笠間ボルダーその23

2004年 2月13日記
 水曜日の祝日に相棒と2人で笠間に行った。

 朝9時過ぎに家を出発、何時もとは違う道で市内を抜ける。休みの日には殆ど混まない道だし、時間も幾分短縮される気がするので、これからはこの道を使うことにしようか。

 そんなに早く家を出たわけではないから、途中高速を使おうかどうか迷ったが、桜土浦から岩間まで、約30分の短縮で、950円は今回は少し高い気がしたので、下の道を行くことにする。

 国道6号の土浦のバイパスまでは順調に進んだのだが、千代田石岡インター手前辺りから少し渋滞気味に成り出したので、カーナビの地図を参考に旧道に入る。ところが、地図にはある恋瀬川に掛かる旧道の恋瀬橋が廃止されている。恋瀬橋の袂で再び6号に合流しなければならない。渋滞はその先も続いている。と、カーナビは表示している。諦めて、新しく出来た恋瀬橋パーキングエリアに入りトイレに寄る。

 そのパーキングから直接6号に出られる道があったので、その道で6号に合流すると、程なく渋滞は解消した。

 6号から別れ石岡の市街に入ると、やはり信号が多く、少し渋滞気味である。ケチらずに高速を使うんだったと少しだけ後悔する。今度からは、千代田石岡から岩間までは高速を使うことにしようか。500円だし、市街地のゴチョゴチョした所を走らなくとも良さそうだから、その分気が楽そうだし。

 石岡市街は心配した程の渋滞も無く、その後は順調に走ることが出来た。

 今回は相棒の希望を入れて、笠間山麓公園から佐白山まで歩くことにする。ハイキング兼ボルダリングである。

 最近、お互い運動不足解消のため歩かなければと、前回もハイキングを兼ねた鷹取山でのボルダリングを決行したのだが、今回もその真似である。

 週2回、平日の夜にジムに通っているとは言っても、ボルダリングは疲れるから、10回か20回位しか課題に取り付かない。一回の試技が長くて1分かそこらだから、それも殆どが1手か2手で落ちるから、その運動時間は一日のトータルで10分かそこらしかない。もしかすると10分も運動していないかも知れない。後は座ってストーブにあたりながら仲間の試技を眺めているだけである。

 そんな状態だから、最近、体重が増え始め、歯止めが利かなくなり出したのである。そんな危機感もあって、ハイキング+ボルダリングと言うスタイルを希求し始めたのである。

 12時頃に山麓公園を出発。ハイキングといっても、700m位らしいから、20分も掛からないかも知れない。焼け石に水という気がしないわけでもないが。

 木立の中の僅かな傾斜の斜面を例の間延びした階段で登って行く。結構家族連れや老夫婦などが降りてくる。今まで気が付かなかったが、結構な人達が佐白山に来ているようだ。

 佐白山の現在は自動車通行禁止になった周回道路を横切り、少しきつくなった階段を登って行く。

 途中、老人の2人組が休んでいる。挨拶をすると、何所を歩いて来たのかと聞かれるから、どこをって、と少し口篭もっていると、さっき会わなかったかと聞いてくる。今、下から来たから多分会っていないというと、さっき、そんな大きな荷物を担いだ人と会ったという。そういう荷物を背負った人が多いのかねぇともいう。多分、別のボルダラーに会ったのだろう。ここはそういう人が結構いますよと答えておく。

 昔の上の駐車場の手前だろう坂道の階段の途中から藪の中にしっかりとした踏み後が伸びているから、もしかするとその踏み跡がビッグボスからの踏み跡に続いているかも知れないと、咄嗟に思いつき、その踏み後に入る。

 暫くトラバース気味に進むと真っ直ぐ進むものと踏み跡が下に降るものと二つに分かれている。どっちも同じくらいに踏まれているから、そのまま真っ直ぐ進んで見る。

 その後、僅かに登ったり降ったりして、暫く進んだが、段々と分かりにくく成り出し、程なく、少し広い尾根を登ったところで消えてしまう。

 付近を少し捜してみたが、その先は沢形が深くなるし、全体の傾斜も少し急になっている。何とか藪を漕ぎながらでも行けないかとも思ったのだが、無理をせずに引き返すことにする。

 戻りがてら、良く考えて見ると、まだ茶店の前の駐車場の手前だし、ボルダリングエリアの石倉はその駐車場の奥を入ってゆく訳だから、その先、周回道路と同じく、山の斜面をぐるっと巻いて行かなければならず、結構遠回りになるはずだから、藪を漕いで行っては大変なことになると言うことに気付く。引き返すのが正解だったようだ。

 元の道に戻り、階段道を進む。もう直ぐだと思っていたのが、その先も結構あった気がする。

 駐車場に出て、これから行く方向を眺めると、なんだか様子が違う。一瞬行くべき方向を失ってしまう位に様子が違う。何だろう。暫く眺め回していたら、今まで有った茶店がなくなっていたことに気付く。そうか、何時もは茶店の前を入っていたのだが、その茶店がなくなってしまっているので、石倉に行く道の入り口の光景を見ることが出来なかったのだ。

 二階建ての結構大きな茶店の建物だと思っていたものが、取り壊されて、綺麗に整地されて見ると、意外と狭い感じがする。なんとなくテントを2〜3張り張ったらお終いくらいの広さにしか見えない。なんとなく不思議な感じがする。

 最近は殆ど歩くことの無くなった石倉への遊歩道を歩き、石倉の頭に出る。

 石倉の頭にはボルダラーのものらしき荷物が広げられており、そこに一人の人が寝ている。その脇を通って、ギル岩に降りてみる。

 ギル岩の前には誰もいない。荷物も無い。

 これはラッキーと、ギル岩の前に荷物を置き、準備を始める。

 先ずはアップにと、ゴールドフィンガーの岩のカンテを登って見る。アップだから、下の石に乗って離陸する。上の方の細いバンドを持ち、フェースの方に体を出して上を窺う。スタンスが乏しいから、体が上がらず、リップには手が届かない。

 下を見ると、結構高い。バンドの手を入れ替え、右手に持ち替えて、体を左斜め上に上げようと試みたが、上手く行かない。バンドはガバなのだが、足がスメアだから、思い切ったムーブも出来ない。少しモタモタしながら、カンテを使って、やっとリップを取って、上に抜ける。トッ初めだったから、結構怖かった。

 ギルを触ってみる。

 岩に乗って、クラックを適当に補助に使って、右手をクラックのスタートの場所に持ってゆく。左手はカンテの向こうのちょっとした膨らみを捉え、右足を整えて左手カンテの向こうの少し上のポケット状の小さな凹みに送る。左足を開いて、右手を右上のクラックに飛ばす。

 右手のクラックの淵を持つのだが、なんとなく心許ない。右足を上げたいのだが、良い所が見当たらない。右手がずれてくる。落ちる。

 二回目、右手クラックの上に送る所で失敗、落ちる。少し休む。

 三回目、右手クラックの上に送る所は成功。何とか左足をカンテの向こうに出した所で落ちる。

 上で寝ていた人らしい人が荷物を担いで下に降りてゆく。

 気分転換にと上に出て見たら、やはりさっき置いてあった荷物はなくなっていた。

 ギル岩への降り口の脇の岩を登って見る。偶に難しく感じることのある岩だが、今回は難しくは感じない。ここはギル岩と違って日当たりが凄く良いから、気持ちが良いので、幾つかの登り方を試して見る。

 石倉岩の頭の、ハイマントルらしい所を触ってみる。確かまだ登れていない課題だったと思う。

 岩の上に乗って、その岩の淵を左手で持ちながら、そこから少し被った上の方のリップに右手を出す。上のリップにはちょっとしたポケット状の凹みがあるから、そこを探る。左手もリップを持って立ち上がって見る。リップが決してよい訳ではない。そこからマントルなのだが、立っている石の下は狭い溝みたいになっていて、高さも少し有るから、怖い。リップを伝って右に移動する。やっぱり良いホールドは無い。結局そのまま右に移動して降りてしまった。

 今度はゴールドフィンガーを触ってみる。

 少し右のほうから、やっと届くフレークの淵を右手で持ち、途中に走るリップの余りよくないホールドを持って離陸する。左足はリップ下のフレークの淵である。右足をリップのところまで上げるのだが、全く上がらない。上げる体勢に持ってゆけないのである。

 またギル岩を触ってみる。また右手をクラックの上に移す所で失敗する。ギル岩は諦めるか。

 ラブ岩を覗くと、荷物が置いてはあるのだが、人はいない。久し振りに触ってみることにする。

 左手カンテ、右手アンダーで離陸する。左手をカンテの上に移し、右足を上げる。再び左手を上げて左足を上げて見る。思うところに上がらない。無理に上げようとしたら、バランスを崩し落ちる。

 なんだかその辺までは今までに比べれば楽にできる。しかし、左手が効かない。左足が上がらない。

 同じようなことを何回か繰り返す。右足を少し高い目に上げて見たり、少しは工夫して見たが、やはり左足が決まらない。これも諦める。

 シンプル岩には何人かの先客がいる。

 シンプル岩の前に荷物を移し、ハートビートカンテの岩のマジックフィンガーを触ってみる。

 相変わらず右手のポケットが持てず、離陸が出来ない。左足のスタンスらしい所にチョークが付いていたので、そのスタンスに左足のインサイドを乗せて離陸して見たら、離陸は出来たものの、右足を置く場所が見当たらず、全く動けない。

 フィンガークラックに素手でジャミングをして見る。何とか離陸は出来た。

 シンプルファイターを触る。

 右手のピンチの場所を少し上のほうにしたら、左手のクロスが出た。やっぱり持つ場所のようだ。しかし、左手を持つまでは行かずに落ちる。そのとき、木の根っこに踵が乗り少し痛い思いをする。

 次の試技では気を付けて落ちたから上手いこと木の根っこの間に着地出来た。

 ピンチの上のクロスで取る場所を岩の上から偵察して見る。

 今までは、フレークの淵をサイドで持つ感じで持っていたのだが、それでは体が上がりそうに無い。そこで、他の人達が持っているそこより少し上のボッチリみたいなものがどんなホールドなのか、果たして小生にも持てるものなのかどうか、もてるとすればどの辺なのか、それを偵察したかったのである。

 そのホールドは、下から見ていたときには、単なるボッチリに見えたのだが、どうやら掛かりそうなカチホールドであるということが分かる。

 2回めか3回目位に、クロスでフレークのサイドの上のほうを押さえ、徐々にそのカチホールドに手を伸ばし、何とか捕らえることが出来た。ここまでもてたのは初めてである。

 右手はピンチのまま、左手で足を上げて見る。

 他の人が、足はトントントンと適当に上げて行くのだと言っていたことを思い出し、壁に適当なスメアで足を上げて見る。下を見ると、それなりに上がっている。下にはパッドは敷いてはいない。木の根っこや岩が出ている。これでリップまで足を上げてから落ちると結構やばそうである。思い切って足が上げられない。諦めて降りる。

 持参した薄めのパッドを広げ、下に敷く。またやって見る。

 パッドを敷いてしまうと、木の根っこがどこなのか分かりにくくなる。また木の根っこに踵が掛かる。有っても無くても同じような気になってしまうが、やっぱり有ったほうが気は落ち着く。

 ハートビートカンテの岩のマジックフィンガーを触っている人がいるので、行ってみる。で、少しだけお話をする。

 相棒が先客と話をしている。どうやらとある岩場のボルダーでお会いした方のようだ。そのとある岩場の呼び方が、相棒の認識とその方の認識が少し違っていて、話が噛み合わなかったようだ。そのままその方と少しお話しをしてしまう。

 気分転換にと石器人岩の前に行ってみる。石器人岩の前には荷物が置かれていた。

 久し振りに真中を登って見る。

 少し左よりからスタートし、ホールドに頼って、右足を上げる。次は左足である。上から見たのではどこが良いのか分からない。何しろ眼鏡の度が余り合っていないようで、細かい所が余り良く見えないのだ。

 飛び降りて、足を探す。印を付ける。

 3歩4歩、スラブを登る。岩の真中より少し上のマイクロポケットを掴む。相変わらず指に孔が開きそうだ。右足を上げたのだが、その足が決まらず飛び降りる。

 あそこまで行けた。今日は岩の調子が良いのだろう。

 その後、3回ほどマイクロポケットを掴むも、その先に行けず、指に孔が開きかけてきたので諦める。

 エモーションを触ってみる。

 最初は右手の上のホールドが取れたが、次には離陸すら出来ない。よく考えたら、左足のスタンスを無視し、いきなり右足をフックして離陸していたようだ。よくもそんな格好で離陸が出来たものだと自分自身で感心してしまう。

 その後は左足をスタンスに乗せても離陸が出来ない。やっぱり疲れが出てきたようだ。

 ハートビートカンテの岩に誰もいなかったので、マジックフィンガーを触りに行く。

 先の足で離陸はできたのだが、相変わらず次に動けない。続けてやったら離陸が出来ない。

 何の気なしにハートビートカンテを触ってみる。カンテが結構持て、左足が上がる。カンテの手を上げていたらバランスを崩し、落ちた。

 やっぱり岩の調子が良いのだろうか。なんとなくまた登りたくなったので、そのままパッドを敷くことなく登って見る。

 左足を上げ、右足を上げてリップ下のクラックを取る。そのまま体を上げ、手をリップに送って、左足は無理することなくカンテの左に出し、上に抜ける。大分に疲れていたようだったので最後のマントルを真っ直ぐ直上はしなかったが、パッド無しにハートビートカンテを登ってしまった。なんとなく少し嬉しくなってしまった。

 とある岩場でお会いした方とお話しをしていたら、下のほうから小生の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。その声が聞こえてくる方向を探るのだが、人の気配が見えない。相棒は分かったらしく、方向を教えてくれたので、その辺を少し長く見つめていたら、人のいるのが分かった。ジムの仲間であった。

 シンプル岩からビッグボスの方向に一段下がった先にある岩である。早速靴を持って行ってみる。

 ジムの仲間の2人組が岩を磨いている。4級か5級くらいだという。

 カチの両手で離陸し、リップを取るらしいのだが、そのリップが遠い。途中中継用の僅かなカチがあるのだが、足が悪い。

 今回は、前回見たスラブの岩を磨こうかとも思っていたので、ブラシを持ってきていたのである。そのブラシを取ってきて、一緒に少し岩を磨く。

 2回目の試技で、左手を探っていたら、丁度左手を開いた辺りに格好なサイドホールドを見つける。それを使ったら、簡単に足が上がった。

 岩の上の緩やかに右上するカンテはまだ泥の一部しか剥がされてはいない。従って、そのカンテを登るのに、足が滑って、結構怖い。最後は立ち木を掴んでしまった。泥さえなければノーハンドで登れるのだが。

 その右上するカンテを正面から登る課題も磨いている。こちらは手が乏しいから少し悪い。

 2回目に、少し右のほうから離陸して、最初に右足を上げたスタンスに左足を上げたら、体が安定してホールドから手を離すことが出来、左手で取ったカンテの右上のサイドのホールドの持ち替えが簡単にできたので、登ることが出来た。そうやると大分に易しくなりそうだ。5〜6級になってしまいそうな気がする。

 既に4時を過ぎている。シンプル岩の前に戻る。石器人岩の前の荷物はこの仲間のものだった。

 石器人岩の石器人スラブ左を触ってみる。この課題、下が切れているから、まともに行くと離陸が物凄く難しい。そこを、両手でカンテを持ち、お腹と右足の太もも辺りのフリクションで、体を斜めにして岩にへばりつき、そのまま左足で岩に立ちこんで行くと言う、変態ムーブで行くと凄く簡単になるのである。それをやってみせる。

 他の人達は殆ど帰ったようだ。仲間の一人が自動車を駐車場から出さなければならないので、少し早めに自動車に戻り、大黒岩で待つといって帰っていった。

 その後、一緒にエモーションを触ったり、マジックフィンガーを触ったりして、5時頃迄遊んでいた。

 千人溜りの駐車場に戻ると、まだ駐車場の柵が一部開いている。そして、1台の自動車が停まっている。自動車が残っている間は、柵は閉めないのかもしれない。

 大黒岩に行くと、仲間以外にも2人組が遊んでいた。

 靴を履いて、パラダイスゲートを登って見る。2人組の一人がやったように、右側から、フレークの右サイドを右手で持ち、フレークの真下辺りのスタンスを右足ででると、何とかスタティックに離陸が出来た。

 前回は二本のクラックの下のほうで登ったので、今回は上の方のクラックだけで登って見る。因みに「ねこ」という課題である。

 見た目は、クラックの上はホールドが無くなり、結構難しそうに見えたのだが、クラックの一番上で右足でそのクラックに乗り込むと上の方の傾斜の緩い所まで手が届き、ぺたぺたと手を置いて上に抜けることが出来た。しかし、全体に茶色の苔が岩の表面を覆っており、滑りそうでなんか怖かった。

 仲間が、アンダークリングが登れないという。やっぱりあの課題は難しいのだ。何か面白いのはないかと言うから、アウトエッジを登ってみせる。この課題、結構バランシーで、指の力が必要なのだが。

 大分暗くなりかかって来たので、帰ることにする。聞くと、Q番に寄るというので、我々もQ番に寄る事にする。

 仲間の自動車に山麓公園の駐車場まで乗せてもらい、一緒にQ番に行った。

 丁度6時頃である。やっぱりQ番は混んでいた。

 それにしても今回の笠間は空いていた。全部で10人ちょっと位だったろうか。やっぱりこれくらいが一番落ち着くようだ。人のパッドを気にすることも無いし。


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作成年月日 平成16年 2月13日
作 成 者 本庄 章