六甲は北山公園のボルダーに行ってきました。昨年の7月に次いで2回目です。
前回はクソ熱い夏でしたけど、今回は少々寒い冬、時期としては最高の時期です。
以下報告です。長いです。
午前10時過ぎに現着。先ずは将棋岩へ。今回も眺めるだけ。その先の新しいエリアのあこがれランドを覗く。トポが無いから良くは分からないが、チョーク痕は幾つか有る。でも、難しそうだからとそこも眺めるだけ。岩陰にマットが幾つか仕舞われていた。
最初の目的地、エレファントノーズの岩へ。誰もいない。もう11時だというのに、関西ではボルダリングをやる人はいなくなっちゃったんだろうか、と言いながら先ずは初級スラブ。やっぱりスラブは易しくてもなんか気が抜けない。続いて初級クラック。ここは5.6。易しいからと相棒も登る。そして、1撃、相棒もうまくなったものだ。
次は今回の目的、エレファントノーズに取り付く。前回やっと行った核心の一歩手前までは結構楽に行く。やっぱり靴だ。スタンスに何の不安もない。
核心のホールドの所まで足を上げて、右手カンテのスローパーを取りに行くところで、どうしてもカンテに届かない。上げた足に体重を預けるのもままならない。
3回、5回、ほぼ同じ事を繰り返し、その都度飛び降りたり、ずり落ちたりする。
1度なんかそこから完全にずり落ちたものだから、C4ラバーから垢を擦った時の様に、細いねじり棒みたいなのが出てきてしまった。あーもったいない。これで、0.5mmはすり減ったかも、しかも両足が、と心臓ドキドキものである。
核心の足を上げる場所を少し下の少し遠いところに変えて試みる。こちらの方がスタンスには乗りやすい。でも、手は届かない。色々手を探って、何とクラック状のカンテを捉えることが出来るではないか。でもそこは初級クラックのクラックである。ここは使っちゃいけないんだろうなとは思ったが、まっいいやと、そこを使って上に行く。その上は難しくはない。何とか上まで抜ける。
降りてくると、相棒が、ガッツポーズをするかと思ったのにというが、やっぱりチョンボだから、素直には喜べない。
人が上がってきた。2組3人。2人組は裏のコックロックの方に行ってしまったが、1人の人はエレファントノーズを登りに来たらしい。
少しお話をする。やっぱりクラックを使うのはチョンボらしい。普通はもう1手手を上げてスローパーを取りに行くらしい。そして、昨日は雪が降ったせいか今日は空いているという。やっぱりそうだったんだ。
駅前で買ってきたいつもとは違う神戸屋の高級なパンを食べていたら、親子連れが登ってきた。お弁当を食べに見晴らしの良いこの岩に上がってきたらしい。確かに、西宮の町(多分)が一望できる位に見晴らしは良いのだが、その分風通しも良い。そして、やはり寒い。
再度、エレファントノーズに挑戦。スローパーを取りに行く前に手を上げて見る。何とか上がる。でもそこもスローパー。何とか耐えてカンテのスローパーへ。よし、届いた、が悪い。もたもたしていたら、ずるずると滑り落ちて仕舞う。さっきより太いひねり棒が。これだけで大分ソールが減ってしまった。一瞬、さて、次のアセ*ト(この時履いていた靴)は何時買えるだろうかとの思いがよぎる。やっぱりこの課題は心臓に良くないわ。
2回?3回? 出来た。やっとエレファントノーズがチョンボ無く出来た。グレードは10c+。D助さん達のグレーディングで3級とか。これで、北山公園に来た甲斐が有ったと言うものだ。もう帰るか。思わず言ってしまった。
気を良くしてその横のサーティ(5.11)を触る。さすが1級。離陸が出来ない。初見で1級はやっぱり無理ですわ。
殆ど登っているのを見たことが無いというマントルロックに行く。遊歩道から少し入ったところだ。
右が9+。真ん中が10c。相棒が右に挑戦。やっぱり9+はちと難しいようだ。小生、真ん中を試みる。なんかホールドに限定が有るような気もするが、何とかこなす。
ハイキングの中高年グループがその横を下って行く。珍しそうに立ち止まって眺めて行く人もいた。確かに、中年夫婦に妙齢の乙女のトリオが小さな岩にジャレついていたのだから、珍しいと言えば珍しいのだろう。そう、今回は娘も同行していたのだ。
突然、何かが頬に掛かった。ん、雪か? で、突然吹雪出す。わー雪だ。それも横殴りの凄い吹雪。どおりで寒いわけだ。でも、折角だしで、一応その先の岩も見学に行く。その後何回か雪が降り出したが、幸い1回の雪がそう長くは続かなかった。
次はボルダータワーを経てみやこスラブからアドレナリンカンテの岩へ。
ここは遊歩道から離れて踏み跡をたどる道である。藪の中だし、下地もあまり良くないし、雪も降ってるしで素通りする。
木下フェースらしいところでもとの遊歩道に戻る。
また、吹雪。で、吹雪いている最中に2人組のクライマーに会い、オ・モロイヤロックと、股フックカンテ、トライアングルの岩を教わる。
少し戻ってオ・モロイヤへ。
5.9との事だが、出来ない。最初の足が少し高いし。右のそれより易しい方はなんとか出来たが、5.9の方が出来ない。諦めてホールドアップの岩を探す。
どうやるのか検討も付かない。多分リーチの課題なんだろう。ホールドアップの体制でスタートとのことだから。そうすると、丁度カンテ辺りに手が届くか届かないかの高さだから。
前回取り付いて登れなかった、フェースのプロブレムという課題を思い出し、木下フェースの方に戻り、フェースのプロブレムに取り付く。
ここは、スタートから第1手目を取るのが核心みたいな課題で、スタートの足が乏しい課題である。確か10b。前回は地面から飛ぶ付くのだと教えられ、飛びつけなかったので諦めたのだが、今回は何とか足を探し、スタティックに離陸出来た。離陸できてしまえば、あとはガバ。1回の試技で抜ける。
遊歩道に戻って来るとマットを背負ったクライマーが通ったので付いて行く。
その人は、股フックカンテをウォーミングアップとして登っていた。ついでだからと図々しくもお願いして、オ・モロイヤも登ってもらう。ムーブは間違ってはいなかったようだったので、再度挑戦。今度は次の足をねらいを付けて少し勢いを付けて乗りに行き、何とかこなす。続いて、さっき登ってもらった人と同じ限定付きのムーブでも成功する。
気をよくして、股フックカンテにも挑戦。確か10dである。ルーフ状のカンテだから、出来ないだろうと軽い気持ちで取り付いたら、登れた。力業の課題だから、小生のようなジムクライマーには易しいのかな。とっても10dとは思えなかった。5級位にした感じなかった。
笠間のグレードもそうだが、今のジム系のクライマーには、概して寝ている岩のテクニック系の課題は辛く、被っているパワー系のそれは甘いように感じる。何しろ、なにも考えずにただただ被り系を週に2回前後やっていれば、こんなおじさんでも、パワーは確実に付いてくるのだから。
また少し進んで、バーカーヘッドの岩に取り付く。
ここは、あの大震災の時に岩が動いたらしく、今までのトポは参考にはならないらしい。だからグレードは分からないが、易しそうに見えた右の方のスラブを相棒に登らせたら、これが凄く難しい。下手すると3級くらい有りそうだ。小生が最初に取り付いた、少しハング気味のマントルなんか全く出来ない。何とかスラブは登りはしたが、指を相当使ってしまった。
もう夕刻近くなってはいたが、後一つと、時をカケる少女に行く。10bらしい。
ぼ垂直。ホールドは結構細かい。やっぱり、先のバーカーヘッドで指を使いすぎたのか、もう登る元気が出なかった。といいつつ、都合5〜6回は取り付いてしまった。
もう5時に近いので、これで本当にお終いのクールダウンとして、その下のテーブルロックに行く。ここも、震災で岩が完全にひっくり返ってしまったらしい。
相棒も、ここの右の石切跡みたいな穴を使って登る。小生もその左の方のスラブを登って、本日の終了とする。
11時から5時迄だから都合6時間。指の皮も大分無くなっていた。只くっついてきた娘も、疲れたという。うーん、やっぱり疲れた。
少し下って、池の畔を回り、エレファントノーズの岩の下に出て、午前中の道を戻る。
将棋岩の前に来たら、さっき無理を聞いてもらったお兄さんと、他2人で将棋岩を登っている。さっきのお兄さんは、凄く調子がいいと言って11cのカンテの方を登ってしまった。
我々ももう帰るので、先ほどのお礼を言い、ついでにエレファントノーズも登った事を話すと、凄い心臓の持ち主だと言う。そのお兄さんも、核心を確実に登れるようになってからしかその上は行かなかったという。でも、核心の上は難しくはないというと、でも高いという、怖いという。だから、確実に落ちないという自信を付けてからしか行かなかったという。それをこのおじさんはと言いたかったのか?
確かに5mは高いし怖かったけど、ま、落ちなかったから良しとしよう。なにしろ、エレファントノーズがやっと登れたのだから。そして、このエレファントノーズはここ北山公園の一つの関門課題なのだから。そしてそして、今はかつてあったトップロープ用のピンも無くなっていたのだから。(これは関係ないか。)
北山公園のボルダーは結構高いのが多い。エレファントノーズ、時をカケル少女が5m、ボルダータワーは6m、みやこスラブやバットマンズフレークなんか7mもある。4m位だったらいっぱいある。下地も良いものばかりではないし。やっぱり怖い課題が多いなと言うのが正直な感想であった。
と言う事で夕暮れの中、小生も相棒もまたまた娘までもがお互いに大変に満足して駅に向かったのであった。
と、普通はここで終わるのだが、今回はその日の内の続きがまだ有るのだ。
宿である大阪梅田のホテルに7時頃到着。で、すかさずクラ*クスというジム兼ショップに電話し、プ*シャーのゾ*ンという品物の在庫を聞く。
実は、出発の前日東京のカラフ*テにそれの在庫を聞いたら売り切れとのことで今回はマット無しだったのである。いくら小生の心臓が大きいからと、あの大きなマットを東京から飛行機で運んで来るには抵抗が有ったのだ。でも、今後のためにと総販売元のそのジムに問い合わせたのである。そしたら有ると言うことだったので、部屋に荷物を置き、即、勿論家族3人で地下鉄に乗って、そのショップに買い出しに行ったのだった。
そして少々遅い夕食の後、何しろその日は朝の4時に起きて千葉を発ってきたものだから、全員へとへとで、宿に着いたら即寝てしまったのだった。
で、この話は終わったのですが、実はおまけがもう一つあるのです。
翌日相棒の要望で神戸に行って、そのついでに覗いたショップにキックボードとやらの現物が有ったので、遂に、それを買ってしまいました。で、前日に買ったゾ*ンにくるんで千葉まで背負って帰ったのでした。うーん、こういう時にもこのマットは使えるのだ。やっぱり便利だ。因みにこのゾ*ンというのは普通のマットの半分くらいの大きさで凄く薄い、どちらかというとお昼寝用のマットなのです。そして、スポ*トみたいに荷物が包み込めるんです。さーこれで、御岳や三峰に電車で行く時でもマットを背負って行けるぞーっと。
という、駆け出しボルダラーのCは実は非常に小心者であったというお話でした。