茨城県内某所のボルダーに行ってきました

2004年 2月16日記
 土曜日の日に相棒と2人で茨城県内の某所にボルダー探しに行ってきた。

 実は、ジムの仲間が教えてくれた所で、その仲間にご一緒させてもらう予定だったものが、その仲間が風邪で行けなくなってしまったので、2人だけで偵察がてら行ってきたものである。

 朝7時、一緒に行く予定の仲間から電話で某所のボルダー探しに行けない旨の連絡を受ける。前日から具合が悪かったよだから、予想通りの連絡では有ったのだが、それに対する代替案を検討していなかったから、笠間にでも行くかとゆっくりしていたのだが、折角その某所に関する資料も僅かながら集めたから、偵察を兼ねたハイキングでもということで、その某所に2人で行くことにする。因みに8時過ぎの話である。

 ガソリンが乏しかったので近くのガソリンスタンドに寄る。

 そのガソリンスタンドは土日にはサービス品をくれる日らしいと相棒が言うので、それが何時からなのか分からないから、それらしい案内板を探すと、そのイベントは9時から5時までと書かれている。時間を見ると8時50分である。折角だからと、時間つぶしをすることにする。

 目的地へのカーナビのセットとかしながら時間を潰し、9時ちょっとすぎに再びスタンドに行く。

 セルフのスタンドなので、給油をしていると、スタンドの小父さんがチョコレートを2つくれる。そうか、今日はバレンタインデーなのだ。因みに結婚記念日でもあるのだ。関係ないけど。

 給油を終わって、レシートを持ってレジまで行くと、またチョコレートを1つくれる。てっきりチョコレートは今日だけの特別サービスで、何時ものティッシュか何かを別にくれるものと思っていたのだが、今回のサービス品がチョコレートだったようだ。1つチョコレートを儲けてしまった。

 前回笠間に行くときに使った道を行くと、土曜日のせいかいくらか混んでいる。でも、それまで使っていた道よりは早そうだった。

 今回もどうせ急ぐ旅ではないと下の道をゆっくりと走る。

 その場所は、峠からハイキングコースを40分くらい登ったところと言うことなのだが、その峠への道が分かりにくい。行くまでは果たして自動車で上がれるのかどうかがわからない。まぁ、どうせハイキングが主と言うことだから、その峠へは2時頃までに着ければ充分なのだ。

 この峠道、反対側から入れば分かりやすいようなのだが、あえて距離の短いだろう方向から入ることにする。

 細い曲がりくねった道を走ると、カーナビの現在地点が微妙にずれてしまう。お陰で、その峠への道の入り口で少し迷ったが、その後は幸い舗装路だったし、一本道だから順調に進む。

 峠にはちょっとした駐車スペースがあり、既に1台の自動車が停まっている。ハイカーらしい人たちも何人も降りてくる。ハイキングコースとしては結構有名な所らしい。

 既に12時である。とはいっても、まだ歩いていないから、ここでお昼と言うのもなんなので、支度を整え先ずは歩き出す。

 幅の広い尾根道を少しだけ上がった所で、お昼を食べている一団に出くわす。そこにはちょっとしたボルダーがあるのだが、その一団がそのボルダーの下と上に座っているから、恥ずかしいから素通りする。

 この尾根道、尾根筋を真っ直ぐ上って行くから結構傾斜がきつい。途中、ロープを張ったところが2箇所も有った位である。

 ちょっとしたピークを越えると道は細くなってくる。相変わらず傾斜はきついままである。

 それまで何組かすれ違ったハイカーも少なくなってくる。そういう時間のようだ。

 もう1つ位いピークを越えただろうか、ハイキングコースから少し外れた所に10m位いの高さの大きな岩が有る。この岩が今回の目標の岩である。

 岩の前は平で少し広くなっているので、そこの石の上に荷物を置き一休みする。

 このハイキングコースの目的とする山はまだ少し先であるので、一応その山のピークまで行って見ることにする。

 そこからはほんの一登りで山頂に着いた。

 我々の参照した案内文の通り山頂からの眺望は殆ど無い。しかし、春一番が吹くと言われた天候ではあったのだが、風は殆ど無く、日も照っているから、結構暖かく、快適な山頂である。1時頃だったろうか。ここで、やっと昼食を摂る。といっても、小生の買ってきたパンだけなのだが。

 少しゆっくりしていたら、中年夫婦らしいハイカーが通り過ぎてゆく。そう言えば、今までにあった人たちの殆どは中高年ハイカーで、それ以外は子供連れの家族だったような。若い人たちの集団はいないようだ。なにしろ、もう何10年もハイキングなんてしていなかったからなぁ。最後にハイキングに行ったのは何時のことだったっけ。

 大きな岩まで戻り、偵察を開始する。

 この大きな岩には古いリングボルトが連打されている。比較的新しそうなのも有れば、完全に錆び付いているものもある。石を切り出した跡のようなので、のっぺりとしており、ホールドもスタンスも無いから、鐙の練習に打たれたものなのだろう。クラック沿いには古いハーケンも残っている。

 脇からその岩の上に登って見る。

 しっかりと踏まれた踏み跡が幾つもある。岩の裏側まで行って見ると、裏側の岩を登るためのものらしいピンが打たれている。こちらは傾斜が緩いので、トップロープででも登ったのだろう。

 岩の前は大きな沢の源頭になっていて、その沢の反対側の斜面にも大きな岩が出ている。沢の中にも幾つかの苔むした大きなボルダーが見える。

 岩の前の広場から幾つかの踏み跡が伸びているので、そのうちの大きな岩を回り込で行く踏み跡に入ってみる。

 チョークが付いた岩が現れる。最近、こんな所で岩を触った人がいるんだ。そうか、仲間かもしれない。先に進む。

 今度はチョークで矢印が書かれた岩が現れる。これも仲間かなぁ。その岩の前に荷物を降ろし、尚も先に進む。

 傾斜がきつくなってくる。岩はいっぱいある。

 ワイドクラックが現れる。尚も傾斜がきつくなる。下の方にも岩は続いている。

 下のほうに大きな岩の下のほうが平になっているようなところが見える。しかし、岩があったり、傾斜がきつかったりで、そこまでは降りられない。もっと別の所から廻りこめるだろうか。

 の岩の下のほうに行こうと、来た所を戻って、その先をトラバースして先に行って見る。小さな沢型が現れ、下に降りられそうなので降りて行く。適当な所でさっきの大きな岩の下辺りを目掛けてトラバースして行く。

 さっきの大きな岩らしいものが見えてくる。しかし、やっぱりその先が降りにくくなっている。

 意外と大きな岩だ。おまけにのっぺりしているから、上から想像したような、登れそうな岩では無さそうだ。思ったよりも下地の傾斜もきつそうだ。無理すれば降りられるかもしれないが、相棒を残してきているし、一人だから無理をすることも無いだろう。

 戻ると、荷物の近くに相棒がいた。

 尾根筋の踏み跡まで戻り、その尾根の先まで行って見る。

 小さな、易しそうな岩が現れる。いくら偵察だとは言っても、折角きつい坂道を登ってきたのだからと、用意をして登って見る。

 簡単に登る。易しい所を選んだのだから、当然である。

 今度はその簡単な面の右側の結構傾斜のきついスラブと言うよりはフェースを登ることにする。

 高さは無いのだが、下地が一段下がっている。1mくらいの岩の上から取り付くようになっている。おまけにその岩の右端の下は急な斜面で落ち込んでいる。落ちるに落ちられないのである。

 スタートスタンスは見つかったのだが、ホールドが無い。岩の面に手を置いてスタートして見る。スタートはできる。しかし、それ以上は動けない。

 静かに降りて、スタンスを探す。

 2箇所くらいスタンスを見つけたのだが、中々そのスタンスがつかえない。手さえあれば使えるのだが。

 一歩上って手を探す。僅かにつまめる結晶を見つける。しかし、少し右斜め上だから、右足で出る今の状態では使いにくい。思い切って左足を上げれば上げられるかも知れないし、そこに上がることができればリップが取れるのだが、万が一失敗すると下の岩の下まで落てしまう。

 左下の方に石を切り出した時に付けられたらしい四角い孔がある。その孔に乗ると、完全に伸び上がれるから、リップが簡単に取れる。おまけにカンテも使えるし。一応それを使って登ってみる。

 もう一度さっきのラインのスタンスを確認する。

 今までは右のほうのスタンスに右足で立っていたのだが、それをもう少し左のもう少し高いスタンスで出れば、あのホールドで左足が出せるかもしれない。

 スタートのスタンスが少し高くなったから、ジワジワジワとにじり上がってみる。2回めか3回目でにじり上がって、結晶のホールドに手が届く。左足を出して、そこにそろそろと体重を移し、伸び上がって行く。物凄く怖いのだが、ゆっくりと伸び上がって行く。この辺で限界かという所辺りで思い切って左手を出し、リップを掴む。やった。

 相棒の方を振り向くと、まだ次の写真の用意が出来ていないと言う。仕方がないなぁ。

 リップを取った状態で少し待って、写真を撮ってもらって上に抜ける。

 先に見つけたクラックをやって見たかったので、靴は履いたままそっちのほうに移動する。

 こっちは斜面の途中だから、傾斜もあるし、ブッシュも濃い。少し手前に荷物を置き、岩の下まで進む。

 岩の上のほうは苔が生えている。クラックは岩の途中で終わっている。というよりも、大きな岩に平行して小さな岩が寄り添うように一定の間隔を空けて立ち上がっているという感じである。多分、岩の一部が割れて剥がれたものなのだと思う。そのクラックというか、岩と岩の隙間を登りきった所から、左にトラバースして、傾斜の緩い凹角を立ち木を利用して降りてくる感じになるのだが、トラバースのための岩のリップが苔だらけだし、もてるのかどうかが分からない。あれがもてなければ降りては来れないかもしれない。一応左の凹角から上の方の偵察をする。

 岩の上の左にトラバースするためのリップは外傾しているし、苔だらけだからから持てないかも知れない。でも、ワイドクラックといってもレイバックはバリバリに効くから、もしやばければ降りてくれば良い。ということで、離陸する。

 手はクラックの右のカンテをレイバック。足は最初はクラックの左のカンテ。途中からはクラックにフットジャムが効きだすので、正対して、足でずり上がって行く。

 クラックの一番上まで登り、その上を観察すると、そのまま立ち木を使って少し上まで登って、木を伝ってトラバースしたほうが楽だと判断し、藪の中を移動する。

 全く掃除はしなかったが、楽に登ることが出来た。多分凄く易しいのだと思う。

 荷物まで戻る途中にちょっとした丸いカンテがある。なんとなく登れそうな感じの岩である。

 先ずは観察をする。右のほうは鋭角のカンテになっているから持てそうだ。左は少し角張ってはいるが、そのカンテを直接は持てない。手を伸ばしてカンテを触って見る。

 丁度手をいっぱいに伸ばした辺りに手がかりがあり、その辺が持てそうである。よし、やって見よう。

 右手でカンテを持ち、左手もそのカンテの持てそうな所を掴んで、右足を右のほうに走る細いクラックに突っ張って離陸する。離陸はできる。

 離陸して、左足を適当にスメアして、左手のホールドを探るが、持てそうなホールドは見当たらない。適当に岩の面を触っても手がかりはない。少し遠いホールドまで触ろうとしたが、手がかからず落ちる。

 左足のスタンスを探す。自分がいる面にはスタンスらしいものは見えない。しかし、カンテの左側に顕著な逆L字のスタンスがある。そこにヒールをかけて見る。それで体は安定する。

 次は右手を上げたいのだが、右手に目いっぱい加重しているから、右手が離せない。左足をフックしているから右足は動かせる。しかし、右足のスタンスをどうしよう。右手を離せるようなスタンスを探し、使って見るが使えずに落ちる。

 何回かそこまでのムーブを繰り返す間に、右足を右真下辺りにもってこれれば右手が動かせるかもしれないと気付き、右足のスタンスをスタートスタンスより低い所に探して見る。

 なんとかスメアできそうな所が2〜3箇所見つかったので、印を付ける。

 それまでに何回か下地を踏んでいるから、ふわふわだった下地が下がり出す。左手が段々持ち辛くなってきている。早く何とかしなければ。

 左足のヒールをフックし、続いて右足を外して真下辺りのスタンスに移し、思い切って右手を上に飛ばして見る。留まった。一応慎重に右手を持ち直してから、左足を上げ、再び右足を右の方のクラックの頭に上げる。これで左手が動かせる。

 左手を右のカンテに移し、そのままそのカンテを伝って上に登る。そのカンテはそのままリップとなって岩の頂点まで続いているから、そのリップで左にトラバースし、適当な所で岩の上に出る。

 最初に触った時はできるのかと思ったが、色々とやって、何とか登ることが出来た。ムーブが分かれば難しくは無いのかも知れないが、小生にはそれなりに難しく感じられた課題である。グレードでいうとどれくらいなのだろうか。核心部が短いから、多分、4級かそこらなのだろう。若い人なら力で右手を上げてしまえるのだろうから、或いはもっと低く言われるかもしれない。小生としては3級位な感じなのだが。

 チョークの付いている岩を触って見る。

 離陸が出来ない。チョークの付いているところがホールドにならない。小生には全く手が出ない。チョークの矢印の付いた岩は磨かなければ触れない感じだし、最初からのっぺりしているから、最初からパスである。

 大きな岩の前に戻り、少し休む。ハイキングコースを歩く人の声が聞こえてくる。

 大きな岩の前の沢の中の偵察に出かける。

 傾斜はそんなには無いが、小さな岩の欠片がごろごろしていて歩きやすくは無い。アオキの木を分けながら降ると、大きな四角い岩の前に出たので、その周りを廻って偵察する。

 高さは4〜5m位か。一面は真っ直ぐに切れており、ほんの僅かに被っている。しかし、ホールドやスタンスは殆ど見当たらない。反対の面は登れそうだが、一面に緑の苔が生えている。掃除をしてまで登る気は無いので、先に行く。

 その沢筋には目ぼしい岩はそれ以外には2〜3個位で、その四角い岩の下のほうにはあまり岩は無さそうである。

 左岸は逆光だから見えにくいのだが、岩稜の様に見える。そっちのほうに行ってみる。

 途中、鉈で切られたアオキが出てくる。まだ新しい切り口である。これも仲間なのだろうか。ここへはフラリとやってきたと聞いていたのだが、まさか鉈まで持って来たのだろうか。切り方が、目の高さで切る、単なる印的な切り方だから、なんか別人のような感じがするのだが。

 岩稜の側壁は3〜4m位で登れば登れるかも知れないが、面白そうな所は無い。

 もう少し降ると、壁の傾斜が無くなり、獣道みたいな細い踏み跡様のものが現れる。それを使ってトラバース気味に岩稜の上に出て見る。

 ただ木が生えていて、岩らしいものは見当たらない。反対側の沢は結構深そうで、行く気にはならない。引き返すのもなんだからと、そのままその岩稜を登りかえすことにする。。

 途中、遅れている相棒にそのまま引き返すように声をかけ、立ち木を使いながら、適当に傾斜のある結構疲れる岩尾根を登りかえし、最初に触った易しい岩の前を通って大きな岩の前に戻る。

 時間は3時を廻った辺りである。まだあんまり登ってもいないし時間もあるのだが、アプローチで結構疲れたし、またそこを戻らなければならないしと言うことで、幾分早いのだが、引き返すことにする。

 ハイキングコースに戻ると、少し上の方から人が降りてくるのが見える。どこかで追い越されるかもしれないがまあいいかと、相棒と2人で歩き出す。

 来るときに見えたコース脇の少し大きな岩を偵察して見る。

 少しだけ大きいのかと思った岩が、下に回りこんでみると、結構な高さで、何段かに重なった岩がちょっとしたルーフを作っている。なんとなくそそられない岩である。

 コースに戻っても先ほどの人はまだ追いついてこない。結構早く降っているようだ。

 ピークを越え、道が広くなると、登ってくるときには気が付かなかった、ジープらしいタイヤの跡が付いている。こんな所まで登ってきたのだろうか。結構傾斜があるから普通の自動車では登って来れないだろうに。

 来るときにお弁当を食べている人達がいた岩には誰もいない。

 早速荷物を置いて取り付いて見る。と言って、改まった支度をしたわけではない。運動靴のまま登れる程度の岩である。

 ここでも、相棒の写真の準備の都合で2回も登ってしまった。

 峠に戻り、支度をしていたら、先ほどの人が降りてきた。我々は大分に早かった様だ。って、遅れて降りてきた人はここで終わりの我々とは違って、この先まだ大分に歩かなければならないのだが。

 帰りも来たときと同じ道を引き返す。

 峠を少し下った所のカーブの途中に塩ビのパイプの先から湧き水を引いたらしい水が出ている所を発見する。これ幸いと、少しバックして自動車を停め、チョークの残った手を洗う。相棒が飲めるかと聞くから、もう帰りだし、無理して飲むことも無いだろうから、一応止めておけと答える。でも、冷たくて気持ちが良い水だった。

 こんなに早い時間に帰るのは久し振りである。従って、何箇所かで渋滞が発生している。その都度、カーナビの情報で脇道にそれ、渋滞を回避する。

 途中で、豚丼なるものを食べようと、何回か入ったことのある牛丼屋に入る。

 メニューを見ながら、豚丼にしようかというと、相棒が今日は記念日だから豪華にいこうという。豪華と言っても牛丼屋だからたかが知れているのだが、それではと、豚汁にサラダ付きの豚丼を頼むことにする。

 考えて見ると、豚丼に豚汁って変な取り合わせである。普通は無い組み合わせメニューのような気がする。しかし、食べて見たら、豚丼は豚という感じが少なく、豚汁と合わせても違和感が無い。と言うことは、ここの豚丼は牛丼チックな豚丼だったのだ。あくまでも牛丼のピンチヒッターの豚丼と言うことだったのだ。それにしても牛丼の無い店の牛丼屋という看板もなんとなく変な感じではあった。

 利根川を渡る橋の袂の渋滞で、何時も気になっていた道を試して見ようと細い道に入ったら、橋の下を潜る道に出てしまい、橋を渡る道に合流できなくなってしまったので、慌てて何時もの抜け道まで戻る失態を演じてしまったが、それ以外は順調に帰ることが出来た。

 今回はあくまでもハイキングが主のボルダリングであったから、ボルダリングは一生懸命はやらなかったが、よく考えると、ハイキングも一生懸命にはやらなかったような気がする。両方ともなんとなく中途半端だった気がする。でも、二つで一つと考えればよいわけだし、だからどうって言うことでもない訳だから、どうでもよいことではあるのだが。


戻る

作成年月日 平成16年 2月16日
作 成 者 本庄 章