鴨川弁天島に行ってきました

2001年 6月11日記

 先週末は、天気も余り芳しく無さそうだということもあって、特に予定も無かったので、日曜日に一人で千葉は鴨川の弁天島と言う所に久し振りに行く事にした。本当は、御岳辺りに行きたかったのだが、一人だし、電車で行くのも億劫だったので、なんとなく出そびれてしまったと言うのが真相ではあるが。

 朝、どうしようかグズグズしていたのだが、前々日に近くのスーパーで買った3割引のパンと6割引の飲み物が無駄になるのも勿体無いと、12時前にやっと腰を上げ、車で出発する。鴨川までは2時間である。

 途中セルフサービスのスタンドでガソリンを入れる。何だか余り安くない。

 最近のガソリンの値段のばらつきは結構大きい感じがする。小生の車はハイオクタン価のガソリンを要求するのでその所為かもしれないが、昨日迄安かった店が突然5円位値上げをしたりする。そしてその値上げの理由もわからなかったりする。ハイオクガソリンの値動きってこんなものなのだろうか。少し前迄はそんなことは無かったような気がするのだが。結局普段よりも3円位い高いガソリンを入れてしまった。

 最近は北の方ばかり行っていたので、南に行くのは本当に久し振りである。もしかすると2年振り位になるだろうか。お影で、道を忘れかけていた。

 鴨川へは、国道16号から県道姉崎鴨川線で行くか、高速を使って、木更津から房総有料道路を通るのが一般的だが、それでは混んだりお金がかかってしまうので、小生は市原と言う所から「うぐいすライン」と呼ばれる道を使って牛久に抜け、馬来田という所を通って国道410号を走るというのが常である。この道は空いていて快適では有るのだが、途中道標も無い所が結構有るので、普通の人には勧められない道である。カーナビをお持ちの方は一度お試し有れ。

 やっぱり410号は新しい道が出来ていて、細い部分が殆ど無くなったので、すごく快適な道になっていた。とは言っても、相変わらず千葉からだと410号への入り口が狭いままのようだが。って、小生は馬来田から裏道に入ってしまうので、正式な410号への入り道はわからないのだが。

 弁天島は鴨川漁港の先の堤防の脇に有る。というか、漁港の堤防の脇に有る。であるから、先ずは鴨川漁港を目指す。

 鴨川の市内に入ったら、旧道を太海方面に走ると左側に鴨川漁港に入る道が有るので、その道を下れば良い。といってもなかなかわかり難いとは思うが。

 漁港の先の突堤を進むと右手に島が幾つか見えて来るが、最初の島が弁天島である。弁天島へは、堤防を登る階段があるので、その階段を登りその先の橋を渡る。

 弁天島に渡ったら、すぐに右に廻りこむと岩場である。

 最初に現れるのが今回の目的である弁天ハングである。

 ここは下部が少し洞穴状になったハング壁で、高さは5m位か。幅も7〜8mというところか。下地は、粗い砂というか細かい砂利というか、一応平らである。上部は灌木が茂っている。従って上に抜けるという岩ではない。やっぱりトップロープの壁だ。そこを今回はボルダろうと言うのである。

 荷物を置いて、マットを敷いてストレッチを行う。既に2時を過ぎている。

 薄曇りの空からは僅かな光が漏れている。風もそこそこに有る。そんなに暑い訳ではない。気持ちの良い天気だ。

 ここには10aから11b辺りまでの6本のトップロープ課題が設定されている。先ずは一番左の薄被りの壁の10aの課題に取り付いて見る。

 この課題の出だしは岩の基部が出っ張っており、その基部が邪魔をしてマットが敷けない。また、ラインもよくわからない。余り左に行くと被りは無くなるし、といって、右側に行くとホールドが乏しくなる。まぁ、アップだから適当に行く。

 基部に乗って、ガバを持って、次のホールドを探るが、ガバは無い。適当なカチを探して、触ると岩が欠ける。脆い。恐い。なおも執拗にホールドを探して、足を上げる。探せばそこそこホールドはある。スタンスはいっぱい有る。

 慎重にガバを選んで、1歩2歩足を上げる。ハングの下まで行く。その上がわからない。下は岩だから飛び降りるに飛び降りられない。クライムダウンをする。

 今度は少し左へ出て見る。左に逃げると傾斜はなく、ガバがいっぱい有る。適当に限定っぽく登って見る。さっきのハングの左まで行く。そのまま直上を探るが、やっぱり恐い。左のスタンスに逃げ、上に抜ける。多分7級も無いだろう。

 今度はその少し右の最初から被った壁を登る。

 ガバポケットとか、それなりにホールドはある。多分欠けないだろう。足を上げ、縦リスを捕らえて、上のカチを触る。少し深い横リスになっているようだ。多分持てる。恐る恐るぶる下がって見る。次がわからない。マット目掛けて飛び降りる。

 4手位は行ったか。下からホールドを観察する。少し遠そうだが左のリップ辺りに取れそうなホールドが見える。

 さっきの所まで行く。足を上げて見る。やっぱり遠い。思い切り飛びつく訳にもいかないし。また飛び降りる。

 3回か4回位そんなことをやっただろうか。腕も久し振りにパンプ気味である。

 マットに寝転がってパンを食べる。傍を釣りの人だろうか小生を無視するように通って行く。

 今度は右側の洞穴状の所を触って見る。ここの下には、釣り人が食事でもするための物だろうか、大きなコンクリートブロックの大きな破片が転がしてある。その傍には腰掛け位の岩が置いて有る。ところが、普通このようなロケーションのところでは必ず有ると言っても言い過ぎでない、焚き火の跡がない。微かな跡らしい物は有るのだが、ほんの痕跡程度で、消し炭様の物はない。ここは火を焚いてはいけないのだろうか。

 そのコンクリと石が邪魔をしてやっぱりここも思う所にマットが敷けない。

 奥の方からホールドを探して見る。触って、持って、引っ張って見ると岩が欠ける。ホールドになりそうなものが見つからない。昔の人は本当にここを登ったのだろうか。

 トポを見て見る。どうやら、このルーフは登っていないようだ。このルーフの左からと右から登っている様だ。

 左の方を触って見る。成る程、ここなら登れるかも。

 マットを敷いて、登って見る。2手、3手。悪い。ホールドが無い。降りる。

 トポではこのルーフの出口辺りはトラバースできる様だが、確かにホールドは有りそうだ。しかし、少し高いし、はたしてそのホールドが信頼出来るものなのだろうかはわからない。

 右の壁を探る。ここにはここの一番難しい課題が設定されているらしい。でも、そのラインはやっぱりわからない。

 最初、この壁を見て、トポと見比べたのだが、何だか良くわからない。トポにはルーフの出口のハングした岩が3つ書いてあるのだが、全部凹々と続いていて、はっきりした切れ目がわからない。昔は上がもっと木が無くて見えていたのだろうか。

 それらしいホールドを掴んで離陸する。クラックに指を入れて見る。クモの巣が指に付く。なんかいやらしい。本当に指を入れても大丈夫だろうか。恐いから止めておこう。

 また、マットに寝転んでパンを食べる。今度は子供がタモ網を持って通る。やっぱりこちらを見ないようにしている。そんなに異様だったのだろうか。それにしても、結構釣り人がいる物だ。またさっきの人が通った。

 適当なところの下の方のガバを持って2手3手登る。やっぱり岩が脆いからあんまり思い切った事が出来ない。折角2時間もかけて来たのに。

 この近くの魚見塚展望台と言う所にトラバースの出来る壁が有る事を思い出す。そこにでも行って見るか。

 以前来た時は手前の駐車場に車を置いて、4〜5分位歩いたのだが、今回は細い道を入って展望台のすぐ近くの駐車場迄車を入れる。既に2台程車が居た。

 登り難い階段状の道を登って展望台の壁に行く。

 この壁は、展望台の側壁に自然石の薄い板をタイルのように張った壁である。であるから、ホールドとスタンスの主流は目地である。つまりカチカチの壁ということである。

 ここにも、上の手摺からトップロープを垂らす格好で登る課題が10数本設定されている。でも、今回はその壁の下の方をトラバースしようと言う魂胆である。

 他の3面は85度位の壁だが、そのトラバースしようと言う壁は垂直である。

 先ずはホールドを探す。所々持てそうな所はあるが、良さそうな足が見つからない。それに、そのホールドが繋がらない。ここを紹介した方もこのトラバースは完成していないようだ。トラバースは諦めよう。

 適当なホールドを見つけては、その次のホールドやスタンスを探りに登って見る。やっぱり、1手か2手で飛び降りる。3手も行ければ上等である。

 左の方のスタートホールドから3手か4手位の課題を設定して見る。というより、登って見て、使えるホールドを探して、3手か4手繋いで見る。

 結構繋がらない物だ。何回もやって見て、色々なホールドを探して、やっと完成する。次は右の方で探す。段々このホールドに指が馴れて来たのか、ソコソコホールドが持てるようになって来る。

 ガバスタンスを発見する。それを使うと上の方まで行ける。5手位まで行ったか。でも、あんまり高く迄登ると飛び降りるのが辛い。みっともないから今回はマットは持って来なかったのだ。

 この壁は展望台に登る幅の広い階段の裏になっている。上の展望台の方からは結構人の声が聞こえて来るが、この階段の下まで来る人はいない。今回は登っている所を誰にも見られる事はなかった。

 今度は壁の真ん中辺でやって見る。目地といっても、自然石を適当に割ったものだから、縦や斜め等も有る。すごく効く所がアンダーだったりもする。結構バリエーションが楽しめるのである。

 なんだかんだで2時間近くも遊んだだろうか。結構指も疲れて来た。

 駐車場の簡易トイレで、期待せずに水道の栓を押すと、何と水が出る。さっきの弁天島でもすぐ前の立派なトイレで手を洗う事ができたが、ここでも手を洗う事が出来るとは思わ無かった。何しろ小高い丘の上に有るのだから。

 帰る途中に、昔から気になっていた岩壁がある。来る時も運転しながら振り返って見てしまった岩だ。

 ぐずぐずで、崩れた岩が下に沢山積もっている、そんな岩なのだが、ボルダリングの対象としては見ていなかったので、再度見てみようと思った岩である。

 調べて見たら、やっぱり触ると崩れるぐずぐずの岩だった。残念。被った面も有る岩なのに。

 朝来た道を忠実に戻って、渋滞にはまる事も無く家に帰り着いた。同じ2時間でも、地元を走る2時間はやっぱり楽であった。


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作成年月日 平成13年 6月11日
作 成 者 本庄 章