笠間ボルダーその21

2004年 1月28日記
 土曜日が一日空いていたので、相棒と2人で笠間に行ってきた。

 相変わらず11時過ぎに家を出る。

 そんな時間だからと、桜土浦から高速に乗り、岩間で降りる。

 笠間佐白山の駐車場には2時ちょっとすぎに着いた。ボルダラーのものらしい自動車が数台停まっている。

 支度をしていたら、パッドを背負ったボルダラーが帰ってきた。まぁ、一般的にはそんな時間である。

 ギル岩に行くと、岩の前にパッドと荷物が置いてある。人が居そうなのでそのまま先に進む。

 ラブタッチの岩を見ると人は居ない。でも、今回はここはパス。

 ヒップ岩に行くと結構大勢の人が居る。その中に知り合いが居たので挨拶をする。この方、何時も御岳に夕方近くに見える方だから、今回は立場が反対になった様だ。どちらかと言うと、今回は小生が地元という感じになるのだろうか。時間的には御岳も笠間も同じくらいだから、笠間が小生の地元と言う訳でもないのだが。

 前回お会いして少しお話しをさせて頂いた方とまたお会いしたので、この方とも少しお話をする。

 先ずはアップにと、一番右のフェースという課題を触って見る。

 この課題、何回も書いたと思うのだが、未だにすんなりと登れない課題である。6級ということなのだが、スタートが中々出来ないのである。

 右手でリップ上のフレーク状の淵を持ってスタートなのだろうが、左手に良いホールドが無いのである。足もはっきりしたスタンスが無いので、中々すっきりとは離陸が出来ないのである。

 で、今回も離陸が出来ず、丁度手を伸ばしていっぱいいっぱいのリップを探って、何回か離陸を試みて、それだけで手が疲れてしまったので、アップを終了とした。

 知り合いの仲間の人がシンプルアンドディープをやっている。で、右足を右のカンテにフックして、スタテイックに右手で上のポケットをとっている。あのポケットがスタティックに取れるんだ。

 小生は、パッドを敷いて、その左のシンプルファイターを触る。前回、何とかスタートの次のホールドがクロスで取れるようになった課題である。

 右手でリップの上のピンチホールドを触る。何所を持ったんだっけ。なんかしっくりこない。

 左手は左下のサイドカチで離陸して見る。やっぱり右手がなんとなくしっくりしない。右手を少し引き付けて右足を開き左手をクロスに出す。が、クロス手前で落ちる。

 足がパッドの表面を滑る。バランスを崩す。下地が少し斜めになっているから、滑るようだ。木の根っこが出ているからと、薄いパッドを敷いたのだが、かえって無い方が良いのかも知れない。

 パッドを外し、少しずつ休みながら、前回も何回目かから右手が持てるようになってきたのだからと、試技を繰り返す。

 しかし、一向に右手が持てるようにならない。従って次のホールドを触ることも出来ない。

 知り合いとその仲間の人達が石器人岩を登っているので、少し見学に行く。お仲間が何人も居るから、見学だけで引き返す。

 前回会った人がハートビートカンテの岩のマジックフィンガーという課題を触っていたので、今度はそちらを見学に行く。

 スタートの枯株がなくなってしまったのだが、右の斜面に立つと何とかスタートのポケットに手が届くので、小生も触って見る。

 相変わらず、ポケットにぶら下がれないので、離陸が出来ない。一番苦手系の課題なのだ。それでもしつこく2回も挑戦してしまった。

 その課題の左側のカンテがハートビートカンテである。以前、レイバック体勢で登ったことが有るのだが、なんとなく懐かしくなって取り付いてみる。

 左手でカンテを持ち、右足のアウトサイドで左足を少し蹴り気味に離陸し、右手で左のカンテを取る。本当は完全にスタティックに出たい所だが、それが中々難しいのでちょっと勢いをつける感じでカンテを取ってしまうのである。

 今度は左足を何所に上げるかだ。適当な場所にスメアをして見たが、次の左手が出せない。色々と試行錯誤していたら落ちてしまった。そして、バランスを少し崩し、着地後に2〜3歩よろけてしまった。

 この課題の下地だが、大きな岩の上なのである。その岩のテラスからのスタートなのである。従って、余りよろけると、そのそこそこ高い岩棚から転げ落ちてしまうのである。一瞬冷っとする。

 前回会った人もその課題を触りだす。先ほどの試技が少し怖かったので諦めようとしたのだが、仲間が出来たと言うことで、小生もその仲間と一緒に触ることにする。彼の参戦によって、その後はその彼のパッドが敷かれたから、当然それをお借りする。

 左足を良く調べて見ると、少し高い腰辺りのカンテの淵に結構立派なスメアのスタンスを見つける。これだこれだ。このスタンスを使えれば、次の右足は結構立派なスタンスがあるから、もしかすると何とかなるかも知れない。

 離陸して、左足を少し高く上げて、その左足をスメア気味に突っ張って体を上げる。左手をその上のカンテに上げて、右足を開く。スタンスは安定した。カンテの手を探って良い所を持つ。

 次の右手はもうリップ直下の水平クラックのリップに届きそうだ。右手を出してそのリップを触って見ると、少し外傾していて、なんとなく持ちにくい。その手では動けないかも知れない。左手を上げて見たがあまりよくはならない。一旦飛び降りる。

 一緒の彼が、小生のムーブでリップを掴み、足を少しカンテの左に出しながら上に抜けて行く。やっぱりあのホールドは使えるんだ。

 リップ直下のクラックのリップを取り、その右手を少し右にずらせて見る。すると、結構かかるのだ。これだ。しっかりとそのホールドと左のカンテを持ち、足を上げて行く。

 リップの上に顔が出る。しかし、そこはのっぺりしていてホールドは無い。と言って左に出るのもなんとなくしゃくだからと、腹をそのリップに浴びせ、そのフリクションで手を返し、ズリズリと這い上がる。足は使わないから、足ブラ状態だから、少し怖かったが、何とか体と足はずっとカンテの右側で岩の上に立つことが出来た。

 以前大勢でここに来て、段級式のグレードを付した時にその仲間が登ったムーブに近いムーブでである。但しマントルムーブは除くではあるが。何とか自分の中の第2登が出来たのである。前回のまぐれチックなレイバックムーブではないムーブでである。凄く嬉しかった。

 ヒップ岩に戻って、またまたシンプルファイターを触って見る。相変わらずクロスが出来ない。少し情けないけど、今回はハートビートカンテが登れたから良しとするか。

 既に4時になっている。気分の良い所で、そろそろ帰り支度をするか。

 ギル岩の前を通ると、その下の岩にあるゴールド・フィンガーに取り付いている人たちが居る。ギル岩の前では七輪を囲んで暖を取っている人たちも居る。少し眺めていたら、ギル岩を触るのかと聞いてくれたので、どうせ離陸がやっとだろうけど触って見ると答える。すると、七輪を移動してくれた。

 自分のパッドを邪魔にならない脇に置き、下に置いてあったパッドをどかして、ギルを触って見る。

 久し振りだから、どうやって離陸するのかすら忘れてしまっている。

 岩を少し観察して、下の岩を使って、右手を被ったクラックで離陸して見る。左手はカンテの向こう側のちょっとした凹みである。

 離陸はできる。次は右手をクラックの上に送るんだったっけ。やって見たら、見事に狙いが外れてしまった。

 足を少しだけ研究して次にやったら、右手は取れた。次は確か左足ヒールのフックだったような。それには右足はどこだったっけ。探していたら落ちてしまった。

 そこに居た人の一人がギルを登るというのでそれを観察して見た。そうか、そうだったのか。

 真似をしようとしたが、出だしが僅かだが被っているから、そして、余り休みを入れずにやっていたから、疲れてしまって、右手が上がらなくなってしまった。

 先客の一人が、自動車を先に駐車場から出しに行くと言っているから、小生もお終いにして帰り支度をする。

 既に5時を過ぎてもまだ少しは明るい時期になっている。まだ少しは時間があるからと、既に4時45分くらいではあったが、大黒岩に寄ることにする。

 大黒岩には2台の自動車が停まっており、ボルダラーが何人か取り付いている。

 スーパーマントルらしい所をやっている。そこを触っているのを見たのは、多分初めてである。

 小生は、サムライ返しを触って見る。相変わらず、離陸のみである。

 先客の一人がサムライ返しを触りだす。当然パッドが敷かれる。当然そのパッドをお借りする。当然離陸から先へは進まない。

 相棒がノーハンドスラブを運動靴で遊んでいる。相棒が岩を触るのを見るのは本当に久し振りである。2年振りくらいである。そうか、もう2年か。

 走ってきて、岩に飛び乗って、孔を触って、飛び降りている。最近は大分に調子が良くなったらしい。

 薄暗くなってしまったし、先客も帰ったようだから、我々も帰ることにする。

 先ほどのギル岩の人たちが大勢で歩いて降りてきた。既に自動車はここに移動されていたようだ。

 何時もの山麓公園のトイレによる。そうか、ここに自動車を置いて佐白山に行けば時間を気にせずに済むかも。その内一回歩いてみるか。

 何時もの帰り道の途中にいつも気になっていた食堂がある。「ほんじょう」と書かれた看板を掲げた食堂で、相棒とその内入ろうと話していながらも、気が付くと通り過ぎてしまっていて、未だに一度も入ったことの無かった食堂である。丁度そのことを思い出したので、少し手前から注意をしながら走り、やっとその食堂に入って見た。

 レバニラ炒め定食を頼んだら、レバニラ炒めのほかに冷奴と卵焼きが一切れ余計についてきた。味も悪くはないし、少し感激した。

 これで帰りの食事のメニューがもう1つ増えたようだ。


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作成年月日 平成16年 1月28日
作 成 者 本庄 章