鼻の下ボルダーを探しに行ってきました

2007年 5月11日記

 今回の連休は特に予定を入れていなかったので、後半の一日を使って、相棒と二人で、以前知合いが話していた、栃木県の鼻の下ボルダーを探しに行ってきた。最後まで、福島の某岩とどちらにするか迷ったのだが、ハイキングを兼ねてということで、栃木の鼻の下ボルダーに行くことにしたのだった。

 連休の真っ最中の一日だから、道は混んでいるはずと、高速道路を避け、下道で行くことにした。ところが、いつもの通り、出発間際になってから資料を探したりなんかし初めたものだから、出発は9時を過ぎてしまったため、カーナビの到着予想時間は4時を過ぎていた。それでも、まぁ、下道の予想時間は大分短くなるという今までの経験から、そのまま国道16号を走って行った。

 柏を過ぎ、野田に入ったのは12時ちょっと前だった。相変わらず予想到着時間は4時頃だった。やっぱり道は混んでいたのだった。これはいけない。急遽、高速に乗ることにした。

 高速は東北道だから、乗るとすれば岩槻か加須だが、岩槻からだと混んでいる可能性もあるので、加須から乗ることにした。

 国道16号から国道4号のバイパスに入った。混んではいなかった。

 出発して、3時間近くが経っていたので、庄和道の駅に寄って見た。ものすごく混んでいたので、空きスペースが見つからなかった。仕方がないから、駐車場を一周してそのまま出て来てしまった。どうやら近くで凧揚げ大会が開催されていたようだった。

 五霞の道の駅の近くに比較的安く食べられるレストランがあったことを思い出し、そこで昼食にすることにした。

 丁度昼時ということもあってか、そのレストランの駐車場には結構自動車が停まっていた。

 入り口に、連休中は価格を10%アップすると書いてあった。もともと安いメニュー目当てだからと、そのまま中に入った。

 席に案内されてメニューを見ると、皆結構な値段がついていた。一瞬こんなに高かったかと思ったが、前回もそんなメニューの中にとても安いメニューがあったことを思い出し、探して見たら、やっぱりあった。レディースハンバーグセットが580円だ。なおも探したら、レディースビーフステーキが760円だった。前回はハンバーグだったから、今回は少し贅沢にビーフステーキにした。因にレディースは肉は120gだった。

 サラダが運ばれてきた。何しろセットだから、サラダが付くのだ。って、スープやコーヒまでは当然付かないが。

 栗橋で、国道に出る所で、なんだか見たことのない所に出てしまった。国道にはすんなりと出られたのだが、なんだか遠回りした感じだった。いつも右折する信号を見落としたのかと思ったが、その見落としたと思われる信号を直進するとぶつかる交差点が出てきた。やっぱり新しい道ができていて、その道に誘導されてしまったようだ。

 栗橋から幸手方向に別れて、そんなに遠くない場所で高速のインターが出てくると思っていたのだが、インターまでは結構遠かった。そういえば、久喜の手前で加須方面に別れてからそれなりの距離のあったことを改めて思い出した。最近は東名方面が多く、東北道はとんと御無沙汰だったし、ましてや加須から東北道に乗るなんて、10年この方やることもなかったから、ほとんど忘れてしまったいたのだ。

 東北道は順調に流れていた。昼過ぎの下りだから、当然と言えば当然ではあったのだが。

 目的地近くのインターを降り、カーナビの示す道を確認したら、思っていた道とは違う道を示していた。インターネット上の地図で確認した時は、カーナビが示すその道の先には道はなかったはずだ。反対の道を行かねば山頂には行けないはずだ。はっきりと覚えていた訳ではないし、山頂に通じると思っていたそっちの道は結構遠回りになるので、少し不安も感じはしたが、カーナビの目的地をそっちの道に設定し直した。今回の目的地の資料は、インターネット上から色々と落としてきていたのだが、急に思いついたものだから、そのほとんどを置いてきてしまったのだ。

 その道は結構細い所が出てくる道である。高度を上げるに従い、道はいくらか広くはなるのだが、その分カーブがきつくなってくる。この山道で時間を稼ごうとしたのだが、先行車があまり早くは走ってくれないので、なかなか時間がちじまらない。それでも、2〜3台の自動車が横に避けてくれ、早い自動車に追いついたため、その自動車とともに、その後も何台かの自動車を追い越し、なんとか4時前には山の上の駐車場に着くことができた。

 ここの駐車場は、道に沿って、すごく細長く作られている。停められる台数も結構多い台数である。奥に進むに従って停められている自動車の台数が増えてきた。

 一番奥のレストハウスの前まで来ると、駐車スペースはほとんど自動車で埋まっていた。さすがゴールデンウイーク真っ只中だった。

 なんとか空きスペースを見つけて自動車を停め、トイレに寄ってから、その先に続く砂利道を歩きだした。

 何組もの人達とすれ違いながらしばらく歩くと、道の脇に岩が見え出した。ここに来るまでも、岩はあちこちに見られたのだが、斜面の上の方だったり、柵の中だったりで、触っても良さそうな岩はこの辺からのようだった。

 一応の目的地の展望台が現れた。多分、その展望台の下辺りに岩があるはずなのだ。展望台には人が何人もいたので、展望台の下におりる道を降りて行った。

 確かに岩はあった。しかし、知り合いのHPにあった写真の岩とは違うみたいだった。おかしいなと思いながら、少しあちこちと探して見たが、それらしく見える場所は見当たらなかった。別のHPで見た岩は、二段になった大きな岩の手前の登山道の脇に適当なボルダーが写っていたのだが、そのような二段になった大きな岩陰も見当たらなかった。仕方がないから、そこそこの大きさの、ブッシュに囲まれた岩を触って見た。

 高さは4m位か。岩の下には、潅木が密に茂っていて、容易には近づけない。たとえ近づいても、手掛かりらしいものはほとんど見えない。小生には手も足も出ない状態だ。

 左端にはクラックが走っている。それを使えば多分登れる。でも、なんだかすごく優しく見える。

 右に回り込んで見たら、下1m位は寝た傾斜だが、その上は垂直に立ち上がっている。その傾斜のゆるい場所に立てば、一段低くなったリップがもてる。そう思って、そのスカート部分に立ち込んで、リップを探って見た。

 リップは持てる。でも、そのリップでマントルを返すには、少し悪い。途中、スタンスも見つからない。登れると思ったのだが、甘かった。

 仕方がないから、最初に見たクラックの所に行って見た。ブッシュをかき分けて、クラックを触って見た。ハンドは効く気がしたが、痛すぎた。またまた仕方がないから、クラックの上の方のリップ付近を持って、足だけクラックで離陸した。

 リップは、苔だった。ホールドは見当たらなかった。お腹をリップにかけて、膝を使って、やっとの思いでずり上がった。ということで、まぁ、一応は登ったことにした。

 展望台に戻ったら、女性の3人連れがいたので、この辺で大きな岩を見なかったか聞いて見た。その中の一人が、ここはよく来るが、そんな岩は、展望台の側の岩以外は見たことがないとの事だった。

 その展望台の側の岩はこの展望台の名前のもとになった岩らしい。ここに来たときに見たのだが、あまりにも易しすぎる感じの岩だったので、触らなかったが、こうなったら触るしかないと、その岩の裏側の、垂直と言えば垂直の顕著なフレークのある面を登って見た。思った通りだった。

 その岩の側から、尾根筋に伸びるだろう小道が続いていたので、その道を歩いて行ってみた。岩は、あることはあったが、皆小さかった。

 その小道の左側に、来る時に見えた、大きめの岩が見えて来たので、鉄条網の柵を越えて、その岩の方に降りていって見た。

 大きさは、2〜3mの岩が3っつ4っつ。登れると言えば登れる感じの岩だったので、荷物を置いて、岩を見て回って見た。

 一つの岩がには、カチホールドになる1cm足らずの幅のバンドがあった。もう一つには、やや寝た少し高めの壁の真ん中にスタンスになりそうな水平のリスが走っていた。その二つが登れそうだった。

 まず、高さが4m位のやや寝たスラブチックな壁を触って見た。

 真ん中に走る水平のリスにホールドがあった。それを使って離陸し、剥がれそうな薄いフレークと、そのうえのやはり水平なリスを使って、スタートホールドに立ち込んだ。続いて、その上の水平なリスで足を上げ、リップを伺ったが、苔だらけでホールドは見つからなかった。左足の膝辺りに今にも剥がれそうなフレークがある。そこに乗れればリップにはい上がれる。しかし、叩くと完全に浮いている、どう考えても小生の体重に耐えられるとは思えないフレークだ。乗ろうか乗るまいか一瞬考えたが、こんな所で冒険をして見ても始まらないと、すぐに乗ることを諦め、水平リスを左にトラバースして、リップが少し低くなった方に移動した。

 リップは相変わらず苔だらけでホールドはない。しかし、左側に木が生えて降り、その木を掴むことはできる。どうせその木を使ってもそこから降りるよりは少しはましだろうと、その木を掴んで、剥がれそうなフレークに右足で乗って、リップにはい上った。普通に言えば、登ったとは言えないのだろうが、まぁ、そんなことはどうでもよいという感じだった。

 そのまま来る時に使った砂利道を戻って行ったら、来る時に気になった岩が出て来た。来る時は人の目があったので触らずに通り過ぎた岩だ。

 幸い付近にだれもいなかったので、触って見た。

 高さは3m弱。薄べったい岩で、カンテがはっきりした岩だ。ちょうど2m位の所に水平のリスが走っており、そこがホールドになる。そこと、左側のカンテで離陸し、そのうえのリップを伺ったが、リップは結構遠く、左手のカンテでは右手が出なかった。

 裏に回って、カンテを右手で持って見たのだが、左手のホールドが見つからなかった。水平のリスが裏なで通っていたが、裏のリスは使える所が見つからなかった。仕方なく、再び表に回り、同じ手で離陸し、カンテに左足トーフックをかけて見たら、左肩が上がり、左手でリップが取れた。しかし、リップには木が生えていたので、そのままではマントルが返せなかった。左側からリップを裏に回り込んで見たが、やはり木が邪魔でマントルができない。仕方がないから、そのまま降りて来た。

 再び砂利道を戻り出すと、山の斜面の上に岩陰が見えた気がしたので、その傾斜の緩い側壁を登って行って見た。結局岩陰はなかったが、途中まで歩いて来た上の小道に出たので、そのままその小道を進むことにした。

 少し進むと、右側に少しだけ大きめの岩が見えて来た。行って見たら、3m弱の、なんとなくおもしろそうな岩だった。

 右側の壁は僅かに被ってはいるが、ホールド、スタンスはほとんど無い。つまり小生には登れない。左側の壁は、もっこり膨らんでいて、やはりホールド、スタンスがない。左の奥はワイドなクラックがあり、それを使えば難しくなく登れる。そんな岩だが、実は正面が面白そうに見えたのだ。

 大砲の玉のような格好の岩を垂直より少し斜めに切ったような格好の面をしている。つまり、やや寝た面の上の方がつぼまっており、そのカンテが使えそうな感じなのだ。

 近づいて、左の垂直な部分のカンテを左手で持って離陸を試みたが、左のカンテが甘く、スタンスも使えそうな物がないので、離陸ができないのだ。右上の持てそうな斜めのリップは一歩上がらなければ届かないのだ。

 なんとか、下地に出ている岩の頭に乗ってみたのだが、やっぱり届かない。ではそこから飛びつこうかとも考えたが、反対にその下の岩が怖くて飛びつけない。僅かな出っ張りだから、マットがあれば隠せるのだが、マットは持っていないから、それもできない。思い切って飛んで、足を痛めるのもいやだ。何回か飛びつこうと、少し沈み込んで見たが、結局怖くて飛べなかった。最後に意を決して、とはいっても、ほぼ立ったまま飛んで見たら、手が少しだけかかり、なんとなく持てる気はしたが、再度思い切り飛ぶ気にはなれなかった。

 正面は諦め、左奥のクラックで登って見た。

 最初は、左の半身をクラックにいれて見たが、そんなことをするより、手前のカンテと向こう側の面で突っ張った方が早かったし、岩がザラザラしていて、クラックに入り込むのにいくばくかの抵抗感があったので、結局はレイバック気味に登ってしまった。

 小道に戻り、その先に進むと程なく、この山のメインの一つの場所に行く小道に出た。

 最近相棒が、ボルダリングばっかりで、観光地の側を通っても寄りもしないとぼやくものだから、既に5時近かったが、距離もそんなにはないはずなので、一応目玉の場所を見に行くことにした。

 途中、鹿の食害を防ぐためのネットのゲートがあった。このゲートは、以前房総の笠岩に行った時にもあった物とほとんど同じだった。

 その目玉とは、多くの花が咲き乱れるお花畑らしい。しかし、時期が時期だけに、ほとんど花などは咲いてはおらず、ただ単なる枯れ草の原っぱだった。

 途中、滝があるというので、その滝も見に行った。落差5mとのことだが、水量が少なかったのか、滝には見えなかった。確かにそれくらいの落差はあったが。

 戻る途中、先ほど会った女性3人組に再び会った。挨拶をすると、そこに来る途中に大きな岩を見つけたと教えてくれた。場所は先ほどの展望台の近くだったらしい。説明の看板もあったとか。

 そこからの帰り道の途中にもう一つ見晴らし台があったので、そこにも寄って見た。見晴らしはほとんど無く、岩陰も全くなかった。

 展望台への砂利道を再び歩いて行き、教えてもらった岩があるらしいところまで行って見た。確かに3m程の岩があった。場所は、我々が外れてボルダーを見に行った小道のほんの少し先だった。

 やはりホールド、スタンスに乏しかった。側の看板には、この地で修行をしていたあるお坊さんが見つけた岩だと書いてある。そして、かたわらには小さな祠が祭られていた。岩の上には小さな石がたくさん投げ上げられていた。もしかしたら登ってはいけないのかも。一瞬考えた。時間は既に6時を過ぎていた。それでも、一応、支度をして触って見た。

 カンテは全く持てなかった。スタンスはなかった。当然離陸もできなかった。既に日は完全に落ちていた。それでも、一応、フラッシュを焚いて写真を撮ってもらった。

 自動車に戻ると、外に自動車はいなかった。当然人は我々以外は誰もいなかった。まだ少し明るさが残っていたので、コーヒーでもと、コンロを取り出して用意を始めた。ポリタンクを引っ張り出し、ガスボンベを探したら、見つからなかった。ポリタンクをザックに入れる時一時邪魔になったガスボンベを引っ張り出したまま、再度入れるのを忘れてしまったようだった。相棒に老人力が相当に付いて来たと笑われてしまった。

 コンロをしまい、ポリタンクもしまっていたら、回りはすっかり薄暗くなってしまった。

 帰りは、7時頃に出発し、急ぐ訳でもなかったので、そのまま下の道をトコトコと走って行った。

 山の上の駐車場で食べるはずだったパンを自動車の中で食べながら走ったので、特に夕食のためにはどこにも寄らなかった。途中、昼ごはんを食べたレストランの近くの道の駅に寄り、ジュースを飲んだ。氷が入っていたのだが、そんなに冷たくは感じなかった。

 途中、相棒が休んで行こうと言うので、そのまま帰った方が早いとも思ったのだが、既に11時近かったので、八千代道の駅に寄ることにした。

 八千代道の駅は結構混んでいた。車中泊の自動車も結構あるようだった。なんだか眠くなってしまったので、相棒と二人で車内で仮眠をしてしまった。

 1時過に目を覚ますと、相棒も目を覚ましていた。相棒がそろそろ行くかというから、少しだけ眠くもあったが、少し寒さも感じていたので、帰ることにした。

 家に付いたのは2時近かった。しかし、なんだか寝付かれなかったので、少し自動車の中で聞いていたラジヲノの続きを聞いていたら、3時を過ぎてしまった。

 まだ1日休みは残っていたのだが、あまり遅くまで起きていてもと、3時過に床に就いた。

 結構長い一日だった。


戻る

作成年月日 平成19年 5月11日
作 成 者 本庄 章