瓢ボルダーに行ってきました

2007年 9月30日記

 6時過ぎに、にわか茶屋道の駅を出発し、昨夜往復した道を再び瓢に向かった。昨夜は見つからなかった、受付簿のある場所が、明るいせいかはっきりと確認できたので、神社の前に自動車を停め、受付をしにいった。

 入山協力金として、300円を払うことになっていたのだが、小生は500円玉しか持ってはおらず、募金箱にもお金は無かったので、帰りに払うことにして、名前と入山時間だけを記帳した。因に、入山時間は7時だった。

 駐車場に着くと、駐車場の真中には昨夜のものだろう黒々としたタイヤ痕が丸く幾重にも残っていた。

 小屋の中には昨夜と同じテントが張ってあったが、やはり中に人がいるかどうかは分からなかった。自動車も我々の自動車だけだし、もしかしたら誰もいないのかも知れなかった。

 自動車が一台登ってきた。その自動車は一人だけだった。少し気にして見たのだが、どうやら、ボルダラーではなく、登山者のようだった。

 まず、林道沿いのボルダーを見に行った。

 林道に入ると、化石岩が目に入ってきた。10級課題があるらしいのだが、なんだかそそる課題ではなかった。

 その隣にはおおスラブがあった。高さは5mくらいらしい。ここには9級の課題がある。5mと少し高めなので、ここは是非登らなければ。でも、まず偵察が先と次の岩を見に行った。

 少し手前の踏み跡を入ると、無名岩と白い犬岩があった。高さは共に2mくらいだ。規模としては小生向きか。

 その後、かぶと岩、UFO岩と続いている。UFO岩の横の茂みの中の踏み跡を入ると、木々に覆われたカチロック、びびり岩、ペパーミントロックなどがある。総じてここは結構大きな岩が多いようだ。

 林道に戻り、先に進むと古城岩が見えてきた。その岩は、6mほどの高さがあり、9級の課題がある。これも候補の一つだ。

 びびり岩の林道の反対側にはバター岩がある。マントルとトラバースの課題がある岩だ。でも、何となくそそらなかった。

 暫く先に行くと、林道脇の茂みにオープンブックという岩が有る。茂みの中を見に行ってみたが、トポの図となんだか違う感じがした。よく見比べて見たら、もう一段下がった所を少し奥まで行かなければ、図の形には見えないようだ。その一段下がるのが結構きつそうだったので、その先はパスをした。

 目の前の壁は、そのオープンブックの左面らしく、トポの図には無い面だ。よく見たら、この面は写真で示されていた。そして、そこには「すずめばち」という二段の課題が書書き込まれていた。フレークの下部がアンダーホールドになっているので、そこから出るのだろうか。下地も悪かったので、スタートホールドらしきものを触るだけにとどめた。

 この林道の一番奥に位置するみにくじら岩に行って見た。高さは2.5m。まずはこの岩から始めることにした。

 5級の課題があったので、触ってみた。僅かに寝た壁のカチ課題だったので、それほど難しくは感じなかった。

 次は、その右の6級の課題を触ってみた。トポによるとSDらしい。それらしいホールドを触ってみたのだが、少し位置が低い感じだったし、小生には持てなかった。従って登ることはしなかった。

 続いて、古城岩に行って見たのだが、林道からの入り口に伐採された木が置かれていた。他にその岩に近づく踏み後は無い。あたかも入り口を塞ぐように置かれていたし、岩も少し脆そうにも見えたので、その岩は諦め、林道を少し登り返した。

 林道から踏み跡を下に降りて、林道から少し離れた茂みの中の木の下ロックに行って見た。2mの小さな岩だ。

 ここの5級の課題もSD課題だ。しかし、SDスタートは出来なかった。仕方がないから、立ったままでスタートした。

 ここの課題にはSDスタートの課題が多い。しかし、結構離陸しにくい課題が多いようだ。ホールドは分かるのだが、足が分からないのだ。それに、なんだか狭いから、ホールドも持ちにくく、離陸が出来ないのだ。

 茂みの中の中は蚊が多かった。岩もまだ湿気ているようだった。下草はまだ濡れていた。朝が早いと、暑くはないが、その他のコンディションは良くはなかった。何事も一長一短ということだ。

 そのまま下にくだり、林道脇のおおスラブに行った。

 この少し高めのスラブ面には3本の課題が設定されている。左から6級、4級、9級だ。普通なら9級なのだが、今回は少し冒険して、左の6級辺りのラインを登って見た。

 ここも下地の草は濡れていたので、足吹きマットの上で慎重に靴を履き、そのままちょっと変な態勢で離陸せざるを得なかったが、離陸事態は難しくはなかった。

 下部は傾斜もなかったから難しくはなかったが、途中からはホールドが乏しくなってきた。高さも増して来たから、ラインを探り、少し左上に、何とか頑張って抜けていった。5mのスラブだったし、ソールも少し濡れ気味だったので、少し怖かった。

 裏に回って、薮を漕ぎながら降りてきたら、ボルダラーが一人林道を上がってきた。先に一人ボルダラーが上がってゆき、相棒に声をかけてくれたらしいのだが、そのボルダラーのお仲間なのだろうか。その人に、ここはよく来るのかと聞いて見たら、初めてとのことだった。

 続いて、林道と車道の間の見晴らし岩に車道側から行って見た。ここには4級の課題が3本ほどある。そのうちの「はじめの一歩」という課題を触ってみた。しかし、ここも離陸が出来なかった。仕方がないから、その課題の左のトポには無い場所を登ってしまった。

 その岩の手前には砦岩という岩があり、その 岩には真中を真っ直ぐに走るクラックを登る「バナ」という1級の課題がある。すごく綺麗に見えたので、触ってみたが、ホールドが細かく、やはり離陸が出来なかった。

 ここで一旦自動車に戻り、下の車道が大きくU字にカーブするところにある駐車場に自動車を移動した。

 そこからは、片知川沿いのボルダーに行って見た。車道のすぐ下を通る遊歩道の下に散らばるボルダー群だ。

 その前に、駐車場の前の車道脇にある突ガバ岩に寄って見た。林の中の少し小さめの岩だ。

 今までの林の中の岩では蚊に刺されることが多く、余り林の中には入りたくなかったのだが、ここは、木漏れ日も結構有って、蚊は殆どいなかった。あるいは、そろそろ暑くなって来たからなのかも知れなかったが。

 まず6級の課題を触ってみた。腰辺りから下が被っており、そのうえはおもしろい三角形をした岩で、右側の腰のカンテ状のところからSDスタートする課題だ。

 トポのSマークはスタートホールドを示すらしいのだが、この課題も、そのホールドでは、相変わらずスタートが出来なかった。6級でスタートホールドでスタートできない? 仕方がないから、 立ち上がって、持てるホールドで離陸し、上に抜けた。

 その横の、おけいこ岩は垂壁のカチ課題なので小生の好きな岩だ。まず6級の課題を触ってみた。

 離陸し、リップを叩いたのだが、手が留まらなかった。疲れたのだろうか。いや、多分ここも岩がすごく湿気ていたからだろう。と言うことにして、気を取り直し、再度落ち着いてやってみたら、登ることが出来た。続いて、その右の5級のカチとポケットでスタートする5級の課題を触ってみた。

 カチは分かったが、ポケットが分からなかった。色々撫で回して見たら、少し高い目の所に指の入らない僅かなポケットが見つかった。多分それだろうと、そのホールドでスタートして見た。足は右下のカチスタンスだ。

 リップが止まらない。2回か3回やってみたが、なかなか留まってくれなかった。そのリップのホールドを調べると、リップのエッジが少し留まることがわかった。それまでは少し奥に手を出していたので、滑ってしまっていたようだ。

 このスタート、実は結構力が要るのだ。段々パワーが吸われてゆくのが体感された。

 でも、しつこく何回かやっていたら、リップに留まるようになった。そして、そのリップに両手マッチも出来るようになった。しかし、顕著な足が無く、リップ奥にもホールドが見当たらなかったので、登ることは出来なかった。

 次は片知川沿いのエリアだ。しかし、遊歩道からの踏み跡が分かり辛く、なかなかボルダーが見つからない。何箇所かそれらしく見える所を入ってみたが、踏まれた様子は殆ど無く、なかなか踏み跡が見つからなかった。遊歩道を車道から降りてきた所まで戻り、再度丹念に踏み跡を探しながら歩いて見たら、僅かな踏み跡らしいものが見つかったので、入って行ってみたら、踏み跡がはっきりしてきた。尚も進むと、少し斜面を下り、まめ岩らしい岩が表れた。しかし、その手前にあるはずの、通り雨の岩は見つからなかった。

 更に進むと三角岩が表れた。ここには6級の課題がある。ここも触ってみることにしよう。

 更に奥に進んだら、すべすべした感じの面白そうな岩が現れた。しかし、その岩はトポには無いようだった。

 荷物を降ろし、そのすべすべした岩を触ってみることにした。

 用意をし、取り付いた所で、相棒がデジカメがおかしいと言い出した。行って見ると、画面にエラーコードが表示されていた。訳が分からなかったので、一応電源を切って見たのだが、レンズが出っ放しで引っ込んでくれなかった。その後、電源を入れたり切ったりしてみたが、相変わらずレンズは動かなかった。というか、モーター音がしないのだ。レンズをいじってみたのだが、症状は変わらなかった。

 実は、このデジカメ、余り気に入ってはいなかったのだ。出来れば取り替えたいと思っていた所なのだ。とはいっても、まだ3年かそこらしか使っていないはずだから、もったいないと思ってずっと使っていたのだ。でも、壊れて見ると、まだ保つはずなのにと、思ってしまった。それに、まだエリアを回り終わっていなかったし。

 写真は諦め、その岩を触っていたら、相棒が、携帯を持っていたといって、携帯で写真を撮ってくれた。

 丁度目の高さ辺りのガバチックなカチで離陸し、上のホールドを窺うが、適当なホールドが見当たらない。

 上に回って、ホールドを探って見たら、リップは絶望的なことが判明した。仕方がないから、スタートホールドで、その右横辺りのリップにヒールをかけてマントルしようとしてみたのだが、ホールドがそれほど良くは無いし、足も上がらなかったので、それも出来なかった。つまり、諦めるしかなかった。

 少し戻って、先に見た三角岩の6級の課題を触ってみた。

 この課題は、クラックの淵のスタートホールドで左のカンテのリップを取るらしいのだが、それが出来なかった。仕方がないから、カンテのホールドでスタートし、カンテを回り込んで側壁を登っていった。しかし、この課題は殆ど触られてはいないのか、上部の壁は苔だらけで、大分に怖かった。

 この岩の右に寄りかかる岩に5級の課題が設定されている。触ってみたが、出来る気がしなかった。でも、一応上に回ってリップ辺りを探ったら、ホールドらしきところは全く見当たらず、ありえない課題に思えたので、この課題も諦めた。

 その岩の横のちょっときつ目の斜面を登ってゆくと、シャーロック岩があった。そこには登れそうなところは無かったので、その裏の7級の課題のある、ぺけスラブに行って見た。

 確かに、ガバガバに見える場所はあったが、その面全てが苔だらけだった。普通ならありえないのだろうが、ドロダリングの血が騒ぎ出し、登って見る事にした。高さは3m。低くは無い。といって高いわけでもない。

 ほんの少し左に傾いて上に伸びる結構厚いフレークをリップを利用し登リはじめた。確かにガバと言えばガバなのだが、スタンスが苔だらけで信用できない。慎重に足を選び、手を確かめて登って行った。最後は、高さも出てきていたし、フレークも途切れてガバホールドがなくなったので、より慎重に手を選び、足を選んで上に抜けた。

 遊歩道に戻ると、二人組のボルダラーがやってきた。挨拶をし、少しお話をしてみたら、名古屋の方で、その奥の現在開拓中のエリアに行くとのことだった。

 最初は、我々がボルダラーには見え無かったらしく、話が少し噛み合わなかったが、段々我々がボルダラーと分かり、話がかみ合うようになってきた。

 確かに、一般の遊歩道上で、パッドも持たず、どう見ても若くは見えない夫婦が話しかけてきても、俄かに我々がボルダラーと理解するのは、相当に難しいことなのかも知れない。そういえば、先に話しかけた若者も素っ気が無かった気がする。

 色々とこのエリアの5〜6級クラスの課題のお勧めを教えていただいた。そんな中、ここのトポは名古屋のジムで購入したと話したら、どこから来たのかと聞いてきた。千葉からだと答えると、「そうですよね、車は千葉ナンバーですよね」と、再び納得していただいた。確かに千葉人が名古屋のジムでここのトポを手に入れるというのも、理解は難しいのかも知れない。

 その方達が巻の大きな蚊取り線香の缶を下げていたので、農協で買ったのか聞いて見たら、普通の薬局で買ったとのことだった。農協でなどで、家畜用の巻の大きな蚊取り線香が売られていることは知っていたのだが、人間用でも巻の大きな長持ちのする蚊取り線香を売っているらしいのだ。今度見つけたら買っておくことにしよう。それにしても缶は相当に大きかったから、多分だいぶん高いのかも知れないが。

 駐車場に戻ると、先程の方たちのだろう自動車が停まっていた。ナンバーは名古屋方面のナンバーではなかったのだが。

 また、もう少し下の駐車場に移動した。そこから、枝沢沿いのボルダーを探して見た。

 まず、車道の上のほうの忍者岩に行って見た。結構面白い面に、「広き門」という6級の課題があったので、登って見た。

 最初に外傾したちょっとしたテラスに攀じ登り、そこから水平に走るシンクラック等を使い、左側の傾斜の緩い面に攀じ登るとあとはちょっとしたスラブで上に抜けると言う、結構面白い課題である。久しぶりに楽しかった。

 実はこの課題、後で知ったのだが、「狭き門」と非常に形状が似ていたようだ。「狭き門」は難しかったから、あまり見なかった課題だったので、その時は気が付かなかったのだが。

 車道に出る手前で、枝沢に降りられる場所があったので、一応そこで手を洗ってしまった。

 車道の下にあるという4つほどのボルダーを探しに行って見たのだが、踏み後も分からず、結局見つける事が出来なかった。

 一応、その辺が、一番最初に発表されたトポの一番下に当たる。一番上から降りてきたから、一応ここでエリアは終わりだ。朝ここの入山簿に記した入山時間は7時だったから、7時過ぎにはボルダリングをはじめたことになる。時計を見ると、1時過ぎだったから、6時間近くも行動していたことになる。もう大分疲れたし、昼過ぎには帰らなければその日のうちに家に帰れないし、それより何より手もきれいに洗ってしまったしということで、帰ることにした。

 帰りも受付に寄り、下山時間を記帳すると共に、入山時には空だった箱に百円玉が幾つも入れられていたので、500円でお釣りをもらい、無事を協力金も納めて下山した。

 来る時に確認していた、道路脇の湧き水で、空になったポリタンを満たし、再度昨夜からお世話になった道の駅に行った。

 1時を少し回った頃だったが、30食限定のランチ定食がまだ残っていたようなので、相棒と二人でその定食を頼んだ。

 その定食にはコーヒーが付いていたのだが、食事と一緒にもってきたものだから食事を終えてからコーヒーを飲んだら大分ぬるくなってしまっていた。でも、コーヒーは久しぶりだったので、おいしく頂いた。

 帰り道をカーナビにセットすると、多治見から塩尻方面を指している。テッキリ東海道を走るものと思っていたのだが、中央道方面を走った方がいくらか近いらしい。そのまま木曽路から甲府を目指すことにした。

 途中、関だったか辺りから瑞浪にショートカットする道は、結構狭い、旧中山道だった。いまは東海自然遊歩道をだかなんだかに指定されている道らしい。自動車にも、人にもほとんど出会わない、ものすごく静かな道だった。

 瑞浪からは国道19号を、トラックに挟まれながら、南木曽まで走った。南木曽では、以前2回か3回ほど寄ったことのあるきりら坂下道の駅に寄って見た。ここには確かスーパーがあったはずなのだ。

 寄って見たら、やっぱりスーパーはあった。中を覗くと、やはりお弁当が少し安くなっていた。で、その夜もお弁当となった。

 そこからは既に暗くなった国道をトラックに挟まれながら塩尻まで走り、その後はトラック群から離れ、甲府に向かった。

 この国道20号は、先の19号に比べると自動車は極端に少なくなった。そんな道をえらい勢いで飛ばすトラックについて甲府まで行った。

 甲府昭和からは早朝深夜割引が効く。時間は既に10時を回っていた。しかし、ガソリンが乏しくなっていたので、カードの使えるセルフのスタンドを探して走っていたら、甲府昭和を過ぎてしまった。仕方なくなおも国道を走って行ったら、甲府の外れ辺りでやっとカードの使えるセルフのスタンドが出てきた。

 その後は一宮御坂で高速に乗り、いつものコースで家に着いた。既に1時を回っていた。

 やっぱり次の日になってしまっていたのだった。


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作成年月日 平成19年 9月30日
作 成 者 本庄 章