笠間ボルダーその31

2007年 3月14日記

 土曜日の日に笠間に行った。相棒は別の場所に出かけていたので、小生一人であった。

 朝7時過ぎに家を出た。相棒と一緒の時よりは少し早めに出られたが、やはり、なかなか腰が上がらず、少し遅めになってしまった。

 今回は一人なので、全て一般道を行くことにした。

 途中、最近全部繋がった牛久から国道6号に平行に走る道を走ってみた。分かりやすくはあったが、やはりひたち野うしく駅近くまでは信号が多かった。

 相変わらず恋瀬橋手前辺りから渋滞していたが、恋瀬橋の袂のパーキングエリアにより、その先の以前は有料道路だった355号のバイパスに入っていった。

 途中コンビニに寄り、12時少し前に笠間に着いた。

 何時ものように、芸術の森公園の手前から裏道に入り、佐白山に行った。

 芸術の森公園の裏口から延びる道から佐白山方面に曲がって行くと、全面通行止めの看板が現れた。良く見ると、1km先と書かれてあった。1km先ってどの辺だろう。だったらもっと早くから出せよなとか思いながら進んでいったら、程なく駐車場の入り口に到着した。

 駐車場には数台の自動車しかいなかった。やっぱり通行止めの影響があったのだろうか。それとも土曜日だからなのだろうか。

 今回もクラックの練習が目的だったのだが、今回は、ターゲットもやってみようと、ロープにハーネスも持参していた。ターゲットとは扇岩にあるクラックの高さのある昔のルートの課題なのだ。従って、荷物が増えてしまったので、マットは持ってはこなかった。

 シンプル岩の前には誰もいなかった。荷物を降ろし、準備をしていたら、二人の若者がやってきた。東京かららしかった。

 今回は、幅の広いテープを持参していたので、そのテープを使ってテーピングをしてみた。小指側の補強用のテープを立てに貼った後、親指に補強用のテープを貼ってみたら、なんだか収まりが悪かった。まぁいいやと、そのまま手の甲に横に幅広のテープを貼ってみた。人差し指の付け根辺りにテープの貼られない場所が出来てしまった。親指の動きがすごく悪かった。なんか違う。でもいいや。両手ほぼ同じ方法でテープを貼った。

 フィンガークラックを触ってみた。前回と殆ど変わらなかった。つまり、ジャムの場所がいまいち分からなかったのだ。

 一生懸命、上や下や、順手や逆手や、色々試しているうちに、何となく収まりの良さそうな場所が見つかってきた。前回もその辺だったのだろうか。既に記憶は全く残っていなかった。

 でも、めげずに、離陸してみた。何となくしっかりと右手のハンドジャムが効いていた。左手を高く上げて、逆手で差し込んでみた。なんだかしっくり来なかったから、もう少し高い場所に順手で差し込んでみた。結構掛かる場所だった。そういえば、たしかここはしっかり効く場所だったっけ。ここは覚えていた。

 今度は右手を左手の下に移動してみた。指しか入らない場所だ。でも、何とかそれで足を上げ、左手をもう少し上げて、右手をしっかりと効く、リップ付近に移動した。お陰で右手はしっかりと効いてくれた。

 その右手でさらに足を上げ、左手をリップ上のハンドサイズのクラックに差し込んでみた。ガバホールドの上だ。ハンドというよりはフィストが効きそうなところだ。もう少し上ならハンドが効くのだが。左手の拳を握ってみた。なんだか握り辛かった。テーピングのせいだろうか。そういうことにしておこう。そうこうするうちに右手が耐えられなくなってきた。必死で左手の場所を探ったが、間に合わなかった。

 2回目。クラックの中のガバを持ってしまった。三回目。そのガバすら持てなかった。クラックって、やっぱり疲れるとだめの様だ。というか、結構疲れるのだった。

 フィンガークラックは諦め、今回の本命であるターゲットに移動することにした。

 扇岩の脇を下から上に登って行ったら、ラブタッチの岩に女性が一人いて、ラブタッチを登っていた。声をかけて、ラブタッチの岩の横の木にロープを掛けようとしていたら、その女性がラブタッチを登ってしまった。わっ。すごい。

 少しお話をしてしまった。

 改めて、ロープをかけようとしたら、ロープの結び方が分からなくなってしまった。普段使っている変形ブーリンで結ぼうとしていたのだが、何時もと方向が違うから、分からなくなったしまったようだ。仕方がないから、その木に背を向け、ロープの輪の中に入り、いつもやっているように自分の前で結んでみたら、結ぶことが出来た。以前は、ブーリンなんて、どうやっても結べた筈なのだが。

 ロープを下に下ろし、降りていって、自分のハーネスのグリグリにセットしてみた。上からのロープはこっちで、引っ張る方はこっちのはずと、グリグリニセットした上からのロープを引っ張ってみた。ところが、グリグリはロープをフックしてくれなかった。あれぇー。死んじゃうよぅ。ロープを反対にセットしてみた。なんだかおかしい。やっぱり最初のセットで合っている筈だ。またロープを反対にセットし直し、少し強めに引っ張ってみた。フックしてくれた。やっぱり最初のセットで合っていたんだ。引っ張り方が悪かったのだ。少しだけ安心した。

 ちょっとしたスラブを登り、クラックの始まるところを触ってみた。

 フィンガーじゃん。ハンドが決まると思ったのにぃー。上は被っているから、ロープは頭の後から来ている。ロープに引っ張られないように、クラックにしがみついて、フィンガージャムを決めようと努力したのだが、なかなかしっかりと決まってくれなかった。

 このクラック、少し角が立っている。つまりカチ持ち出来るのだ。すこしチョンボして、左手でカチもちの横引きで持って、右手をその上のクラックに入れてみた。シンハンドって言うのかな。やっぱり悪かった。クラックの両サイドにスタンスがあるから、それに両足を乗せて、離陸はしているのだが、身体は引き付けなければならないは、体が上がった分ロープは引かなければならないはと、なんだか物凄く忙しかった。そして、なんだか物凄く体が不安定だった。2回か3回、剥がされてはロープにぶら下がり、剥がされてはロープにぶら下がりしながらやってみたのだが、ジャミングの練習の前に壁に留まるだけで疲れてしまう。そう思えたので、即やめてしまった。

 ロープを回収し、シンプル岩の前に戻ったら、先ほどの女性がいた。

 先の若者や、その女性とお話をしながら、再びフィンガークラックをやりだした。因みにその女性は埼玉の方だった。

 相変わらず進展はない。というより、手の甲の人差し指の付け根のところの鈍い痛みが消えなくなっていた。触るだけで痛くなっていた。テープが貼られなかった場所だ。もう限界なのだろうか。気休めに、その場所にテープを貼り足しておいた。

 若者に、シンプル&チープなどを説明した後、一緒にプラクティスマンの裏の壁のオカモチという課題を見に行ったら、いつも笠間でお会いする人が一人で登っていた。

 戻る途中、ワシントン倶楽部を覘いてみたら、犬連れの方がやはり一人で登っていた。

 手も痛くなってしまったしと、少しは虫様筋の訓練になるかと、ハートビートカンテの岩のマジックフィンガーを触りに行ってみた。

 右手の二本指でポケットにぶら下がるのだが、相変わらずぶら下がることは出来なかった。

 若者は、シンプル&ディープ、女性はエモーションをやっていた。小生は、仕方がないから、相変わらずフィンガークラックをやっていた。

 下から一人の人が上がってきた。以前お会いした方で、小生のことを覚えていてくださった。小生も、確かにお顔は覚えていたのだが、細かいことは全く覚えていなかった。

 あまりにも手が痛くなっていたので、クラックを諦め、テープを全て剥がし、右側のフェースという、出来たり出来なかったり、小生にとってなんとも不思議な課題を触ってみた。

 リップの上のダイクというかフレークというか、そんな指の掛かるところを右手で持ち、左手はリップ付近の少しだけ掛かる甘いカチに添えて、左足で離陸し、右足は下のフレークの淵に添えて、左手を飛ばしてみた。少し的が外れたのだが、右手の横に左手が止まった。その左手をより持ちやすいところに移し、右足をフレークの上に上げて身体を引き付け、左手を出したら、その上のホールドが取れた。ふぅー、今回は登れた。

 気を良くして、ヒップ岩のフィストクラックを見に行ってみた。

 ただ見に行っただけのつもりだったのだが、どういうわけだか登り始めてしまった。

 少し被った壁に張り付いた厚めのフレークとでも言うのか、その出っ張りの上に乗り込み、その出っ張りの右の淵から斜め左上に走るクラックを使って僅かに被ったリップを乗り越すという課題だ。

 登り始めようとしたら、一人できていた女性が見学に降りてきた。多分ハングマンをやっていたのだろう。一言二言言葉を交わし、そのまま、その出っ張りの上に乗り、上のクラックに手を入れてみた。多分右手だったと思うのだが。手のテープは既に剥がしてしまっていたが、痛くは無かった。少し被り気味だから、その手に加重するのは怖かったが、加重してみたら、効いている感じだった。調子に乗って次の手を入れてみた。なんだか効いていた。次の手を入れてみた。効いていた。少し立ち上がって、リップの上のいよいよ乗っ越しという体勢で、左手を出してみた。その辺はフィストだった。場所を探していたら、下の右手が少し甘くなりだしてきた。体が上がってきたからだろう。

 既に2m位の高さの出っ張りの上に立ち上がっていた。下にマットなどは敷いてはいなかった。確か、地面には木の根っこも出ていた筈だ。怖い。どうしよう。落ちたくない。降りるしかない。という思考回路だったかどうかは覚えてはいないが、結局そこからクライムダウンをしてしまった。

 ハンドジャムでクライムダウンなんて初めてだった。自信は無かった。多分無謀だった。でもやってしまった。右手が抜けそうだったが、何とか出っ張りの淵を左手で押さえることが出来、続いてその出っ張りの頭にぶら下がることが出来た。助かった。飛び降りることなく下に降りることが出来た。

 登れなかったけど、大変な進歩だった、ということにしよう。何となく嬉しくなってしまった。

 シンプル岩に戻り、またまたテープなしにフィンガークラックを触ってみた。

 リップのところの処理が何となくうまくいった。右側の出っ張った壁を使ってしまったが、クラックの中のガバを使うことなく、手はクラックだけで上に抜けることが出来た。やったー。って、喜ぶにはちとチョンボ臭かったので、少しだけ喜んでしまった。

 ジャムも、やっぱりテープが無い方が効くのだろうか。

 4時を回っていた。何時もよりは少し早めだったが、二人連れの若者以外は既に帰ってしまっていたので、小生も帰ることにした。

 5時少しだけ前だったので、久しぶりに芸術の森公園のトイレに寄って手を洗うことにした。公園の駐車場にはまだ何台かの自動車が停まっており、何人かの人達がいた。

 帰りも下の道を帰ることにして、ほぼ来た道を帰っていった。道は、国道6号に出るところで少しだけ渋滞したが、他は殆ど渋滞も無くスムーズに走ることが出来た。

 途中、ひたちの牛久の駅近くに○まつというファミレスがあった事を思い出し、偶には牛丼屋以外のところでと、寄ってみた。この店は駅の向こう側の国道6号沿いにある。以前行ったときは、国道6号を立体交差で渡ってしまい、直接国道6号に出られない道に入ってしまったのだが、今回もその道に入ってしまった。しかし、前回の経験から、リカバリーは万全、とはいえないが、まぁまぁ迷うことなく、店に行くことが出来た。

 店に入って、ドリンクバーの割引券を探したのだが、見つからなかった。仕方がないから、ドリンクバーは頼まなかった。割引券がないと、80円のドリンクバーが200円になってしまうのだった。

 メニューを見ると、構成が大分変わっていた。それまでの基本的な組み合わせの定食主体のメニューではなく、単品をいくらか多めに組み合わせた形のセットメニューが多くなっていた。その為、今までのお手頃感が大分薄くなっていた。世の中の流れがそういう流れなのだろうか、それとも、店の戦略なのだろうか。多分店の戦略なのだろう。何しろ、小生でさえ、以前のシンプルな組み合わせで注文するのが何となく恥ずかしい感じにさせられてしまったのだから。

 帰りには、国道6号と平面交差する道を確認して帰った。しかし、夜で暗かったし、交差点の名前もその付近は皆同じ様な名前だったので、多分次回も迷うことだろう。いや、絶対に迷うだろう。このことだけは自信がある。

 家に帰り着いたのは10時ちょっと前だった。5時にでても、途中食事をしたとはいえ、帰着が10時近くだから、やっぱり笠間は遠かった。


戻る
作成年月日 平成19年 3月14日
作 成 者 本庄 章