金曜日の夜遅く、日曜日までの予定で一人家を出る。行く先は、メーリングリストにあった仲間からのとあるボルダ−に行っているとの投稿を見ての、久しぶりのとあるボルダ−である。白州町のボルダーに行ってきました
2004年 9月27日記
一人だから気ままである。翌朝までに現地に着けばよいので、出来るだけ高速を使わずに走る。
東雲から晴海晴海、銀座を通って、三宅坂から新宿に出る。既に12時近いから、銀座や新宿では結構な量のタクシーが行列を作っている。
甲州街道に出ると、暫くは一本道である。幡ヶ谷辺りから、それ迄あまりスムースでなかった自動車の流れがスムースになってくる。
いつもなら調布から中央道に乗るのだが、今回は八王子まで一般道を走ることにする。
甲州街道は立川で大きく左に折れて、あまり流れのスムースでない道になる。今まではその道を使って八王子まで行っていたので結構時間が掛かっていた。
立川の20号が左折する交差点は直進すればそのまま新奥多摩街道である。そして、その交差点は左折レーンは1本しかなく、直進が2レーンで、右折が1レーンとなっている。直進がメインの交差点なのである。
新奥多摩街道は拝島で16号と交差し、その16号の先は中央道の八王子インターに通じている。そうか、新奥多摩街道に直進し、16号に左折してインターに向かえば流れがスムースかもしれない。そう考えて、今回は直進してみる。
新奥多摩街道はずっと片側2車線で、16号も夜だから空いている。途中それほど信号に掛かることなくインターまで行くことが出来た。
中央道を相模湖東で降りる。そこから先はよく走る道である。夜間は殆ど信号に掛かることも無く、そのまま甲府まで走ることが出来る道である。
途中何回か、先行するどちらかというとゆっくりと走っている自動車に追いつき、先行車の後をついて走らなければならなっかたりしたが、非常にスムースに勝沼から広い甲州街道に入ることが出来た。
甲府駅の裏を通る道に移るため、石和町から甲府に入って直ぐあたりの交差点で右折する。
中央線の跨線橋を渡ったところで、赤色誘導灯を振られて自動車を停められる。しまった、スピードを出しすぎていたか。でも、60kmちょっとしか出ていなかったと思うのだが。
お巡りさんが寄ってきたから窓を開けると、飲酒運転の取締り中だという。良かった。息を嗅いでもらって通してもらう。
甲府の町を抜け、広域農道に入ると、後は自動車とすれ違うことは滅多に無い道になる。結構気持ちよく走る。
何時もの駐車場に近づくと霧が出始める。進むに従って濃くなってくる。駐車場の直前では視界が数十mまで落ちてしまう。
駐車場に入ると、停まっている自動車は1台だけである。無論テントを張っている人はいない。駐車場の一番奥まで行って寝るための用意をする。といっても、既に4時である。11時に家を出たから、およそ5時間のドライブとなった。
翌朝、7時頃に目を覚ます。しかし、一面灰色である。駐車場の真中辺に停めてあるもう一台の自動車がかすかに見える位に霧が立ち込めているのである。
7時過ぎに、既にきているであろう仲間の自動車が来ても気が付かないかもしれないと思われたので、駐車場の真中辺に移動する。
相変わらず霧は晴れない。8時過ぎに食事の支度をしようとしたのだが、自動車の中で炊事をしているところを誰かに見られるのもいやだと思ったので、再びもとの場所に移動する。
駐車場の中央辺りに来るかも知れない仲間の自動車を気にしながら、食事をしていたが、仲間は現れない。
食事も終わったので、またまた駐車場の中央に移動する。
9時を過ぎても現れない。こんな天気だからここには来ないのかもと思い、最近オープンされた管理棟に行ってみる。当然客は他には居ない。
中を少し見て廻って、置いてあった地図を3種類位もらって、産直の野菜類を見ていたら、店番のおばさんが、あいにくの天気ですね、とかいって話し掛けてくる。
暫くそのおばさんとお話をしていたら、工事の人らしい人が来たので、話を切り上げ、自動車に戻る。既に10時近い。
もう今日はここには来ないかもしれない。ここに決める前に漠然と行ってみようと思っていた、甲府盆地のボルダ−を見に行くことにでもするか。
こんなことだったら、そのために集めた僅かばかりの資料でも持ってくるのだったと、少し後悔はしてみたが仕方がない。
一応2箇所を考えていたのだが、一ヶ所は甲府市内を通らなければならないし、少し遠そうだから、詳細は全くわからないけれど、白州町のボルダ−でも見に行くことにしよう。
地図を広げて道とおおよその場所を確認する。といっても、川原のボルダ−と、どっかの神社近くだということくらいしか覚えていない。でも、川沿いの道を走っていれば、岩が沢山有ればわかるだろうと、霧の中を出発する。
下界に下りると、曇ってはいるが、霧は無い。途中、一応カーナビをその神社付近に設定し、走る。
国道を外れると道は細くなる。尚も進むともっと細くなり、ドン詰まりに町営の無料駐車場が現れる。
一先ずその駐車場の空いた場所を探して自動車を停め、脇の案内板で、その付近の状況を確認する。
その先には駒ケ岳の登山道と尾白渓谷の遊歩道が有るらしい。尾白渓谷の遊歩道でも歩いてみるか。
その駐車場は、7〜80台の自動車が停められる広さが有り、トイレと食堂のような店がある。7〜8割方自動車が停められており、ハイカーのような人達が沢山居る。
沢沿いの道を少し歩くと神社が現れ、尾白渓谷の川原に降りられるようになる。川原にはキャンプ場もあるようだ。
キャンプ場の入り口の向かいに4〜5mくらいの大きな岩が有り、そのスラブ面が綺麗に磨かれている。一瞬登ろうかと思ったが、丁度キャンプ場の売店らしきもののまん前だし、人が沢山通る道に面しているから、一応登るのは諦める。
神社の中や周りには適当なボルダ−が沢山ある。しかし、上に碑があったり、お地蔵さん見たいのが祭られていたり、それに何より、苔だらけだから、苔を落とすことは大いにはばかられるので、登攀の対象にはなりえない。少し残念に思いながら先に進む。
少し広い場所が現れて、そこから直ぐに川原に降りることが出来るようになっている。
川原に出てみると、人が何人か休んでいる。周りにはボルダリングが出来そうな岩は見当たらない。
釣り橋を渡って遊歩道を歩いてみる。
沢床から少し上がったところに遊歩道は作られているから、遊歩道から川原に降りるのは難しい。
少し行くと川原に降りられるところが出てきたので、川原に降りてみる。
川原からはちょっとした滝が見えるので、その滝を見に、ハイカーの人達が降りてくるようだ。既に川原には10人前後の人達が居る。
ここには少し大きめの岩がある。でも、ボルダリングが出来そうな岩は殆ど無い。
そんな中、無理やり登れそうな2m位の岩を登ってみることにする。回りにはハイカーがいっぱいいるから、なんとなく恥ずかしいが、折角来たのだからと、意を決して支度をする。
途中から斜めに浅い凹角が走った、離陸が出来ればリップが持てる、そんな岩を登ってみる。
少し足を高めに上げて、離陸をして、リップをもってみたのだが、ツルツルだから意外と持てない。少しもがいていたら、不覚にも落ちてしまい、地面に倒れてしまった。恥ずかしい。
今度は、デジカメを近くの岩の上にセットし、セルフタイマーを動かしてその岩に触る。基本的に難しくは無いから、岩の上に這い上がる。
写真を確認すると、意外とシャッターが下りるまでの時間が有ったようで、丁度マントルしている辺りの画像が映っている。
以前、北海道でセルフタイマーを使って写真を撮ったときは、殆どが離陸寸前の画像しか記録が出来なかったので、結構早くにシャッターが切れてしまうものだと思っていたのだが、意外と登っているところの画像が撮れてびっくりする。
その岩の3方の面をそれぞれ登り、一応写真も撮ってその場所は終わりにする。
沢は、その辺から山に入って行くので、その先の傾斜が段々急になるように見える。遊歩道はその先再び沢の側壁を登って行くから、沢床に降りるのも難しくなりそうに見える。多分その先では川原状のところは期待できないと思われる。
観光が目的というわけでもないからその先行ってもしょうがない、という気がして、そこから引き返してしまった。
釣り橋を渡り返し、先ほどの川原に降りて昼ご飯にする。
川原に降りるところの横に少し大きめの岩を見つけ、その岩を登ってみる。傾斜が無いからすごく易しい。でも、一応写真を撮る。
これではあまりにももったいないと思い、近くの山の中に入ってみる。
山の斜面には結構岩がある。しかし、登れそうな岩は少ない。そんな中に、高さが3mくらいの少し大きめの岩を見つける。下地も平らである。
一面は少し寝ているスラブ、その面の右側は垂直の壁になっている。その垂壁の真中辺には僅かな壁の段差による縦ホールドになりそうな岩角がリップの下辺りまで真っ直ぐ走っている。そこを使って離陸すればリップがもてそうだ。
荷物を置いて、早速その垂壁を調べてみる。岩の表面は少しざらざらしており、リップも磨かれたような感じは無さそうだ。もしかすると誰も触っては居ないのだろうか。(後日インターネットで既に登られていたことを確認した。)
カンテ状の縦ホールドを右手で持ち、そのカンテ状の下のほうにスタンスを探して離陸を試みる。
左手をどうにかしようと適当に壁面を撫でまわすが、顕著なホールドは無い。段々上の方に探って行くと、僅かなフレークが見つかる。しかし、小生の指に掛かりそうなフレークではない。しかしそれくらいしかホールドは見当たらないから、仕方なくそのフレークでバランスをとり離陸してみる。
体が上がらない。スタンスが悪いのだ。
少し勢いをつけて、地ジャン気味に出てリップを叩く。しかし、リップに手は止まらない。地ジャンはしたくないから、尚も足を探す。
右手が縦ホールドで、その真っ直ぐ下辺りのスタンスに右足を置いて、左手は殆ど効かないホールドでは、小生には、静かに離陸できるわけは無い。でもなおしつこく何回か繰り返す。
その垂壁の左のカンテを回り込んだ所は斜めのアンダーフレークが走っており、外傾はしているが、離陸用の十分なスタンスがある。そこを登ってみる。
最初は右手右足で出て失敗したので、右手左足で出たら登ることが出来た。相変わらずムーブを読む力はまだまだだであることを確認する。
またさっきの垂壁に戻ってさっきの所を続ける。
さっきと同じことを繰り返してみたが、さすがにそのムーブは諦め、その縦ホールドの右側にスメアで右足を突っ張って離陸してみる。最初は足がすっぽ抜けたが、2回目には静かに離陸が出来た。これだ。
その足で離陸し、左手でリップを伺う。最初は良いところが見つからず、保持しきれずに落ちたが、その後何回目かで、丁度右手の真上辺りまで左手を出してリップを捕らえ、何とかマントルを返す。やったー。たまにはこういうボルダリングをしなければ。昔やっていたボルダリングのスタイルを思い出す。
何しろ、最近は、アプローチが3時間だ6時間だという、辺鄙ボルダ−ばっかりやっていたから、一撃できないところは殆ど登らなかった。せいぜい2撃か3撃止まりである。多分グレードにして、せいぜい8級止まり、大半は10級だった。或いは、自分で登れそうなところを適当に磨いて、磨ききれなければ、そのまま苔苔や泥泥のまま登っていたわけだから、そんなに難しい課題はここ何ヶ月かは外では登らなかったのだ。
左の壁のスラブを触ってみる。
高さが無いから、左により過ぎると直ぐにカンテというかリップが取れてしまう。それでは面白くない。出来れば真中辺りの一番高いところを登りたい。
足を探す。まぁまぁ幾つか候補を見つける。手を探す。無い。手が無い。ホールド無しにこの壁に立ちこむにはちと傾斜がありすぎる。ホールドを探す位置が段々右に寄ってくる。ついに先に右側のカンテを登った時に使ったアンダーフレークのところまで来てしまう。これを使うしかないか。さっきのようにとてもよいスタンスを使うわけではないから。結局、そのフレークで何とか力技で上に抜ける。
都合、3箇所登った。ふと左脇を見ると、少し奥に良さそうな少し小振りの岩が見える。あれを登ってみるか。
見に行くと、思った以上に簡単そうだ。まぁいいや。デジカメをセットして、少し走り気味に岩まで行って登る。
写真を確認すると、丁度マントルをしているところである。走るまでも無かったようだ。
ここは薮蚊がいるらしく、先ほどから2箇所くらい噛まれたようだ。あまり長居はしないほうが良さそうだ。荷物を纏めて引き上げる。
帰りがてらに尾白川の下流部分を見てみようと、途中の脇道に入ってみる。
川原に出る手前の道の脇に自動車が3〜4台停まっている。何があるのだろう。川原に出てみると、堰堤の下の大きなプール状のところで子供達が泳いでおり、川原で大人たちがたむろしている。山梨の人ってどこでも遊ぶのだなぁ。
そこに掛かる細い橋を渡ってみたが、道はその先山に入って行くみたいなので途中で引き返し、橋の手前の下流側に入って行く細い道に入る。
林の中を暫く走ると一台の自動車が停まっており、おじさんが釣り竿を触っていた。
尚も先に進むと、なんだか私有地らしい平らで広いところに出た。松林の中になにやらボルダ−らしき影が見えたが、ここは私有地だから云々と書かれた看板が立っていたので、そのまま先に進む。
なかなか川原沿いに出ない。そのうち舗装路に出てしまう。地図を見ると、もう1つの駒ケ岳の登山口になっている神社が近くのようなので、一応その神社まで行くことにする。
その神社は山の中で、周りに岩のある気配は無い。そのまま神社を通り越し、別荘地みたいなところを廻って別の道を引き返してきた。
まだ2時過ぎである。なんとなく中途半端な時間だ。今夜も昨夜と同じ駐車場に戻って寝ることにするか。
駐車場に戻ると、仲間の自動車が停まっている。勿論霧はすっかり晴れている。
一応支度をしてボルダ−のあるところを歩いてみる。
土曜日だからか、駐車場には仲間のほかには自動車は殆ど停まっておらず、この辺一帯には人影は全く無い。
日が照ってはいるが、林の中の草はまだ少し濡れている。なんとなく登りたいという気が沸いてこない。少しあちこちをうろつき回ってみる。
4時過ぎまで少し歩いてから自動車に戻り、自動車の中で管理棟でもらったパンフレットを読んだりして時間をつぶす。
なんか口がさびしいから、コーヒーでも飲もうかと、湯を沸かし始めたら、仲間が戻ってきた。
自動車の外に出て仲間に挨拶をする。その仲間とは久しぶりである。
仲間がテントを張っているところで一緒にテントを張らしてもらうことにして、湯を沸かす事を中止して、仲間の後を付いて行く。
ゴミが捨てられていたりするが、結構使われている場所のようだ。奥のほうにテントを張らせてもらう。
各自で食事を済ませた後、焚き火の仲間に入れてもらって、久しぶりに色々とお話をした。