奇絶峡のボルダーに行ってきました

近畿ボルダー巡り第8日目最終日
2007年 1月17日記

 みなべ梅振興館道の駅で7時頃目を覚ました。自動車は5台に増えていた。

 適当に食事をした後、9時前に気絶峡に向けて出発した。

 天気予報では各地で強風が吹いていると伝えていた。

 海岸沿いの道に出ると、フロントガラスが白く点々と汚れていることに気が付いた。いつ汚れたのだろうと、少し気にしながら走っていたら、段々白い点が増えてきた。そうか、潮か。海岸沿いの道だから、風で波の飛沫が飛んでくるのか。

 天気予報では翌日も強風のようなことを言っている。本日の予定は、気絶峡の次は白浜だ。白浜とは当然海岸だ。翌日はやはり適当に海岸をと考えていた。これはまずいかも。

 しょうがない、お正月だし、終了を一日早めて、名古屋の娘のところにでも寄ってみるか。ということで、相棒にメールをさせてみた。程なく娘から歓迎するとのメールが届いた。

 田辺市に入ると、回転すし屋が出てきた。昨夜、備長炭公園に行っていれば。いつもこうだ。

 気絶峡は、田辺市の右会津川にある。その上流には昨夜行ったかもしれない紀州備長炭記念公園道の駅がある。まずは、その道の駅の偵察に行くことにした。

 気絶峡に入ると、道の両側に無料の駐車場が何箇所か設けられていることが分かった。トイレの横にも駐車場があることが分かった。これで、駐車場所は解決した。山の中のボルダーエリアの場合はそうでもないが、谷川沿いや、観光地のエリアに行くときは、いつも駐車場所の心配ばかりしているのだ。

 気絶峡を過ぎ、暫く行くと、左側に備長炭公園道の駅が出てきた。

 売店を見ていたら、畳敷きの草履が目ついた。子供用もあった。そういえば、名古屋には子供がいたっけ。相棒に聞いてみた。足のサイズは分からなかった。相棒は値段も高いと言った。確かに、普段の夕食の2食分はあった。2足だと・・・

 石を売っていた。古谷石とかいう、この付近でしか出ない石らしい。値段を見ると、大きいのはうん万円。でも、小さいのは二百円からあった。相棒を呼んでみた。何しろ、相棒は、小生が川原でボルダリングをしているときは、写真撮影のほかはいつも石を探しているからだ。すると、相棒も興味を示した。

 その石を持ってみたら、結構重かった。鉄系の石だった。

 いくつか探してみたら、どうやら形と大きさで値段がついているようだった。同じ大きさでも平凡は平べったい四角い形の石は200円だった。ちょっと富士山みたいな形をした少し白っぽい石は500円だった。

 この白っぽい石、形は良いのだが、色が他の石と違っていた。他の石は茶褐色をしていた。小さめの石をああでもないこうでもないと選んでいたら、「無能の人」だったかを思い出してしまった。

 売店の人に、名古屋までは普通はどう行くか聞いてみた。やはりスカイラインを行くらしかった。そして、スカイラインは無料になったとも教えてくれた。しかし、雪があるから、チェーンが必要だとも教えてくれた。

 昼から出て、夕方に着けるかときいたら、無理だといわれた。実は娘とは夕食を共にすると伝えてしまっていたのだ。

 大方想像はしていたが、やっぱりスカイラインは無理のようだった。

 10時過ぎに、トイレの横に自動車を停め、トポの1番から6番の岩のある場所を見に行ってみた。

 東屋のある駐車スペースの奥から川原に下り、岩を探したが、なんだか良く分からなかった。

 大き目の岩の横を抜け、その岩の裏に行ってみたら、側壁側にあずまやトラバースのある岩が見つかった。近寄って、トポの写真と比べてみたら、間違いなさそうだった。

 少し横長の岩のリップとかその下のホールドでトラバースする課題で、5b+である。岩に張り付いて、ヒールなどを使ったりして、一応写真だけを撮ってもらった。

 ほかの課題は見つからなかった。仕方がないから、その岩の前の、右斜め上の方にゆるい傾斜で延びるきれいなカンテというかリップというか、そんな角を持った岩があったので、そのカンテでトラバースしてみた。途中からリップが甘くなったので、真ん中辺で上に上がってしまった。

 岩がゴロゴロしている中に、登れそうな高さが2m半位のカンテを持った岩が見つかった。左側にちょっとしたリスが立てに走っていたので、リップまでは行けたが、リップの上にホールドが見つからず、最後のマントルが出来なかった。

 次の岩は少し離れるので、道路に上がり、自動車を停めた場所まで戻った。

 そのトイレの前には赤い橋が架かっていた。その橋を渡って対岸に行ってみたら、少し奥に大きな滝があった。不動の滝とかいう滝らしい。滝の落ち口には大きな岩が載っていた。先ほどトイレの前に自動車を停めたとき、この辺からなにやらほら貝のような音が聞こえてきていたのだが、この滝と何か関係があったのだろうか。

 トイレの横の駐車スペースはそんなに広くはない。結構自動車も来る。長く停めると他の人の邪魔になると、そこから少し下の川と反対側の道路脇にある少し広い駐車スペースに移動することにした。

 そこから少し上流に歩いて、川側の駐車スペースから川原に降り、トポに書かれた岩を探してみた。直ぐ下に大きな岩があったので、トポの課題らしいところを探してみた。SD、ポケットを使う、あるいは、左スラブの穴から右にトラバースし、前傾壁を大小のポケットを使い登る、という課題は分からなかった。

 その岩は、下流面は結構大きなポケットをいくつか持ったスラブ面になっており、上流面は大きな岩の上の少し被った面になっていた。

 最初に、下流面の、下降路として使えるであろう左のカンテ付近をポケットを繋いで登って行った。そして、上流面のリップへデッドとコメントされた課題ではなかろうかと思われるラインのリップを見に行ってみた。とても小生に止められるリップには見えなかった。

 そのリップにデッドという4aの課題の左の方が、被りの傾斜が少しきつくなり、下地が少し怖くはなるが、凸凹になったところがあり、そこにはホールド、スタンスがあったので、登ってみた。何とか登ることが出来た。

 ではと、リップにデッドの辺りを離陸して、リップを探ってみた。全く無理そうだったので、そのまま左に逃げて、また凸凹を登ってしまった。

 またまた下流面に戻り、先ほどのスラブ面を見てみたら、真ん中辺りが格好良さそうに見えた。そこは、少し高さがあり、最後のマントルに少々不安を覚えたが、思い切って登って見た。最後のリップに下からでは見えなかったポケットホールドが出てきたので、それほど怖くなく登ることができた。ここは課題があるのはその岩だけだった。

 次の岩までは道路を歩いて移動した。

 川原に下りる手前の道路上から、結構格好の良さそうな少し高めのスラブ面を持った横長の岩が見えた。あれが登れればなぁと考えながら、その岩の写真を撮り、歩いていった。

 そこも川側のちょっとした小屋のある駐車スペースの脇から川原に下りた。ガードレールの切れ間からガードレールの反対側に行けたのだが、そうすると、その隙間から川原に下りる所までの間に立ててある看板が邪魔をして、川原に下りるところまで行けなかった。仕方がないから道路を少し歩いてガードレールを跨いで川原に下りていった。

 後ろでなんか変な音がした。振り向くと相棒がうつ伏せに倒れていた。近づくと鼻を押さえて呻いていた。草の蔓に足を取られ、ちょっとした段差の途中で転んでしまったらしい。そして、鼻を打ったらしい。急いで大丈夫か聞いてみたら、大丈夫だと言ったので、少しだけ安心した。その後も相棒は少し鼻をいじりながら横たわっていたが、何とか自力で起き上がってきた。

 その駐車スペースの直ぐ下に、ウォームアップスラブという4b+の課題があることになっている。トポの図の辺りのスラブ壁を探してみたが、見つからなかった。仕方がないから来るときに見たスラブの岩に行ってみた。結構背の高い枯れ草が残っていたし、下も穴が開いていて、そこに枯れ草が積もったような所もあったので、少し行きにくかった。

 岩の下に行ってみたら、思いのほか傾斜はゆるかった。これなら登れるかもと、取り付く場所を探してみた。

 岩の基部は少し隙間があり、凹んでいる。なんだか取り付きにくい感じだ。少し左に行ったら、岩が出ており、その岩の上からなら簡単に離陸が出来そうだった。少しチョンボ気味にはなるが、その岩から離陸することにした。

 2手目くらいだったか、ホールドにしたフレークの淵が少し剥がれてしまった。しかし、その上は適当なスタンスがあったので、スムーズに岩の上に立つことが出来た。

 真ん中の一番高いところではなくなったが、何とかギリギリスラブ面の真ん中辺りを登ることが出来た。登ってみたら、見た目ほど難しくはなかったが。

 そこには他にいくつかと、対岸にもいくつかの課題があることになっていたが、渡渉は出来そうになかったしで、次に移動することにした。

 道路工事が行われている少し手前の、舗装されていない路肩の駐車スペースから川原に下りた。

 最初に対岸のすごく高い三角形に尖がった岩が目に入ってきた。トポにある、10mの岩の様だった。

 先ず、側壁側のスラブの岩を見に行ってみた。

 布袋さんのおなかのようなボコッとした段差を持つ結構高いスラブ面だった。何となく敬遠したく思ったので、その奥の巨大チョックストーンの右からトラバース気味にという5bの課題を触ってみた。トポに左壁下部のポケットを左足でスタートしと書いてあったので、そのように離陸して、リップをトラバースしてみた。途中で手が滑って落ちてしまった。

 改めて左のスラブ面を見たら、何となく登りたくなってきた。

 1っ歩、2歩と、上がって、途中の段差の丸っこいところを探ってみた。ホールドになりそうなところはなかった。スタンスを探ってみた。候補はいくつかあったが、いずれも使うことは出来なかった。

 場所を左にずらしてやってみた。さっきよりは一歩あがった気はしたが、足が悪く、手も見つからなかったので、途中の段差に上がることは出来なかった。

 川側の大きな岩の下流面に戻り、その岩の下流面のすごく大きなポケットのところを登って見た。そのポケットの大きさは直径が数十cmもあって、ポケットの淵がアンダー持ちできるほどだったから、何とか登ることができた。

 その面の、右端のカンテ状のところにも大きなポケットがある。そこも登って見た。そっちは少し高さが出てくるのと、リップの上の傾斜が立ってくるので、左側よりは難しく見えた。登って見たら、リップの上のカンテの向こうに適当なポケットが見つかったので、そのポケットで、その少し下のちょうどカンテ上の少し小さいポケットのスタンスに足を上げてみたのだが、少し高めだったし、そのポケットの中には草が生えており滑りそうで怖かったので、そのポケットに乗ることが出来なかった。少し左にトラバースして、マントルしようとしてみたが、それも駄目だった。結局一番左までトラバースして降りてきた。

 下に戻って、相棒に聞くと、そのシーンを撮影していなかっといった。仕方がないから、写真撮影のために再度登り返し、そのポケットに足を上げてみた。すると、どうしても登りたくなってしまった。意を決し、気合を入れてポケットに乗り込んだら、そのポケットに立てた。その上のリップは十分にもてたので、そのまま上に抜けることが出来た。何となく嬉しかった。

 なんだか雨が落ちてきた感じがした。岩を見ると、確かに雨のようだった。

 少し周りの写真を撮って、道路に上がったら、雨は止んでいた。時計を見ると既に12時を回っていた。

 これで今回の近畿地方のボルダーエリアを巡るツアーは終了となった。

 名古屋へは、白浜から勝浦を回ったのでは時間がかかりすぎる。スカイラインで高野山に出るのも、雪さえなければ行きたいところだが、今回は無理だ。みなべから高速に乗り京都、滋賀を通って行くのはお金がかかりすぎる。大阪、京都の渋滞も予測が出来ない。残るは、みなべから高速に乗り、天理から一旦名阪国道に降りて、亀山から再び高速に乗るというルートだ。名阪国道の時間が読めないが、距離的にはそう遠回りではない。色々悩んだが、やはり天理から名阪という結論に達した。

 カーナビにこのルートをセットするには中継地点をいくつか登録しなければならない。面倒くさいから、名阪国道の真ん中辺の針インターを目的地として走り出した。

 実は小生のカーナビにはみなべからの高速道路は載ってはいない。御坊からの湯浅御坊道路からしか載っていない。まぁ、適当に走り出した。

 みなべ町から阪和道に乗り、カーナビの地図にない場所を走っていった。

 御坊で、御坊道路に入ると、カーナビの印は、真っ直ぐと御坊道路の上に乗ってきた。最近小生のカーナビのジャイロの調子がおかしいと感じていたのだが、地図上で真っ直ぐに高速道路の印に乗ったときは、なんだか感激してしまった。

 湯浅御坊道路から再び阪和道に入ると、紀ノ川サービスエリアが出てきた。時間が少しもったいなかったが、まだお昼を食べていなかったので、寄る事にした。

 売店を覘くと、なれ寿司を売っていた。鯖かなんかだったと思う。なれ寿司とは醗酵させた寿司だ。匂いが少し気になったが、関東ではあまり見ない寿司なので、昼飯にと、少し高かったが、それを買うことにした。

 走りながらなれ寿司を食べてみたら、匂いもなく食べやすい押し寿司だった。カーナビを今度は東名阪道の鈴鹿インターに設定して走り出した。

 途中、鈴鹿着が6時過ぎとの表示だったので、名古屋着は7時を過ぎそうだと、その旨を娘にメールした。

 天理から、そのまま真っ直ぐに阪奈国道に入った。その間、阪和道から近畿道に入り、西名阪道を通ってきた。その都度、なんだ料金所が有ったような気がする。ETCを搭載しているから、あまり気にはならなかったが、料金のことを考えると、なんだか余計にお金を取られている感じがしてしまった。

 名阪国道は、途中信号はなく、完全な専用道路だったので、おおよそ80kmくらいで流れていた。何時もの小生の高速の巡航速度と大して変わらない速度だ。針を過ぎた辺りで、目的地を名古屋に変更した。すると、名古屋着は6時半頃になっていた。

 名古屋の到着予想時間がどんどん早くなってきた。三重県にはいるころには遂に6時になった。小生のカーナビの所要予想時間は一般道は時速20kmくらいで計算するらしい。そこを時速80km前後で走っているのだから早くなるはずだ。それも、名阪国道は100km近い距離があるのだ。って、本当かなぁ。まぁいいや。信用しないように。

 そこで、また、そのことを娘にメールで知らせることとなった。

 西名阪道に入り、直ぐの亀山ハイウェイオアシスに寄ってみた。なんだか、最近来たような感じのところだった。

 奈良県を走っているときに相棒が柿の葉寿司、柿の葉寿司といっていたのだが、その柿の葉寿司を売っていたので、娘へのお土産も兼ねてその柿の葉寿司を買った。ついでに、そのつい先日伊勢神宮に来た時には買わなかった伊勢名物の赤福も買ってしまった。

 尚も、つい先日娘夫婦と来たのは伊勢だから、ここは通らなかったしとか思いながら、レストランの横のもう一つの建物に入ったら、つい先日娘達と夕食を食べた柱の影の席が目に入った。やっぱりここはつい先月、一ヶ月もしない前に寄った所だったのだ。

 名古屋には5時半頃到着した。

 その日の夕飯は娘達と焼肉を食べに行った。焼肉なんて何年振りだろう。いや何十年ぶりというのが正しいかも。

 翌日は、雨の中熱田神宮に初詣に行き、2時間近くも待たされて、ひつまぶしを食べた。2時間近くも待ったせいか、格別に美味しかった。


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作成年月日 平成19年 1月17日
作 成 者 本庄 章