ドッ被り壁では力が無いと疲れないのだった

2001年2月2日記
 人工壁で、ドッ被り(130度)の壁よりも薄被りというか、中被り(115度)の壁の方が疲れるのである。

 ドッ被りの壁では、結構何回も取り付けるのだが、中被りの壁では何回かやるとすぐに疲れて少しくらい休んでも回復しなくなってしまうのである。

 ドッ被りを始めた頃は1回か2回で疲れてしまって翌日は全身筋肉痛であった。そんなことを繰り返しながら、結構ドッ被りの壁を登っているうちに、お影様で全身の筋肉痛は減って来て、ソコソコ登れるようになって来た。そうすると、今度は指の痛みが消えなくなって来た。最近は左手の中指は年中腱鞘炎である。それでも、結構何回かのトライが可能なのである。

 しかし最近、指とともに左肩の痛みも取れなくなって来たので、ドッ被り壁での週2回のトレーニングはやり過ぎかと思い、週1回は中被りの壁をやる事にした。

 所が、中被りなのに、4回か5回のトライで、完全に疲れてしまうのである。実際はもう少しやっているのだろうが、感覚的にそんな感じである。

 これは、以前からなんとなく中被りの壁を中心にやっていた頃から感じてはいたのだが、はっきりと自覚したのは最近である。

 仲間に聞くと、ドッ被りの壁の方が疲れると言う。普通はそうだろう。自分もそう思っていた。

 ドッ被りの壁ばかりやっていた時には外の岩はレストになっていたのだが、最近は外の岩に行ってもそれがレストにはならなくなって来ている。なんかこの辺と関係が有るのだろうか。

 ドッ被りをやるようになって、明らかに身体張力が増し、それまで出来なかった課題が、そしてグレードが出来るようになって来た。少しの被り系も触れる様になって来た。それは確かである。確かに、全身の筋肉を使うようになって来ている。

 それまでは、外では被り系は全く駄目で、足と指に頼る課題が多かった。或はバランスでこなす課題が多かった。

 それが、人工壁でドッ被りをやるようになってからは、非力なパワークライマーと化して来た事ははっきりと自覚するようになった。つまり、外でも全身の力を使うようになって来たのだ。それで、外の岩も人工壁と同じ様な登り方になって来たから、レストにならなくなってしまったのだろう。力が付いてきたから、これは解る。

 じゃぁどおして中被りの壁の方がドッ被りよりも疲れるのだろうか。ドッ被りよりも基本的には負荷は少ない筈なのだが。

 先ず、使うホールドが違う。中被りの壁の方が総じてホールドは悪い。そして、スタンスも。成る程。しかし、指に来るなら解るが、上腕や肩が疲れるのは何故か。体全体が疲れるのは何故か。

 で、よく考えたら、って実は仲間から教えてもらったのだが、意外に簡単な事だった。力が付いて来た分壁の中で頑張れる様になっていただけなのだ。1回の試技が長くなり、その分力を使っていたのだった。登れないから、壁の中でもがく時間が長くなっていただけだったのだ。ドッ被り壁では、まだそこまで力が無いから、頑張れないから、すぐ落ちてしまうのだった。大体、ドッ被りでは1手か2手で落ちるのだった。

 もっと強くならなければドッ被りでは疲れないのだった。

 納得。


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作成年月日 平成13年 2月 2日
作 成 者 本庄 章