いわき市三和地区のボルダーを探しに行って見ました

2007年12月27日記

 12月の連休に、以前から行きたいと思いながら、なかなか行く機会を得られなかったいわき市内三和地区に点在するというボルダーを探しに行ってきた。今回も一人である。

 土曜日の日の朝10時近くに家を出た。予定は一応日曜日迄でのつもりだったのだが、月曜日迄の3連休だったので、少しゆっくり目になってしまった。

 修理に出していたカーナビが、壊れていないとのことで少し時間がかかってしまったが、やっと戻ってきたので、久しぶりにカーナビをセットして走りだした。すると、ほどなくカーナビの画面がやっぱり真っ黒になってしまった。直ってはいなかったようだ。

 いったん画面を畳み、再び画面をセットすると、画面が復活した。修理に出す前は、画面が消えると、画面をセットし直しても画面が復活しなかったので、少しはよくなったのかも知れない。しかし、また暗くなってしまった。と、そんな事を3、4回繰り返したら、その後はカーナビの画面も安定した。

 カーナビは、すべて下道を走るようにセットしていたので、到着時間を夜の8時頃と示していた。天気予報は、土曜日の夜から日曜日にかけて雨となっていた。少なくとも、仲間から聞いていた一カ所は土曜日中に行きたかったので、途中から高速を使うことにした。

 高速は、いつものように、千代田石岡インターから乗った。しばらくすると雨が降り出した。確かに天気予報は、関東は雨だった。しかし、いわきの天気予報は雨は土曜日の夜からだということだったので、それに期待する事にした。

 途中、中郷サービスエリアでメヒカリうどんというのを食べてみた。小魚のテンプラが数匹載っているうどんだった。

 何時しか期待通りに雨も止み、しばらくは、いかにも降り出しそうなどんよりとした空が続いてはいたが、いわきに近づくに従い、だんだん明るさを増して来た。

 高速をいわき三和インターで降り、そのまま、以前仲間に教わった場所に向かった。その場所はカーナビがあったので、迷う事なく行くことができた。しかし、時間は既に3時近かった。

 余談だが、地区名はミワなのだが、インターはサンワである。こういうのって、良くあるパターンだ。大分に以前、北海道の雄信内というところに行った事がある。国鉄の駅名はオノップナイ、地元の人の言い方はオヌップナイ、郵便局の名はオノブナイだった。因みに国土地理院はオノップナイを採用していたようだった。

 おまけにもう一つ。これも北海道ネタだが、月寒という地名がある。小さい頃はツキサップと習った。現地に行ったら皆ツキサムと言っていた。現在はツキサムに統一されてしまったようだ。

 細い山道を登って行くと、軽トラが一台停まっており、二人の小父さんが何か作業をしていた。どうやら路肩が崩れているようだった。

 岩は大きく、見晴らしのよい場所にあったので、すぐに分かった。

 その岩に近付き、自動車から降りて、一回り偵察して見た。

 メインの岩は、高さが、高い所で10数メートルというところか。大分に大きめの、お椀状の一つの岩らしい。この地方では知らない人がいない位有名な岩らしい。しかし、ボルダーは思ったほどは転がってはいなかった。

 ここは見晴らしのよい少し高い所にあったので、回りを見回すと、向かいの斜面の上の方にも岩陰が見えた。その岩が大きく立派そうに見えたので、その岩も見に行ってみた。

 広い原っぱになった斜面を登り、少し薮を漕いでから、バラ線の柵を潜り、一番大きく見えた岩に近づいて見た。まぁ、そこそこの大きさだった。しかし、回りに見える岩は、皆高さがなく、その岩以外には登攀意欲はそそられる岩はなかった。

 自動車に戻り、外にも岩がないかと、その道の先に行ってみた。すると、再び道の路肩が崩れており、その先行けそうになかったので、そこから引き返した。

 戻る途中、先ほどのものと思われる軽トラがやってきた。見ると、一人しか乗ってはいなかった。もしかすると、違っていたのかもしれない。その軽トラは、その先に行ってしまったようだった。

 先ほどの岩まで行くのに、バラ線を潜らずに済む行き方を探りながら戻ったが、それらしい道は見当たらず、結局元の場所まで戻ってしまった。

 そのまま、路肩から少し入った所に自動車を停め、メインの岩まで登って行った。

 そこからメインの岩までは少し距離があり、少し登るのだが、自動車で行こうと思えば行くことができる。しかし、そこは、以前小生の勤めていた所と同じような所だったので、そこを自動車で走ることをためらってしまい、歩いて登って行った訳である。

 まず、一番手頃そうな、高さが2mちょっとの岩のスラブチックな所を登って見た。

 カンテを使って離陸すればすぐに岩の天辺が持ててしまう位の岩だったので、カンテを限定して登って見た。でも、難しくはなかった。

 メインの岩を少し登り、その岩の上に載っている岩を偵察してみた。すると、人工的に割られた岩があり、その割られた面が少し被っている岩があった。その被った面を見てみると、顕著なホールドは見つからなかった。右側のカンテが少し寝ていたので、そのカンテをトラバースしてゆく事は可能そうだったが、あまり面白くは見えなかったので、左側の大分立ったカンテを触ってみた。まぁ、手は係りそうなカンテだった。しかし、その面の上のほうには、この岩を割っただろう時に付けられたと思しき太目のドリルの痕がくっきりと残っていた。なんだか人工的に作られた岩の感じがして、あまり意欲はそそられなかった。

 その岩の左側の面を調べてみた。その面も、人工的に割られた面のようだった。真ん中に細いクラックが垂直に走り、少し面白そうに見えたので、少しだけ残念だった。

 その面の一番左端は自然の状態が残っている感じだったので、少しだけ触ってみた。ガチャガチャした感じのカンテだった。

 そのカンテを触りながら、まぁ、ひとまずは登ってみるかという気になり、支度を始めてしまった。

 で、どういうわけか、最初の人工的に割られた面の左のカンテを触ってしまった。確かに、見た目は良かったのだ。

 しかし、カンテは80度くらいの傾きだったし、スタンスが殆ど無かったので、なかなか持つことが出来なかった。やっとカンテ付近にスタンスになりそうなところを見つけ、左手カンテとその左足で突っ張って離陸してみたら、何とか離陸は出来た。右手をカンテに持ってゆき、もてそうなところを探していたら、左手が外れ、体が飛ばされてしまった。

 地面に転がりながら脇を見ると、そこから大分下の枯れ草に覆われた地面が見えた。岩の淵まで少し距離があったとはいえ、少し怖くなってしまった。

 そのカンテを左側から触ってみた。傾斜は僅かに寝ていたのだが、下部が少し切れており、足が上がらなかったので、離陸する事が出来なかった。

 その面の左端の、ガチャガチャした所を触ってみた。易しそうに見えたが、逆層だったので、最初はホールドが見つからなかった。で、結局、フレーク状をピンチで持って離陸し、上に抜けた。

 再び大岩の下に降り、大岩の壁を見に行った。

 ほぼ垂直の壁の下の方に、ちょっとしたバンドがあり、それを辿って行くと、左端近くのフレークに辿り付けそうな場所を発見した。

 やや左上がりのバンドに飛びつき、スタンスの殆ど無いツルツルの壁を2〜3手トラバースすると、そのバンドは逆層になり、小生には持てなくなってしまった。バンドのエッジの部分が少し持てそうなのだが、スタンスが無いから、小生には持てないのだ。多分有段者クラスであればその先も行けるであろう。因みに、その先は、一段上に顕著なフレークがあり、それが取れれば、そこから壁の上の方に抜けられる感じである。多分登れるラインだと思うのだが。

 その逆層が処理できないので、その先の部分の下の方にあるホールドで、顕著なフレークのホールドを取りに行ってみた。やはりスタンスが無く、フレークも遠かったので、小生には無理だった。

 一番最初に触った岩の近くのそれほど傾斜の無い、適当にフレークのあるスラブを触ってみた。高さがあるので、登れれば楽しいところだ。

 下部には適当なスタンスがあり、3歩か4歩程は登ることが出来た。しかし、その上のホールドになりそうなフレークは、ことごとく浮いていた。叩くとすごく響く軽い音がするのだ。高さは2mを超えるから、手で持つ事は出来ても、怖くてそれに乗ることは出来なかった。行ったりきたりしつつ、その顕著なフレークに足をかけてみたが、やっぱり怖くて乗る事は出来ず、少し残念だった。しっかりしていれば、格好の10級だったのに。

 まだ、探せば触れそうな場所もあったかも知れ無いが、いずれも登攀意欲の沸き立つ場所ではなかったので、バラ線の中のボルダーに行くことにした。

 先に登った藪を避け、少しだけ別の場所を登って行ってみた。

 岩は日当たりの良い所にあるから、ザラザラだった。でも、適当な傾斜のスラブだったので、取り付いてみた。

 下の方のわずかな水平クラックに立ち込み、一歩足を上げてみた。顕著なホールドもスタンスも見当たらなかったが、わずかなへこみに指の腹をかけ、ザラザラのわずかなくぼみにつま先を置いて、恐る恐る乗り込んでいった。何とかその左足に乗ることが出来、目の前にリップが迫ってきた。右手を出せば、多分リップが持てるはずだ。しかし、下から見ているから、リップの奥の状態は判らない。不用意に手を出して、すべりでもしたら、足が滑って落ちてしまう。下にはちょっとした岩も出ている。そんな状態だったので、慎重に体を上げ、恐る恐る右手を出して行った。

 しっかりと右手が保持できた。続けて左手もリップの保持が出来た。

 高さはせいぜい3m。わずかに寝ているスラブだから、いきなり地面に落ちる事は無い。まぁ、落ちても大した事は無い。はずなのだが、一人だったし、結構緊張してしまった。

 降りてきて、セットしてあったデジカメを覗いてみた。画面が黒かった。えっ。確かめたら、写真は写ってはいなかった。そんなぁー。

 仕方が無いから、デジカメをセットしなおし、下部を少し端折って、怖さを抑えつつ再び同じ所を登ってしまった。しかし、2回目だったからか、安定もし、怖くは無かった。

 大体目に付く岩はそんなところだ。既に4時も回っていた。相変わらず空は薄暗かった。寒くもあった。引き上げ時だろうということで、その日の登攀を終了した。

 自動車に戻り、メールをチェックしてみた。圏外だった。確かに、出てくるときに確認したサービス圏内にはここは含まれてはいなかった。でも、見晴らしも良いしということで試してみたのだが、やっぱりだめだった。

 その夜はならは道の駅で泊まる予定だったので、カーナビをセットして走り出した。すると、またまたカーナビの画面が消えた。画面のセットを繰り返したら、何とか見えるようになった。その後は消える事は無かったが、なんだかなぁー。

 カーナビに従って走ると、なんだか山の中の細い道を走らされた。一応県道らしいのだが、すれ違いの出来ない道だった。既に暗くなってしまっているし、バックには自信が無いしで、びくびくしながら走っていった。

 ならは道の駅は、以前1回来た事のある所だった。確か、相馬まで行った帰りだったと思う。その時はまだ出来たてだった気がするのだが。

 昼飯を食べ損なっていたので、まずはレストランで、マミーすいとんを食べた。その後、併設されていた温泉に行った。

 サウナがあったので、サウナに入った。体を洗った後も、時間はたぷりあったので、大分ゆっくりしたつもりだったのだが、まだ7時だった。しかし、温泉につかるのも限度がある。のぼせる前に出る事にした。

 情報館だかなんだかが8時まで開いていたので、そこに行ってみた。

 テレビをやっていた。インターネットに繋がったパソコンが4台あった。しかし、そのうちの2台は動かなかった。1台は人が使っていた。唯一空いていた1台はマウスもキーボードも繋がってはおらず、画面タッチのみの端末だった。従って、見る事の出来るサイトは限定されていた。

 自動車に戻り、コーヒーを沸かして飲んだ。持参していたルービック・プロフェッサで遊んでも見た。しかし、なかなか時間は流れなかった。

 再度情報館に行って見た。先程の人がまだPCを独占していた。

 また自動車に戻り、相棒に、用事も無いのにメールを打って見た。でも、すぐにする事が無くなった。

 また、ルービック・プロフェッサで遊んだ。

 このプロフェッサだが、前回の仙台にも持って行った、5×5×5のルービック・キューブみたいなパズルだ。ルービック・キューブより何億倍も難しいとかいうパズルだ。合わせなければならない駒が多いから確かに時間は係る。それでも、20分かそこらで終わってしまう。まぁ、それを3回も繰り返せば1時間は潰せるのだ。

 気が付いたら、パズルを持ったまま寝ていた。時間は10時頃だったか。そのまま支度をしなおしてまた寝た。

 朝、6時頃に目が覚めた。やはり雨が降っていた。最近の天気予報は良くあたるようだ。

 予定通りということなので、そのまま暫くうとうとしていた。

 7時過ぎにはすっかり明るくなったので、起きだし、カップラーメンを作って食べた。雨は結構強く降っていた。

 インターネットで天気予報を見ると、昼頃まで雨ということだった。今回からは、自動車の中でもインターネットに繋がるようになったのだ。雨も、朝には上がると思っていたのだが、当てが外れたようだった。

 ちんたら帰ると相棒にメールを打って見た。それに対し、暫く経っても返事は無かった。10時頃まで自動車の中で、相変わらずプロフェッサで遊んでいた。

 あまりごろごろしていても仕方が無いと、10時過ぎに動き出した。すると、やっぱりカーナビの画面が黒くなった。画面のセットをしなおしてみた。すぐにまた黒くなった。3回か5回か繰り返した。やっぱりすぐに黒くなった。やっぱり壊れたのか。諦めて、今までのように、画面をひねったり押したりして見た。やっぱりだめだった。諦めて画面は閉まった。

 少し走ってから、またカーナビの画面をセットしてみた。セットした直後は映るから、その時も画面は映った。暫く走るとまた画面が消えた。でも、消えるまでの時間は延びていた。僅かな希望を持って、また画面をセットしなおした。今度は大分長く消えなかった。結局、そのまま消える事は無くなった。って、このカーナビ、なんなんだぁー。メーカーお墨付の壊れてはいないカーナビだと言うのに。

 やっと落ち着いた気持ちで、しかし、次の場所を探索に行くか帰るか決めかねながら、いまだ雨の降る国道6号を南下していった。

 なんだか雨が小降りになってきた。そろそろ上がりそうな気配になってきた。折角だから岩の探索を続けるか。そんな気になって来た。

 カードの使えるセルフのスタンドが現れた。どうしようか迷っている間に通り過ぎてしまった。あーぁ、と思いながら、まだ迷いながら、ゲージを見たり、距離計を見たりしてしばらく考えていたのだが、やっぱりここでガソリンを入れるのがベターだとの結論に到達した。

 少し走ってしまってはいたが、交差点を右折し、側道を戻る方向に走っていった。

 少し余計に戻り、国道に戻って、先ほど通り過ぎたスタンドでガソリンを入れた。

 いつも使っているメーカーのスタンドだったのだが、給油の機械は違っていた。カードを差し込んで自分で引き抜くタイプだ。カードを引き抜くと、油種を選んでくださいと指示して来た。レギュラーのボタンを押した。まだ油種を選べと言ってきた。ボタンが利かなかったのだろうか、そう思ってまた押して見た。指示は同じだった。給油中止のボタンを押して見た。反応は無かった。カードを差し込んで見た。やっぱり反応は無かった。ノズルをはずし、また戻して見た。最初の状態に戻った。

 最初からやり直して見た。油種を選ぶと、給油をしてくださいと指示が出た。良く見ると、カタカナだから、油種を選べと同じように見えた。先にもこの状態だったのだろうか。やっぱり、歳なのだろうか。まぁ、どっちでも良いけど。

 やっとの事で給油したら、給油量は20リットルちょっとだった。これで夜中に走っても大丈夫になった。ゲージがちょうど半分くらいだったので、夜中に帰るには、ガソリンが心配だったのだ。

 ガソリンの心配も無くなったし、既に雨も止んでいたので、岩探しに行く事に決めた。

 まず、インターネットで見た林道脇の岩探しだ。適当に見当を付けてカーナビをセットした。

 目的地を山の中にセットしたものだから、そこまでの細い道をナビするのではなく、その山の反対側の太い道までのナビになっていた。仕方が無いから、細い道の入り口を持参した地図で確認し、そこを目指して走っていった。

 昨日の細い道は通らずに、大分遠回りになったが、太目の道で行ったので、運転は楽だった。

 最初の目標に到着したので、そこから細い道に入っていった。やっぱり、むちゃくちゃ細い道だった。おまけに、進むに従って、その細さは増していった。しかし、その道しか無いし、明るかったので、そのまま進んでいった。

 大きな水たまりが沢山あり、途中、以前に降ったらしい、大分踏まれた雪が所々残っていた。しかし、轍上には既に雪は残ってはおらず、それに、一応は冬用のタイヤを履いていたので、心配はなかった。

 大体その辺だろうといういうところまで行くと、自動車が停まっており、運転手だろう人が作業をしていた。大型の、それもロングのトラックだった。こんな道を大型トラックが上がってきたのだろうか。それとも別の道を登ってきたのだろうか。

 少し引き返して、分岐する道に入っていった。その道はカーナビには載ってはいない道だった。

 道路の右脇に大きな岩が見えてきた。退避場所に自動車を寄せ、その岩を見に行って見た。インターネットで見た岩だった。

 高さは3mくらいか。真ん中をまっすぐ縦に2本のクラックが走っている。左はハンドサイズ、右はそれよりは広い、腕が入る程の幅だ。雨が上がったばかりだったから、全てが濡れており、残念ながらトライする事はしなかった。

 そのまま先に進み、山を降りていった。しかし、それ以外には岩は見つからなかった。途中、カーナビの軌跡がすぐ脇に現れたりしたので、来た道を戻っているのかと、なんだか不安になりながら下っていったら、多分山の反対側の里に降りていた。

 時間は2時頃だった。まだ時間はあった。今回、ひそかに期待していた場所に行く事にした。そこは、山の中であり、アプローチに少々時間がかかる場所だったので、今回の雨の中を行くかどうか悩んでいた場所だったのだ。

 地図を見ると、そこからはそれほど離れていない場所だった。

 おおよその見当を付けた場所に近づいたので、キョロキョロしながら、ゆっくり目に走って行った。何しろ、たいした資料もなく、多分この辺だろうとの見当で動いていたのだから。すると、路肩に駐車場が作られていたので、そこに自動車を停めた。

 雨上がりだし、時間も時間だったから、クライミングの格好はせず、長靴を履いて、でも靴だけはもって自動車を降りた。

 山に入って行くと、結構広い作業道があった。キャタピラの跡が残っていたので、どうやら何らかの山仕事が行われているようだった。

 最初の目的物を探して、キョロキョロすると、右上の方にそれらしいところが見えた。登って行くと、最初の目的物だった。

 そこからは、何本かの踏み跡が伸びていたのだが、赤布のつけられた踏み跡があったので、それを辿って登っていって見た。しかし、途中で踏み跡は薄くなり、どうも間違った雰囲気だった。確かハイキング道のはずなのだ。仕方が無いから、戻って、別の踏み 跡に入って見た。

 そっちも途中赤布があったが、その赤布はどうやら山仕事用の赤布のようで、ハイキング道とは関係がなさそうだった。

 途中、太い作業道に出てしまって少し迷ったが、すぐに結構しっかりした踏み跡が見つかったので、それを辿ると、程なく大きな岩が見えてきた。どうやらその道で間違いはなさそうだった。

 その岩も真ん中にクラックが走り、登れそうな気がしたので、近づいて、クラックに手を入れて見た。中はグチョグチョだった。でも、少し広めのハンドで、なんとなく利く気はした。

 先に進むと、次々と岩が現れた。でも、丸くずんぐりしていたり、コケだらけだったりと、薄暗い茂みの中の岩だから、磨かなければとても登れる岩ではなかった。

 暫く進むと、再び踏み跡が薄くなってしまった。周りを探して見たら、折り返して戻る方向に踏み跡を発見できたので、そっちの方に進んで見た。

 だんだん明るくなってきて、尾根筋に出てきたようだった。尾根筋といっても、結構広いとても明るい、傾斜の無い場所だった。

 暫く進むと、また岩が集まった場所に出た。結構登れそうに見える岩だったので、そのうちの一つの岩を触りに行って見た。ホールドスタンスに乏しい、難しそうな岩だった。

 その岩の裏側に、花崗岩特有の大きなポケットというか穴を持った、いかにも易しそうな岩が現れた。日が当たる場所でもあったので、岩は乾いていた。これはひとつ登って見なければ。

 持参した靴を履いて、一応チョークバックも着けて登って見た。最初は右の方がホールドが有りそうに見えたので、右の方に登って見たのだが、リップに苔があり、ホールドも乏しかったので、途中から左の方に登り、上に抜けた。岩肌はジャリジャリしていたが、岩自体はそれほど脆くは無かったと思う。まぁ、そこそこ登れる岩だと思われた。

 しかし、ここは少し曰く付きの場所なのだ。おおっぴらに登って良いとは言いにくい場所なのだ。密かに登る分には問題は無いとは思うのだが、保障はしかねる場所なのだ。

 その後も、大きめの岩が何箇所か現れ、出発点に戻って行った。

 自動車に戻ると、3時を過ぎたところだった。一周2時間弱という行程との事だったので、暗くなってしまうことを心配したのだが、途中ショートカットしたせいか、少し遊んだにもかかわらず、2時間かからずに回る事が出来、明るいうちに戻る事が出来た。

 カーナビを自宅にセットし、4時少し前に出発した。

 その後は、ずっと下道を走り、10時頃には家に着くことが出来た。途中、通勤割引を使って高速に乗る予定だったのだが、結構バイパス様の道路が多く、途中食事をしたにも関わらず、結構早めに家に着くことが出来た。

 自動車は、雨上がりの林道を走ったため、泥だらけになっていた。


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作成年月日 平成19年12月27日
作 成 者 本庄 章