石徹白川ボルダーにいってきました、そして打波ボルダーその2

2007年 9月30日記

 火曜日の朝、厄介になった名古屋の娘の家を出発し、相棒と二人で福井に向かった。石徹白川ボルダーに行くためである。そして、実は火曜日から木曜日の3日間、休みをもらっていたのだった。

 石徹白川ボルダーとはあまり知られていないボルダーエリアだが、福井近辺では結構登られているボルダーエリアらしい。しかし、広く発表された資料は無く、大雑把な場所と、一部の写真が公表されているだけのエリアである。小生も、場所の細かい情報は持ってはいなかった。

 このエリアは、トポが作られており、そのトポが福井のジムで売られていると言うことだったので、2年ほど前にそのジムに通販の問い合わせをしたことがあった。しかし、その時の返事は店頭販売のみとのことだったので、その時は未だトポは持ってはいなかった。そのため、その福井のジムに寄ってトポを手に入れる積りだったので、のんびりと下道を走っていった。

 夕方に着ければと思っていたのだが、思いのほか早く着くことが出来、4時過ぎにはジムに行くことが出来た。行くまでは、休日の月曜日の翌日の火曜日だったので、ジムが閉まっていることを心配したが、ジムは営業してくれていた。

 そのトポの作者は、そのジムで働いている、以前金峰山でお会いしたことのある方だったので、またお会いできるかと期待したのだが、店番をしていた方は、見覚えの無い方だった。しかし、最近の小生の記憶力には自信が持てなかったので、一応、何年か前に金峰山にボルダリングに行った方か聞いて見たら、その方、つまりトポの作者は今はそのジムにはいらっしゃらないとのことだった。でも、幸いトポは手に入れることが出来たので、スーパーの場所を教えていただき、お暇した。

 そのスーパーは国道8号に面した結構大きなショッピングセンターにあった。中をうろついていたら、お弁当が結構安くなっていたので、福井で何かおいしいものでもとの思惑が吹き飛び、何時もの貧乏夕食となってしまった。

 スーパーで買い込んだ弁当やデザートを持って、何回か行ったことのある、九頭竜道の駅を目指した。

 平日のせいか、道の駅には自動車は殆どいなかった。

 自動車の中でお弁当を食べ、湯を沸かすことも無く、そのまま寝込んでしまった。

 朝、6時過ぎに目を覚ましたので、お結びを食べた後、多分暑いだろうと、早目に出発することにした。

 トポには、石徹白のほか、打波のトポも載っている。見ていたら、打波に、前回は行かなかった新しい岩が載っていた。そこで、その岩も行くことにしたのだが、どちらを先に行くか迷ってしまった。打波は来た道をいくらか戻ることになる。石徹白は少し先だ。順番からだと打波になるのだろうが、結局目的の岩が一つの打波は後回しにして、石徹白に先に行くことにした。因みに、打波もこの近くではある。

 石徹白は、道の駅からはすぐだった。

 ボルダーのある場所は、来るまでに地図で見当を付けていた場所と大雑把には符合していたのだが、道から見当が付けられると思っていたのは間違いで、道からはボルダーは見えず、トポ無しではボルダーにはたどり着けなかったかもしれない。

 トポを見ながら、一番上流のエリアに行って見た。

 川原まで降りると、確かにトポにある岩はあった。しかし、いずれも小生には難しすぎる課題しかなかったので、写真撮影のみで引き上げた。

 このエリアの菱餅岩だが、一見、どの岩だか分からなかった。多分その岩だろうと思われる岩の写真は撮って見たものの、今でも確証は得られてはいない。小山田氏のランジの課題がある岩らしいのだが、それらしい岩は、見栄えはしないし、苔だらけだったのだ。

 続いて、そのすぐ下流のエリアに行こうとしたのだが、川が増水していたのか、川沿いには行けなかったので、一旦道まで戻った。何しろ、足を濡らしたくない小生と、川の中など殆ど歩いたことの無い相棒とのペアだから、普通のボルダラーなら行けても、我々には行けなかったのだ。

 トポにある、次の川への降り口を探したのだが、なかなか見つからなかった。それらしい踏み跡を見つけたので、降りてみたのだが、ボルダーが出来そうな岩は見当たらなかった。

 そのまま道路を下流方向に歩くと、結構はっきりした踏み跡が見つかったので、そこを下って見たら、もう一つ下流のエリアに出てしまった。所謂「けなる岩周辺」だ。本当は「体岩周辺」に行きたかったのだが、それよりは大分下流に出てしまったのだった。

 ここは、主に側壁を登るエリアである。そんな中、穴園岩というちょっとした岩の7級の課題を見つけたので触ってみた。二段重ね状の岩で、最初は易しいのかと思ったのだが、意外とホールドが無く、途中の外傾したテラスに上がるまでが結構きつかった。

 その岩の左隣の、けなる岩はすごく被った面を持った壁だ。まずその被った面を触ってみた。しかし、そこには3級以上の課題しかない。135度くらいに被っているから、離陸がやっとだったが、何とか届くホールドで左側の途中の棚のリップまで行き、そこをマントルしてみた。

 途中で熱くなってしまって、もがきにもがいて登ってしまったのだが、いざ降りる段になって困ってしまった。下から見た時は行けそうに見えた岩の上の少しだけ傾斜のきついスラブ状の棚は、トラバースできそうに無く、パッドも無いので、飛び降りるわけにも行かないのだ。仕方がないから、力を使って、マントルしたリップにぶら下がって降りてきた。

 続いて、その被った壁の右側にぶら下がってしまった。ぶら下がる前はリップまでは行ける積りだったのだが、いざぶら下がって見ると、次のポケットを取るのがやっとだった。

 そのずっと右側の方にかもしか岩という岩がある。色々な傾斜の面を持った、面白そうな岩だったので、SD課題の上のほうを触ってみた。やっぱり登れると思った所が登れなかった。上部のホールドはスローパーでそのホールドが滑っていたり苔だったり。まぁ言い訳だが。

 このエリアのすぐ下流が「裸族返し」などのある畳岩周辺エリアなのだが、やはり川沿いには行けなかったので、またまた道まで戻った。

 そのエリアは駐車スペースの下の河原の感じだったので、その辺を探して見たが、側壁の傾斜がきつく、下れるような場所は見つからなかった。仕方がないから、側壁の傾斜の緩くなる、少し下流の、川原まで降りられる道のある場所まで行って、そこで川原に出て見たのだが、やはりそこからも川沿いに目的のエリアには行けなかった。

 畳岩周辺には行きたかったのだが、そのエリアは諦めざるを得なかった。

 これでは大半のエリアに行けないままだ。また上流方面に戻り、僅かな踏み跡を見つけたので、相棒は道に残し、結構急な側壁を下って行ったら、面白い岩があった。トポとその岩を見比べて見たが、どうやら、トポには無さそうに見えたし、踏跡が余りにきつかったので、一旦道まで戻り、再びトポを見てみた。するとそこは、どうもおむすび岩周辺のような感じがしてきた。面白そうに見えた課題はどうやらトポには岩の絵は無かったらしい。

 再び、今度は相棒を連れて、同じ所を下っていった。

 改めて、トポと見比べると、綺麗なクラックのある岩がおむすび岩だということが分かった。9級のNH課題があることも分かった。

 一先ず、「モズ」という結構綺麗な面の岩で写真を撮ってもらった。1級と言うことだったが、相変わらず離陸が出来なかった。

 次は、最初に綺麗だと思った、「アポジカ」という課題だ。二段か三段ということだ。どうやらトップアウトすることなく、途中のポケットで終了する、側壁の課題らしいが、薄被りの凹角という感じのすっきりした壁のスローパーで離陸し、右上のポケットを伝って斜上するらしい課題だ。離陸を試みて見たが、足が悪く、スローパーはもっと悪く、その方向もすごく悪かったので、離陸は出来なかった。

 その壁の右横の、カンテ岩の8級の課題を触ってみた。なんだか8級ではないような。やっぱり条件が悪いのかなぁ。少し右から出たら、何とか登ることは出来たのだが。

 川沿いに、最初に降りてきた時に目に付いた、白妙の氷山岩の川側の壁のような感じの岩がある。実際はSDの初段の課題らしいのだが、その途中の厚いフレークのリップからスタートすると、易しい課題である。すごく綺麗な壁だったので、取り付いてみたが、半分以上が水の中の岩だったから、安全に降りられる場所が見当たらなかったので、リップに乗りあがる前で降りてきた。

 次は9級の課題だ。NHと言うことだったが、しっかりと手を使って、途中の大きな穴ぼこを持ってしまった。

 その左には、綺麗なクラックが走った少し被った面を持つおむすび岩がある。改めて、真中を真っ直ぐ縦に走るクラックを眺めて見たら、ヘアラインとでも言うのか、指が入るクラックではなかった。

 この岩のその被った壁も綺麗だったので、何とか登りたかったのだが、取り付ける場所は右端のカンテしかなかった。それも離陸のみだった。

 このエリアには、「幻世」という三段から四段の課題がある。見に行ったら、物凄く被ったルーフのリップをトラバースしてゆく課題だった。岩を抱えてスタート、となっているが、スタート地点が分からなかった。いずれにしても、小生の想像を超える課題だから。

 そろそろ引き上げようと、支度をしていると、正面に易しそうな岩が目に入った。勿論トポに記載は無い。10級ハンターの血が騒いだ。

 また靴を履き、チョークバックを下げて、取り付いてみた。

 最近は、10級ハンターの意識も下がってきてしまったのか、素直に10級登りをしなかったので、結構難しくなってしまった。で、これはいけないと、襟を正しい、再度10級登りに挑戦したら、多分10級だった。

 自動車に戻り、少し休んだ後、またトポにある体岩周辺に下りる踏み跡を探して見たのだが、結局見つけることは出来なかった。

 時間は11時を回っていたので、行けなかったエリアは諦め、打波に行くことにした。

 打ち波は道の駅の前を通り、福井方面に暫くもどった場所にある。

 途中、工事中で片側通行の場所があり、そこを超えた辺りで、急に左側から物凄い音が聞こえてきた。見ると、サイドミラーが曲がっていた。どこかにぶつけてしまったらしい。でも、どこにぶつけたのだろう。確かに少し路側に寄った気はするが。

 打波川沿いの道に入り、途中から谷山川沿いの道に入ると、間もなく路側の駐車スペースが出てきた。そこには一台のダンプが停まっていた。そのスペースの端っこに自動車を停めた。

 自動車の左サイドを見てみたら、やはりフロントフェンダーが少し凹んでいた。バンパーにも青い塗料の擦り傷が付いていた。見方によっては、それほど目立つ感じでもなかったので、いくらか安心した。でも、相棒は修理のことを考えていたようだが。

 トポを見ながら、川蝉岩を捜しに行ったら、すぐ先の対岸にそれらしい岩が見つかった。

 川原に降りる場所を確認しながら自動車に戻り、荷物を持って、相棒と一緒に川を渡っていった。この川の水量は少なかったので、石伝いに渡ることが出来た。

 既に12時半になっていたから、相変わらず暑かった。太陽も眩しかった。

 岩は、ずんぐりした丸い3m位の高さの岩だった。川に面した面と上流の面に6級から二段の課題が設定されている岩だ。

 上流面の6級の「アンダー」という課題を触ってみた。上部のホールドは意外に細かかった。疲れもあったのか、2手か3手で落ちてしまった。何回かやった後、やっとリップ直下のホールドを取ったのだが、その後、動くことが出来なかった。6級だから登れると思ったのだが。

 川側の右端の、やはり6級の「カンテ」を触ってみた。離陸が出来なかった。やっぱり疲れなのだろうか。大分へこんでしまった。気を取り直し、大チョンボの、脇の岩の上からのスタートで、一応岩の上に乗ることは出来た。まぁ、良しとしよう。

 正面に回って、「蝉」という課題を触ってみた。勿論離陸が出来なかった。因みに4級とか。それにしても、ホールドが細かかった。疲れだけでもない気がする。もう少し条件が良くなれば、そんなホールドも持てるようになるのだろうか。それとも、最初から小生とのグレード感覚に相当の隔たりがあるのだろうか。いずれにしても再度訪れるしかないのだろうか。時間は既に1時近かった。って、まだ、ここに来て、15分くらいしか経ってはいないのか。

 帰り道で、行きのぶつかっただろう物を確認して見たら、ガードレールの内側に、白線まで張り出した、工事を知らせる看板が何枚か設置されていた。そこは、道路工事で一方通行になっていた場所の出口のちょっと先だった。

 丁度その場所の反対車線で信号待ちをしていたら、右側の車線をトラックが走ってきた。見ていたら、そのトラックが、一方通行を抜け、左側車線に戻る、丁度その場所に看板は設置されていた。反対車線から本来の車線に戻るため、S字のカーブを切る場所である。そのトラックも看板すれすれまで膨らんでいた。多分、小生は、そこを走った時、余り注意せずハンドルを切ったものだから、少し路肩に寄り過ぎて看板にぶつけてしまったのだろう。恐らく小生のほかにもぶつける自動車があっても不思議ではない感じだった。

 道の駅まで戻り、売店を覘いて見た。アイスを期待したのだが、欲しいと思った「ガリ○○君」は無く、高級な手作りアイスしかなかった。やっぱりこう暑いと、氷が欲しいのに残念。

 木曜日の夜には帰らなければならないので、明日には帰らなければならない。一応予定は瓢だが、最近の瓢の人気を考えると、小生のエリアではない気もするが、丁度帰り道だし、平日でもあるしということで。

 国道158で油阪峠を越えると、間もなく白鳥インターだ。

 真っ直ぐ行くと有料道路に入るらしい所で、158号の看板に従って左に別れる道に入ると、それまで前後を走っていたトラック群は真っ直ぐ進んで行ってしまったので、我々の自動車だけになった。確かに、我々が選んだこの道路は大型トラックの通行は不可能のようだった。

 「古今伝授の里やまと」という道の駅があったので、寄ってみた。結構大きな道の駅で、隣には天然温泉「やまと温泉やすらぎ館」があった。

 ヨモギのアイスがあったので、相棒と二人でそのアイスを買って食べてみた。ヨモギの味って、どんな味だったっけ。

 道の駅の建物の中に足湯があったので、寄ってみた。結構熱目の湯だったが、15分ほどゆっくりしてしまった。

 少し走ると、また美並という道の駅が出てきたので寄ってみると、相棒が「インターネットが出来る」といった。しかし、それらしい端末は見当たらなかった。相棒に聞くと、無線ランの無料のAPがあると書いてあったという。それは試さなければと、自動車に戻り、持参していたポケットパソコンで試して見たら、パソコンの電池が切れていた。仕方がないから、持参していたインバータと充電器で暫く充電し、パソコンの電源を入れたのだが、インターネットに繋がらなかった。ランカードのランプも点かなかった。少しあちこち触ってみたが、繋がらなかった。電波が届かないのかと、そのパソコンを持って、道の駅の情報館みたいな所に行って見たのだが、やはり繋がらなかった。

 相棒が言った、インターネットに繋がると書いてあったと言う表示を確認して見たが、その看板も見当たらなかった。よく探して見たら、その情報館のような所の入り口に、そのアクセスポイントを運営する会社のものらしいポスターが張ってあった。しかし、この道の駅にAPがあるとはどこにも書いてはいなかった。やっぱり、単なるポスターのようだった。

 ああだこうだとやっている間に、結構時間が経ち、既に5時近くになっていた。

 途中で買った棒葉寿司を食べ、昼に残ったパンも食べたので、そのまま瓢の駐車場に行くことにした。

 途中、曲がるべき所を見落としてしまい、そのまま暫く走って行ったら、大分先まで走らされた。やっと出てきた信号で右折しようとしたら、その信号の先に道の駅の看板があった。

 片知川沿いの道をボルダリングの受付場所を探しながら登ってゆくと、道は結構急になり、グニャグニャ曲がって、どんどん山の中に入って行ってしまった。どうやら受付所は見落としたようだ。そうこうするうちに、トイレのある駐車場が現れた。どうやらエリアに着いてしまったようだ。その先にあるだろうテントの張れる駐車場まで行ってみたら、舗装された大きな駐車場が現れた。確か砂利敷きの駐車場のはずということで、もう少し先まで行って見たが、道は少し細くなってきた気がするし、その先自動車を回す場所があるかどうかも不安になってきたので、途中でUターンし、舗装された駐車場に自動車を停めた。

 自動車を降りて、そばに建っていた建物の中に行ってみたら、テントが一張り張られていた。人はいないようだった。

 寝る支度を整え、自動車の中でトポを見たりしていたら、下から自動車の音が聞こえてきた。テントの主の自動車で、1台かと思っていたら、その自動車はどうやら3台ほどだった。自動車が着いたら、出て行って、話でもしようかと思っていたのだが、空吹かしを繰り返したりして、何となく雰囲気が違う感じがしたので、自動車の中でジットしていたら、その自動車達が、駐車場でローリングを始めだした。少し身を硬くして注目していたら、クラッチの焼き付がどうのとか、どう見てもボルダラーでは無さそうな会話が聞こえてきた。なんだか雰囲気が悪くなってきた気がしたので、支度をし、先に確認した道の駅まで退散することにした。

 道の駅は「美濃にわか茶屋」という道の駅だった。

 この道の駅の隣にはコンビニがあった。寝るには早かったので、先に食べ逃したアイスを求めて行ってみた。

 無事アイスを手に入れ、道の駅を少し散歩した後、健やかに寝床に就いた。


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作成年月日 平成19年 9月30日
作 成 者 本庄 章