鴨川の某海岸のボルダーに行って見ました

2005年12月25日記
 連休の中日に、相棒と二人で、鴨川のある海岸のボルダーを見に行ってきた。

 ここの所各地で寒波だ雪だと、大変な天候が続いている。ここ関東は、雪こそないが、例年にない寒い日が続いている。そんな訳だから、なんとなく外の岩へのモチベーションが湧いてこない。朝起きて、相棒に、どこかに行くかと声を掛けるのだが、なかなか腰が上がらない。つい、10時を過ぎ、11時になり12時になってしまう。

 金曜日の日は寒そうだったが、土曜日の日はいくらか寒さが和らぐように天気予報は報じている。じゃぁ、どこかに行かなければ。何時もと同じことを繰り返す。

 で結局、12時を回る。またか。でも、以前どこかのブログで読んだ、鴨川のある海岸のボルダーだったらまだ大丈夫かも知れない。丁度よい機会だから、探しにでも行って見るか。

 この鴨川のボルダーだが、あるブログで、鴨川の海岸のボルダーで遊んだと言う人の記事を読んで知ったボルダーである。その後暫く忘れていたのだが、最近になって気になったので、再度そのブログを探したのだが、なぜだかそのブログが見つからない。しかし、一応場所の見当は付いていたので、ここの所何となく行って見ようと考えていた場所なのである。

 軽い昼食を取り、1時頃家を出発する。少なくも1時間は遊べる時間である。

 鴨川方面に行く道は何時もは決まった道を行くのだが、自分では近いと思っている道でも、実際は結構遠回りをしていることがあると言うことを、カーナビを使うようになってから、知るようになったので、今回は、カーナビの指示に従って走ることにした。とはいえ、カーナビは混雑度を加味しないので、途中までは何時もの自分の道を走る。

 そんなに混んではいないだろうと、カーナビに従って、国道16号を走る。しかし、クリスマスイブの連休の中日である。やっぱり国道はそこそこ混んでいた。

 牛久からはカーナビに従い、養老渓谷を抜け、養老清澄ラインとか名付けられた道を走る。

 途中までは2車線の道だったのが、段々細くなり、完全に1車線の擦違えない道になってくる。2車線になったかと思うと、また1車線になる。そんなことを繰り返すようになる。それでも、養老清澄ラインとかと名付けられた道である。紅葉のシーズンなどには結構自動車が走るのだろうか。

 清澄山の脇を通り、天津側に降りてゆく。こちらは殆ど2車線になっていた。こっちも昔は擦違いに苦労したのだが。

 海岸沿いの国道128号線を進む。で、やっぱり東条海岸の所で渋滞してしまう。休日は、ここから鴨川有料道路への分岐の交差点辺りまでが何時も渋滞することを忘れていた。

 3時頃、目的地付近に到着する。しかし、自動車を停められそうな場所は無い。少し先まで走って、脇道に入り、適当な場所に路駐する。

 道路から海岸を見ると、確かに岩がいっぱいある。しかし、房総には、岩と言える様なしっかりした岩は殆ど無い。同じこの安房地域のボルダーとして発表されているエリアの岩もそう硬くは無い。ここも多分おんなじだろうと思いながら、下に降りる。

 岩はあるのだが、皆中途半端である。そんな岩を見ながら少し歩いて見たら、大分先に大きそうな岩が見える。あそこまでゆくか。しかし、そこまで行くには、途中浜が切れる。引き返して、道路を歩くことにする。

 その大きな岩は道路からもはっきりと見える。少し歩いて、その岩のある浜に降りる。

 その大きな岩の基部を触って見る。やっぱりな。

 その岩を回り込み、その岩の裏に回って見る。ここには結構大きな岩が散らばっている。ここは来る前に、一番最初に見当を付けた場所だから、やっぱりブログにあった場所はここなのかも知れない。半分水に浸かった岩の頭を飛びながら、岩の裏に回り、砂浜に上がる。

 波打ち際に結構被った面を持った大き目の岩が見える。適当な場所に荷物を置いて、近寄って見ると、物凄く被っている。下地は砂である。触って見たら、意外としっかりしている。さっきの岩よりはよっぽどしっかりしている。もしかして。

 其の岩のもう少し沖にも、それよりももう少し大きく高い、やっぱり被った岩が見える。こちらは下地が岩盤である。そして、その窪みには水が溜まっている。潮が上げてくると水没する下地かも知れない。

 荷物を置いた砂浜に戻り、其の先に進んで見る。

 裏からは傾斜の無い大き目の岩に見えた岩を回り込むと、其の岩もやっぱり下がえぐれ、被った面を持っている。岩もぐずぐずと言うわけではない。これは遊べるかも。

 荷物の場所に戻り、最初に目をつけた岩を触って見る。

 先ずは、被った面の左端の、カンテ絡みで触って見る。何しろ、140度は越えているであろうから、いきなりは被り面の中には取り付けない。カンテ面を使って傾斜を殺そうという算段である。しかし、高さがあまり無いから、そうするとあまりにも易しくなってしまう。SDか。でも、そうしてしまうと足が無い。仕方がないから、いきなり被り壁の中ほどのガバホールドに触って見る。

 ホールドはあるが、スタンスが無い。細かなカチスタンスはやっぱり欠ける。適当な足を捜して、次の手を出して見たが、ホールドに届かない。

 この岩は、地面に立つと、辛うじて一段下のリップに手が届く。そのリップから離陸し、一番上のリップを触る。

 リップは持てるような持てないような。粉が乗っているのか、ざらざらする。なんとなく滑る。被っているし、下地が砂とはいえ、綺麗な砂地ではない。ところどころ岩頭が出ており、大き目の礫も転がっている。下にパッドは敷いていないから、手が滑ると怖い。思い切ったムーブが出来ない。仕方なく諦める。

 今度は、一番高い場所の真下辺りのガバスタンスにぶら下がって見る。ここは、さっきよりはスタンスがありそうな場所である。フレークの淵にヒールを掛けて見たり、反対の方にヒールを掛けて見たり、色々やって見たが、やっぱり次に手が出ない。

 最初に取り付いた場所より少し左に寄って、カンテ絡みにリップを使って登って見る。うーん、やっと登れた。

 次は少し沖にある、下地が岩盤の少し高めのボルダーである。

 こちらは、被り面のカンテからリップにかけて、ダイク状のバンドが回っている。それを使って、岩の一番高い所近くまで行き、天辺の少し手前を上に抜ける。こちらはカンテのダイクにヒールを掛けられるから、そんなに難しくは無かった。

 少し手前をマントルしたから、今度は一番天辺をマントルしようと、ダイクの一番高い所から離陸する。結局こちらもダイクの一番高い所に乗り込んだから、やっぱり難しくは無かった。

 今度は壁の真ん中だ。

 こちらの壁は先の壁に比べれば、波の影響が大きいのか、小さな浅い窪みがいくつもある。傾斜もいくらかこちらのほうが緩い。で、一番上のリップは取れるのだが、そこが甘くて、登れなかった。

 ここまで、殆ど休むことなく、ただひたすら被り面にぶら下がっていた。完全に手が腫っている。少し休息を入れる。

 手は砂だらけである。そんな手でミカンを食べる。日当たりが良い場所の岩の粉だから、不衛生ということは無いだろう。

 其の先の岩に行く。この岩は、下半分がルーフになっており、上半分は僅かに寝ている、横に長い岩である。下地は岩盤である。

 高さが無いから、SDで無ければそう難しくは無い。細かな淵の立ったカチもあちこちに見える。

 このカチ、使えるのだろうか。持って見たら、意外と使えそうだ。それを使って、腰辺りのリップに足を上げて乗り込んだら、登れた。気をよくして、もう少し高い所で、細かなフレークの淵辺りに足を乗せたら、これは欠けてしまった。

 上半分が少し寝た凹角状を呈していて、そこにクラックのある場所がある。そのクラックを使って中段のリップに立ち上がろうと、色々試して見たが、どうもうまく行かない。

 諦めて、同じ岩の少し沖の、下がより抉れた場所に行って見る。エッジの立ったカチホールドがあったから、意外と登れた。2箇所か3箇所登っただろうか。意外と気持ちが良かった。

 先のクラックの所が気になったので、また触って見る。

 今度はジャミングは諦め、レイバックでやって見る。上のリップは取れたが、力が尽き、上に抜けることは出来なかった。

 既に5時に近い。相当に疲れてもいる。既に日は山陰に入ってしまった。そろそろ帰ることにするか。

 荷物まで戻ると、荷物の傍の低い、それでいて下が大きく抉れている岩が目に付く。最後にそれをマントルして見よう。因みに、高さは1m位である。

 砂に座り、両手をリップに置く。足は被りの奥の岩の基部に突っ張る。リップに右足のヒールを掛け、その足で体を上げてゆく。右手を伸ばし、手のひらを返す。その手に体を預けていったら、体が岩の上に上がった。どうせ出来ないと思っていたマントルが返った。やったぁー。

 荷物を纏め、来るときは海側を回りこんで海の中の飛び石を飛んできた岩の道路の際を登り、直接道路に出た。

 道路からその先の浜を眺めると、まだ岩が続いている。大分先の建物のある辺りには大きな岩も見える。その岩には人の影も見える。折角だから偵察に行って見よう。

 堤防の淵を歩き、その建物の近くまで行ってから下に降りてみる。

 ここは、大きな岩盤が張り出しており、先ほどの場所よりは大きな岩が多く分布している。しかし、適当な岩は見当たらない。

 岩の上を先に進むと浜が出現する。その浜に降りて、ほぼ垂直の岩の壁を触って見たら、脆かった。

 浜から小さな石段が上に伸びていたので、登っていったら、其の先は上の建物の庭に入っている。降りてきて、其の先のちょっとしたガレでコンクリートの岸壁の中断に上がった。

 上の道まで登る坂道まで歩いていったら、其の先に浜からの階段が登ってきている。普通はここを上がるのかと、下を見たら、その先は水に浸かっていた。

 そこからは、少し寄り道をしながら自動車まで戻ったら、歩いている最中に暗くなってしまった。

 5時を回っているからどこかで食事にしたいのだが、鴨川付近で適当な場所を知らない。千葉まで行くと時間が遅くなる。どうしようか考えたのだが、昔何回か行ったことのある食堂に行くことにし、鴨川から脇道にそれる。

 その後は何時もの道から、これまた、大分以前に使っていた道で家まで帰った。

 なんだか新しい道がいっぱい出来ていて、知っている道の積りが意外と新鮮なドライブになった。ほんの少し前と思っていても、実際は大分時間がたっていたということか。


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作成年月日 平成17年12月25日
作 成 者 本庄 章