房総のボルダーその3

鋸山でボルダリング

2003年12月22日記
 土曜日にジムの仲間3人との4人で房総のボルダーを見に行ってきた。で、序に鋸山に寄ってボルダリングをやってきた。

 朝6時半に家の近くに寄ってくれた仲間の自動車に同乗させてもらって安房の海岸のボルダーを目指す。今回は、房総の岩場の開拓者にそれらの岩場を案内していただくツアーである。

 房総は小生のテリトリーということで、後部座席から裏道的な道をドライバーに指示しながら走る。

 館山のコンビニに寄った時、普通は置かれているごみ箱が店の前にない。仲間が聞くと、店の横に置いてあるという。今朝の強風で飛ばされてしまったので、看板と共に風を避けて店の横に置いたらしい。それ程風が強かったらしい。確かに天気予報では強風となっていた。

 最初に、開拓者以外はまだ行ったことの無い、漁港の近くの岩場に行くことにする。

 道端に自動車を停め、海岸に出る。心配していた風も思ったほどではなく、先ずは安心する。

 なんだか下地が物凄く上がってしまったらしい。2〜3mも上がってしまったものもあるらしい。まぁ、少し残念と言うことで、登ることなく引き上げる。

 しかし、寒い。耳が痛い。頭がキンキンする。南房総ってこんなに寒かったんだっけ。

 以前小生も行ったことのある場所に移動する。

 やっぱり寒い。登る気がしない。早々に引き上げる。

 次は弁天島に行くか。

 鴨川港の横の弁天島の岩場に行く。

 千倉を過ぎ、和田町に入ると、風が弱まる。和田浦まで回りこむと、風が殆ど無くなる。海も殆ど波が無い。風下に入るとこんなにも変わってしまうのか、改めて驚く。

 峰岡トンネルを抜けて直ぐに右折し、鴨川港を目指す。

 なんか道が違う。新しい道が出来たようだ。その新しい道は、その先何所に行くのだろうと何時も不思議に思っていた港の横の大きな橋に繋がっている。そして、その橋の近くに道の駅らしいものが新しく作られている。結構大きく変わってしまったようだ。それにしても、こんな場所の道の駅に誰が入ってくるのだろうかとは案内人の弁。小生も確かにそう思う。

 港を抜け、弁天島の横まで行く。

 それまでもそうだったのだが、道具は持たずに弁天島に渡り、洞窟状の場所を見学する。で、即見学だけに決める。

 その先を少しだけ偵察して、島のお宮を見に行く。そのお宮の裏の入り江に少し被った岩があるらしいので、それを確かめに行くためである。

 ここには何回か来たことがあるのだが、このお宮をはっきりと見たのは始めてである。なにしろ、高い塀で囲まれていて、扉の隙間からチラッとしか見たことが無かったのだ。しかし、今回は、その高い塀の脇を登る道で塀の上まで行き、その塀を乗り越えて中まで入ってみたのである。雨戸様の戸が閉まっていて社の中を窺い知ることはできなかったが、数メートル四方の大きな建物である。その敷地の広さも結構ある。こんなに立派なお社だとは知らなかった。

 その社の裏はブロック塀が作られており、その裏は結構高い断崖になっている。その断崖の下はちょっとした入り江になっている。今回の案内人がブロック塀を乗り越え、少し偵察に出る。やっぱり、下部の方が少しハングしているらしい。その内もしかするとその人がボルトを打ってくれるかも知れないので、期待せずに待つこととしよう。

 まだ12時頃である。今回の案内人が開拓した岩場がその弁天島から見えるのだが、最初は寄る予定であったその岩場も結局は見ることもせず鴨川のここを離れることとする。

 さぁ、何所に行こう。鴨川の町の高台にある魚見塚にでも行くか。いまさら石垣でもないしなぁ。魚見塚とはそこの石垣に何本かのプロブレムが設定されている場所のことである。やっぱりロッキーか。結局鋸山に行こうと言うことになる。

 鋸山は内房だから外房の鴨川からは安房郡を横断して行かなければならない。道を知っていると言うことで小生が運転して走り出す。

 ところが、鋸山と鹿野山を勘違いしてしまって、上総港の方に出てしまう。途中で気付いたので、上総湊から南下したのだが、少し遠回りになってしまった。

 鋸山登山道に入って、岩場近くの駐車場所に行くと、自動車が2台停まっている。何方かいらしている様だ。

 荷物を持って岩場に行く。すると、ここの開拓者の方とその連れの方が居られたので、挨拶をする。聞けば、先週に草刈をして、今週から本格的に使用を開始したらしい。ジャストタイミングであった。

 何本かのトップロープがかけられており、自由に使っても良いと言って頂いたので、案内人ともう一人がハーネスを着けて、「イマジネーション」という課題を登る。小生ともう一人はハーネスを着けることなく、その横の「トライアングル」という課題の垂壁をボルダリングする。

 この壁には開拓者の方が硬質ウレタンマットを残置してくれているので、有難くそれを使わせていただく。

 ちょとしたバンド状を両手で離陸し、右手は縦のピンチホールドで左上のポケットを取りに行く。以前できなかったそのムーブが結構すんなりとできる。続いて、足を上げたいのだが、あまり良い足が無い。スメアで上げても、その足に乗ることが出来ない。左上の遠いポケットに全く届かない。飛び降りる。そんな事をやっていたら仲間もそこに取り付きだす。

 やっぱり仲間もその先に進まない。難しいらしい。

 右手のピンチの後、右の斜めのカチ様のホールドを取りに行ってみる。届かない。右足を少し右に移して取りに行ったら届いた。しかし、悪い。外傾しているのだ。どうも使えそうにない様だ。

 仲間が、左のカンテ付近のカチを繋いで上に登る。そして、ルーフの上のガバを取る。この壁は直角に近い凹角の左壁で、その上は三角のルーフになっている。そのルーフの上に大ガバがあるのである。

 小生もそのカチを使って見る。左手で取って見る。次の手が出ない。右手で取る。左手が次のカチに出る。こっちのムーブか。しかし、そのカチから右の遠いポケットが足が決まらずに取れない。

 色々と足を探り、ムーブを探って見るが、大した進展は無い。

 その壁の右のカンテに設定されている「サウスポー」という課題をフリーソロして見る。

 この課題は以前も登ったことのある課題なのだが、今回も登って見たのである。

 以前は何回も試行錯誤しながらやっと登ったのだが、今回はそんなに苦労せずに登れた。2年前だから、やっぱり相当に進歩したようだ。リップを掴んで、マットが無いから、途中までクライムダウンし、飛び降りる。

 ハーネスをつけた仲間が、ここの開拓者の方にフラワーロックガーデンの右の壁のクラックをやりたいとお話すると、そこの支点が不安なので、開拓者の方がこれから登る所だと言われ、フラワーロックガーデンの「フラワーライン」を勧められる。

 この「フラワーライン」とはここの看板ルートというか最難の課題で、ほぼ垂直の壁にフィンガークラックが約35m続く課題である。ここの岩質は湘南鷹取と同じ砂岩なので、全てトップロープである。

 仲間が持参した2本のロープを繋いで最初にセットしてもらっているトラロープと入れ替える。テーピング用のテープでロープを繋ごうとしていると、開拓者がしっかりした別のテープでロープを繋いでくれる。

 案内人が登り始めたので、しばし見学することにする。

 結構苦労しながら、各駅停車風に結局上まで登る。途中、ビレイヤーはロープの結び目がビレイデバイスに来るので、そのまま後ろにさがらなければならない。結構面白いビレイ風景である。

 もう一人の仲間も何回かのテンションの後、上まで登る。

 開拓者に聞くと、その課題は未だ完登者は2名しかいないらしい。開拓者ともう一人なのだが、そのもう一人も知りあいだった。

 「トライアングル」の右のカンテの右の壁から、「サウスポー」のカンテを回り込み、「トライアングル」の壁を横切って、「イマジネーション」の壁まで抜けると言うトラバース課題があることを教えていただいたので、もう一人の仲間とやって見る。

 カンテの向こうのポケットからスタートするのだが、スタート直後の左手が遠くて出来ない。足を教えていただいてやって見たら出来た。仲間は大分先まで出来ていたが、「トライアングル」の壁の左隣の壁の部分が出来なかった。そこを変態チックな下からのクロスムーブを教わって突破する。その先のカンテの回りこみも難しい様だ。

 今回は半分見学のつもりでくっついてきたのだが、結局は本気で登ってしまったので、結構疲れてしまった。

 ここは冬場は4時半に道路が閉鎖されてしまうと言うので、4時頃には仕度をしてお暇する。

 料金所まで下ると、道路のゲートが閉じられている。一瞬焦ったが、管理人の小父さんが丁度ゲートを閉めたばっかりだったようで、直ぐに開けてくれる。まだ自動車がいるかと聞かれたから、我々は一番上にあるという駐車場から下ったわけではなかったので、分からないと答える。丁度、客がいないと時間前でも閉められてしまうと話しながら下ってきたものだから、本当に閉められてしまって驚いてしまった。

 帰りは、結構自動車が多そうだったので、湊から鹿野山の下を廻って久留里方面に行き、三島の手前で往きに使った408号に合流し帰ってきた。この時期の房総の海沿いの道は結構混むのである。

 最初の予定とは大分に違うボルダリング行とはなったが、日陰に入るとさすが寒かったものの、日向は思いのほか暖かであり、思いがけずクラックが登れたと言うこともあって、仲間内には大分に好評であったようだ。ハーネスを全くつけなかった小生ともう一人の仲間も、それなりに楽しめたし。

 2年振り位の鋸山ではあったが、今度はロープにハーネスとガムテープを持って、クラックの練習にでも来る事にするか。だれかビレイヤーを見つけて。


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作成年月日 平成15年12月24日
作 成 者 本庄 章