北海道ツアー第三弾 その1

 神居古潭に行ってきました

2003年11月 7日記
 10月の末の日曜日から火曜日にかけて、相棒と一緒に北海道に行ってきた。実際には相棒の用事であり、それも火曜日1日だけだったので、勿体無いからと、日月の2日間を付け足し、それをボルダリングに当てようという計画で、赤岩青巌峡、神居古潭に行くことにしたものである。

 日曜日の夜明け前、例によって激安ツアーのため、飛行機が羽田7時頃の出発だから、慌しく家を出る。

 空港の手荷物検査に引っかかり、荷物の中味を見せてくれということになってしまう。爪切りか何かお持ちですかというから、荷物の中から爪切りを取り出す。すると、その爪切りには缶切りとナイフが一緒についているタイプだったものだから、到着地まで預かるということになり、引換券をくれる。爪切りを後でよく見るとナイフには刃は付いてはおらず、形だけのものであったことが判明する。それを知っていれば、そう言ってみたのにと思ったが後の祭りであった。

 飛行機はほぼ満席、座席は一番前から3列目の窓際である。こんな前の席は初めてである。そして、我々の席は3つ並んでいるのに、前の列の席は2つしかない。従って、前の席の背中につけられる折りたたみのテーブルが無いのである。これも初めてである。

 途中、雲の上に我々の飛行機の影が映りだす。虹が出だす。その内、その虹が我々の飛行機の影を包むようにまん丸になる。ブロッケン現象が出現したのだ。まん丸の虹の中に我々の飛行機の影が入っているのである。最初は影が全部は入りきらず、影の前半分くらいしか丸い虹の中に入らなかったのだが、暫くするうちに飛行機の影全体が虹の中に納まってきた。

 多分、飛行機が朝日を浴びて、その影が雲に映るという現象は頻繁に起こる現象だろうから、飛行機からはこのブロッケン現象はよく見られるのかも分からないが、我々にとっては初めての体験である。相棒は頻りと写真を撮っていた。

 千歳空港の出口のカウンターで爪切りを受け取る。角封筒から爪切りを取り出し、それを返してくれる。同じような封筒が幾つかあったから、同じような人が何人かいたのだろう。

 蛇足だが、ナイフや、鋏などの為だけに手荷物を預けるのだったら、持ち込み手荷物として持ち込み、止められたら預けるという方が、到着地で待つことなく確実に受け取れるから、かえってその方が良いのかも知れない。

 空港の到着出口で、相棒の友達と待ち合わせていたのだが、その友達が中々現れない。着いたら連絡するとの約束で家を出てきたらしいのだが、お互いの住所が千葉と北海道だから普段携帯同士で話をするなどということが殆ど無いので、お互いの携帯の番号が分からないらしい。

 暫くすると相棒の携帯が鳴る。友達からのメールらしい。

 番号が分からないのにどうして携帯同士で連絡が取れるのか少々疑問に思ったので聞いてみると、メールアドレスを使えば、番号が分からなくても携帯同士で連絡が取れるのだと教てくれる。なるほど。普段携帯なんか使ったことが無いから、そんなことも分からなかったのだ。恥ずかしい。

 それから暫くメールのやり取りがあってやっと落ち合うことができた。しかし、お互いがもう年寄りだから、若人の如く迅速なメールのやり取りが出来ないらしく、それまでに幾ばくかの時間を取られてしまったのだった。

 レンタカーを借り出し、一路赤岩青巌峡を目指す。今回もレンタカーにカーナビがついているので、目的地に赤岩青巌峡を設定する。

 このカーナビだが、最近はレンタカーの殆どに付いているらしく、カーナビ代千円を余分に取られるのだが、それを拒否出来ないらしい。標準装備で別料金ということらしいのだ。なんか変な気がするのだが。

 例によって、カーナビの指示を無視し、レンタカー屋で教わった道で1つ先の高速の入り口に向かう。ところが、このカーナビ、オートリルートの設定がされていなかったらしく、ルートを外れたらその後何の指示も無くなってしまった。

 夕張で高速を降る。適当な所でコンビニに寄って昼飯の準備をしなければならないのだが、暫く走ったのに一向に街らしい所を走らない。ドライブインみたいなところに入って、そこの大きな案内地図をみると、夕張はまだ先らしい。ドライブインで買い物をするのを止め先に進む。

 どんどん山に入ってゆく。あれー、手持ちの地図を確かめると、どうやら夕張は高速を降りたところを反対方向に走らなければならなかったようだ。仕方が無い。

 国道274号線を淡々と福山まで走り、そこからニニウ方面に分かれる。ところが、その分岐を少し入った所で、占冠方面はニニウの先で通行止めとの看板がある。去年ここを訪れたジムの仲間がニニウからの道は通行止めだと教えてくれたのだが、インターネットで最近の情報を調べてみたのだが、そのような情報は見当たらなかったので通れると思っていたのだ。しかし、やっぱり通れないようだ。

 日高峠を越え、占冠経由で入らなければならない。既に11時を廻っている。結構時間が経っていたようだ。

 日高町でコンビニを見つけるが、既に通り越していたのでそのまま274号から237号に入り占冠を目指す。

 丁度昼頃に占冠の町の道の駅に到着する。寒い。風が肌を刺すのだ。

 道の駅を少し見学して、青巌峡で昼にする予定だったのだが、余りにも寒いということで、友達の用意してきてくれた昼食を自動車の中で食べる。仲間が3人分の昼食を用意してきてくれていたのだ。

 あまりゆっくりも出来ないと、早々に出発する。

 占冠から数キロ走ったところで、道路のゲートが閉められている。手前に砂利道が分かれていて、その閉まったゲートの少し先から砂利道が伸びているのが見えたから、手前の砂利道がその先の砂利道につながっているのだろうと、その手前の砂利道を進むと、程なく民家の庭先に出る。やっぱり通行止めなのか。不安が過ぎる。

 戻って、ゲート前まで行くと、通行止めの看板がある。ありゃー、こっちもだめか。これじゃぁ青巌峡に行けないじゃないか。

 どうしようもないから、道の駅まで戻って、案内の人に状況を聞いてみたら、昨日までは通れたはずなのだが、昨夜大雨が降ったから、それで警戒して通行止めになったのかも知れないとのことである。どうやら一時的な通行止めのようだ。

 少し考えてから、ここから旭川は2時間位らしいので、今からだとまだ間に合うかもしれないと、次の目的地の神居古潭に行き先を変更する。

 カーナビを神居古潭に設定して、旭川を目指す。

 あまり迷うことなく、神居古潭の駐車場には3時前に着いた。まだ2時間位は出来そうだ。

 石狩川の木の橋を渡り、昔の神居古潭駅の駅舎跡の横を通って、蒸気機関車を眺めながらボルダーを目指す。

 ところが、ここでも、トンネルが通行止めになっている。看板にはトンネルの反対側には国道を使ってその先の橋から戻れと書いてある。ボルダーの場所はそのトンネルの先150m位の所らしい。そんな遠回りはしていられない。意を決して、真っ暗なトンネルの中に入る。すると、直ぐに出口の明かりが見えた。

 目印のサイクリングロードの標識を見つけ、そこに書かれている文字を確認する。しかし、トポに書かれている「ガンバ」の文字が無い。一瞬違うのかと思ったが、距離的にもそれしかないので、その付近を捜すと、川筋に降りる踏み跡があった。

 笹薮をガサガサと降りると、最初に大きな岩が現れる。トポを確認すると、シゲル岩にコモロケンジボルダーらしい。その二つの岩はくっついているので、一つの大きな岩に見える。

 岩の基部にはマットレス用のスポンジなどが置いてある。石油ストーブの残骸まで置いてある。あまり綺麗な感じはしない。

 岩の前は平で開けているので、そこに荷物を置こうかとも思ったのだが、岩が高いし、小生向きの易しい課題も無いので、そのままその先の岩を探しに行く。

 そこから、少し離れて、やはり高い大きな岩が現れる。梁山泊の岩の様だ。

 ここには、その他に、○は岩、熊落としの岩、ビーバーロックが有るらしい。それらの岩を探してみる。しかし、小さな岩が重なり合いながらごろごろしていて歩き辛いから、なかなか見つからない。

 その内、やっと○は岩を見つける。そして、それを頼りに熊落としの岩も見つかる。しかし、ビーバーロックが見つからない。トポでは近くにあるはずなのだが、近くにはそれらしい岩は見当たらない。

 少しシツコク探してみたが、見当たらないので、あまり岩探しをしていてもしょうがないと諦め、相棒に○は岩の被った壁に取り付いている所の写真を撮ってもらう。

 その横に、トポには無いが、被ったホールドが適当にある岩がある。しかし、リップは掃除されておらず、登られてはいないようだ。そこを適当に途中まで登ってみる。

 続いて、梁山泊のモンキーフェイスを触ってみる。ここには基本的には7以上の課題しかないから、小生には全く手が出ない。でも、一応しがみついて写真を撮る。

 その近くに子供カルマというらしいフィストクラックを持った2mに満たない石がある。そこにもプチカルマというSDの課題が設定されているらしい。6a+ということなので、もしやと触ってみたが、スタートのスメアが出来ず離陸が出来ない。

 その奥に凸凹した僅かに被った面にチョークがついている2mちょっとの岩がある。触ってみたが、2手目が取れない。2回目位に右手を隣の岩にぶつけて擦り剥いてしまう。都合3回くらい挑戦して止める。

 今度は梁山泊の左端の6a位の課題に触ってみる。やはり、登れる気がしない。

 休んでいたら、友達が、真中のみのむしという課題辺りを触りだす。見ると、なんとなく易しそうに見える。トポを見ると、5Cというグレードらしい。

 やってみる。ガバとか、かかるポケットとかが有るので、何手か上に登る。しかし、後半の1/3くらいが苔が付いている感じで、あまり登られていない感じである。高さもある。岩も湿気ている。場所によっては濡れている。条件があまり良くない。無理することは無いので、クライムダウンする。

 ここは下地が全体に湿っている。岩の状態も濡れている所もある。所によっては上から水滴が落ちている。登れる状態では無いかも知れない。そんな条件だから写真撮影に専念する。

 もう一度ビーバーロックを探してみたが見つからないので、コモロケンジの岩に戻る。

 ここの課題は限定が一杯あるみたいだし、トップアウトする課題でもないらしいので、右端の方のガバの一杯あるところを登ってみる。斜めに走る狭いバンドからその上のガバが取れない。難しくは無いはずなのだが、靴が濡れているし、落ちたくは無いし。何回目かにやっと取る。

 既に4時半を過ぎてしまった。もう直ぐ暗くなってしまう。

 帰りは、トンネルの反対側の橋を渡って帰ろうということにして、来た時とは反対の方向に歩き出す。

 暫く歩くと橋が見えてきた。もう直ぐ橋だという所で橋への道を探すが見当たらない。橋へは藪を少し漕いで田んぼの畦道を行かなければならないのだ。橋の正面近くまで来ると、どうやらその橋は送水管用の橋に見える。人の渡れる橋はまだ先の様だ。しかし、その先の橋はまだ見えない。時間も余り余裕は無い。

 結局戻ってトンネルを潜る。既にあたりは暗くなっていた。

 今夜の宿泊は札幌である。そんなに早く宿に入っても仕方が無いからと国道12号を走る。

 途中、夕食をどうしようかということになったのだが、我々は何でも良いといいながら、少ない食べ物屋の中で選好みをしている間に札幌に近づいてしまう。

 札幌に近づくとチェーン店やファミレスが増えだす。増えだしたら増えだしたで、目移りがしてしまう。イタリアンもいいなぁとかも言い出す。そんな中で、結婚式場の食堂部みたいなレストランを見つけ、そこに入ることにする。

 一昔前のデパートの大食堂の総花的なメニューが並んでいる。そして何と、今日のお勧め料理がイタリアンぽい定食風メニューであった。まぁ、迷っただけのことはあったかな。因みに8時近かった。

 友達曰く「こんなに遅くなったら内の旦那だったら怒ってしまう」だそうだ。確かに。小生もそう思った。

 札幌の繁華街に入って、カーナビの画面が突然消え、テレビ塔のコマーシャルが始まる。人の都合も聞かないでこの先どう進むんだよぅ。仕方が無いから直進していたら、コマーシャルが終わって、カーナビの画面が復帰する。途端にまた、炉辺焼きだかなんだかの店のコマーシャルが始まる。おいおい、肝心な所を見過ごしたらどうしてくれるんだ。ますます不安を募らせながら直進するしかない。

 宿の周りを2〜3回廻ったが、幸い、何とか宿に到着することが出来た。本当に人騒がせなカーナビだなぁー。


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作成年月日 平成15年11月 7日
作 成 者 本庄 章