笠間ボルダーその20

2004年 1月 8日記
 正月休みの最後の日に相棒と2人で久し振りの笠間に行ってきた。前日から泊りがけでどこかに行くつもりでいたのだが、結局笠間一日となってしまったものである。

 朝10時過ぎに家を出る。快適な道を順調に進む。

 高速は使わずに、何時もとも少し違う道を走ろうということで、土浦市から八郷町を抜けて笠間に入るという道をカーナビにセットする。その道は、殆ど主要道を走らないから、多分信号が少ないだろうという道である。

 実際信号は少なく、自動車も殆ど走っていない道だったのだが、八郷町から笠間に抜ける峠道が曲がりくねっており、高低差も結構ある道だったので、果たして今後使えるかどうか微妙な道であった。

 笠間駅の脇を通って笠間の市街地に入る。ところが、芸術の森公園の先の小学校の前辺りから自動車が渋滞し始める。笠間稲荷への渋滞だろうか。Uターンをして少し戻り、裏道に入って山麓公園の駐車場に寄る。

 トイレを済ませ、日動美術館の横を通ると、そこの広い駐車場に自動車がいっぱいいる。やっぱり正月の笠間は混むようだ。

 大黒岩には2台の自動車が停まっており、何人かが取り付いている模様である。それを横目で見て先に進む。

 佐白山公園の千人溜駐車場には意外と自動車が少ない。10台前後であろうか。全部がボルダラーという訳ではないから、意外と空いているかもしれない。

 ギル岩の前に行くと何人かが取り付いている。その横を抜けて、「ゴールドフィンガー」の岩の前に行く。この課題は何時か登りたいと思っている課題なのだが、今回は触るだけにする。

 「ラブタッチ」の岩の前に行くと、知り合いが何人かのお仲間と一緒にいる。挨拶をして、少しお話をする。お仲間の人が、とある岩場のボルダーのことを聞いてくる。結構見てる方がいるんだ。

 「ハートビートカンテ」の岩にも知り合いがいる。挨拶をする。

 シンプル岩の前に行くと、そこにも何人かの人がいる。一応そこに荷物を置き、「フィンガークラック」を登って見る。

 なんだか離陸がしにくい。こんなに難しかったっけ。

 「シンプル・ファイター」が空いていたので、そこを触って見る。実は今回はひそかにそこを狙っていたのである。

 足拭きマットを敷く。スタートホールドはどれだったっけ。左手は確かこの辺、と探るもなんとなく持ちにくい。こんなんだったかなぁ。右手はリップ近くのダイク辺りだったっけ。チョークが付いた所を触って見る。まあ指は少しはかかるが、やっぱりこんなんだったかなぁ。

 少し岩の前であっちこっちのホールドを探って見る。

 左手は少し左の少し低い所に斜めアンダーサイドチックなカチが見つかる。これだこれだ。右手はリップの上の斜めのダイクを広めのピンチで直接持つんだったっけ。

 両手のホールドを決め、左足で離陸する。次は左手のクロス気味のムーブで上のダイクのホールドを取るんだったはずだが。しかし、そのクロスが出来ない。落ちる。

 何か着地時に違和感を覚える。下にパッドが敷かれているのだ。シンプル&ディープをやっていた人が、その人のパッドを移動して下に敷いて下さったらしい。一瞬よろける。

 その方が、この「シンプル・ファイター」を登って見せてくれる。

 スタートは同じだが、左手でリップの上の方をスローパー持ちし、小生が左手クロスで持とうとしているホールド付近の突起を右手で取りに行く。そういうムーブもあるらしい。

 その人は何回目かにその突起が取れ、マントリングまで行くが、返しきれずに何回かリップから落ちてしまった。

 小生もその左手パーミングというより、ペタシホールドで右手を飛ばすと言うムーブを探って見たが、左手が留まる気がせず、元のクロスムーブを繰り返す。

 中々出来ないから、もう1つ気になっていた「ハングマン」の岩に行って見る。すると、そこには「ラブタッチ」で会った知り合いがいたので、またお話をする。

 その人が、ヒップ岩の二段位らしいと言う新しい課題を教えてくれる。

 その課題は、昔小生が少しだけ通わせて貰ったジムに通っていた方が初登したらしい課題で、「フィスト・クラック」の左を岩の皺を使って、クラックは使わずに登る課題らしい。

 また別の新しい岩の新しいマントルの課題もあると言って、連れて行ってくれる。

 その岩は「プラクティス・マン」の岩の右上の奥の方に伸びるしっかりした踏み跡の先にあった。「へぇー、こんな所にこんな岩があったんだ」そんな感じである。

 その岩は高さは2mちょっとで、丸っこい岩だが、垂直の面に顕著な水平のフレークがあり、それを使って離陸し、真ん丸いカンテをマントルする、そんな風に見える岩である。因みに4級位らしい。

 先ず、フレークで離陸し、左手で左のカンテを抱え込む。何とかその辺にホールドが無いか探るが、笠間の真ん丸いカンテだから、手がかりは無い。右手はフレークの端を指先で押さえながら、体を何とかカンテに浴びせようともがくのだが、中々体が入ってゆかない。左手を返して見たり、いろいろやるのだが上手く行かない。

 ここの下地は、間伐材を纏めた上に出来た1m弱のテラスになっている。そんな感じだから、落ちるとそのテラスから外れ、斜面を少し転げ落ちてしまいそうな感じである。従って、思い切ったムーブが出来ない。一旦降りる。

 そのフレークの少し下に突起が有り、そこに左足を上げて、右足をフレークに上げればリップ上の引っ掛りに手が届くと教えられる。その通りやったら、右足の乗り込みに少し苦労したが、何とか登れた。やっとまともな課題が登れた。そんな感じである。

 戻って、その知り合いの仲間も含めて3人で「ハングマン」に挑戦する。

 中々リップに足が上がらない。知り合いも中々足が上がらない。その内、知り合いと、そのお仲間は足が上がりだす。しかし、その足で体が上がらない。

 小生はやっと足が上がったのだが、お尻が攣ってしまう感じで、とってもその体勢を維持できない。やっぱり体が硬いのだ。知り合いからも思い切りそのことを指摘される。

 シンプル岩で少しお話をした京都からの人が加わる。暫く4人でなんだかだやったが、結局皆諦める。

 小生と京都からの人はシンプル岩に戻る。知り合いとそのお仲間は大黒岩に行ったらしい。

 途中、「ワシントン倶楽部」に誰もいなかったので、寄り道して触って見る。離陸して、左足のいつものスタンスに立とうとしたが、足が滑って落ちた。やっぱり駄目だ。

 シンプル岩に戻ると、石器人岩に誰もいなかったので行って見る。下にパッドが敷かれていたので、それをどけ、小生の持参したパッドを敷く。

 中央のスタンスを調べ、離陸して見たが、二歩目が出ない。そこにパッドの持ち主が戻る。ちょっとお話をして、左のカンテを抱きつきムーブで登って、シンプル岩の前に戻る。

 エモーションを触って見る。

 この課題、未だに離陸が出来ないのだ。で、やっぱり右手が持てず、離陸が出来ない。

 相変わらず足拭きマットで「シンプルファイター」を触る。クロスで左手が留まる。やったぁー。しかし、その左手の持ち方が分からない。あまりよくは効かない。落ちる。

 シンプル&ディープを触っていた若者が参戦してくる。で、パッドを2枚くらい敷く。

 小生もそのパッドを借りて挑戦を繰り返す。

 離陸して、右足を少し大きく開いて、左手をクロスすると縦ダイクのフレーク状になった窪んだ部分に指がかかる。体を少し右に移してそのホールドをサイドに引こうとするのだが、足が無いから上手く行かない。保持する場所が悪いのだろうか。

 その後、確実にクロスで左手が取れるようになり、左手の持ち方を何回か探ったのだが、中々良い持ち方が見つからなかった。

 4時近くになってきた。ここの駐車場は5時で閉鎖される。既に疲れも出てきている。そろそろ潮時だろう。

 戻る途中の「ラブタッチ」の岩で声を掛けられる。そして、○○さんですかと聞かれる。小生のホームページを見てくださっている方らしい。小川山でもお会いしたらしい。やはりここでもとある岩場のボルダーのことを聞かれる。開拓者が場所を伏せているので詳しいことをお教えするわけには行かないが、筑波のジムに行けば情報があるだろうとお話をする。

 とあるボルダーについても聞かれたが、こちらは概要をお話する。まぁ、言葉でお教えできるのはとあるボルダーエリアのほんの一部だけなのだが。

 駐車場に戻ると、既に薄暗くなりかかっている。駐車場の管理人らしい方が自転車で見えている。急いで仕度をして駐車場を後にする。

 大黒岩には自動車はいない。既に薄暗いから我々も素通りをする。

 来たときに寄った山麓公園の駐車場に再び寄って手を洗う。歳を取っているのだろう少しよぼよぼした犬が寄ってくる。飼い犬のようだ。少しだけ撫でてやる。

 既に暗くなっていたので、例の店で、Q丼ではなく、坦々麺を2人で食べて、何時もの道で帰った。

 途中、石岡の街の手前で、見慣れない交差点に出くわす。左右どっちかに曲がらなければならないようだ。そんな交差点は無いはずなのだが。

 前の自動車が直進するし、我々も直進するつもりだったから直進をする。しかし、その交差点の直進の道は10mも行かずに無くなっていた。道理で案内板がT字路になっていたわけだ。

 どういうわけだ。何がなんだか良くわからない。新しい道に引き込まれてしまったようだ。バックで戻って、適当に走っていたらその先有料道路とか出てくる。この道もまただめだ。畑の中の道に反れ、適当にUターンして今来た道を引き返す。

 適当な場所で自動車を停め、カーナビの地図を確認する。なんだか良く分からない。自宅を目的地としてセットする。道を示すからそれに従う。実はそれまで知った道だからとカーナビはセットしていなかったのだ。

 今まで走ってきた道を逆走したら、最初に迷った交差点を過ぎ、程なく何時もの道に戻った。やれやれ。

 あとは何時もの道を何時もの様に走って、8時過ぎに家に着いた。

 大した成果は無かったが、やっぱり少しは進歩をしていることを確認できた。少しは嬉しかった。

 それにしても人が多かった。相棒曰く、あんなに人の多い笠間は初めてだ、と。小生自身もここ暫く笠間から遠ざかっていたが、確かにあんなに人のいた笠間は無かったかも知れない。何年か前からすると隔世の感がある。

 関東近辺で、冬場に人のいないボルダーエリアって無いものだろうか。それで暖かければ言うこと無いのだが。


戻る

作成年月日 平成16年 1月 8日
作 成 者 本庄 章