長門峡のボルダーに行ってきました

   山陽道ボルダリングの旅山口編その3
2006年 1月16日記
 山口の岩場を紹介したホームページにあった長門峡に行ってみた。長門峡の遊歩道沿いのボルダーらしい。写真も殆どなく、勿論トポも無い。どんな所かは殆ど判らない。ただ、「ハング課題も多く、初心者〜上級者も楽しめる」とのコメントだけである。山口ツアーの中の白石山に続けての相棒とのボルダリング行である。

 長門峡の道の駅で8時頃から起き出し、朝食にする。ここはこの道の駅に自動車を置き、ここから歩き出すとのことである。

 道の駅で買い物をしたりして、10時頃に出発する。

 朝方、少しだけ偵察しておいた、川沿いの遊歩道らしき道を上流に向かって歩き出す。

 道の駅の脇を過ぎた頃に、このまま進んでもなかなか山の中には入らないということに気付く。間違ったのだろうか。道の駅まで引き返し、案内板を探すが、やはりそんなものは無い。ただ、長門峡の由来等を記した看板があるのみである。長門峡への矢印すらない。

 再び階段を下りて遊歩道を反対方向の少し広い場所のある下流方向に歩き出す。すると、直に道路にぶつかる。道路に上がると、橋の袂である。橋の反対側を見ると、なにやら長門峡の字が見える。雪が沢山残る橋を渡って見に行くと、長門峡への案内標だった。

 その案内に従って川沿いの道を歩くと、川魚料理屋のようなところの前を通り、急に細くなって、川側に柵のある、いかにも遊歩道然とした道になる。

 結構広い川原を見ると、確かに岩が転がっているように見える。それらの岩の近くまで歩くと、少し遊歩道から離れてはいるが、結構大きな岩であることが判る。あの辺から始まるのだろうか。しかし、川原には結構雪が残っている。岩の上にも雪が被っている。例え、あれが登られているボルダーだとしても、今は登れないだろう。

 少し歩くと、遊歩道から川原に降りる階段が別れている場所が出てくる。当然川原に降りてみる。

 川原は大きな岩盤で覆われており、その岩の上を歩く感じだが、ボルダリングが出来そうな岩は無い。はっきりとした道があリ、それを暫く歩けば再び遊歩道に上がる階段があるものと考えたのだが、実際は岩の凸凹した場所を適当に歩く感じだったから、はっきりした道は無い。どこをどう歩けば歩きやすいかも判らない。基本的には歩きにくい場所である。その先に進むことを諦め、元に引き返す。

 やはり、少し歩いた先に川原から上がってくる階段があった。しかし、引き返して正解だった気はする。

 先に進むと、川原は狭まり、側壁は立ってきて、だんだん渓谷様を呈するようになる。

 遊歩道に倒木が掛かっていたりするが、基本的にはコンクリートの遊歩道は歩きにくくは無い。尚も進むと、側壁に岩が現れ始める。その岩が遊歩道に被ってくる場所も出てくる。場所がなく、遊歩道は側壁から張り出したテラスのようになったところも出てくる。この遊歩道、結構お金を掛けているようだ。

 雪景色の渓谷の風景を楽しみながら暫く歩いてゆくと、遊歩道に被っている大きな岩の面にチョーク痕らしきものを発見する。立ち止まってよく見ると、チョークに間違いがないようだ。しかし、そこは遊歩道の鉄の柵の直ぐ横で、おまけにその壁の上は遊歩道に被っているし、どう見てもボルダーとして登るには高すぎる気がするので、トラバース課題として遊んでいたのだろう。

 どうやらその辺で遊んでいたボルダラーがいたらしいということと、その辺の沢床には立ち木も生えているということで、その岩の少し先で、川床まで下りてみることにした。というのも、HPで紹介されていた写真のボルダーは林の中の様にも見えたからである。

 川床に降りられそうな踏み跡を探したが、見つからない。そんなに踏み跡に成るほど通ってはいないかもしれないと、何とか降りられそうな場所も探したが、良さそうな場所がなかなか見つからない。小生一人なら適当な場所を降りるのだが、相棒を降ろすとなると、そんなに急な場所は降ろせない。やっと降りられそうな場所を見つけ、沢床に降りた。

 確かに岩はある。その辺の適当な岩を見て廻る。しかし、掃除されたと思しきボルダーは見当たらない。でも、いいや。

 支度をして、そんなに高くは無い、それでいて僅かに被ったガバガバの面を、一応SDで登ってみる。

 SDにすると、そこそこ登った気にはなる。先ずは一本登ったからと、次はその右の少し高くなった場所を目指して、射上して行くこれまたガバガバラインを登ってみる。

 岩はしっかりしている。岩が欠けそうな恐怖は感じない。しかし、リップは苔だ。おまけに雪で濡れている。慎重に上に抜ける。

 登っては見たが、なんだか面白くない。ガバガバだし高くないから当然ではある。

 遊歩道の側壁との間のちょっとした茂みの陰に少し高い岩を見つける。3mちょっとは有りそうである。壁は僅かに寝ている。上はボサボサだが、カンテを使えば何とかなりそうだ。

 脆そうな感じもするし、少し高い目だから、慎重にホールドを選びリップまで行く。やはり、リップからその上は苔や草に覆われている。上に生えていた潅木を慎重に掴み、そろそろと上に抜ける。まぁ、幾らか恐さがあったから、少し面白かった。

 遊歩道に戻り、先に行くと、側壁の傾斜が緩み、沢床も少し広がって、遊歩道が川床に少し降りて行く所にでてくる。

 もしかするとHPの写真の岩はこの辺の側壁の林の中なのだろうか。側壁の傾斜が緩くなった林の中を注意しながら歩いたら、なにやら岩影が見える。ガサゴソと入って行ったら、ガチャガチャで登れる岩ではなかった。

 遊歩道から川原に降りやすい場所が出てきたので、川原に降りてみる。

 遊歩道からは見えなかったのだが、結構被った岩がいっぱいある。これは楽しそうだ。

 3m位の薄被り位の岩を見つけたので触ってみる。壁にホールドは乏しいが、カンテが使えそうだ。カンテを使って2〜3手登ってみる。掃除なんかしないから、上はボサボサのままである。リップ下から降りる。

 その壁の奥を探ってみたら、アンダーで効くホールドを発見する。早速そのホールドでその被った壁にへばりついてみる。まぁ、そこからは一手も出せなかったが。

 あるある、ドッ被りもある。そんななかの一つに、被った壁の中にスタートにもってこいのガバを持った岩を見つける。140度くらいは有りそうな被りだ。

 そのスタートホールドでは小生には低すぎるから、次の少し高目のホールドで離陸し、リップを狙ってみる。下には石があるし、マットは敷いていないし、スポッターはいないしで、恐くてリップに手を飛ばせない。仕方がないから、そこも記念撮影のみに終わった。

 川筋の方に戻ると、SDで丁度リップに手が届く位の高さに岩がポコッと出っ張った岩を見つける。これをマントルしてみよう。

 座って、リップの少し下のホールドで離陸し、出っ張りの右の方の少し低い場所にヒールをかけてみたら、全く引っかかることなく、ストンと足が落ちてしまった。こりゃ駄目だ。

 少し下流に移動してみる。またまた被った岩。おまけにガバ。これならもしかして連敗を阻止できるかも。

 やっぱりマットがないと手は飛ばせなかった。

 また被った岩だ。今度は傾斜は少し緩めだ。高さもそれほどでもないし、下地も良い。登る気で取り付いたら、既にエネルギーが切れていた。あまりにも続けてどっ被りにぶら下がり過ぎたようだ。

 なにやら白いものが落ちてきた。ん? 空を見たら、雪が僅かに落ち始めた様だ。そろそろお昼だし、疲れても来ている。そろそろ潮時かもしれない。

 支度をしていたら、だんだん雪がはっきりと降り出してくる。やっぱり潮時の様だ。

 遊歩道に上がり、更にその先に向けて歩き出すと、物凄い雪になってくる。どうしようか。まだ時間はたっぷりとある。一応もみじ橋辺りまでは行きたいし。

 道が白くなってくる。やっぱり引き返した方が良いかなぁ。でも、もう少しで鈴ヶ茶屋とか言うところだから、そこに行けば東屋くらいはあるだろう。

 運動会用のテントのパイプが見えてくる。その傍には建物も見える。多分鈴ヶ茶屋だろう。急いで行って見たら、建物の一階は前面が開放されたスペースになっており、畳のござの敷かれた長いすも置かれている。丁度良かった。

 その茶屋の椅子に座り、雪の降りしきる渓谷を見ながら持参したパンで昼食にする。

 この場所の渓谷は大分に開けており、周りは明るい感じである。多分後ろの山越えの道で茶屋へは荷物を運んでくるのだろう。ここは、そんな感じの場所である。

 後ろの壁には大きな丸い掛け時計が掛かっていて、ほぼ正しい時間を刻んでいる。他にはだあれもいないから、大分にゆっくりしてしまった。

 結局その場所から引き返すことにした。

 かえる途中、再び渓谷内に入る。すると、なんだか雪が弱くなってきた様である。

 なんだかだんだん雪が弱くなってくる。折角雪の降りしきる渓谷を、渓谷の入り口の広いところで撮ろうと考えていたのに、撮れそうになくなってきた。茶屋のところで撮って置くんだったと後悔しても始まらない。

 倒木を潜ると、そろそろ長門峡遊歩道も終わりに近付いてくる。

 渓谷が広がりだす。それと共に再び雪が強くなってくる。やっぱり風の関係か何かで、渓谷の狭まったところには雪があまり落ちてこなかったのだろうか。早速、先にイメージした場所で雪の降りしきる渓谷の写真を撮る。(後日談だが、雪の降っている感じはあまり写真には現れなかった。少し残念。)

 2時前には道の駅に戻る。

 まだ早いからと、道の駅の売店に行って見たら、売店の前で、おじさんが客を相手に色々なことをしゃべりながら外郎を売っている。ちょっと立ち止まったら、これも食べろ、あれも食べろと、いろいろな種類の外郎を爪楊枝に刺して差し出してくれる。言われるままに3つか4つの外郎を食べてしまった。

 待てよ。ういろう?そう言えば、外郎の字を山口に来てから何回か見た気がする。山口って外郎が名物なのだろうか。外郎といえば名古屋というのが相場だとおもうのだが。先客が沢山外郎を買った後にそのおじさんは相棒としゃべりだしたので、そのことを聞いて見たら、味は一番名前は2番だかなんだかと言うのだと教えてくれる。そして、使っている原料が少し違うのだとも。あれもこれもと、いっぱい試食させてもらった感じでは、確かに名古屋の外郎よりも少しシコシコしている感じではある。結局相棒はお土産に幾つかの外郎を買ってしまった。まぁ、結構リーズナブルな値段ではあったのだが。

 売店に入って、二階の展示場も見たりして少し時間を潰してしまった。

 小一時間ゆっくりした後、次の目的地に出発した。雪は相変わらず降っていた。

 国道9号線を暫く走ると、雪はだんだん止んできた。9号線は新山口の辺りで国道2号線に合流する。時間も早い。明日の陶ヶ岳は判りにくいので有名らしい。今日中に登山道だけでも確認しよう。

 国道2号に合流して、少しだけ広島方面に戻ると、陶ヶ岳が見えてくる。国道2号線から右折し、潟上中学校までゆく。岩屋山へはこの中学校の裏から登ることになっているのだ。

 中学校の脇に入り込む道に入り、中学校の裏に廻ってみる。中学校を大分離れてしまっても登山道の入り口らしいところは現れない。途中で引き返して、中学校のグランドに入る何となく林道チックな道に入ってみる。すると、陶ヶ岳なんだか登山道入り口との小さな標識が建っていた。やっぱりここか。

 その先に、その道の脇が中学校のグランドに食い込むような感じで平らな広場になっているところがある。一応そこに自動車を停める。

 支度をしていたら、相棒が疲れたから一人で行けという。確かに、ここ連日歩かせたのは事実である。それも、慣れない長靴だったし。

 登山口の標識の脇には用事のある人は受付に申し出よとの看板があった。しかし、本のちょっとの時間だし、相棒も残して行くからと、そのまま偵察にでることにした。

 その林道の様な道を少し登ると、軽自動車が一台捨てられている広場が現れる。もしかすると、ここまで入れば、中学校に申し出なくともかまわないかも、一瞬そう考えたが、この林道の入り口には鎖と鍵が有ったから、もしかすると時間になると鍵をかけられるかも判らない。やっぱり明日は中学校に申し出ることにしよう。

 その林道はその広場の本のちょっと先でまた少し広くなって消えている。登山道はどっちなのだろう。広場の周りを少し探したら、広場の左奥の鯨岩との標識が立っているところに山道が入っていた。多分ここだろう。

 その山道を少し入ってみたら、大分に荒れてはいるが、確かに登山道のようだった。

 相棒をそう永くも待たせられないので、適当なところで引き返してくると、自動車を駐車した場所のグランド側でゴミを拾っている人がいる。黙って帰っては申し訳ないと、一応、黙って自動車を置かせてもらったことを誤り、また明日も置かせてもらえるかを聞いてみた。そしたら、多分大丈夫だろうとのことだったので、序に陶ヶ岳への登山道も聞いて見たら、その先の聾学校だかの脇からだと教えてくれた。そして、岩屋山は、右に回りこんだ神社からも登れるとも教えてくれた。

 聾学校を目指して細い道を進むと、犬を連れたおばさんが来たので、そのおばさんに聾学校を聞いたら、詳しく行き方を教えてくれた。

 その道で行くと、なんだか広い公園のようなところが出てきて、セミナーハウスだかと書いてある。もしかするとこの公園みたいなところから登山道があるかもしれないと考え、入ってみたら、広い駐車場があった。しかし、関係者以外は駐車禁止みたいなことが書いてある。公共の施設ではないようだ。

 戻って、聾学校の脇を入っていったら、どこかの運送屋さんのようなところにでてしまう。仕方がないから、その倉庫の脇を通らせてもらってその先の道路に出て、山に近付くだろう方向に走ったら、直に何かの施設の前で行き止まりになってしまった。Uターンして、そのまま道路の真中でどうしようか考えていたら、自動車がやってきて、怪訝そうな顔でこちらを見ている。これ幸いと、その人に陶ヶ岳の登山道を聞いて見たら、その道の少し先に駐車場があると教えてくれた。

 行って見たら、確かに十字路みたいなところの角に大きめの駐車場があり、陶ヶ岳登山者駐車場と書いてあった。これで、万が一中学校からの道に迷ったらここに来て、陶ヶ岳エリアのボルダーだけでも見つけることはできるであろう。

 戻る時に、元来た道を見失い、少し遠回りをしてしまったが、再び中学校までもどり、今度は、岩屋山の登山道を確認に行ってみた。

 川沿いの細い道を進み、すごく細い橋の袂のすごく曲がりにくい細い道に曲がって、岩屋神社らしき境内に入ってみた。そこには、登山者の駐車禁止と書かれた札が立っていた。こっちを使うことは無さそうだ。

 そこからは、今夜の宿泊場所に予定している、あいお道の駅はすぐ近くである。一応カーナビをセットし走り出す。

 あいお道の駅には少し迷ったが、何とか辿り着くことができた。でも、なんだか狭い。

 この道の駅ともう一つのキララあじす道の駅が明日の陶ヶ岳、その次の観音岳、そして帰る日の藤尾山公園への基地となる。このあいお道の駅に一泊、キララあじす道の駅にニ泊の予定だったのだが、どうしよう。キララ道の駅に行ってみるか。

 一応あいお道の駅を覗き、大福が安かったので、少し大き目の大福を5つも購入し、レストランが意外とリーズナブルな値段で食事を提供してくれていたので、少し気を引かれたが、そのままキララ道の駅に行ってみた。

 途中、周防大橋を渡ると藤尾山公園の脇を通る。気を付けて見ていたら、藤尾山公園への入り口が閉鎖されている。5時を過ぎていたからだったのだろうか。

 キララあじす道の駅に行ってみると、結構広い。やっぱりこちらにしよう。

 途中食事場所を探してみたが結局見つからなかったし、この道の駅に、南蛮料理の店が有り、そこに豪華な海鮮鍋料理があったので、ここは一番、その豪華な鍋料理でも食べようかと相棒に提案し、そのレストランに行ってみた。

 結局は、それよりは大分に安いベトナムラーメンに落ち着き、そのレストランに入っていった。

 中でメニューを見ていたら、そのラーメンには単品とナンとのセットが有ることになっている。このナンのセットってなんなのだろう。店員さんに聞いて見たら、地鶏の照り焼きとなんだかとなんだかの3種類の中から選べるという。値段もそんなに高くはならない。じゃぁセットにしよう。で、地鶏の照り焼きで頼むことにした。

 ラーメンが来ると、そのラーメンの器が小さいのである。普通に考えると半分位いの大きさである。それに引き換えナンがでかい。大きな皿に二つも乗っている。普通に見ればナンがメインで、ラーメンがスープ代わりに見える。

 やっぱりセットにして良かったかも。

 食べだしたら、両方とも意外とボリュームがある。小生にはそう多くは感じられなかったが、相棒はナンを一つ残してしまった。

 店員さんにナン用の箱を貰って、ナンをお土産にしてレジに行った。その時、あのラーメンはセットだから量が少ないのかと聞いて見たら、ベトナムから輸入する麺の単位があの量だという。店でも最初は少ないと思ったのだが、食べてみたら意外とお腹が膨らんだので、単品でもあの量で出しているとのことだった。確かに、お腹はいっぱいになていた。

 自動車に戻ったが、まだ時間は7時頃である。寝るには早い。ガソリンも半分以上はある。周りの自動車がそうしているように、エンジンをかけながらテレビでも見るか。

 あいお道の駅で買った大福を食べ、お正月の特別番組みたいなのを10時頃まで見てからエンジンを止め寝ることにした。

 結局この夜はポケコンは触らなかった。


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作成年月日 平成18年 1月16日
作 成 者 本庄 章