笠間ボルダーその17

2002年11月27日記

 そろそろ笠間の季節かなということと、駐車場が5時までしか使えなくなったとか、一部チッピングが行われたとか言う情報を寄せてくれた人がいたので、それを確認する意味も有って、土曜日の日に、今期初、久し振りに相棒と二人で笠間に行った。

 最近は日も短いし、夕方は寒くなるからと、10時頃には出ようと思っていたのだが、、結局はなんやかやで、家を11時頃に出る。実は前日迄の天気予報では曇り後雨と言う予報だったので、土日のボルダリングは諦めていたのだが、朝起きると曇ってはいるが天気予報は雨は降らないと言う事になっていたので、急遽行く事にしたものだから遅くなったのだった。前日から行くつもりであっとしても、この時間になっていたかも知れないが。一応前日に買って有ったパンとウーロン茶を持って行く。

 途中ガソリンを入れて何時もの道を龍ヶ崎から牛久まで行く。土曜日なのだが空いている。

 何時もは荒川沖の駅の先の六叉路位の最近立体交叉になった交差点を左折してつくばの方に行き桜土浦のインターから常磐道に乗るのだが、その交差点とその先の道路が混むので、その立体交叉をまっすぐに進み、その先からインターに行く道を走って見る。地図では、そのまま少し行くとインターに行く道と交叉している事になっている。

 その先は片側2車線の道路で、信号も少なく、筑波の町の中を行くよりは遥かに空いている。左折してインターに向かう道も国道6号とは立体交叉しているから信号で待たされる事も無い。時間的にはどれくらい早くなったかはわからないが結構早くなった感じがした。

 何時もの美野里パーキングでトイレ休憩をして、岩間インターで高速を降りる。まだ1時ちょっと前である。4時半迄として3時間は遊べそうだ。

 佐白山の駐車場に入ると、結構自動車が止まっている。見ると、周回道路への入口に鉄の柵が立っている。通行止めになっているのだ。上の駐車場には行けなくなっているのである。最近は下の駐車場に車を止め、トンネルの手前を山腹を巻くように付けられた踏み跡を使って石倉の頭まで行っているから、あまり影響はないのだが、なんとなく不便になった感じがする。

 駐車場の入口にも鉄柵を立てる穴が有って、駐車場の横に鉄柵が置いて有る。やっぱり駐車場が5時に閉まってしまうらしい。見え難い看板にも8時から5時までと書いてある。これからはあまり遅くまでは出来なくなってしまったようだ。

 支度を、といっても、マットと荷物を持って石倉の頭に行く。

 3〜4人の人がギル岩への入口の小さな岩で遊んでいる。左の方をSDで登っている。フレークみたいなのが走っているから、それを使って登るようだ。狭いから結構力を使うようだ。ストレッチをしながら見物する。

 ギル岩の方からジムで時々会う同じような年格好の大先輩の仲間が現れる。そして、ロッキーの若くて明るい初段を登る巧い人が来ていると話してくれる。と言われて、とっさには誰だか思い浮かばなかったのだが。

 その時に小生の名前がわかったようで、先に遊んでいた人達の一人が、アップにとその岩の易しい所を登っている小生に、HPを見てくれていると話し掛けてくれる。そして、昔道ボルダーは何処かと聞いて来る。小生は全貌は知らないから右岸の方の行き方を教える。因みに埼玉の人達らしい。

 前日にリソールが出来上がって来たシューズを履いたままギル岩に移動する。ギル岩には上の人達の仲間らしい人達がウェイオブザギルをやっている。小生もやって見たかったのだが、空いていたその下のゴールドフィンガーを触って見る。

 リップの上の方のフレーク状のカチを右手で持って、ハングの下のスタンスを拾って離陸し、右足をリップに持って行くのだが、右足が上がらない。でも、離陸が出来て足をリップ近くまで上げることが出来たから、少しは進歩しているようだ。

 ロッキーの若い人が現れる。この人だったか。確かに明るくて巧い人だ。その人は独りで来たらしい。笠間は2回目だとか。

 その人と別れてラブタッチの岩に行く。さっき上であった知り会いの人が仲間と一緒にラブタッチを触っている。やっぱりなかなか登れないらしい。小生も登れる気がしないから、一回だけ触っただけでまた下に降りる。

 珍しくシンプル岩の前に人がいない。人がいなければいないでまたさびしくはある。ハートビートカンテにも人はいなかった。

 今回は何を登ろうと言う目的は無かったが、一応ハングマンをやりたかったのでそのまま下に降りる。

 ハングマンの岩の近くにはワシントン倶楽部の岩がある。見るとやはり誰もいない。ならばと、取付いて見る。

 久し振りだから、手順を少し忘れている。少しまごつきながらスタートし、左足に乗り込んでリップを取る。ここが核心なのだが、その核心が出来た。が、左足にしっかりと乗れていないようだ。左手を左に送るが、なんか安定しない。少しその辺を探っている間に落ちてしまう。残念。

 少し休んで、下にマットを敷いて、またやって見る。左足に乗り込めない。従ってリップが持てない。だめだ。何回かやって見たが左足に乗り込めず、成功しなかった。

 ハングマンに行き、リップを探る。両手でリップを持ってマントルをするのだが、このリップのホールドがスローパーで悪い。指先が僅かに掛かる凹みが有るのだが、小生にはあまり役にはたたないのだ。それでも何とか離陸して、左足の踵を左の方のリップに上げて見る。相変わらず足がリップに届かない。丁度落ちた所で相棒がフラッシュを炊く。

 都合4〜5回同じような事を繰り返す。フラッシュも同じように丁度落ちた所で炊かれる。結局写真もBれなかったようだ。仕方が無い戻るか。

 少し登り返して石器人岩に行きチップされたらしいホールドを観察する。しかし、何処をチップされたのかはっきりとはわからない。確かに左手のホールドに使うらしい所の岩の色が少し変わっている。しかし、どう見ても欠けただけのようだ。それで掛かりが良くなったとも思えない。もし、削られたとすれば、その右の右手のホールドに使う所なのだろうか。チョークが付いているから良くはわからないが、なんとなく少し掛かりが良くなったような気もする。しかし定かではない。そして、少なくとも小生には易しくなったと言う感じはしなかった。

 マットを敷いて、真ん中に挑戦を始める。

 足を探すが、あまり良い所が無い、スタートは出来るが次の足があまり良くない。2〜3回やってみて、そのラインは諦める。

 少し左に寄って、マイクロポケットの真下辺りのスタンスを探る。こちらはそこそこスタンスが有りそうだ。一応チョークで印を付けて見る。

 左足でスタートし、右足を踏み出す。所が、最初に選んだ右足は少し右過ぎて巧く乗れない。もう少し左にスタンスを探す。

 左の方の2級の課題のラインに近付いてしまうが、少し左に寄った所にスタンスを求めて見る。何とか右足に乗れる。その時、このスタンスは僅かに段差があるスタンスだから、その段差にエッジングで乗るためにトウのインサイドで乗ってみる。乗れる事は乗れるが、体重をかけると滑る。何回かやって見て、スタートの左足との違いを観察する。

 傾斜はそれ程変わらない。左足はトウをまっすぐ向けて、正統派のスメアの体勢で乗っている。それですごく安定している。その辺に適当に於いて立っても安定している。やっぱりこれなんだろうか。

 右足をスメアリングの体勢で、トウをまっすぐ置いて見る。そして、右足に体重を移す。こっちの方が手への負担は少なそうだ。バランスを取る程度で立てる。左足を上げて見る。左足を離す前に右足が滑る。駄目か。

 何故滑るのだろう。もしかすると体重移動が中途半端なのだろうか。そう言えば、さっき右足をもう少し右側に開いたスタンスに乗ろうとした時、体重を移動する前に滑ってしまった。そうか、第一歩目は真下から完全にその足だけに体重をかけるからしっかりと乗れるのか。体重をかける前にその足に重心を移動しておいて体重をかければ良いのか。何回かの試行錯誤の結果、そんなことを思い付く。

 体重の移動を意識しながら2歩目を出すと立てる。次は左足だ。少し良さそうな少し高い目の場所に足を上げて見る。少し高すぎてしまったからその場所に乗り込めない。

 またスタンスを探る。岩の端ッコに行って傾斜の緩い所はないかと横から斜面を確認して見る。やっぱりそんなことで発見されるような顕著に傾斜の緩い所なんか無い。でも、一様な傾斜に見えたこの岩の面が、実は結構波打っているというか、傾斜が変わっていると言う事を再確認する。

 3歩、4歩目辺りのスタンスまで一応確認し、また挑戦する。で遂に、上のマイクロポケットを取る所まで行く。このマイクロポケットが意外に効くのだ。が、このマイクロポケットに頼り過ぎて、やっぱり落ちる。もう一回マイクロポケットを触るがやっぱり落ちる。

 ジムの若い巧い仲間がやって来る。そして、今ギルを登る事が出来たのだけれど、ここは全く登れなかったと言う。スタンスを拾えば大丈夫だと言うと、ここなら疲れていても大丈夫だろうと言って、一緒に登り出す。

 大体同じ様な所で行き詰まる。が、段々その場所が後退して来る。それまで立てたスタンスに立てなくなって来る。スタンスが滑るようになって来たのだろうか。スタンスを磨いて見るがあまり変わらない。どうやら、足が疲れて来て、しっかりとスタンスに立てなくなって来たのだろうと二人で話す。多分そうだったのだろう。

 仲間が、これって6級ですよねというから、6級はこのカンテをこうやって抱いてスタートして、こうやって行くのだよと、左側のカンテを使って登って見せる。ついでにそのまま右側の9級のカンテをクライムダウンする。

 真ん中が6級だとばっかり思っていたと言う。とあるエリアのおはようスラブの6級が難しかったから、スラブの6級ってこんなものかと思っていたと言う。これは一応初段のはずだ。少し左からスタートしたとしても間違いなく1級はあるはずだ。2級はこのカンテからスタートするのだからというと、やっと納得したと言う。

 彼は帰ると言うので、小生はシンプル岩に戻る。

 先ずはエモーションのスタートホールドを触る。ここは今迄離陸すら出来なかったところだ。所が、今回は辛うじて離陸は出来た。僅かな時間ではあったが、足が地面を離れたのだ。今回今迄、まともな課題は全く登れていないが、うん、やっぱり進歩はしているようだ。

 左面のシンプルアンドディープの左の課題を触って見る。

 右手をリップの皺に持って行って、左手はリップの下の壁の縦のミリカチを持って、左足を左下のフレーク状のスタンスに置いてスタートだったと思うのだが、リップのホールドが持てない。歯が立たない。だめだ。

 どうせだからと右側のシンプルアンドディープも触って見る。

 左手皺をアンダーチックに且つピンチチックに持ってスタートらしいのだが、その格好をしただけで満足する。

 遊びはその辺にして、右側の5級だったかの課題をやって見る。リップを持ってスタートして、乗り込んで行く課題である。最近また出来なくなっていた課題でもある。

 リップを右手で持ったり左手で持ったり色々やって見たが、結局右手で持ってスタートして見る。左手が出ない。左手は多分リップの奥の斜めの甘いカチだったはずだがとか思いながら落ちる。その時、左手の中指の爪の少し上の部分を擦りむく。結構血が出て来る。相棒から塵紙を貰ってまたやって見る。

 リップの下は少しハング気味で、少し厚手のフレークが張り付いている。そして、その右端が縦に岩から離れており、ホールドする事が出来るようになっている。上部は狭い棚状になっていて、丁度良いスタンスになっている。このフレークの右端にヒールをフックして身体を上げて見たら、身体が上がり、左手で上のホールドを捕らえる事が出来た。やっと出来た。

 次はその左のクラックをやって見る。ジャムを効かせて登って見るのだが、そのジャムがなかなか効かない。下の少し被った所は狭いから巧くジャムが出来ない。仕方が無いからレイバック気味に持ってスタートするのだが、リップの上のクラックがまたちょっと広くてちょっと開いているからジャムが出来ない。共に上手な人は難無くジャムを効かせる所なのだが、色々なことをやって見るのだが、出来ない。3回くらい飛び降りる。

 ジャムは諦める。身体を右に振って、クラックの右のフェースを使うと楽なのだが、それでは癪だから、その右のフェースはなるべく使わないように、クラックに沿って直上する方法で、何とか上に抜ける。最初の目標とは違ったが、仕方が無い。でも、疲れた。

 既に4時である。駐車場が閉まるのは5時だからまだ時間は有るのだが、もう疲れてしまっているしで、引き上げる事にする。

 クライミングシューズは履いたまま石倉の頭に戻る。途中、ギル岩には埼玉の人達がまだ挑戦していた。

 石倉の頭に出ると、上には木などの遮る物が無いからまだ明るい。まだこんなに明るいのかと、そのまま石倉の頭の上の方のベンチの横の岩にあるSDの課題を触りに行く。

 スタートホールドは、以前はもう少しかかったような気がするのだが、今は縁が欠けて持ち難くなっている感じがする。疲れているしで、SDは諦め、立ったままスタートして見る。以前ジムの仲間と一緒にここを触った時は立ったままのスタートもきつく、膝を使って左手を出した記憶が有るのだが、今回はそんなことをしなくとも簡単に登る事が出来た。やっぱり強くなって来ているのを実感する。

 やっと靴を脱いで、荷物をまとめて駐車場に戻る。駐車場には来た時にいたほとんどの自動車はいなくなっていた。

 次は大黒岩である。大黒岩は笠間市内に戻る途中の道の端だから時間を気にする必要はない。それに、チップされたと言う侍返しを確認しなければならない。登る登らないはともかく、一応最初から行くつもりだったのである。

 大黒岩に行くと、最初に会ったジムの仲間とその連れの人達が登っている。早速一緒に登らせてもらう。リトルマントルを触っていたので、小生もやって見る。

 リップの上のスタートホールドが少し高いから、左手をリップ下の壁の斜めアンダーのカチに添えて、背伸びしてホールドに手を伸ばす。右手のホールドを掴んだら、そこに左手も添えて、右足を身体のまん前の少しカンテ状になった所にスメアチックに置いて身体を上げる。身体は上がったのだが、手を返す事が出来ず、足も上げる事も出来ずに飛び降りる。2回くらいやったが出来ない。やっぱり疲れている。

 その左側の壁にあるストロングフィンガーと言う課題に触る。後ろに直に斜面が迫っていて、その斜面との間が狭いので光が届かず薄暗い。既にスタンスなどははっきりとは見えない。幸い誰かがつけたチョーク痕を頼りに離陸する。

 左右の手はリップのあまり効かないカチである。足は右足をスメア気味にスタートする。身体が上がる。左足を膝の辺りのスタンスに置く。その足に乗り込んで、右手を斜め右上のホールドに飛ばす。でも、デッドで取れるホールドではない。

 もう一度やって見る。しっかりと左足に乗り込み、右足をカウンター気味に流す。右手がスタティックに出る。そしてやっと念願のホールドに触る。悪い。良く見るとその右斜め上に少し良さそうなホールドがある。あれを取れればと思った所で右手が支えきれず落ちる。やった、あのホールドを静かに触った。

 次はその念願のホールドの次のホールドに右手が届く。結構効く。右足を何処に上げようかと模索している間に、結構リーチいっぱいで持っていたから堪えきれずに落ちる。

 わーあ、右手のホールドが持てた。今迄飛びつくしか出来なかった念願のホールドのその上のホールドまでスタティックに取れた。すごい。大進歩だ。満足満足。良く見ると、リップのすぐ下辺りにしっかりとしたスタンスがある。これに乗れればお終いだ。欲が出て来る。

 暗くなってしまったから仲間は帰ると言う。小生はもう少しやりたい。でも、既に薄ぐらいから、スタンスなどは全く見えない。ならばとヘッドランプを取り出す。それを見て、仲間は「あんたはおかしい」といって帰って行った。

 スタンスははっきりと見える。こんな所に乗っていたのか。そんなスタンスだ。で、その後4〜5回もやっただろうか。なかなか左足に乗り込めず。右手が出ない。やっぱり続け様にやっても疲れてしまって全く駄目だ。ギルに挑戦していた人達らしい自動車が横を通って行った。時間を確認すると丁度5時頃である。

 日動美術館の近くの駐車場に立派なトイレが出来たと聞いていたので、そのトイレによろうと、その駐車場らしき所に行くと、ここも入口が閉まっている。仕方が無いから入口に車を止めて駐車場を少し探って見たがトイレらしいものは見当たらない。

 まだ6時前だ。確か芸術の森公園だったかのトイレは6時迄使えたはずだと、その公園に行って見る事にする。

 その公園に行くには再度佐白山公園の駐車場の前迄戻るので、駐車場の入口を確認すると、柵が立てられている。やっぱり5時には閉められたようだ。家の近くの公園のように少しは遅れるかと思ったのに。

 芸術の森公園の真っ暗な駐車場に車を止め、電気の点いた明るく奇麗な気持ちの良いトイレで手を洗って、別に目出度い事が有った訳ではないが、少し豪華な夕食をということで、何時ものQ番を目指す。Q番は、さすが6時前だから空いている。何時ものQ丼を頼む。何だか少し具が少なくなったのかなぁ。世の中不況だものなぁ。

 そのまま下の道を走って国道6号に出る。シーズンではないからか6号も混んではいない。

 土浦の先の何時もすごく混む学園都市に入る道との交差点の手前で、往きに使った道に入ろうと道をそれると、少し手前過ぎたようで別の道に入ってしまう。少しごちゃごちゃしながら6号に戻り、正しい道に分岐する。正しい道には桜土浦インターへの案内版がでていた。

 後は来た道を只戻るだけである。8時過ぎには家に着く。高速を使っても30分と違わない様だ。6号さえ混んでいなければわざわざ高速に乗る事も無いかも知れない。

 今度からはもう少し早めに家を出て高速は使わずに笠間まで行く事にするか。家も不況だから。


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作成年月日 平成14年11月27日
作 成 者 本庄 章