藤枝市のボルダーに行ってみました

2011年 2月22日記

 暮れの飛び石連休の間の日を使って、相棒と2人で藤枝市のビク石という所と不動峡という所にあるだろうボルダーに行ってきた。外岩に行くのは略2年振りである。

 小生も相棒も、未だ高速の土日祝日割引を利用したことがない。それにここの所殆ど外に行かないものだから、相棒が、祝日の夜発で、土日祝日割引を利用しに行こうと言い出した。で、土日祝日割引をインターネットで調べてみると、大都市近郊区間との関係とか、首都高を間に挟む場合など、複雑な条件の説明ばかりで、肝心の普通の割引の条件がもう一つ分かりづらい。要は、祝日の夜に高速に入り、平日の朝に高速を降りても割引になるかが明記されていないのだ。というか、小生にもはっきりとわかるような説明が見当たらないのだ。で、その検証も兼ねて、以前から気になっていた、某ホールドメーカーのPR誌に紹介されていた静岡のビク石という所のボルダーに行くことにした。

 木曜日の夜10時頃に家を出た。途中道は空いていたから、11時過ぎには東名に乗ることが出来た。

 蛯名のサービスエリアに寄り、土日祝日割引のパンフレットを確認すると、平日に高速に入ろうと、又高速を降りようと、休日に高速道路上に居れば大都市圏以外の高速の料金に土日祝日割引が適用されることが分かった。もし、割引が適用されない場合は何時もの様に裾野で高速を降り、一般道を走るつもりだったのだが、祝日である木曜日中に高速に乗ることが出来たので、無事割引が適用される事となり、目的地の直近の焼津まで高速を使うこととなった。

 とはいっても、そのまま先に進むと、あまりにも早くに目的地に着いてしまう。富士川のサービスエリアで仮眠することにした。

 富士川のサービスエリアにハンバーガー屋が入っていたはずだから、そこでコーヒーでも飲もーかと言っていたのだが、どうやらハンバーガー屋は上り線の方の様で、下り線には見当たらなかった。仕方がないから、無料のお茶を呼ばれて、久し振りの寝袋等の用意をし、就寝した。

 朝、6時頃に目が覚めたが、相棒はまだ寝ていたので、小生も二度寝をした。

 8時前に再び起き出し、なんだかだで結局9時頃に出発した。

 焼津インターから藤枝バイパスを通り、一ノ瀬方面に進み、市民の森を目指した。ボルダーは市民の森からは殆ど歩かずに行けるらしいのだ。

 途中、要所要所に道案内があったので、ほとんど迷うことはなかった。道は一部広いところもあるが、殆どは狭い目の道である。一ノ瀬からは山道になるので、すれ違いの困難な道である。幸い平日の午前中ということもあるのか、すれ違う自動車も無く、無事、市民の森の駐車場に到着した。

 途中、僅かに雨が落ちたりしていたが、やっぱりこの辺には雨が降ったらしく、道路は濡れていた。僅かな水たまりもできていた。もしかするとと思いながら、一応支度をし、出発した。

 そこにはビオトープとか自然観察舎等もあるとのことなので、時間つぶしも含めて、見学に行ってみた。まだ新しそうな結構立派な自然観察舎と、人工の池や遊歩道らしきものが整備されているようだったが、特に面白そうにも見えなかったし風が寒くもあったので、、自然観察舎に入ってみただけで、駐車場に戻った。

 目的のビク石はそこから2km程あるようだったので、舗装された道を歩き始めたのだが、どう見ても自動車が走れそうだったし、どこにも自動車進入禁止の文字も無かったので、途中から駐車場まで戻り、自動車で先に進んだ。

 尾根筋の道をしばらく走ると、少し広めの場所に出て道が終わっていたので、そこに自動車を停めた。因みに時間は10時ちょっと過ぎであった。

 そこは市民の森の一部で、そこからビク石は直ぐだった。

 尾根筋に付けられた遊歩道を登って行くと、立札の立てられた石が現れた。しかし、高さが無かったり、傾斜が無かったり、反対に高すぎたりと、密度は結構高いのだが、なかなか登りたい石は現れなかった。

 しばらく進むと、先のパンフレットにも載っていた三角の石が現れた。パンフレットの写真は、少し被ったその三角の面の一辺のカンテを使って登っているように見えたので、真似をしようとカンテを触って見た。しかし、小生にはとても持てるカンテではなかった。また、その少し被った三角の面には手掛かりとなりそうなホールドは殆ど見つからなかった。スタンスとして使えそうなところも見つからなかった。仕方がないから、尚も奥に石を探してみたのだが、その先は石の影が殆ど無くなってしまった。

 三角の岩の前に戻り、その岩に取りついている写真を撮ることにした。

 写真に有った左側のカンテのトラバースが儘ならなかったので、右側のカンテを使い、いきなり頂上付近の両カンテを両手で挟んで石に取りついてみた。一応張り付きは出来たが、そこから天辺に登ってみてもおもしろくなさそうだったので、写真を撮ってもらうだけにとどめた。

 ここの石は、小さな葉っぱの蔦様の植物が張り付いているものが多く、また、礫岩というか、砂岩の中に礫が混じっているというか、全体に脆そうな感じである。

 頂上の看板のある場所の近くに、2mちょっとの適当な四角い石を見つけ、適当に登ってみた。難しくは無かった。例によって10級マイナスだろう。

 まぁ、一応石を登るという目的は果たした。とはいっても、寒いことは寒いのだが、あまりにも物足りない。少し歩きまわって石を探してみた。

 残念ながら、適当な高さで被った面を持った石は殆ど無い。そんな中、ちょっとしたスラブ面を持った石を見つけた。

 この石、適当にホールドがあったし、蔦や苔も少なかったので、最後は木の茂みに頭を突っ込むような感じにはなるが、それ程苦労すること無く登ることが出来た。やっぱり10級?

 次に見つけた石もスラブだ。しかし、こちらは幾らか傾斜が立っている。苔も幾らか着いている。下地は岩盤だ。

 斜めカチの左手は有るが右手が無い。探してみたが、顕著なものはやっぱりない。適当なちょっとした石のデコボコを探り出して、左下の斜めの面を持ったカチスタンスでスタートしてみた。スタートは出来たが、右足が見つからなかった。

 降りて、右足を探してみた。苔の中にちょっとした出っ張りを見つけ、チョークを付けた。再び右手を探しながらスタートし、その足でリップを探ってみた。中々持てそうな場所は見つからなかった。

 もうひとつ足が欲しい。探してみたら、何とか使えそうな場所が見つかった。というか、無理やり苔の中に見つけ出した。そして、そこにチョークを着けた。といって、苔を剥がした訳ではない。もしかすると、その場所の苔が剥がれたかもしれないが、足を置いた場所の苔を踏んだだけで済んだだろうと思う。多分。

 その足を使い、一歩上がって、リップ直下のホールドを使うことが出来た。続いて、そのホールドで足を2歩ほど上げた。そして、その足に乗り込もうとリップ直下のホールドを引きつけたら、なんとそのホールドが剥がれ、落ちてしまった。

 下は石だったし、クラッシュパッドも持ってきてはいなかったのだが、幸いそれ程高くは無かったので、大事には至らなかった。良かったー。

 気を取り直し、また、そのホールドが剥がれたことによって新たに出来た、多分より安定しただろうホールドを使って、再度登りなおし、リップ上を探ったが、石の上には苔が生えており、ホールドが見つからなかったので、その先は諦めた。石の上を掃除すればホールドが見つかる、或は、大々的に掃除をすればマントルが返せたかもわからないが、それもしたくなかったので、その課題はそれで諦めた。

 日が陰った。寒い。相棒が、雪だといった。ほんの一瞬だったがその時、確かに細かい雪が舞っていた。

 ここの場所の名前の由来となったビク石をまだ見ていなかったので、その石を見に行った。その石は、そこから少し斜面を下ったところに有った。

 ビク石は、結構大きな背の高い石だった。

 そこから多分下の道まで降りるだろう道が付いていたので、その道を降りてみた。

 車道に出る直前辺りに車道に添って踏み跡が伸びていた。その踏み跡に入ってみると、その脇に少し大きめの石が現れた。高さは4m位だと思う。何となく登ってみたくなったので、降り口を探してみた。この石、一つだけチョコンと聳えている独立峰的な石だから簡単な降り口は無い。裏側の面が少し傾斜が緩く降りられそうに見えたので、そこに登ってみた。多分降りられるだろうとの感触を得たので、正面に戻って、右のカンテから登り始めた。まず、ちょっとした斜めのバンドを使って登り、天辺直下のポケットを使いトップアウトが出来た。

 石の上は蔦の絡まったナイフリッジ状になっていたので、そこに跨り、蔦をかわしながら、ズルズルとずりながら降り口まで移動し、危なっかしいバランスで身体の方向を反転し、天辺から降りることが出来た。

 まだ1時前だったが、帰ることにした。

 まだ時間は早い。参考にした文章の著者たちもその後不動峡という所に寄っているので、小生達もそこに寄ることにした。

 不動峡は帰り道の途中から分岐し、ちょっと行ったところにある。行ってみると、指導標あったので、迷うことは無かった。

 相変わらず細い道を進むと、渓谷沿いの道になってきた。渓谷内を見ながら進むが、渓谷の様子はあまりはっきりは見えなかった。

 渓谷を抜けると、左側に駐車場が現れたので、その駐車場に自動車を停めた。時間は1時をちょっと回っていた。

 その駐車場の先に水車が見えたので、行ってみると、みやげ物屋みたいな建物と、その奥には公園様の場所があったので、橋を渡ってその公園様の場所まで行ってみた。渓谷沿いに遊歩道でもあるかと思ったのだが、そのような道は見つからなかった。

 駐車場の脇にも東屋が見えたので行ってみたのだが、単なる小公園の様で、東屋以外には何もなかった。

 駐車場の少し下流に不動尊らしい小さなお社があったので、行ってみると、その社の対岸に磨崖仏が掘られているとあった。渓谷には石もあったが、なんだか大きな石だったので、そのまま下流に向って歩いて行った。

 所々に退避所のある細い車道を渓谷沿いに下り、渓谷の入り口まで行ってみたのだが、登れそうな石は一つを除き見つからなかった。仕方がないから、その何とか登れそうな石の所まで戻り、小生だけ河原まで側壁を下ってみた。上から見たときにはそこそこの高さが有ると見えた石も、近づいてみると、それ程大きな石ではなかった。上から見たときには道路側の被った面が格好良く見えたのだが、実際に触ってみると、小生に登れる物では無いことも判明した。

 しかし、折角降りてみたので、2ヶ所ほど触ってみた。

 高さが2mもない石の角ばったカンテを触ってみた。当然SDということになるのだろうが、適当なスタートホールドが見つからなかったので、何とも中途半端なものとはなってしまったのだが。

 次は被った面だ。こちらは下地が窪んでいたから少しは高くはなっているのだが、下地が悪く、思い切ったムーブは出来ない。リップのマントルを試みたのだが、リップ上に小生にとってのホールドとなる場所が無く、マントルに至らなかった。

 不動尊まで戻り、河原に降りてみた。ここには結構大きめの石があったが、結局はスラブ面を登ることとなった。

 ここの石はビク石に比べればしっかりしている石だ。少し安心して登ることが出来る。

 先ずは、2m50位の石。ホールドスタンスは有る真ん中辺を登ってみた。ホールドスタンスがあるから、難しくはなかった。続いてその面の左側のカンテ添いの少しだけ高いところ。結局同じスタンスを使ってしまった。

 次は、その奥の石。少しだけ傾斜が立っているから難しそうに見えたのだが、一歩出ると、その先は意外とスタンスがあり、簡単に登れてしまった。

 渡渉して対岸に渡ると磨崖仏が掘られた壁で、もしかすると登れそうな石が有ったのかもわからないが、渡渉するのが嫌だったので、それで終わりとした。

 自動車に戻ると3時頃だった。ビク石に行く途中に瀬戸谷温泉ゆらくという日帰り温泉があったので、ビク石方向にちょっと戻ることになるが、そこに行くことにした。

 先ずサウナに入り、その後露天風呂と、結局1時間半程も風呂で遊んでしまったので、少しのぼせてしまった。

 このゆらくで夕食にしようかと思ったがまだ時間も早かったので、5時頃帰路についた。

 藤枝でガソリンを補給し、国道1号で焼津に向った。途中食事処を探したが意外と見つからない。結局焼津インターの近くの中華料理屋に入った。

 メニューを見ると、意外と安い。そんな中から、880円だったかの八宝菜セットを頼んだ。注文すると、ラーメンは何にするかと聞かれ、ラーメンが付くことをはじめて認識した。というのも、大根サラダに杏仁豆腐のデザートまで付いていたので、てっきり普通の定食かと思っていたのだ。ラーメンにご飯まで付くのは食べ過ぎと一瞬思ったが、たまには良いかと、台湾ラーメンを頼んでしまった。

 運ばれてきた料理を見ながら、相棒と、すごく安いとか、家の近くではこの値段ではないとかいいながら、案の定、すっかり食べ過てしまった。

 この店の店員は二人とも中国人の様だった。経営者も中国人なのだろうか。今迄結構そういう中国人が経営するだろ中華料理屋で気に入った店が多かったが、この店もその一つのようだ。

 帰りは、高速を普通に帰ると平日の普通料金が課されてしまう。しかし、少しゆっくりして12時以降に高速を降りると土曜日の土日祝日割引料金で済む。これは使わない手はない。ということで、途中再び富士川サービスエリアで仮眠をすることにした。風呂に入って夕食を食べ過ぎたので、すっかり気持ち良くなり、寝袋に入った途端直ぐに寝てしまった。

 11時頃起き出し、ハンバーグ屋を探しに行ったら、ハンバーグ屋が見当たらなかった。やっぱり富士川のサービスエリアにハンバーガー屋があると思っていたのは間違いかと思い、戻りかけたら、相棒が「あったけど、閉まっているみたい。」といった。やっぱり既に店仕舞してしまっていたようだった。

 11時過ぎに富士川SAを出発し、東京料金所通過は1時を回っていたため、土日祝日割引を受けることが出来た。

 ということで、今回は何だか少し幸せになってしまったのだった。


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作成年月日 平成23年 2月22日
作 成 者 本庄 章