鳳来ボルダーに行ってきました

2007年 7月26日記

 金曜日の日に鳳来ボルダーに行ってきた。今回は久しぶりに相棒と二人である。

 木曜日の夜中、小生宛のチルドの小包を郵便局で預かっているから二日以内に取りに来いとの伝言が入っていたので、近くの郵便局まで取りに行った。本当はもっと早く家を出たかったのだが、帰りが日曜日の予定だったので、帰ってきてからではその荷物の受け取りには間に合わない。当日の再配達をお願いするには、その日の20時までに電話をしなければならない。当日の郵便局に取りに行くにも、電話をしろとその伝言には記されている。時間は、いざ出発という時にその伝言を見つけたものだから、既に11時を回っていた。どうするか思案したが、一先ずは郵便局に行って見ようと、12時頃に郵便局に向かったのだった。

 結果は、無事チルドの荷物を受け取ることができ、一旦家に戻ってから、結局はその荷物を持って、1時過ぎに家を出発した。

 金曜日の夜中の1時過ぎだから、道は空いていた。いつも渋滞する、用賀の手前、三軒茶屋付近も渋滞はなかった。

 海老名のサービスエリア着は3時頃だった。本当は駒門辺りの標高の高いパーキングで寝たかったのだが、時間も時間だし、それに気温も25度程だったので、そこで寝ることにした。照明灯が眩しかったので、久しぶりに、カーテンを2枚ほど使ってしまった。

 目が覚めたので時計を見ると5時だった。まだ早すぎる。

 次に目が覚めたのは7時頃だった。いつもなら、窓を締め切った自動車の中では寝ていられない程暑くなるはずなのだが、日が照っていなかったせいか、そんなに暑くはなかった。もう少し、ということで、また寝てしまった。

 暑くて目が覚めたら、8時近かった。さすが、その時間では暑かった。

 お茶を調達し、8時過ぎにサービスエリアを出発した。

 途中、下の道に降りるかどうか思案したが、今まで何遍も機会がありながら寄ることのできなかった鳳来がずっと気になっており、一応今回も資料を持ってきていたので、鳳来に寄ることにして、浜松までそのまま高速を走ることにした。

 浜松西で高速を降り、途中に見つけた中華料理屋で昼食にした。昼食は、肉ジャガイモ炒め定食だったかにした。あまり食べたことのないメニューだったが、ジャガイモがお餅見たいな感じになっていて、以外と新鮮だった。

 空の雲がだんだん濃くなってきた。鳳来の手前の道の駅では、ついにわずかに雨粒が落ち出した。まぁ、鳳来は、小生が登れそうな課題はトポには一つか二つしかなかったから、メインは記念撮影だから、雨だからと途中で引き返すという考えは全くなかったのだが。

 乳岩峡の駐車場のクライマーズスペースには、何台かの自動車が停められていた。時間は既に3時頃だったか。一般用の駐車スペースには2台か3台の自動車しか停まっていなかったが、一応空きが3、4台分しかなかったクライマーズスペースに自動車を停め、クライミング用の服装に着替えて出発した。

 駐車場の売店は閉まっていた。その売店の先から、大きな岩盤に覆われた河原に降りる。というか、なめ床状になった沢床に降りる。岩は概ね塗れているから、滑る。注意しながら、2〜3分歩くと橋が現れ、それを渡ると、その先は山道になった。

 橋を渡るとすぐに昔のキャンプ場跡のようなところが現れる。その付近の、左岸から入る枝沢沿いに二つほどボルダーがあるらしいのだが、そちらは後回しにして、乳岩川沿いのボルダーから探し始めた。

 ここ、鳳来のボルダーについては、以前某世界的に有名なボルダラーによって、ある雑誌に紹介されたことがある。今回は、その雑誌を持参し、そのトポをもとにボルダー探しをしたのである。

 まず、7級の課題があるらしい、岩を探し始めた。マニック・シャマニックという四/五段の課題のあるボルダーである。

 その岩は、乳岩川沿いのハイキング道の階段マークの手前から沢に降りて行くとあるようにトポにはある。

 石を積んだ階段が現れたので、沢床に降りている踏み跡に入って行くと、沢筋にボルダーが現れた。しかし、トポの形とは大分に違う。トポには、四隅に丸い出っ張りが描かれている。その図は上から見た図となっている。なんだかすぐには理解ができない。いずれにしても四隅に丸い岩があるらしい。遊歩道に戻り、少し先に行ってみた。

 遊歩道、つまりハイキング道、からは何本もの踏み跡が沢の方に入っている。遊歩道の先を見ると、鉄の階段が見えてきた。トポの階段マークは、あの鉄の階段のことなのだろうか。

 その鉄の階段まで行ってみた。その手前からは、ボルダーに行けそうな踏み跡は見当たらなかった。やっぱり、先程の石の階段の所なのだろうか。

 石の階段まで戻り、その近くの、少し広くなった場所に伸びている踏み跡に入って見た。

 まず、いきなり沢床に降りる感じの踏み跡を覗くと、その下はすぐ沢筋になり、登られていそうなボルダーは無さそうだった。

 その少し広い場所を横切って、少し木の茂ったコブのような所に行っている踏み跡を進み、そのコブみたいな所を登って見た。その裏は急な斜面で沢に落ちていた。

 そのコブを巻くように先に伸びる踏み跡を進むと、ちょっとした峠状になり、それを越すと、沢床にすごく被った面を持った岩が現れた。これかぁー。

 そのルーフを潜り、沢筋のその岩の裏面にでると、なんとなく登れそうな面が現れた。しかし、トボの岩の形や、トポの写真とはなんとなく違う気もして、これだという確信は持てなかった。

 回りをウロウロしながら、その岩のすぐそばの岩壁にあるらしい7級の課題らしい所を見て見たのだが、登られた形跡は見当たらなかった。それでも、登れるかどうかホールドを探したら、使えそうなホールドは見つかった。しかし、下地は少し傾斜しており、すぐ後ろには隣の岩が迫っていたので、登ることはしなかった。

 次の、タマという課題のある岩を探しに行った。二つ目の階段を登ると左側にある結構大きな岩らしい。

 沢筋を見ながら遊歩道を進んだが、大きな岩ばっかりで、それらしい岩は見つからなかった。仕方がないから、そのまま遊歩道を進み、ガンコ岩まで行くことにした。ガンコ岩には行けば分かるだろうボルダーが多分あるだろうから。

 再び橋が現れ、対岸に渡り返す。少し傾斜の増した沢沿いを進むと、程なく、乳岩に行く道を分ける。我々は、乳岩を経由して鳳来湖迄行くというその遊歩道に入った。

 なんだか細かい霧雨のような雨が降っていた。しかし、遊歩道は樹林帯の中だから、雨は落ちてはこない。

 少し進むと、乳岩を巡る道を右に分けた。ガンコ岩はまだ先だ。

 より傾斜を増した、ぬかった遊歩道を進むと、前方から人の声が聞こえてきた。そろそろガンコ岩が近いのだろうか。

 だんだん人の声が大きくなってきた。だんだん声の場所が分かり出した。遊歩道の上の方からだった。その人の声に注意しながら歩いて行くと、かすかな踏み跡が上に伸びているのが見つかった。声はその踏み跡の先から聞こえてきていた。注意していないと見逃しそうなその踏み跡を登ると、大きな岸壁が現れ、若者が数名、岩登りをしていた。

 挨拶をして、多分ガンコ岩ボルダーは近くにあるだろうと思ったので、ボルダーの位置を聞くと、その壁の左奥だと教えてくれた。

 ガンコ岩ボルダーは、結構被った大きなボルダーだった。

 見るからに難しそうなボルダーだったが、折角来たのだからと、記念撮影を始めた。

 最初は、アジャとかいう課題があるだろう、壁の左側の、ガバホールドを使って離陸して見た。ホールドは目茶苦茶ぬめっていたから、離陸も易しくはなかった。

 既に4時を回っていたし、天気も天気だったから、暗すぎて記念撮影にならなかった。フラッシュを焚いても、距離があるから、暗くしか写らなかった。それでもなんとか、何枚かの記念撮影を終え、壁の右の、初段とか二段とかの課題の場所を触って見た。こちらは、ホールドが細かかったから、離陸がきつかった。やっと離陸したところを写真に撮ってもらったら、こらえ切れずに落ちたところでフラッシュが光った。相棒から、失敗したからもう一度と言われたが、2回目はもう離陸ができなくなっていた。

 ルーフを潜って裏に行くと、そっちはもっと被っていた。アンビテーションという課題が3本位あるルーフなのだが、いずれも三段から四段の課題だ。当然離陸から無理だ。ルーフの下で佇んでいる、ただ単なる本当の記念撮影に終わった。

 岩を登っていた人達に、その他のボルダーの事を聞いて見たら、やはり、以前探したことがあったが、よく分からなかったとの事だった。

 戻る途中、遊歩道の脇に、高さが2mちょっとのボルダーがあったので、少し遅れ気味の相棒を待つ間に少し触って見た。

 その岩はちょっとした涸れ沢にあり、上を覆う樹木はなかったので、完全に濡れていた。というか、そこでは細かい霧雨が降っていた。それでも、濡れた苔がうっすらと乗った少し高めのスタンスと、そして少し右に開いたところにある、二本の指がかかる位のポケットと、乾いていればガバだろうスローパーホールドで離陸できれば、リップのガバが取れ、登れそうなことが分かった。

 支度を整え、相棒の到着を待って、登って見たら、なんとか登ることができた。多分乾いていいれば10級、濡れていたから8級というところか。もしかしたら、7級あったかも。

 くる時には見送った乳岩周回路を回ることにした。乳岩を右回りに一周する道らしい。一周に20分位かかるらしい。

 いきなり鉄の梯子が現れた。登って行くと、その先まだ鉄の階段が続いている。結構傾斜のきつい鉄の梯子が何本も上に伸びている。万が一途中で落ちると、結構な大ケガをしそうなところだ。もしかするとケガでは済まないかもしれない。お尻がモジョモジョしてしまった。

 大きな岩の輪のようなところを潜るといよいよ下りである。下りはさすが垂直に近いような梯子はなく、鉄製の階段が何カ所か出てくる。それでも、結構急なところを降りて行く道ではある。

 すぐに降りられるのかと思ったのだが、下りも結構長かった。いや、下りの方が長かった。途中で、釣り鐘洞だかなんだかがあったらしいのだが、そこに行くらしい分岐には入らず真っすぐに降りてきた。

 遊歩道の脇の少し広くなった木立の中に、中段におもしろそうなリップを持った岩があった。もしかして、そのリップにマントルができるかも、そう思って、荷物を下ろし、支度をして取り付いて見た。

 そのリップは下からいきなり持つことができた。リップを左に少しトラバースし、リップの右の方に右足のヒールをかけマントルしてみたら、リップはヌメるし、リップ上には枯れ葉が一杯積もっていたりするしで、怖くてマントルができなかった。

 少し休んで、もう一度やって見たが、前回よりは少し体が上がったものの、やはり怖くて最後の力が出せず、マントルが返らなかった。

 遊歩道に戻って、乳岩川を渡り返し、タマという課題があるらしい岩を探して見た。沢を跨いだ大きな岩を探したら、それらしい岩があった。いって見たら、ハートの形はしていなかった。

 次に見つけた岩にいって見たら、ハートの形のよう感じで壁が少し凹角になっていた。横から見た形は、トポのように、下がまあるく垂れ下がった形になっていた。それにしても、高い岩だった。

 スタートホールドらしい辺りを触って見たが、持てそうなホールドは無かった。ここの課題は初段と二段だ。高さからすると、スタートで全く持てないホールドということは無いだろうと思ったのだが、全く持てるホールドでは無かった。あまりにもぬめり過ぎていたからにしても、ホールドは悪かった。あのホールドであの高さ。再登者はいるのだろうか。

 最初に見たマジックなんたらという課題の岩は多分あの岩に間違いないだろうと、また見にいった。

 適当に写真を撮った後、横の壁の、多分7級だろうところを登って見た。右手、左手をしっかりしたカチで繋ぎ、右手でリップ下のカチを取ってから、リップのホールドを探して見た。リップの上は苔というか、草というか、そんなんで覆われており、ホールドになりそうなところは見つからなかった。仕方が無いから飛び降りた。

 次は、行きにパスした、オレンジとかいうエリアに行く途中にあるらしい、「現身」「イニシエーション」などの課題のある二つの岩達だ。トポの踏み跡らしきところに入り、枝沢沿いに歩くも、途中から踏み跡は消えかかりそうになり出し、その先に現れた大きな岩は、登れそうな岩では無かった。おまけにその消えそうな踏み跡はその岩で完全に消えていた。

 引き返す途中で、昔のキャンプ場の跡なのか、低い石垣を回して整地された、ちょっとした広場の方に進むと、かすかな踏み跡があったので、入って行くと、その先でしっかりした踏み跡にぶつかった。ボルダーは枝沢沿いにあるものと思い込んでいたので、そのままそのしっかりした踏み跡を戻ったのだが、遊歩道脇の東屋で、相棒を待つ間、トポを眺め直したら、岩の前を通る踏み跡の先に「至るオレンジ」と書いてあった。ということは、そのトポの道はしっかりした踏み跡ということのはずだ。となると、今下ってきた踏み跡の先にあるということだったのかも。そう思い直して、もう疲れたという相棒を再び連れて、下ってきた道を登り返し始めた。

 先ほど合流した場所を過ぎ、しばらく登ったのだが、なかなか脇に入る踏み跡は現れない。ボルダーの影も見えてこない。相棒は、もう6時だという。やっぱり違うのかなと思い始めた頃に、右の沢沿いに降りる結構踏まれた踏み跡が現れた。相棒をその場に残し、踏み跡の先を偵察にいったら、下地がちょっとした穴ぼこ状になった岩のチョークらしい跡の残る結構被った壁が現れた。トポと見比べたら、「現身」という五段の課題のある岩に間違い無さそうだった。

 相棒を呼び、既に靴を履く元気は無くなっていたし、下地全体が僅かに糠っている感じでもあったので、岩に触っているだけの記念撮影をし、次のイニシエーションの岩を探しにいった。

 そこからさらに少し登って行くと、左側に大きな岩が現れた。近付いて見たが、対象の岩では無かった。

 また少し進むと、またより大きな岩が現れた。トポと少し違う感じがしたので、少し行き過ぎて別の角度で見直したら、すぐ下に横たわる岩の大きさが少し小さい気もしたが、なんとなくトポの岩のようにも見えた。

 近付いて行って、下から高い壁を見上げたら、なんとなくそれらしい形に見えた。右側の奥の壁を見にいったら、5級の課題らしいラインもあった。しかし、そこは、岩の面がガチガチしており、岩の上もボサボサな感じだし、それより何より、高さが少し高かった。左側の正面に比べれば2〜3m位は低いのだが、優に5〜6mはあった。おまけに既に6時を回っていたはずだし、なんとなく登る意欲は沸かなかった。ここも既に暗くなりかかった中での記念撮影のみで帰ってきた。

 結局、登れたというか、登った岩は10級クラスの岩たったひとつのみだった。まぁ、10級ハンターの面目躍如というところではあるが。って、この言葉も久し振りではある。

 遊歩道の先から、若者達何人かが騒いでいる声が聞こえてきた。橋を渡り、ナメ状の河原を歩いて行くと、半裸の若者3人が、ちょっとした落ち込みの釜状のところに飛び込んで遊んでいた。ひょっとしてクライマーかもと、置いてあった荷物を観察させてもらったのだが、特にロープ様の荷物も見当たらず、当然マット様の物も持ってはいなかった。

 売店の横の湧き水で手を洗い、ついでに喉が乾いていたので、側に有った柄杓でその水を何杯か飲み干した。ふと、横に下がっていた看板を見たら、飲用不可と書かれていた。結構な量を飲んでしまったが、最近は保健所の関係でそう書かれた湧き水が多いから、特に気にはしなかった。本当に飲めない水ならば、そんなところにわざわざ引いてきて、柄杓まで置いておくことはないだろうから。

 売店の横にトイレがあったので、トイレにより、自動車に戻ると、先程釜で遊んでいた若者たちが我々の隣に停めた自動車で支度をしていた。

 多分地元の若者だろうと、豊橋までの所要時間を聞いて見たら、別の若者に時間を聞き、1時間くらいと教えてくれた。

 ここ、鳳来峡にはどの辺から遊びにくるのか気になったので、その若者にどこからきたのかと聞いて見たら、神奈川からだと言った。えっ、と思ったが、どう見てもクライマーの荷物に見えなかったので、そうですか、我々は千葉からですと言った後、もしかしてクライマーかもと思い、一応クライミングですかと聞いて見たら、そうだと言った。そうだよなーと思いながら、神奈川からこんなところまで来るのは、クライミングしかないですよねと答え、我々はボルダーを探しにきたんですよと答えてしまった。

 すると、奥にいた人に、インターネットでボルダリングのホームページをやっている人ですかと聞かれたので、そうですと答えると、時々見ていると言ってくれた。なんだかうれしくなって、ありがとうございますとお礼を言ってしまった。

 どの辺を探したかと聞かれたので、某有名ボルダラーの雑誌のトポにあった岩しか探せなかった事を告げた。すると、その人たちは、たくさんボルダーを見つけたというので、某ボルダラーのトポの岩以外ですよねと念を押したら、某ボルダラーがいますよと言われた。一瞬どういうことだか分からなかったら、奥にいた、多分小生のホームページを見てくれていると言ってくれた方が、○○○ですと、自己紹介してくれた。えっ、と思ったら、隣の方が、×××ですといった。そして、最初に話を始めた若者を指して、□□君ですと教えてくれた。

 うっ、えっ。一瞬声がなくなった。○○○さんはつい先日テレビのナイナイの番組で拝見したばっかりだし、×××さんは、小生がフリークライミングを始めたころの日本のチャンピオンだった方だし、□□君は、今売り出し中の、ロッキーの△△君と並ぶ若手というか中堅というか、を代表するクライマーだし、錚々たるメンバーではないか。そんな人達の集団と気軽に世間話的は話をしているなんて。まぁ、フリークライミング界って、なんて狭い世界なんだ。と、本気で思ってしまった。

 まさに、新潟の下田村のカヌー競技でオリンピックの当然カヌーの金メダリストと順位を競いあい、旧小学校の教室を改造した板の間の部屋では、その金メダリストと一緒に夕飯を食べ、夜は夜で、その金メダリストが小生の頭のすぐ上で寝ていたという、カヌー界にも匹敵する狭さだ。って、カヌー界よりはフリークライミング界の方が裾野はだいぶん狭い気はするが。

 一応、○○○さんには以前鶴見のジムでお会いした事を伝え、折角だったので、よく分からなかった岩の形や場所を、雑誌を示しながら、聞いてしまった。その時、確か以前、浜松にお住まいだった×××さんが、なつかしいといっていた。

 いろいろとお話を聞きたかったのだが、遅くなってもと、適当に話を切り上げ、お別れした。

 帰りは、豊川まで出て、豊川から東名で名古屋にいる娘のもとに向かった。

 途中、赤塚パーキングで夕食にした。夕食は、豚汁定食が300円だったので、その券を買おうと券売機のそのボタンを押したのだが券が出てこなかった。よく見たら、売り切れのランプが点いていた。しかたがないから、みそカツ定食にした。そっちは500円。いずれにしても、二人で千円札一枚で済んだのだった。

 高速に乗った時は、いくらか渋滞が残っている感じだったのだが、結局は渋滞もなく、9時には名古屋についた。

 鳳来に入ってからは、ずっとわずかではあったが雨が降っており、岩は濡れているというか、ヌメヌメだったし、課題自体が難しすぎて、まともに登れたボルダーはほとんどなかったが、以前からあこがれていたクライマーにお会いでき、おまけに普通の世間話をしてしまったので、大変に満足できるボルダリング行ではあった。

 ボルダリングの話は以上でおしまい。以下はおまけの話である。

 土曜日の日の夕食は、娘の家族と一緒に、「マウンテ○」という喫茶店に行った。レストランではなく、喫茶店である。

 頼んだメニューは、我々夫婦は「甘口抹茶小倉スパ」と「大人のお子様ランチ」、娘夫婦は、「ミートスパ」に「鮭とホウレン草のホワイトスパ」であった。お子様ランチと抹茶スパは両方とも小生が頼んだ物であり、相棒と半分こずつ食べるつもりだったのだが。

 まず、ミートスパがきた。続いて、鮭とホウレン草スパがきた。ミートスパがノーマルに対し、鮭とホウレン草スパは、量が1.5倍はあった。

 続いて、大人のお子様ランチがきた。ピラフの上にウインナーで顔が作ってあり、天辺には旗も立っていた。というより、こちらも量がすごく多かった。最後は、抹茶小倉スパだ。緑色のスパゲッティーの上に餡こが乗せられ、それを取り囲むように生クリームが乗せられていた。生クリームの上にはサクランボが乗っていた。サクランボの横には、黄桃が乗っていた。

 小生が抹茶スパを食べ始めると、即、サクランボと黄桃と生クリームを娘の息子に取られた。麺は少しずつ大人の外の3人と、娘の娘に取られた。しかし、その後は娘の息子が生クリームを取りにくる以外は誰も取りに来なくなった。

 見ると、沢山乗っていた生クリームがあと一かけらになってしまっていた。これも置いておいたら息子に取られる。そう思ったので、即スパゲッティーに混ぜ混んでしまった。すると、娘の息子は少し恨めしそうな顔をしていた。

 その後は、娘の娘は娘のスパゲッティー、娘の息子は、大人のお子様ランチのウインナー、お子様ランチなんて食べたくないと言っていた相棒も、結局は大人のお子様ランチ、小生は抹茶スパをとの棲み分けが成立し、仲良く皆が完食した。結局小生は、半分子食べようと思っていたお子様ランチは、最後に僅かに残ったピラフとウインナーソーセージの一かけらを食べただけだった。

 娘の旦那と相棒がコーヒーが飲みたいと言ったのだが、娘と、結局は少し残った大人のお子様ランチを食べた小生はコーヒーを飲むだけのお腹の余裕がないということで、ドリンクはパスということにした。

 しかし、なんとなく口寂しくなり、「青いコーラ」というメニューがあったことを思い出したので、娘と二人でその青いコーラを追加注文した。当然二人で一つではあったが。

 結論。すごくおいしかった。娘いわく、以前透明なコーラと称して売られたことのある「タブクリア」というコーラのようだとのこと。実態は分からないが、娘と二人で一つのコーラを二本のストローで飲みながら、盛り上がってしまった。

 そのコーラを娘の娘が横取りしてストローで一口飲み込んだ。その直後、ものすごい顔をして引き寄せたコーラのコップを突き放した。やっぱりまだおむつの取れない赤ん坊には無理かと思ったら、再びコーラを引き寄せ、また一口飲み、ものすごい顔をした。そして、その後それを何回も繰り返した。どうやら、炭酸のスーとする、鼻に抜ける感触がたまらなかったようだ。

 その日はそのまま娘宅に一泊し、日曜日の昼頃、1時頃に名古屋を出発し、ひたすら国道1号を東に向かった。

 豊橋だったかで、喉が乾いたので、ハンバーガー屋でコーヒーでもと、ハンバーガー屋を探しながら走っていたら、あと2kmとの看板が出てきた。そこに入るべく走って行ったら、左斜線は左折との矢印が出てきた。仕方なく右斜線に移り、交差点で止まったら、その交差点の向こうの角にそのハンバーガー屋はあった。しかし、既に右車線にいた。左折レーンかもと思った左車線は直進が可だったし、そこには既に直進するかもしれない自動車が連なって停っていた。結局そのハンバーガー屋には入れず、直進するしかなかった。

 少し走ったら、運よく、またそのチェーンのハンバーガー屋の看板が現れた。あと1kmだ。

 そのハンバーガー屋らしい看板が見えてきたので、左折の用意をしていたら、見えていた看板がいつの間にか見えなくなってしまっていた。キョロキョロしながら走っていたら、相棒がここで曲がらなければと言ってくれた。そこは、道がY字になって側道が別れるような形になっていた。そのY字の左側の先を見ると、ちょっと先の左側にそのハンバーガー屋があった。メインの道路に面していると思ったそのハンバーガー屋は、わずかに、そのY字路に入らなければ寄れなかったのだった。危うくその店もやり過ごすところだった。

 最初はアイスコーヒーでもと考えていたのだが、なんだか、マッ○シェイクというのが飲みたくなったので、そのシェイクにした。

 ストローがやけに太かった。吸うとなかなか吸い込めなかった。底からストローの口を離すと、じわじわとシェイクが上がってきた。ストローの太い理由が分かった。

 その紙コップには蓋がついていたので、水用にもらった紙コップにその蓋を被せ、そのストローと一緒に自動車まで持って帰った。

 途中、塩見坂道の駅に寄って、ハンバーガー屋でもらった紙コップに水を入れようとしたのだが、水を汲む場所がなかなか見つからなかった。水を汲む事をあきらめかけていたら、相棒が食堂で水を汲めると呼びにきてくれたので、一緒に水を汲む汲ませてもらった。

 その後は、掛川道の駅のセルフの定食屋スタイルの店で豚汁付きの夕食を採り、社会実験で静岡から、そして午後8時からとなった5割引きの制度を利用して、裾野から8時半頃に高速に乗った。途中、駒角、そして中井のパーキングによったが、それでも11時には家に着いた。

 やっぱり少し早めに家に着くと、大分に楽だった。


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作成年月日 平成19年 7月26日
作 成 者 本庄 章