函館の大沼公園と恵山のボルダーに行ってみました
2015年 3月24日記
3月の半ば、4泊5日函館温泉旅行に行くことになった。湯川温泉での4連泊である。相棒からこの話を持ち掛けられた時、「3月の函館?最悪じゃん」、思わず叫んでしまった。3月の函館は約一か月間、融けちゃ降り融けちゃ降りのグチャグチャ道の状態が続くのである。というか、そういう認識が小生の中にはあったのである。しかし、無茶苦茶安いツアーだったのである。何しろ2泊も4泊も同料金だというのである。で、まぁ温泉にでも入りに行くかということで、行くこととなった旅行である。
折角だし、以前から大沼公園のボルダーを見に行きたいと思っていたので、雪だとは思ったが、ダメもとで大沼に行くための足を調べてみた。鉄道便がほとんどない。大沼に1時間からせいぜい2時間しか居られない。ホテルのシャトルバスがあるらしいが、運航時刻が分からない。といって、レンタカーは大袈裟だし。
函館に着いてみると、町に雪は全くない。極たまに雪かきした雪の山が僅かに残っているだけである。もしかして大沼で登れるかも。空港ロビーで大沼へのバス便を探してみたら、大沼公園へのシャトルバスの時刻表があった。これは使えそうだと、その時刻表を頂いた。
その夜宿で大沼への足を調べなおすと、空港からのシャトルバスだと3時間は大沼公園で遊べそうなことが判明した。
翌朝、大沼へのシャトルバスに乗った。中型バスだった。運転手曰く、七飯町の借り上げバスで、七飯町民が空港まで行くためのバスだということだった。で、大沼は大雪だと知らされた。2〜3日前には国道が通行止めとなったとも言われた。
確かに大沼は結構な雪だった。公園内の遊歩道等は除雪が行われており、歩くに支障はなかったが、そのトレールを外れると、そこそこの積雪なので、容易に踏み込むことはできない。でも、岩を見るだけでもと、中国人観光客で賑わう遊歩道を歩くと、確かにそれらしい岩陰は見つけることはできた。しかし、湖面の氷が解け始めているので、湖面への侵入を防ぐための縄が張られて、立ち入り禁止の札が建てられていた。雪が少し深くはあったが、その立札が無ければ見にいたのだが、周りに人も居たので、写真だけでその場を離れた。
時間が余ってしまった。といって、帰りの足の時間までもいっぱいある。別の遊歩道に行ってみた。こちらは人は殆どいなかった。
遊歩道の直ぐわきにちょっとしたまぁ登れば登れそうな岩があった。折角だし、一応目的はボルダリング、ということで、登ってみた。まぁ、10級かな。
また岩があった。こちらは先ほどよりも少し大きく、なんとなくボルダーという感じが少しはある。で、雪に分け入り登ってみた。折角だから、一応9級とするか。
折角靴にチョークを持ってはいたのだが、使うことはなかった。
駅前に戻り、バスの時間までは大分あったので、列車の時間を調べてみた。すると、バスより30分ほど早く出発するし、料金が半分だったので、列車で帰ることにした。
その夜、恵山にボルダーがあることを思い出し、ネットで調べてみた。場所が分かったので、足を調べてみた。行く先とか、経路とかがあまりはっきりしなかったので、ホテルのフロントで聞いてみた。恵山御崎行きのバスが岬まで行くと教えてくれた。
部屋に戻り、ネットで再び調べてみたら、恵山御崎とは恵山の南側で、水無温泉のボルダーエリアのある恵山岬は恵山の北側だった。恵山岬へは椴法華という場所から歩くしか無いようだった。やっぱりレンタカーしかなさそうだった。
次の日、ホテルのフロントでレンタカーを予約してもらった後、ゆっくりと市内観光に出た。そして、夕方5時から開く市内のクライミングジムに行ってみた。しかし、実は持って行ったタブレットが調子悪く、宿に置いてきてしまったので、ジムの詳しい場所が分からなくなってしまった。近くまでは行けていたので、少し若そうな人に聞いてみたら、直ぐに場所を教えてくれた。
そのジムで、恵山ボルダーの事を聞いてみたら、ネット上のトポを打ち出してくれた。
このツアーは食事付だったので、あまり遅くはなれない。ということで、5時から6時半位まで遊ばせてもらった。
函館4日目朝8時過ぎにホテルまで向かいに来てくれたレンタカー会社の自動車でレンタカー屋まで行き、9時ころに恵山目指して出発した。
途中道の駅に寄り、昆布サイダーを購入した。
恵山岬、水無温泉は直ぐに分かった。自動車を温泉の入口の前の駐車場に停め、10時過ぎに荷物を担いで温泉に向かった。
温泉といっても、無料の露天風呂である。一段高い所に脱衣場があり、波打ち際に石で囲まれた湯船がある。よく見ると、湯船は2段になっており、下の段の湯船は水没していた。後で知ったことだが、もう一段低い所にも湯船があり、潮位によって入る湯船を選べるようになっていたようだ。
寒いので、足湯として相棒と二人で30分くらいボケーと浸かっていた。結構暖かかった。ボルダーはこの温泉の直ぐ先である。
脱衣所の建物の直ぐ先に「鰊」という課題のある結構大きな岩がある。その岩には魚偏に華と書く字が彫られている。トポでは「ニシン」と言っているが、なんとなく違う気がする。ホッケかと思ったが、ホッケという字は魚偏に花だ。つまり「魚花」岩の字は華だ。つまり「魚華」。で、普通には華のほうの字は探しても見つからない。普通に使われる字ではないようなので、なんと読むのかはわからない。その辺を帰ってから少し調べてみたら、この水無温泉は旧椴法華村だ。で、「昔々、偉いお坊さんが他所にはいなかった新しいホッケという魚をこの地に呼び寄せた」だか何だかという話が温泉の説明板だか何だかに書いてあった気がする。ということなどから、この岩の字は「ホッケ」だと思うのだが。
傾斜はそんなにないし、割れ目も走っている。登れるかも、で、登ってみた。途中までは登ったのだが、その先行き詰まってしまった。高さもそこそこあるし、相棒以外誰もいないし、もちろんマットなんか敷いてもいないから、落ちるわけにはゆかない。恐る恐る、最後な見えない足を探って、クライムダウンした。トポを見たら、やっぱり6a+だった。
突初めで敗退。少し悔しかったので、一番左の一番短そうな所を登った。
エリアは、その先の雑草帯を抜けた先に続いている。下地はガラガラ。最初にトポを見た時は砂浜を思い浮かべていたが、実際は違った。マット無しは少々きつかったようだ。でも無いものはない。マット無しで登れるところを登るしかない。
トポを片手に岩を見ながら奥に進んだ。しかし、なんだかずんぐりした岩が多く、課題の確認がほとんどできない。大き目な石ころがゴロゴロする歩きにくい結構傾斜のきついゴーロ帯歩きやら大きな岩を乗り越えながらだから、なかなか進まない。風もあり、しかも冷たいから、鼻水が垂れてくる。トポの課題も6とか7ばっかりだ。4とか5のグレードの課題のある岩を探して歩くのだが、なかなか見つからない。というのも、4とか5の課題の岩は写真がないのだ。
そんな中、わずかに寝た4m位のスラブ壁の岩を見つけた。おまけに壁のど真ん中にマントルせよと言わんばかりのちょっとした出っ張りがある。これは登らなければ。
靴を履き、上着を脱いで、真ん中に取りついた。出っ張りに手が届いてしまった。マントリングではなく、単なる乗り込みだった。乗り込んで立ち上がったら上のリップが取れた。今の小生にはこんなところが妥当なところだろう。
家に帰り、トポを読み直してみたら、行く前に触ろうと思っていた、「恵山アップno.1」のようだった。5台の課題が左/中央/右と設定されていたらしい。但しいずれも限定があったようだ。時間があって遊べれば、小生には楽しい岩だったようだが、その時はそんな事を考える余裕はなかったのだ。
途中、釣り師が一人釣りをしていた。相棒が声をかけてみたが、なんの返事もなかった。相手にしてみれば、とっても変なカップルに映ったのだろう。釣り以外でこんな磯を歩くなんて、ましてやまだ冬に、そんなところだったのだろう。
途中、斜面を少し登ったところにある、大きな格好の良い岩を見に行った。6c,7a,7a+の課題がある岩だ。ここは記念写真でおしまい。
その後もトポ片手に奥に進むも、なかなかトポの岩が見つからない。で、仕方がないから、トポを仕舞い、適当な、小生にも登れそうな岩を探しながら進む。
その目で見ると、適当にいくつかの岩が目に入ってくる。そんな中、確実に登れそうなやさしいだろう岩を2つ位登ってみた。一つは大きなブロックがくっついたみたいな「風に吹かれて」という課題のある岩だ。その課題は6bらしいが、当然もっと易しい4か3位のガバガバのラインを登った。
次は2m半位の小粒な岩。低い岩なので、何とか難しく登ろうと、いろいろなスタートを探ってみたが、いずれも2手目のホールドが無かったり激悪い。折角格好良く登ろうと画策したが、結局ガバガバで登ってしまった。
少し寝た、左に細い縦クラックのある岩を見つけた。そのクラックでスタートすれば上部には適当なカチホールドがある。3m位。スタートに少し手こずったが、スタートできれば後は易しかった。後にトポを調べ、多分「k.nanashi」グレードは5だと判明。
そんなこんなで、ほぼ奥まで行ったので、そこで折り返し、帰りは少し上のほうにある草付の斜面にある踏跡とも見える所を辿ってみた。しかし、歩きやすくはなかったので、再びガレに戻ってしまった。
エリア入口の近くにあった一手もののグレード4の「ミズナシフナムシ」という課題のある岩に戻ったので、その一手ものをやってみた。スタートはほんの少し持ちにくい水平カチ。わずかに被り気味。そこからリップを取ってマントルという課題だ。
スタートの手はわかったが、足はどれだ。下をよく見ると、ちょっとした棚状になった岩が出ている。こんな足べた置きで使える足でスタートしてよいのだろうか。一応スタートのある岩と同じ岩だから、地面からのスタートと変わらない姿勢でも、岩の上のスタートだからよいはずだ。ということで、スタート。リップバチッ。そのまま足を上げて岩の上へ。お仕舞。まぁ、これが4か。
これでお仕舞にしてもよかったのだが、なんとなく後ろ髪を引かれる感じだったので、その向かいにあった岩の、SDで6aとか6bの課題をスタンドアップスタートで登ってみた。ここの下地は悪くはなかったしで、易しかった。
そろそろ1時を回ったので帰ることにした。
帰り道、斜面の上のほうに少し尖がった格好良く見える岩があったので、登って行ってみた。少し高いし、斜面も急だったので、登りはしなかった。
帰りにトイレによって見た。きれいなトイレだったのだが、水は出なかった。
ここには恵山灯台がある。で、寄ってみた。
大きな駐車場があったので、そこに入り、奥にある建物を覘きに行った。そこは「恵風」(ケープ)というホテルだった。自動車をその駐車場に置き、向かいの岬の灯台に行ってみた。曇っていたしで、遠望は利かなかった。
レンタカーの会社の人に、帰りは鹿部から大沼を回って帰る人が多いと言われ、鹿部に何かあるかと聞くと間欠泉があると言われていたので、我々も鹿部を目指し、走り出した。
結構走ったのだが、なかなか自動車が進んでいない。鹿部はまだまだ先だ。このままじゃ、函館が夜になってしまう。鹿部、大沼を諦め、途中の南茅部の道の駅で引き返すことにした。
南茅部の道の駅は、お休みだった。大体そんなものですよ。ね。
行く途中、確認してあった弁慶覆道の入口の古部のボルダーを見に行くことにした。
川汲みを過ぎ、弁慶覆道の出口横のスペースに自動車を停め、そこから2分という岩のある海岸を眺めてみた。そこは結構な崖で、浜は岩のゴツゴツした磯だった。そこを下って、ただ一つのボルダーを探すのも、かったるくなってしまったし、何しろ寒かったので、即諦めた。
そこからUターンし、川汲みから川汲峠を越えて函館に帰ることにした。
その道には途中トラピスチヌ修道院があったので、そこによって見た。駐車場は有料だった。修道院の見学は無料だったが、庭園だけで建物の中は見学できなかった。そうだったっけ。
そこからレンタル会社は直ぐだった。で、5時ころには宿に着くことができた。
この日が最終の宿泊日だったので、夕食は毛ガニだったのだ。毛ガニって、食べるのに結構時間がかかるのだ。で、少し早目に宿に帰ったわけではある。で、結局夕食に2時間くらいもかかってしまったのだった。