岩手侍浜経由の笠間ボルダーその5
2000年5月12日記
5月の連休を利用して相棒と2人で岩手県の侍浜に行って来た。以下その報告である。
5月3日9時ちょっと遅いが岩手県の侍浜を目指して千葉を出発。もう東北自動車道は上河内サービスエリアを先頭に何十キロと渋滞している。我々はその渋滞を避けるべく、下の道を茨城県の筑波経由で栃木県の矢板を目指す。
16号線は反対方向は混んでいたが我々の方は空いている。ところが、利根川を渡る橋の手前で渋滞。その後は一応順調に筑波へ。連休の筑波なんて誰もいないのではと思ったら、これが意外と自動車が多い。筑波の学園都市では渋滞はなかったものの、学園都市の出口、筑波山の入り口で少し渋滞。やっぱり、連休は行楽地に近づいてはまずかったようだ。
二宮で道の駅に寄る。ここで昼食とする。丁度お弁当を売っていたのでそれを買うことにする。道の駅マップを発見したのでそれも購入する。
真岡を通って宝積寺から4号線へ。途中にわか雨あり。ところが、4号線が動かない。氏家を過ぎても動かない。福島トンネルが渋滞とのラジオの情報を聞いていたので、福島まで4号を行くつもりだったが、これでは渋滞しているとは言え高速のほうが遥かに早そうだ。多分矢板を過ぎれば4号線も空くとは思ったが、途中、郡山とかでまた渋滞しそうなので、矢板インターから高速に乗る。すでに3時をまわっている。まだ先はものすごく長い。大丈夫だろうか。今日中に岩手の久慈まで着くだろうか。
福島トンネルの手前で少し渋滞はしたものの、粗順調に距離を稼ぐ。やっぱり高速道路だ。どっかでバスのハイジャックがあったらしくラジオはそのことばかりやっている。
前沢サービスエリアで夕食。ちょっと豪勢にレストランへ。小生は田舎汁定食。中身は澱粉質ばかり。安いから仕方が無いか。
岩手県北部は大雨洪水警報が出されているらしい。でも、盛岡あたりまでは雨は降ってはいなかった。なのに道路は50km制限である。でも、そんな規制を守る自動車は無い。みんな100km前後で走っている。この規制って何なんだろう。
八戸自動車道にはいってやっと雨が降り出した。すでに11時近い。今日中に着けるかどうか微妙なところだ。
軽米で高速を降り、一般道で侍浜を目指す。ほとんど自動車の通りは無い。時間も時間だが、ここまでくるとさすがに空いている。雨も降っているし、若しかすると幕営に都合のよさそうな場所が見つかるかもしれないと途中道の駅に寄ってみる。ところが駐車場には自動車が20台近く駐まっている。なんか皆寝ているようだ。さすが連休と感心しながらも、こんなに人がいてはテントを張る訳には行かないと、仕方が無いから素通りする。途中霧が濃くなってきた。雨もまだ降っている。適当な幕営地を探しつつ結局侍浜の駅に到着。ここまで来たらもうキャンプ場に行くしかないと、キャンプ場を目指す。地図があまり詳しいのが無いため、少し迷ったが、なんとか北侍浜野営場にたどり着く。でも結局翌日の到着となってしまった。
この野営場、なんとトイレ、炊事場に電気が点いている。でもトイレのシャッターは閉まっている。そう、なんとトイレにシャッターがついているのだ。残念ながら中は覗けなかったが、あの感じだと水洗トイレなのかも知れない。相変わらず小降りにはなったようだが雨は降っている。野営場内自動車進入禁止なのだが、ちょっと失礼して自動車で進入、屋根のある炊事場にテントを張る。
翌日ちょっと時間を間違えてしまって5時頃に起床。雨は一応上がったようだが一面の霧。昨日の霧はまだ晴れないようだ。ボルダリングは諦めるしかないかも知れないが一応岩の偵察に出かける。
野営場の下の港に自動車を駐める。どこもかしこも一面の岩というか石というか。なにしろボルダーだらけ。それも、垂直な面を持った岩が多い。その岩に適当にクラックやらリスやらが走っている。そこそこカチホールドもある。登ればのぼれそうだったが、岩も塗れているしで、写真を撮るにとどめ、計画を1日早め、次の目的地である龍泉洞を目指す。
途中、久慈市の中央公園の東屋で湯を沸かして朝食を摂り、琥珀博物館に寄る。雨の中結構観光客がいる。移動中に中安家洞という日本一長い鍾乳を見つけ、寄って中を見学。ところが、サンダル履きで入ったものだから、足元が滑って滑って、とても見物どころではなかった。もっとも、この洞、下は泥がたまっているみたいで、そんなにきれいな洞では無かった。
そして、本日の目的の龍泉洞へ。さすが観光地だけあって、混んでいる。たくさんの人がいる。雨は小ぶりになったとはいえまだ降っている。ところが、本日の龍泉洞は入場出来ませんとのこと。折角ここを目的に来たのにと少しがっかりしたが、仕方が無い。未練たらしく洞の入り口に近付くと沢山の人が並んでいる。その横を入り口まで行くと、そこには入場無料の張り紙がある。早速相棒を呼び列に並ぶ。結構並んでやっと洞の中へ。でもやっぱり並んでいる。またまたしばし行列。で、その先は通路からトウトウと流れ落ちる水で、行くことが出来ない状態であった。その水量たるや半端ではない。もともとこの龍泉洞はこの中を流れる水が売り物のようだから、当然といえば当然かもしれない。石灰岩の染み出しが肌で実感できた感じである。
その後、予定外のなんとか岬とかの展望台によったり、道の駅に寄ったりして、またまた予定外の宮古の浄土が浜に行く。すでに4時をまわっていたが、思い切って遊覧船に乗る。まだ、雨は降っている。
港を出た遊覧船のすぐそばをウミネコがいっしょについてくる。そして、乗客がくれる餌を待っている。なんともかわいらしい光景に夢中で写真機を構えてしまった。
もうひとつの目玉である、わんこそばを求めて盛岡へ。そんなに走ってはいないつもりだったが、自動車のメーターは結構回っている。龍泉洞以外は全て予定外の行動だった事も有り、昼には着く予定であった盛岡着は7時を過ぎてしまった。一応盛岡市内の繁華街を走ったが、自動車でわんこそば屋を探すのは至難の業。時間も時間だしと、これもあきらめて高速のインターに転進する。途中給油に寄ったガソリンスタンドで念のためわんこそば屋を聞くと、インターの近くにあるとのことなので、再度わんこそば屋を目指す。
そのわんこそば屋は、観光バス相手のわんこそば屋という感じ、つまり、ドライブイン風のわんこそば屋。でも、営業は8時までとかでやっぱりわんこそばにはありつけなかった。
盛岡インターから再び高速に乗り、ひとまず岩手を離れることにする。といって、その先宛があるわけではない。ただただ高速を走る。でも、すぐに眠くなってしまって、何しろ5時から行動していたのだから無理も無いが、長者原のサービスエリアで仮眠を取る。
またしても6時に行動開始。で、結局笠間を目指すことにする。
これからが本題で、笠間でのボルダリングの話が始まるのである。
福島経由盤越道から常磐道へ。この盤越道を走るのは初めてである。ところでこの盤越道、片側1車線の高速道路である。まだこういう高速道路があるのだ。拡幅工事はしているようだが。
いつもの通り岩間インターから行こうとしていたら、相棒が水戸からの方が近いと言うので、水戸インターから50号で笠間に行く事にする。
インターの出口で笠間方面が詰まっていて自動車が動かない。そういえば、笠間はつつじ祭りの最中だったかも。しかし、50号に出て見るとそれなりに流れている。単純にインターの出口の信号で詰まっていただけだったようだ。
今度出来た陶器の森公園の裏門に入っている広い道路は50号から来ている筈だと勝手に決め付け、案内盤に従って50号を左折するつもりが、その案内盤があまりにも小さく発見が遅れてその交差点を直進してしまった。Uターンしてその交差点を曲りはしたが、案内盤が臨時の物で、なんかその先が少々不安になってしまった。
結局はすんなりと公園の裏門への道に出る事は出来たが、途中T字でこの裏門への道に入る道だった。本来の道は友部からの道の様だ。
そんな訳でいつもとは反対の方向から佐白山公園の駐車場に入る。いつもよりは少し自動車が多いようだ。そのまま周回道路へ。
なんだか道に落ち葉がいっぱい落ちている。やっぱりこちらでも大雨や大風があったのだろうか。
いつもの駐車スペースには先客がいる。それに、そのスペースの真ん中に大きな水たまりが出来ている。先客はその水たまりを避けて駐めているので、そこにもう1台駐車するのは難しい。仕方が無いからその少し先のスペースに駐める。ところが、この場所はホップ岩のすぐ下になる。岩場に行くにはかえってこちらの方が便利なのかもしれない。
ホップ岩からシンプル岩へ。シンプル岩の手前の石器人岩に先客が居る。聞くと下の自動車の持ち主であった。色々とお話しをする。その方は同じ千葉の方で、何年かぶりに笠間にいらしたらしい。以前はこの笠間の紹介者である細谷さん達と登って居られたとか。これは良い方にお会いしたとばかりに色々とお話しを伺う。
その話しをかいつまんでご紹介すると、この原始人岩は大きな結晶が欠けたらしい。で、難しくなったらしい。ポコ岩はわからない。ハートビートカンテは結構限定があるらしい。基本的にはカンテの左には出ないらしい。我々がホップ岩と言っている岩について、その当時から南面はウォーミングアップに登られていたらしい。等などであった。また、ここ笠間は水戸の山岳会の人達が良く来ていたらしいので、その人達に聞けば当時の事はわかるかも知れないとの事でもあった。
ひとしきりお話しをした後、恒例のワシントン倶楽部へ。今回はお尻をいかに放さずに岩にへばりつくかを意識しながら取り付いて見た。というのも、上手な人のビデオを一生懸命見てみた結果、そういう結論に達したからである。これがなかなか良さそうである。今までより少し左手の効きが良くなったような感じがする。でも、やっぱり感じがするのであって、相変わらず持てる訳ではない。従って、身体が上がる訳でもなく、足が上がる訳でもない。でも、確実に進歩はしている気がする。
何回も何回も同じ所をトライする。1時間くらいやっていただろうか。もしかするともっとやっていたかもしれない。ついに、左手の中指の先の皮が破れて血が滲んできてしまった。花崗岩ではあまり同じ所を何回もやるものでは無い様だ。と、悟っても後の祭りである。仕方が無いからラブタッチに転進する。
マットを敷いて用意しているとハーネスを付けた2人組が降りて来る。一人はどこかで見た事のある人だ。古賀志でお会いした事のある人のようだ。聞くとやっぱり、そうらしい。またまた色々お話ししていたら、この方も千葉の方らしいことがわかった。。小生の昔の仲間が所属していた山岳会の方らしい。笠間は千葉からだと結構来易いからなのだろうか。今回お会いした2組ともが千葉の方だった。
3人でラブタッチに挑戦。以前古賀志でお会いした方は昔から笠間に来ていたとかで、昔のムーブを思い出しながらの挑戦となった。小生はというと、左手指先から出血しており、それがチョークの着いた岩にくっきりと鮮紅色を添え、何ともいえないアートを作出する羽目に陥っていたのであった。
この課題は、左手カンテから右手カンテで左足を上げるのだが、左足は明確なスタンスはなくそこら辺の適当なスメアで行くらしい。そこで、今まで左足を結構高く上げていたのだが、それを適当に上げて見たらこれが意外と効くのである。おまけと言うか、そうすると左手がすごく効く様になるのである。大収穫である。左手の指先が絵筆と化してしまっていたので、足のもう一歩が上がらず、登る事は出来なかったが、これで登れそうな感触を掴む事ができた。
千葉から笠間まで1500kmも走って、3日もかけてやってきたのだが、それなりの収穫は有ったように思う。この収穫、次回には跡形も無くなってしまっている事は想像に難くないのだが。
相棒は裏のグリコに挑戦している。前に一度登ってはいるのだが、他に登る課題が無いので登っている。この課題、リーチがあればどうってことは無いのだが、相棒の様にリーチが無いと少しきつくなる。特に初級の課題では使えるガバホールドが少ないから尚更である。
相棒のスポットをしながら、隣を戯れに登って見たら、もう大分疲れが出てきていたのか、最後のところで落ちてしまい、岩に顔を強打しそうになってしまった。幸い右手で受け身的に岩を押さえ、事無きを得たが、お影で右腕の内側を思い切り擦りむいてしまった。この辺が今回の遠征の潮時かも知れない。そんなに長い時間やった訳ではないが、何しろ3日もかけての遠征だからもう引き上げなさいとの天からの合図だったのかも知れない。
と言う訳で、本日はこの2課題に集中してトライした訳だが、その為も有って、今回も少々早めに切り上げる事とした。
途中、やっぱり連休中の為か道が少し混んでいそうだったので一般道を石岡まで行き千代田インターから常磐道に乗った。
いつもの如く、筑波から龍ヶ崎に抜けたのだが、やっぱり、利根川の橋で大渋滞である。その末尾は龍ヶ崎の町の郊外まで及んでいた。秋の行楽シーズンにこの橋が渋滞する事は良くあるのだが、ここまで渋滞が激しいのは初めてである。
まぁ、最後の大渋滞と言うメインイヴェントも何とか乗り越え、いつもの外食と言うおまけのイヴェントもなく、今回の総てのイヴェントを無事修了した。