笠間ボルダーその12

2001年4月2日記

 日曜日にジムの仲間3人と小生と4人で笠間に行った。今回も相棒はお休み。最近相棒はどうも忙しいらしい。

 前日の土曜日は朝から雨。東京は雪だったらしい。天気予報では昼には上がると言うのに、結局1日降っていた。少し心配ではあったが特に仲間からの連絡も無いので、行くつもりで支度をする。当日、果たして、待合わせ場所に3人とも現れた。

 4人だからと、首都高経由で常磐道へ。混んでいる訳ではないが、やっぱり筑波までは1時間以上かかるようだ。龍ヶ崎経由で筑波まで行くのとそんなんい大きな時間的な違いは無い様だ。

 いつものコンビニで食料を調達し、いつもの駐車場に向う。所が、途中道の脇に白く雪が残っている。千葉では積もるほどの雪は降らなかったのだが、こちらはいくらか積もったようだ。少々の不安を抱く。

 駐車場近くになると道も濡れている。不安を抱きつつ大黒岩に行く事にする。

 普通ならば大黒岩を通って公園の駐車場に行くのだが、最近は美術の森公園とか言う所から入って来るので普通とは反対方向から入るようになった。従って大黒岩は通らないのである。

 駐車場の入口を過ぎると道は林の中を通るようになる。道には当然雪が残っている。フロントガラスに滴が落ちる。まるで雨だ。将に雨が降っている状態だ。

 大黒岩到着。

 ここは上に木は被っていないし日も当たるので、岩はそこそこ乾いている。といえばそうとも思える。登れない事も無い。道路とは反対側のストロングフィンガー等の課題のある面を見に行く。

 雨が降っている。ザアザア降りと言う感じだ。木の葉に積もった雪が日に照らされて溶けた滴が落ちて来るのだ。その滴は岩にも落ちている。当然岩はビショビショである。

 登る事は諦め、いつもの駐車場に戻る事にする。

 車から降りると、やっぱり上の木から雨が降っている。大丈夫だろうか。

 ここで仲間の一人がビデオ撮影をしたいとのことで、駐車場に入って来る所まで車を戻し、そこからやり直す。車から降りると、ビデオの仲間が自分が降りるシーンも撮らなければならないというので、ビデオの仲間が降りる所を別の仲間がまた撮影する。

 支度を整えて出発。やっぱり林に入ると道にはうっすらと霙状の雪が積もり、上からは雨の如くに滴が落ちて来る。あちこちで木から雪が落ちる音がする。まるで春山を歩いている気分だ。本当に大丈夫なんだろうか。

 雪は雨よりも始末が悪い。これが雨ならば未だに滴が落ちるなんてことはない。岩はそこそこ乾いている筈だ。

 いつもの石倉岩の頭に荷物を置く。さすが石倉は日当たりがものすごく良いので、下地もそこそこ乾いており、岩も殆ど乾いている。Loマントルやその上のSDの課題は問題はない。

 一応腹ごしらえをして、さぁ、どうしようか。しばらく待てば岩は乾くだろうか。

 何回もこの佐白山公園に来てはいても、他の仲間は未だ佐志能神社を見た事が無いとのことなので、その神社を見学に行く事にする。

 石倉からは岩にステップが切られたり鎖が張られたりした道を登って行く。この道は上に木が被さっているから濡れている。下は岩だから滑る。この状態ではしんどい。

 この神社は小生は以前1度だけ見に行った事が有るのだが、その時の印象ではせいぜい2畳か3畳位の広さの社と思っていたのが、2棟の建物が建ち、お社は10畳ではきかない位の広さのある堂々とした小屋であった。まぁ、お世辞にも立派な社とは言い難い造りではあるのだが。

 折角来たのだからと、建物の写真を撮る。建物が大きく、その建物が山のてっぺんの狭い所に建っているから、なかなか全体が入らない。一応35mmの広角レンズが付いてはいるのだがそれでは間に合わない。やっぱり25mmとか21mmが欲しい所だ。って、お手軽カメラのズームレンズにそれを求めるのは不可能では有るのだが。

 Loマントルの岩で少しウォーミングアップの後、石倉の一番上のSD課題のある岩で遊び始める。

 この前今回の仲間の一人と来た時には気が付かなかったのだが、この課題の左手のスタートホールドが欠けてしまった様だ。小生にはこのSD課題は無理なので殆どトライをしていないのだが、その欠けた場所を手で触るとぼろぼろと岩が崩れるのである。色もその部分だけ明るい色になっている。

 皆は先ずSDで遊ぶ。その右を登って見る。左に廻りこんだ面を登る。色々な限定を付けて登って見る。等色んな事をやっている。

 なかなか時間は進まない。どういう訳だか、なんとなく皆で尻取り遊びを始める。ジャンルはクライミング関係の言葉と言う事にする。固有名詞でも、ルート名でも、クライミングに関係が有れば良いことにする。但し、最低2名が知っているものでなければならない。特にルート名や課題名は他に誰かが知っていなければならない。

 登りながらとか、他に何かしながら進める。当然尻取りだけに専念した訳ではない。

 クライミングの用語って結構外国語、特に英語が多い。そして、動詞の現在進行形の形が多い。従ってグで終わる言葉が多い。当然グに集中する。そこで、濁音は清音、つまりグはクでも良いことにする。

 他にも、スとか何とか岩のワとか、数少ない音に集中する。また、ラとかロ等の音も頻繁にでる。そこで、ロープ何とかとかの複合語が飛び出す。これも、禁じ手臭いが良しとする。遂にはジムの常連さんの名前まで飛び出す。それでも、段々詰まる時間が長くなって来る。

 一人のボルダラーが現れる。そして、そのまま林の中に降りて行ったようだ。

 段々飽きて来たので石倉の頭まで戻り、仲間が石倉の頭にあるケイシーらしいと教えられた所を触る。確か笠間グレードではD難度だったか。

 この課題は、下地が悪い上に高さがある。仲間の一人が取り付き、カンテに出て、少しやばいやばいとか言いながら上に抜ける。やっぱり恐いらしい。もう一人の仲間が取り付く。左側のカンテのカチを左手で持ち、右のカンテの縦カチらしい所を右手で取って、左上のカンテのカチを左で取りに行く。そして、スタートホールドをスタンスにして左のカンテを乗っ越しながらスラブに出て、そのままカンテ沿いにスラブを直上するという、そんな課題だ。

 その仲間がスラブに出て、結局そこに打たれたハンガーを使って上に抜けたらしい。そのスラブは下まで結構な距離が有り、落ちたら相当に悪い状況である。

 その仲間、今度は上からスタンスなどを偵察して、再度挑戦。無事に上に抜ける。当然、それをビデオの仲間が撮影する。そして、先に登った仲間、実はその人がビデオの仲間なのだが、が再度登る。

 そうこうしているうちに、僅かに雨が降り出す。天気予報では今日雨が降るなんて一言も言っていなかったのだが、仕方が無いから一番上のSDの課題の岩の上にある屋根のついたベンチに避難する。当然その間も尻取りは継続されている。

 ベンチの壁や窓に取り付いて、何処か登れそうな所を探している。みな、やる事は同じだ。先日の我々もこのベンチの軒先だマントリングをしていたのだから。

 雨が止んだようだ。そこへ先程のボルダラーが来る。やっぱり、下はゴールドフィンガー位しか登れないらしい。

 我々はゴールドフィンガーの岩に移動する。尻取りを続けながら。

 仲間達はゴールドフィンガーを登る。小生は登れないから、その左の斜面にある小さな岩を登る。恐らく初登だと思われるが、易しい。すごく易しい。面白くない。左の面を登る。それに輪をかけて面白くない。

 ビデオの仲間が課題名はと聞くから面白くない1と面白くない2と答えると、それでは誰も登らないという。まぁ、多分今までも誰も登らなかったのだろうから、あえて登る事も無いだろうと思う。

 ゴールドフィンガーにも取り付いて見る。左手でスタートホールドを持って、右足を上げて、そのまま左手を引き付けて、右手のホールドはと見ると、遠い。届かない。駄目だ。

 その右のカンテを登る。石の上からスタートして、登れた。しかし、スタート地点には人工芝マットが敷いてあるから大丈夫だったのだが、上に抜けてしまうとフラットソールで地面を歩かなければならないので、ソールがビチョ濡れになってしまった。

 今回は、以前の経験から1m四方位の人工芝マットを持参していたのでそれが非常に役立っている。

 このゴールドフィンガーの岩は、限定で遊ぶには不向きな岩だ。何しろ、ゴールドフィンガー以外は両端のカンテ位しか登れない。カンテは易しいし、ゴールドフィンガーは限定のしようがないし。

 ラブタッチの岩に移動する。勿論尻取りは続いている。小生の番だ。

 ラブタッチはそこそこ登れそうである。シンプル岩に行く。登れそうな、登れなさそうな。乾いていると言えば乾いているし。小生ともう一人の仲間は石器人岩に行く。ここも登れると言えば登れそうだが。

 一応、マットを敷いてその仲間と登り出す。もう2人の仲間も合流して来る。

 ビデオの仲間が真ん中を登る。さすが。この仲間、実は現在ボルダリング復帰を目指してリハビリ中なのだと本人は言う。多分そうなのだが、小生とはそもそも次元の違う世界の話しである。

 先に仲間とやっていたルートとはルートが違う。出だしから真ん中を登るのが初段バージョンらしい。そのルートで残りの3人が挑戦する。

 右足一歩目は立てる。次の左足に立てない。その足に立てばマイクロポケットが取れるのだが。

 さっきのボルダラーも加わる。人工芝が裏からの水分で既に表まで濡れている。さっきのボルダラーさんの足拭きマットを借りる。このマットは裏がビニールだから濡れないらしい。

 何回か挑戦するも、靴がもったいないからと諦め、シンプル岩に移動する。

 仲間はエモーションを登る。

 この課題は、今回の仲間の2人が右足のヒールフックという裏技をここの常連さんに教えてもらって登った課題だ。そして、ビデオの仲間がその登り方をビデオに納めたいと言う。

 無事撮影も終了する。

 ビデオの仲間はヒールフックでも普通の足でも変わらないと言う。で、他の仲間が試す。確かにそうらしい。しかし、この仲間はリーチがあるからともう一人の仲間が言う。左手のホールドの持ち方を変えると変わらなくなるとも言う。小生も言われたホールドの持ち方を試すと、確かに少し持てる感じがする。なにしろ、この課題は以前は離陸すら出来なかった課題なのだ。これでもしかすると離陸が出来るかもしれない。残艶ながら靴は履いていなかったので試す事はしなかったが。

 ラブタッチの岩に移動する。

 皆でラブタッチを登る。相変わらず小生には登れない。何しろソールにチョークを付けながらソールを拭っての挑戦だったから、靴が滑るのだ。フリクションも効かないし。この課題をぎりぎりで登る小生には登れる条件ではなかった。お影で、この岩では常に血を見なければ済まなかったのが、今回は、最後に少しだけ擦りむいただけで終わる事ができた。良かった。ということになるのだろうか。

 こんな状態でよくもまぁ暗くなるまで遊んだと感心するが、結局は、暗くなりかけてから駐車場に戻ったのだった。これで、帰りにQ丼が食べられる。

 そして、ビデオの仲間のビデオ撮影も駐車場に行進する我々の姿を納めてお終いとなった。

 帰りは大黒岩経由で帰る。ラブタッチでは大黒岩に行かなければと言っていたのだが、大黒岩は既に暗かったので登る事はしなかった。

 尻取りがどうなったのか、実はゴールドフィンガーからラブタッチに移動する所辺りの小生の番でたちぎえになってしまっていたのだ。

 帰りは例によってQ番のQ丼である。今回は仲間のうちなんと2人がQ丼の大盛りに挑戦する。それでなくとも大盛りだと言うのに、これの大盛りってどんなんだろう。

 Q丼の丼は普通の丼ではない。所謂腰から下も太っている麺類用の丼だ。従って普通に入れても大盛りになる。その丼にご飯を盛り上げているのだから、想像は付くと思う。将に大盛りなのである。さすが、2人とも完食はしたものの、次は普通盛りにするそうだ。

 ここで再び尻取りが復活。結局その後2時間あまり、最後まで尻取りは続いたのだった。


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作成年月日 平成13年 4月 2日
作 成 者 本庄 章