笠間ボルダーその10

2001年3月4日記

 この土曜日に久し振りに相棒と2人で静かな笠間に行ってきた。

 少しゆっくり目に家を出る。しかし、土曜日のせいか年度末のせいか道が混んでおり、普段より余計に時間がかかってしまった。

 下の駐車場に自動車を置き、石倉岩の頭に行く。犬を連れた散歩らしき人はいるが、クライマーはいない。最近は誰かが石倉岩に取付いているのだが、今日はいない。

 軽い昼食とストレッチの後、Loマントルの岩でウォーミングアップする。相棒もLoマントルを登る。危なげが無い。殆ど練習をしない相棒でも少しずつ上達はしているようだ。岩慣れという事も有るのだろうか。傾斜が無ければそういう事なのかもしれない。

 ギル岩の下のビギナーズカンテの有る岩の真中のC難度のスラブが未だに登れていないので、この課題に取付く事にする。

 石倉の頭では地面が乾いていたのだが、林の中に入ると地面がまだ乾いていない。スラブの岩の下地も湿っている。この課題は下地も悪いのでマットを敷いてトライする。

 右手のフレークを使って1歩2歩と足を上げて行く。もう少しで左のカンテが取れるという所で足が滑り落下。何とかマットの上に落ちたものの、勢い余ってマットの外に着地する。見ると靴が泥だらけだ。まずい。ここは下地が傾斜しており、マットの安定も悪いので、早々に諦める。なんか未だじめじめしている感じで戦意喪失気味ではある。やっぱり昨日の雨の影響であろう。

 下地の良いラブタッチの岩に行く。本当に誰もいない。

 ここでもマットを敷かないと靴が濡れてしまうので、マットを敷く。地面が湿っているから、多分岩も湿気っているのだろう。足が決まらない。出だしで何回も滑る。

 ラブタッチの出だしの右手はスローパーをアンダー持ちしている。それが滑って落ちると、指の第2関節の所辺りを岩にこすって擦り剥いてしまう。特に小指、薬指がやられる。今回も早々に指を擦り剥いてしまった。

 でも、しつこくやっていたら、中指の第1関節、手の付け根の内側等、5個所程擦り剥いた。小指は何回もこするから血が止まらない。見るとアンダー持ちのホールドの所の岩に血が付いている。よくこんな事やるなぁと自分で感心する。

 最初の右足に立つ立ち方だが、バランスによっては左手がスタティックに取れる。しかし、その立ち方がもう一つわからなかった。右足に体重を移し、その足を突っ張る感じだと思っていたのだが、突っ張る事に因り腰を入れなければ駄目だという事がわかってきた。その事に意識を集中してやりだすと、重心の移動がうまく行っていないと駄目だという事もわかってきた。そうすると足が滑りにくい事もわかってきた。しかし、その体勢に持って行くためのきっかけがわかりずらく、確実にその体勢に持って行けない。その体勢になれば、この体勢だとわかる様にはなったのだが。

 何回か、左足が上がり、手も上がったのだが、上げた左足を突っ張れない。結局登れない。相棒も裏のグリコという課題に取付いているが、登れなかったようだ。

 相棒が余り1つの課題ばっかりやっていてもと言ったので、ワシントン倶楽部の岩に移動する。

 笠間に来ればやっぱりこれだと、いつの頃からか定例になり、そのかい有ってか既に3回登っているこの課題だが、今回も結局取付く。

 この課題は小生にとってはムーブは分かりやすい。スタンスもカチだから立ちやすい。従って、今日は2撃目で登れた。4回目だが今までで一番すっきり登れたかも知れない。疲れていないうちだったから、マントルも真っ直ぐ上に返せた。

 これも久し振りにプラクティス・マンの岩に行く。この岩には相棒でも登れる笠間では貴重な初心者用の課題がある。プラクティス・マン、スラブともに10級だと思う。フット・トラバースはもう少し難しい。8級位あるかもしれない。

 相棒はプラクティス・マンとスラブを登る。プラクティス・マンが登れたのは初めてかも知れない。小生も色々と遊ぶ。

 この岩のすぐ隣のハング・マンに触ってみる。相変わらずリップに足が上がらない。1回で止める。この2級は先が長そうだ。

 そのすぐ下のヒップ岩のアンクラスラブに触ってみる。クラックの左をクラックを使わずに登りたいのだが、未だ出来ていない。

 久し振りなので、フリクションを探る意味で少し登ってみる。でも、途中でクラックを触ってしまう。やっぱり無理そうだと諦め、降りようとして途中で足を滑らせ、尻餅をつく。靴が泥で真っ黒になる。泥をブラシの柄でこすり落とすが、これも1回で諦める。

 やっぱりスラブをやりたいと思っていたので、石器人岩に行き、石器人スラブ中央を触る。

 前にこの課題を登ったが、カンテを使ってしまったので、今回はカンテを使わずに登る事をやってみる。

 やってみると前回使ったアンダーで持つカンテを使わず、その時のスタンスも使わずにスタートできる。が、前回もてこずったスタンスでやっぱりてこずる。立ち方がはっきりとはわからない。前回よりも滑るようだし。色々試す。足を置く場所を前後させたりとか、角度を変えてみたりとか。使うソールの場所を変えてみたりとか。で、すこうしなんとなくわかったようなわからないような。でも、その足にシッカリ立てた時の感触はわかってきた。それが確実に再現できるようになれればなぁ。

 そのスタンスに立てると上のオレンジ色のマイクロポケットのホールドに手が届く。このホールドには指先が少し掛る。だんだんこのホールドに手が届く回数が増える。そうすると同じ所の結晶に何回も指の同じ所をかける。当然指先に穴が空く。血が滲み出す。不思議に痛くはない。

 終了1手手前でカンテを持ってしまう。ここでカンテを持たなければ初段なのだが。でも、この条件で、スタートにカンテを使わず、一応登れた。少し嬉しい。だんだんスラバーに近づいてきたようだ。よーし。中年の星、スラブの星を目指して頑張るぞ。

 シンプル岩に人が来る。1人のようだ。この石器人岩とシンプル岩はすぐ隣だ。多分5〜6m位しか離れていない。

 下地が湿っているから、マットから外れて地面を踏んでしまうとソールが濡れてしまう。その場合はチョークを付けたりしてソールを乾かしてから挑戦する。

 シンプル岩の人はどうやらエモーションを登ったようだ。

 スタンスを探してみる。マイクロポケットを取ってから左に行っているのだが、右側のスタンスを探る。立てそうなスタンスを見つける。試してみたら立てた。傾斜が少し緩くなるからしっかり立てると思ったのだがホールドに頼っているようでシッカリは立てない。手が無くなるから次に動けない。何回かやってみたがやっぱり同じ。

 指先からの出血が多くなったような気がする。そろそろこの課題も諦めるか。何しろ初段なのだから。

 シンプル岩に行き、エモーションを登ったらしい人と少しお話をする。福島の方らしい。普段は安達太良で登っているらしい。青葉の事を聞くとやっぱり冬でも暖かく、岩もそんなに高くはないらしい。易し目の課題も有るらしい。

 一応シンプル・ライクだかシンプル・ファイターだかわからない所に触る。今日は離陸すら出来ない。

 再度ラブタッチに行ってみる。何回くらい挑戦しただろうか。足が上がってその足を突っ張ればリップに手が届くという所までは何回も行くのだが、その足が突っ張れない。やっぱり疲れているのかなぁ。

 だんだん寒くなってきたので、今回のラブタッチは諦める事にする。

 何時もの如く芸術の森公園とかの裏門の近くのトイレに寄る。ところが、凍結防止とかでトイレが閉まっている。前回は使えたのに。

 何時もの如くQ丼を食べる。やっぱりボリュームたっぷりである。

 土曜日だし、明日も休みだからと、国道6号線を帰る。筑波で少し混んだだけで渋滞はなかった。

 相棒と2人で行くと、どうしても試技と試技の間が短くなる。従って登る回数が増える。今回も時間としては4時間強だが、大勢で来た時の6時間以上の内容であろう。もしかすると8時間以上かもしれない。なにしろ殆ど休まないのだから。当然疲れる。

 今回ワシントン倶楽部と石器人岩のスラブが登れたのは嬉しい。でも疲れた。


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作成年月日 平成13年 3月 4日
作 成 者 本庄 章