初は右の方から降りようと思ったのだが、少し段差のある場所があったので、左の方の降りやすい場所を降りる。

 10〜20mくらいの岩壁が目の前に現れる。あそこを登るのだろうか。高いなぁ。

 近づいて、トポと見比べるのだが、どうも様子が違う。形が合わないのだ。

 一応荷物を置いて、相棒もそこに残して、波打ち際方面に更に段差を下り、壁を回りこんでみる。

 海に面した側に黒く見える壁が見えてくる。なんか真っ黒だなぁ。

 近づき、トポと見比べると、その壁が対象の壁の様だ。それにしても、やっぱり高い。下地は岩盤だし、おまけに段差はあるし。でも、はっきりしたクラックが何本も見えるから、そのクラックに手を突っ込んで遊んでみるか。

 更に壁を観察してみる。

 全体は黒いのだが、その面一面に白い、接着剤の生乾きみたいな細い短い筋がいっぱい付着している。岩も何となくぬるぬるした黒い物質が付着しているような感じである。

 なんだか想像と大分に違うなぁ。もう少しすっきりした壁を想像していたのになぁ。

 荷物まで戻り、アップにと、その近くの大きくない、僅かに被った面を持つ、ガビガビの易しそうな壁を登ってみる。

 脆い。欠ける。やっぱり。

 トポには無い、最初に見た壁に近づき、触ってみる。やっぱり脆い。それでここには課題は無いのか。

 荷物を持って、相棒と共に先ほど見た黒い壁の前に行く。

 日がカンカン照っている。日陰も殆ど無い。既に暑い。僅かな日陰に荷物を置く。

 一応課題の設定されたクラックに近づくと、クラックがやけに細い。触ってみたら、指も入らない。おまけに岩の表面は何となくぬめっている。おまけに高い。遊べないジャン。

 ということは、大半の課題は触れないということだ。仕方がない。トポは置いといて、簡単に登れそうな場所を適当に登るしかないか。石切場跡ということだし、高い課題が多いということで、少し難しそうな場所を登るときにと、わざわざ持ってきたマットだが、出番は無いかも知れないけど。

 少し高いが、斜めの少し幅の広いバンドが走った場所を登ってみる。出だしのバランスがほんの少し悪かったが、あとは何とか登りきる。

 パンでも食べて一休みするか。沖を走る釣り舟様のボートを眺めつつ、相棒の差し出すパンを頬張る。

 折角ここまで来たのだから、ここは一つ、クラック道へのお誘いのための課題といわれるクラックを触ってみなければなるまい。再びトポを取り出し、その課題を探す。

 この課題、クラック入門ということで、やさしめのグレードが付されているのだが、これが、フィンガーサイズ。それも、指が入る場所は何箇所もない。両サイドの壁にはスタンスは見当たらないどころか、例の接着剤の筋が沢山付着している。

 何とか一歩は出たものの、その後は絶望的。早々に諦める。もっとハンドサイズのクラックを期待したのだが、甘かった。ここのクラックは殆どがフィンガー以下のシンクラックだ。この課題でクラックに嵌るとすれば、もともとのクラッカー?って、こんな言葉あったっけ。なんだか悪いことをする人の様に聞こえるなぁ。

 もう小生に触れそうな場所は無い。でも、まだ時間はある。どうしようか。

 少し陸側に戻って、接着剤の付着していない、壁に行ってみる。

 少し高いのだが、適当なクラックが走り、その途中から斜め左上にカチバンドが走っている。その辺を使えば上に行けるかも知れない。

 クラックを1mくらい登って、カチバンドに乗り込む。そこから尚もクラックを登る積もりだったのだが、高さが増すし、クラックも少し広くなってきたりで、自信がなくなってくる。仕方がない。左のカチバンドに逃げるか。

 カチバンドを少し登って、左に走るクラックに左手を伸ばす。こちらは何とか持てる。

 ほぼ垂直に立ってきたカチバンドと左のクラックを使って左に逃げる。

 やっとリップに手がかかる。しかし、甘い。もう落ちられない。このリップで上に抜けるべきか。でも、恐い。

 もそもそしながら、何とか左のクラックの左側のリップを掴む。ガバだ。フゥー、手が腫ってしまった。

 時間は既に1時近くになっている。遊べないといいながらそれでも、何だカンだで1時間半位は遊んだようだ。

 駐車場まで戻り、レストハウスでアイスクリームやら何やらを買い、トイレを借りる。

 国道178号線を走っていたら、犬ヶ岬とか言うところの手前で「丹後松島」の看板を掲げた駐車スペースを発見する。今夜は鳥取砂丘だ、急ぐことも有るまい、ということで寄ってみる。

 道路の反対側の海岸側に張り出した展望所のようなところがあるから行ってみる。そこからは幾つかの「松島」のような島が見えるらしい。

 確かに見えはしたけれど。

 駐車スペースの脇にはコンクリートの休息所があり、その屋上がやはり展望台になっている。先ほどと見える景色は同じだろうが、一応鉄の階段で登ってみる。やっぱり同じだった。

 少し走って、今度は「てんきてんき道の駅」に入る。最初は「てんてんき」だと思っていたのだが、良く見たら「てんきてんき」だった。

 国道はその先で左折するのだが、そのまま直進して海岸線を走ってみる。すると、間もなく岩が見えてきた。これは寄ってみなければ。

 丁度その大きな岩山の際に大きな駐車スペースが作られていたので、そこに入り、靴を持って、大きな岩沿いに海岸に降りてみる。

 コンクリートで階段状に護岸工事が行われており、その端がその岩まで伸びているのだが、そのコンクリート護岸が終わったあたりの砂浜からの岩壁が適当な高さで、下地も砂になるから、登れそうに見える。

 早速登ってみる。まぁ、10級だな。

 今度はその壁の左の少し被り気味の壁を登ってみる。次は少しだけバリエーションを付けて、SDで登ってみる。いずれにしてもそう難しくは無い。

 その海岸のこの岩の反対側にも大きな岩が見える。今度はあれを登ってみるか。

 少し粒子の粗い黄色い色の砂浜を歩くと、僅かにキュキュという感じの感触がある。なんだか面白い砂である。

 家族連れの一団の後ろを通って、海に面したその岩の壁の下に回りこむ。

 先ほどの岩壁よりは高い。それに、本の僅か被った面もある。表面は凸凹しているから、ホールド、スタンスは有りそうだ。

 そのこの面で一番被った、といっても、本の僅かに被った面を登りだす。高さは6mもあろうか、結構高い壁である。でも、下地は粒子の粗い砂だ。

 リップ近くまで登ると、ホールドが持ちにくくなってくる。よりスローパーチックになってきたのだ。

 リップから上を覗くと、あまりホールドは無い。マントルが恐そうだ。今持っているホールドも良くはないし。

 左の壁はしっかりしたちょっとしたテラス状のスタンスがある。リップにもガバが沢山ありそうだ。あっちに逃げれば間違いは無さそうである。

 そのちょっとしたトラバースが少しだけいやだったが、無事上に抜ける。またまた手が腫ってしまったが、まぁ、少し高い岩を登ったと大満足する。

 帰り際に、別の赤ん坊と遊んでいた若いお母さんにここはなんと言うところですかと聞いたら、立岩というところだと教えてくれる。後で地図を見たら、後ヶ浜海水浴場というところで、近くに「立岩」という岩が有るらしいことがわかる。でも、この辺の海岸には結構大きな岩が散らばっているようだったから、登ったのは多分「立岩」ではないだろう。

 国道178号を少し進んだら、琴引浜という所にさしかかった。鳴砂で有名な所だ。そうか、だからさっきの浜もなんだか鳴いたような感じがしたのだ。

 脇道にそれて、浜辺の方に行ってみる。

 海側に駐車場が現れる。料金が千円とある。そんあぁ。挨拶してきたお兄さんを無視して先に進んだら、その道は行き止まりだった。

 そのままUターンして元の国道まで戻る。

 道は、京都から兵庫に入り、香住を越えて余部に差し掛かる手前で、川沿いから海岸に向かうようになる。そこを走っていたら、正面に結構高くて長い鉄橋が現れる。わっ、もしかして、「餘部鉄橋」では。近づいたら「餘部鉄橋」の看板があった。

 橋の下に駐車スペースがあったので、寄ってみると、「餘部鉄橋」の説明板がある。自動車も何台か停められている。綺麗なトイレまである。

 デジカメで、何枚か写真を撮る。その間、何台かの自動車が入ってきて、同じく写真を撮っている。やっぱり連休だな。

 余部駅の時刻表がある。見ると、15分後に上りの列車が来るようだ。その5分後にも下りの列車が通るらしい。まだ5時過ぎだし、折角だから列車が通るのを見物するか。

 電気を点けたディーゼルカーがやってきた。ゆっくりゆっくりやってきた。今度は反対側から、やはり電気を点けたディーゼルカーがやってきた。今度はほんの少し早かった。

 自動車に戻ったら、大きなカメラを持った人が自動車から降りてきた。この人たちはこの次の、暗くなった鉄橋の写真を撮りに来たのだろうか。それとも遅れてしまったのだろうか。人のことだから心配することは無いのだが。

 食堂を探しながら走ったのだが、なかなかそれらしいところが現れない。そういえば、今まで、ファミレス様のものを見ていない。今まで見たものは殆どが焼肉屋か寿司屋、でなければラーメン屋だ。この辺はそういう風土なのだろうか。

 遂に鳥取市内に突入する。このまま砂丘に直行したのでは夕御飯が食べられなくなってしまうと、砂丘に直行する道には入らず、鳥取市内に向かって走る。

 なかなか適当な飯屋が見つからないまま、大手スーパーの「ジャ○コ」の看板が現れる。明日の昼飯の買出しもあるしと、先ずは「ジャ○コ」に寄る事にする。

 大きい。駐車場がめちゃくちゃ広い。そして、駐車場の反対側にはレストラン街のようなものもある。あそこにするか。

 そのレストラン街の中華料理屋で夕食にする。

 隣のお兄ちゃんの二人連れがなんだかわからない言葉でしゃべっている。聞き耳を立てたら、もろ関西弁が聞こえてきた。よくよく聞いてみると、関西弁の間になにやら、略語のような短い単語が挟まってくる。その単語の前後には普通の言葉はつけられない。その単語だけのやり取りの部分を聞いていると、何語だかわからない言葉に聞こえてくる。そういうことの様だ。

 食事が済み、「ジャ○コ」で安売りのパンを買い込み、「マ○ク」でコーヒーを飲んでいるときに、相棒がさっきの若者はなに人かと聞いてきた。やはり同じようなことを考えたようだ。自分の考えを説明し、多分日本人だろうと話す。相棒、あまり納得していなかったが。

 真っ暗な道を砂丘に向けて走って行ったら、無料の駐車場の案内板が出てくる。持参した地図上には「パーキングスペース」の印があり、一応そこを今夜の泊り場の第一候補にしていたので、多分そのパーキングのことだろうと、その案内に従って入ってみる。

 そこは「オアシス広場」という大きな施設の駐車場らしい。真っ暗な中に、結構自動車が停まっている。その広い駐車場を廻ってみたら、2組程のテントも見える。よし、ここに泊ろう。

 この先に「鳥取温泉ふれあい会館」というのが有ることになっている。もし温泉ならば寄ってみようと、一旦道路まで戻り、先に進んでみる。

 明日の予定の「一ツ岩」はその道路沿いのはずだ。一ツ山の看板があるはずだと、結構交通量の多いその海岸沿いの道を少しゆっくり走っていったのだが、それらしい看板を発見する前に「ふれあい会館」に着いてしまった。

 なんだか入り口のよくわからないその「ふれあい会館」に、何とか行ってみたら、8時までの営業ということで、既に締まっていた。因みにその時の時間は8時半だった。

 オアシス広場に戻るときにも一ツ山の看板を探したが、結局見つからなかった。

 テントを張って炊事をしている風の自動車の近くにテントを張り、一応、そのお隣さんに挨拶をして、寝袋に潜り込んだ。


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作成年月日 平成17年 5月27日
作 成 者 本庄 章