笠間ボルダーその16

2002年 3月20日記

 相棒と二人で笠間に行った。

 金曜日に、土曜日は久し振りに笠間に行くかと言う事にしたのだが、例によって起きたら9時。何だかんだで、結局日曜日に延期する。

 日曜日も起きたら9時。でも、9時半には出発することにする。で、結局は9時45分頃に出発する。相棒とは久し振りの笠間である。

 いつものように筑波から常磐道に乗り岩間で降りる。今日もすごく良い天気である。フリース等を着ていると暑いくらいだ。

 今回は、ストロングフィンガーが気になっていたので、久し振りに大黒岩に行く。そのため、これも久し振りに笠間の町の中を通って、日動美術館側から佐白山に入る。

 大黒岩で準備をしていると、一人の老人が杖を使って大黒岩の下に詰まった枯れ葉やゴミを掻き出している。岩に生えた草などもむしっている。

 以前、この大黒岩を登っていたら、これはご神体だから登るなと言われたと言う人がいたと聞いた事があったので、なんか言われるのも嫌だからと、その老人が去るまでマットで休息をする。

 老人は、2ヶ所位で岩に手を合わせ、なんかのお呪いみたいな事をやった後、我々には何も言わずに佐白山の方に去って行った。

 アップにとパラダイスゲートを左からやって見る。やっぱり、これといったムーブがわからず、すんなりとは離陸出来ない。少しああだこうだやった後になんとなく飛びつき気味にスタートをする。出てしまえば、後は何とか登れるのだが。

 続いて、右からもスタートする。こっちもスタートがよくわからないが、なんとなく登る。

 そのままストロングフィンガーを触る。

 スタートホールドはまぁなんとか持てる左右のカチである。右手は2ヶ所有るが、右側の方が持ち易い。

 足は細かいのが何ヶ所か有るが、何れも細かく、これというスタンスはない。場所もあまり良い所にはない。一応右足を使って離陸する。

 最初はなかなか離陸がし難く、離陸しても次のムーブが起こし難い。右足だから左手に負荷が掛かるのだが、左手は指先がほんの少し掛かるだけだから、指が痛い。少し他より掛かる場所があるので、それをどう持つかいくつかやって見るがこれと言う物はない。

 スタート時の足をより岩の基部に近付けて立ち、身体を壁に密着させると、意外と楽に身体が上がることに気付く。まぁ、そうすれば良いと言う事は、頭ではわかっているのだが、実際にそういう場面に直面しても、なかなかそういう動きに結びつかないのである。で、何回かやっている内に、そうだったということで思い出してやって見てるということを繰り返している訳であるが。

 足を決めて、壁に付いて、スタートして左足を上げる。この左足のスタンスも、2〜3箇所候補があり、それぞれを試すが、決め手はない。一応一番近くで一番上のスタンスがいくらか乗りやすいので、それを使って右手を出すことを繰り返す。しかし、スタティックには手が出ない。で、止らない。例えスタティックに行けたとしても、持てるかどうかわからないホールドだから、飛ばして取れる訳はない。

 途中おばさんを中心とした中高年集団が来る。そして、へそは何処だどこだと探している。あまりうるさくうろうろするから、そっちだと教えて上げる。

 相棒が、おじさんに何をやっているのかと聞かれ、岩を登っていると答えている。また別のおじさんには、マットを指して、これは座るために使うのかと聞かれ、飛び降りるために使うのだと説明している。小生が岩を登のを見て、一応納得はしたようだ。

 一台のタクシーが通る。相棒がそれを見て、タクシーで来る人もいるという。こんな所にタクシーで来て何をするのだろうか。

 ストロングフィンガーが全く進展しないので、左隣のアンダークリングをやって見る。この課題も未だ一回位いしか登れていない課題である。足が細かいし、左手がいっぱいで横引きだから、なかなか効かせ辛い。例えスタートのスタンスに乗れても、右足が上がらないのである。

 今回やって見たら、スタートのスタンスに乗れ、何とか右足は上がるのだが、その右足に充分乗り込めず、その先のホールドが見つからないので、出来ない。スタートのスタンスや左手の持ち方を少し色々やって見たが、結局登れなかった。

 結局、その後ストロングフィンガーも出来ないので、石倉エリアに移動し、石倉の頭で昼食にする。

 ギル岩に一人ボルダラーがいたが、我々が移動するとほぼ同時に下に移動して行った。

 ギル岩のウェイオブザギルを触って見る。スタートして、右手を上のリスに送る所までは出来るのだが、左足が決まらない。確か左足はカンテの左面にヒールフックだったと思うのだが。

 すぐに諦めて、ゴールドフィンガーに触る。右手はハングの上のフレーク、左手は斜めのリップのカチでスタートし、右足をリップ迄上げるのだと思うのだが、その右足が上がりきらない。でも、以前は足を上げる動作さえ起こせなかったのだから、今回はこれで良しとしよう。

 石器人スラブに移動する積もりで下に降りて行くと、ラブタッチの岩に知り合いがいる。これは付き合わなければと、予定外だったが、ラブタッチに取付く事にする。ラブタッチには知り会いの他に地元の人が二人いた。

 この知り合い、今日は独りで電車で来たらしい。我々が大黒岩で目撃したタクシーは彼だった様だ。

 先客の一人が知り合いが呼ぶ小生の名前を聞いて、ホームページは毎日見ていますと言ってくれる。もう一人の人は50回くらい見たと言ってくれる。このホームページも有名になったものだ。あまりいいかげんな事を書くのは自粛する事にしよう。

 相変わらずラブタッチはこれといったムーブが無い。スタートの右手アンダーで右足に立つムーブも決まらない。以前は腰を入れて右足に立てば左手がスタティックにカンテに持って行けたのだが、現在はその感覚が戻らず、どうしてもデッド気味にしか行けない。足も右足を少し送ってそこに左足を寄せ、右足を少し上げ、左手も少し上げてから左足を大きく上げたはずなのだが、どうも足が決まらず、左手を上げることが出来ないので、左足を大きく上げることができない。

 先客の少し巧い人が、最近は日に日に登れなくなって来るといいながらも、ラブタッチを登る。その足を真似して見ると、左手が上がり、左足も上がって、身体を少し上げることがで来た。しかし、十分に上がりきらず、右手が離せなかった。

 そのムーブは左手カンテを持ってから右足をその少し上の凹角状の所に上げ、左手を上げて右足も右上のもう一段高い所に持って行ってから左足を決めて乗り込んで行くというものである。足は大きく外傾したテラス状の棚の面はあまり使わないやり方である。確かにその方が、フリクションに頼る部分は少ないので、ムーブは安定するのかも知れない。

 知り合いも諦めてシンプル岩に行くと言うので、一足先にシンプル岩に行き、石器人岩を触って見る。まぁ、一種の言い訳だが、何だか湿っぽい。マットを敷いた後、スタンスを調べ、ホールドを確かめてスタートして見る。一歩目は立てる。次に足を上げるが、それに立てない。

 スタートの足を変え別のスタンスに立とうとする。やっぱり立てない。どうしてだろう。スタートのスタンスと条件はそんなに違わないはずなのに。スタートスタンスは顕著な結晶とか窪みがある訳ではない。ホールドだってただ上から手を押し付けて、どちらかと言うとバランスを取っているだけで、ホールドに頼っている訳ではない。それが、2歩目になると同じようなスタンスにどうして立てないのだろう。いつも思っている疑問である。

 今回は上に行くと言うことはあまり考えず、如何にスタンスに立つかと言う事を主眼に取付いている。従って、ホールドにしがみつくとかの無理はしない。剥がされれば素直に飛び降りる。

 この石の基部のスタート地点には木の根っこが露出している。そこに飛び降りて踵を打つとすごく痛い。下手をすると怪我をしてしまう。そのために、使いたくはないが、マットを使うのである。本来ならば、また落ち方を工夫すれば、使わなくともよい課題である。一度この根っこで踵を打ち、暫く痛みが引かなかったので、どうしてもマットを敷いてしまうのだ。

 知り合いも降りて来たので、隣のシンプル岩に戻る。

 知り合いは真ん中のフィンガークラックに挑戦する。しかし、なかなか登れない。レイバック気味にスタートして、上の傾斜の緩い所に乗り込むのが出来ないでいる。この課題、結構力がいるのだ。

 小生もやって見る。クラックの中のリップ辺りのガバが取り難い。なんとかごまかしてそのガバを取り、上のクラックを使って上に抜ける。まぁ、一応登った。先客の巧い人はすんなり登る。小生も再度クラックの出来るだけ左の方を使って、レイバックにならないように、クラックの中のホールドを使って登って見る。途中やっぱりクラックの右の一番出っ張った所のスタンスを使ってしまった。

 その横のフェースの課題を登る。これも、なかなか出来なかった、出来てからもまだ出来ない事の多かった課題である。笠間ってこんな課題ばっかりだ。

 リップを両手で持って、右足をフレークのサイドにフックして、左手を飛ばす。この飛ばす前の左手が悪い。なんとか耐えて上のホールドを捕らえる。しかし、あまり掛かりの良いホールドではない。基本的には右手に頼って右足をその上のガバスタンスに上げる。上がってしまえば上のガバが何とか取れ、上に抜けられる。結局どたばたとやっと登る。

 続いて先客のもう一人が、リップを持ってからすぐに右足を少し高い所のガバスタンスに上げて登る。それを真似して見たら結構すんなり登れた。

 左横のシンプルファイターを触って見る。離陸は出来るのだが、左手が止らない。

 エモーションを触る。相変わらず離陸が出来ない。何回かやってやっと一瞬離陸する。若しかして、すごい進歩か。

 石器人岩に戻ってまたスラブと格闘する。シンプル岩の人達も合流する。中央は諦めて右のカンテを登る。が、スタートが出来ない。こんなんだったっけ。カンテを持って、少しバランスの悪いスメアでスタート。何とか離陸し登る。

 小さな女の子を連れたおじさんが来る。そして、小さな女の子がこのカンテを登る。小さなフラットソールを履いた女の子だ。また、そのうちこの子にも抜かれてしまうのかなぁ、なんて思ったりする。

 もとの4人に戻って、今度は左のカンテを触る。巧い人がカンテに飛びついて登る。この課題は下が1m位無いのである。だから、どうしても飛びつくような感じになるのだ。それを真似して他の二人も登る。小生は飛びつくのは癪だから、カンテを抱えて、右足を石の所まで上げて、スメア気味に使って、ジワジワと身体を上げる。お影でスタテイックに出る事ができた。

 またシンプル岩に戻って、プロテインの所のマントルをやる。他の人も真似る。

 このプロテインというのは、シンプル岩の右のリップをトラバースする課題なのだが、今まで殆どやったことが無い。で、今回やってみる。足が無いから左足のヒールフックが続く。疲れる。落ちる。だめだ。

 知り合いはまだクラックに挑戦していたが、小生は一人でハングマンに行き、ハングマンを触る。リップを両手で持って、足をリップまで上げてマントルを返すのだが、今迄足が上がらなかったのだ。それが、今回は何とか足がリップまでは上がったのだ。うーん、やっぱり。進歩している事を再度確認する。

 戻ろうとしたら、相棒がワシントン倶楽部の岩まで降りて来ていたので、ワシントン倶楽部を触って見る。

 最初は右足を一段下で左足に乗り込んで行ったので落ちてしまったが、2回目にいつものスタンスを使ったら、なんとか身体が上がり、登る事ができた。ここはムーブがなんとか安定して来たようだ。

 シンプル岩に戻ると、すでに5時を廻っている。寒くもなって来ている。ということで、帰る事にする。もう少しで陶器の森公園が閉まってしまって、いつものトイレが使えなくなってしまう時間だ。駐車場にあったトイレはもう復活しないのかと話すと、巧い人が、日動美術館の方の駐車場に綺麗なトイレを作ったからこっちは作らないだろうと言う。そんなトイレが有ったのかとそのトイレの場所を教わる。

 今回は下に降りて周回道路に出て下の駐車場に行く事にする。久し振りにこの道を歩いたが、結構長かった。

 電車で来た知り合いを途中まで送ることにして、一緒にいつものQ番に行く。Q丼を食べるためである。なにしろ、笠間に来たら一度はこれを食べなければ。知り合いもQ丼を頼む。相棒は食べきれないからと別の物を頼む。

 程なく満席となる。やはりここはいつも混むのだ。なんとか混む前に入れて良かった良かった。

 帰りも岩間から高速を使って筑波まで行き、知り合いを荒川沖駅まで送る。我々はそのまま龍ヶ崎から千葉に戻る。Q番でゆっくりし過ぎたのか、家についたら既に9時を廻っていた。


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作成年月日 平成14年 3月20日
作 成 者 本庄 章