北海道ツアー第三弾 その2北海道ツアーの二日目である。昨夜一緒に泊まった相棒の友達を送り出し、一日ずっと晴れていたからもう通行止めも解除されるのではないかとの甘い期待のもと、再度昨日敗退した赤岩青巌峡を目指す。
赤岩青巌峡に行ってきました
2003年11月 7日記
夕張までは高速を使い、昨日と同じ道を進む。本日は、未だ通行止めであったとしても他の場所の案内やトポは持ってきていないから、ゲート付近に車を停め、その先を歩くつもりである。
途中、カーナビの地図を確認すると、占冠村からよりも、その手前の国道274号線から分岐する、赤トポで紹介されていたゲートの閉まった林道の方が近いことを発見する。おまけに、その林道入り口には大きな駐車場があることも確認する。
占冠村の道の駅で小用を足し、青巌峡への道に入る。ところが、昨日閉まっていたゲートはやはりしっかりと閉まっており、おまけに関係者らしい人が一人立っている。
近づくと、一般車は通行止めだと言う。歩いても駄目らしい。他に入る方法は無いか聞くと、無いという。やっぱり先に確認した274号線からの林道を歩くしかないか。
ゲートの閉まった林道入り口の駐車場は国道の脇に有って、数十台の駐車スペースがある。近くで行われているらしい工事の車両らしい車両が何台か停まっている。
支度を整え、一応途中からしかないのだが、ネットから落としてきた2万5千分の一の地図のコピーを持参して、ゲート脇の隙間から林道に入る。この林道は十分に乗用車なら擦違えるほどの幅があり、普段自動車が通らないから、路面も非常に綺麗である。
林道の表面にうっすらと乗った砂の上には、はっきりと自動車のタイヤの跡と、自転車のタイヤの跡と、靴跡が残っている。極最近誰かが通った様だ。
歩き始めて直ぐに道の1/3位が崩れた場所が現れる。しかし、道幅が広いから、自動車のタイヤの跡はその先に進んでいる。
3箇所位崩れたり陥没したりした場所が現れるが、いずれも自動車の通行には支障はないようだ。
少し大きな沢の出会いが大きく崩れていたが、応急処置が施されており、自動車のタイヤ跡はまだ先に進んでいる。
道幅一杯に長さが2〜30m位の水溜りが現れる。結構深そうである。幸い道の両側に土手の様な物が築かれており、その上が細くなってはいるが歩けそうだったので、左側の土手の上を歩く。
土手も切れ、道に下りなければならない所まで来たのだが、水溜りはまだ5m位い続いている。幸い水溜りの深さも浅くなっていたようなので、意を決して、浅そうな所を選んで、靴を濡らして水溜りの中を進む。
途中、林道の上に大きな熊の糞を発見する。今までに見たことのない大きさである。一瞬怯んだが、熊が出るという情報も無かったので、一応相棒にも知らせ、ドキドキでは有ったが先に進む。
再び小さなゲートが現れ、その脇にテントを発見する。テントの脇には自転車も置いてある。あの自転車のタイヤの跡はあの人だったのだろうか。
ゲートの直ぐ脇がもうぶったまげ岩だ。早速トポを取り出し、色々調べはじめる。
最初はぶったまげ岩のぶったまげルーフである。ここはルートの岩の下部の一部だし、皆難しい課題ばっかりだから見学するだけである。相棒を見ると、また石を拾っているようだ。一応ルーフの写真を撮る。
ここがぶったまげ岩なら恐竜の卵はあの辺だろうか。
落ち葉に埋もれてしまった踏み跡らしきものを探しつつ、それらしい所を歩く。しかし、ここも下地が湿っており、踏み跡も判然としない。おまけに、斜面だから歩きにくい。
なんとかそれらしい石を発見する。しかし、石は濡れているし、ランジの課題だけなので、やはり写真を撮るだけにする。
林道の少し先にクライマーらしき人が一人見える。近づいてどうやって来たのか聞いてみると、我々と同じ林道を歩いてきたという。金曜日も通行止めだったとか。テントの人の仲間らしい。
順番からすると、次はファッションヘルス向かいの岩である。そのためにはファッションへルスの岩を探さなければならない。赤トポの地図もコピーしてきたのでそれも参照しながら、酋長岩らしい岩の脇を入る。
酋長岩の横を登ればヘルス岩のはずなのだが、はっきりした踏み跡が見つからない。岩の基部を真っ直ぐ登ったり、少し右のほうに行ってみたり、右往左往してみたが、それらしい岩が見当たらない。別の地図には岩場を大きく廻っている遊歩道を登ってから降りてくる道が記されている。遊歩道のほうが分かりやすいだろうと、遊歩道を登ることにする。
ぶったまげ岩の左端に壊れかけの階段があったので、それを登ってみる。しかし、途中で踏み跡はなくなってしまう。仕方が無いから、遊歩道方面らしい方向に少し藪を漕ぐと幅1mくらいのしっかりした遊歩道が現れる。こんな立派な遊歩道だったのなら少し戻っても最初からこの道を登ればよかったのだ。助平根性を出して、不確かな地図を頼りに近道をしてしまったのがいけなかったようだ。
案内図では岩落し岩の下を入る道が書いてあるので、それらしいところを入るが、踏み跡が無くなり、傾斜もきつくなってしまう。戻って、次のローソク岩の横の案内図の2本線の道らしい所を入るが、その先は展望台になっていて、その手前から降りるように案内図に書かれている踏み跡は傾斜がきつ過ぎて降りることが出来ない。
諦めて、遊歩道を先に進み、クラーケンボルダーを先に探すことにする。
遊歩道は途中岩があまり無い所を通って、下りになる。少し下ると傾斜がきつくなり、ロープが張られた所が現れる。その辺から岩が再び現れだすので、それらしい岩を探してみる。
クラーケンボルダーは4m位いらしいのだが、またしてもそれらしい岩は見当たらない。そうこうする内に林道に出てしまう。仕方が無いから、林道に出てゲートボルダーを探す。
ゲートボルダーはゲートの脇だから直ぐに見つかった。
少し藪を漕いで行って見ると、濡れている。下地には水も流れている。
あまり何もしないで歩いてばかりでも何だからと、一応荷物を置き、6c+や7aだから小生に出来るわけは無いのだが、支度をして、取り付くだけ取り付いてみる。勿論、今度は相棒に写真を撮ってもらう。
林道を少し戻って、みみず岩を探す。この岩は、林道脇のわれた岩から少し入った所らしいので、先ずわれた岩を探す。
トポには、二つに割れたような絵が書いてあるから、そんな格好の岩を探すが、見当たらない。少し大きな岩に斜めにクラックが入った岩があったので、それかと思い、少し急な場所を入ってみるが、3.5mの岩は見つからない。
林道を少し先に行くと、割れて崩れた感じの岩が有ったのでその脇を入ってみたが結果は同じ。
林道をまた少し行くと記念碑見たいな碑が建てられている。しかし、そんなものはトポの案内図には書かれてはいない。
トポによると、割れた岩は駐車場所から70m手前と書かれているので、林道脇の駐車スペースから歩測で100歩程戻って見たが、最初に入った岩付近で間違いはなさそうである。再び先に入った所を入り直してみたが、やっぱり岩は見えない。
記念碑の周りをうろちょろしていたら、チョークがいっぱい付いた岩を発見する。トポを見るとドッグボルダーらしいことが分かる。ここには5+の課題があるらしいので、まずその課題に触ってみることにする。
その課題はカンテを直上するらしいのだが、抜け口が苔が付いているみたいで、あまり綺麗ではない。ホールドもあるんだかないんだか良く分からない。そのカンテの左側の面には斜めにバンドが走りガバホールドを提供している。まぁ、そのへんを使って適当に登ってみるか。
ガバガバでバンドのリップを掴み、その上のガバを持ってバンドにヒールをかける。この岩も所々濡れているから、靴が滑り、ヒールが少し外れる。手はガバだから、しっかりとヒールを架け直し、出口のホールドを探る。しかし、木が邪魔をして、良さそうなホールドが無い。仕方が無いから、木を持って岩の上に抜ける。初めてのまともなボルダリングである。
林道の反対側のそばにトダ岩というのがあるらしいので、そこに行く踏み跡を探す。
その踏み跡は結構しっかりしており直ぐにわかる。河原に下る格好で降りてゆくと、沢沿いにしっかりした踏み跡がある。トダ岩らしい岩は見つかったが、そこに課題が有るとは思わなかったので、そこから中州ボルダーが見えるという橋の岩までその踏み跡を歩く。
橋の岩とは赤い鉄橋の脇の大きな岩で直ぐに分かった。中州ボルダーを探すと、沢の真中の中洲にそれらしい岩が見える。この岩には3や4の課題があるらしいので、そこでアップでもと思っていた岩なのだが、沢が増水していて全く中州に渡ることは出来そうに無い。一応、鉄橋を渡って中州ボルダーの近くまで行き、写真を撮って同じ道を引き返す。
駐車スペースの奥にあった小さな小屋をなんとなく覗いて見ると、なんとトイレだったのだ。それも、土足厳禁の非常に綺麗なトイレだったのだ。外見からでは、「トイレ」との字も見当たらない、普通の観測小屋か何かとしか見えない小さな小屋である。近づいて、そこに張られた小さなビラを読んで初めて公衆トイレだと分かったのだ。早速備え付けのスリッパに履き替え、使わせてもらう。
林道をぶったまげ岩方面に歩くと、綺麗なフェースにチョークが付いている天国列車の岩の前を通る。余りにも綺麗だから、ランジの課題の所をスタテイックに行って、終了点にぶら下がった姿を写真に収めてもらう。
これで一応青巌峡エリアは見て廻った訳だが、どうしてもみみず岩が気になったので、戻ってまた探してみる。しかし、結果は同じ。
トポを眺めていたら、クラーケンボルダーの目印であるはじめちゃんという課題のある岩へは遊歩道を3分ほど登ると有るのを発見し、再度遊歩道を時間を見ながら登ってみる。
3分ほどの所でその前後を探してみたが、ボルト4本のはじめちゃんのある右手前傾した岩は見当たらない。
ぶったまげ岩に戻ると、ボルダーマットを背負った人が降りてきたので、気になっていたヘルス岩の場所を教えていただく。
このヘルス岩は何回か見ていた岩だったのだが、その前の岩が大きすぎて、気が付かなかったのだ。その横のリアライザーという課題のある岩も教えていただく。
既に4時を廻っている。5時には暗くなってしまう。教えていただいた方が設定した2〜3級の課題も教えていただく予定だったのだが、無理にリアライザーという課題のある岩まで教えていただいたので時間切れになってしまった。
その方が、帰りは一緒に帰りませんかと言って下さったので、遅れたら先に行って下さいということでご一緒する。
この方、以前仲間がここを訪れたときにその仲間と会ったことのある方だったらしい。そして、小生のこの紀行も読んで頂いている方であった。
林道の大きな水溜りは沢側の土手を登ったら、靴を濡らすことなく無事越えることが出来た。来る時は迷って少し時間を使ってしまった所だったのだが。
周りが薄暗くなりだした頃、国道を走る自動車のヘッドランプが明るく見え出す。国道まではもうすぐの様だ。しかし、中々国道の手前のゲートに着かない。林道と国道は少し並行する形で走っていたらしい。
周りがかすかに見えるくらいになってやっと駐車場に着く。
色々と御礼を言ってその方と別れ、夕張方面から下道で札幌に行くためのカーナビの設定をする。所が、どうしても高速を使う道しか設定がされない。何かが悪いらしいのだが良く分からない。経由地を幾つか入れてやったら、やっと出来た。でも、その途中の経由地が合っているのかどうかは分からない。地図上で大体真っ直ぐ見たいだから、まぁ良しとして出発する。
来る時は結構工事中の所が有ったのだが、今はもう何も無い。真っ暗な中を只前の自動車にくっついて走る。
制限速度は50kmとかなのだが、大体が80km位で流れている。信号も無い。平地に出ると道も殆ど真っ直ぐになる。
夕食は今夜はラーメンにしようということになったので、昨夜いくつも見た内地には無いチェーン店を探しながら走るが、探すとなると見つからないものだ。札幌近くになっても見つからない。
そんな事をしながら走ったからか途中で道を間違えてしまう。でも、オートリルートするように設定し直してあったから、道を外れてもカーナビが道を教えてくれる。
遂に札幌の繁華街に入ってしまう。宿に近づいても見つからない。
相棒が、宿に車を置いて町に出ようというから、街中の札幌ラーメンは高いから、このまま郊外に出て店を見つけようと答える。
宿の脇を通り越し、最初の大きな通りらしい石山通りに入って真駒内方面に走る。
チェーン店の1つの店を見つける。しかし、道路の反対側だからと先に進む。所が、その後なかなか店が現れない。そろそろ寂しくもなってくる。仕方が無いから、脇道に入ってUターンし、最初に見つけた店に入る。
札幌で札幌ラーメンを食べても面白くないと、とんこつラーメンを注文する。
ラーメンの上にはナルトやチャーシュー、おまけに海苔までが乗っている。これにほうれん草が乗っていれば昔食べた懐かしいラーメンのスタイルと同じである。一口食べると、味も昔懐かしい味である。ナルトにはそのチェーン店の名前が入っていたから、とんこつラーメンだけにナルトが乗っているわけでもなさそうだ。多分他のラーメンもこのスタイルなのだろう。このチェーン店は50店舗開店記念とかをやっていたので、最近は北海道の人達も北海道ラーメンに飽きて来たのかもしれない。
相棒が会計からアイスを持って戻ってくる。一人アイス1本サービスだとか。値段もそんなに高くないし、もくろみは大きく当たったようだ。
次の日は相棒の本来の用事を済ませ、5時過ぎにレンタカーを返し、空港まで送ってもらう。飛行機は8時だから、まだ時間は結構ある。しかし、外は暗いし、友達からもらったお土産は多いしで、早めに中に入ることにする。
来る時に引っかかった爪切りは、出しやすいところに入れて手荷物検査を受ける。しかし、何のお咎めもない。X線による透視検査だから、ガチャガチャした金属のものを1つの袋に集めたのが効を奏したのだろうか。多分、目視検査だから、来るときの検査員のお姉さんが鋭すぎたのだろう。
飛行機は異様に空いている。乗客は窓際の列の席にしかいない。定員の1/3も乗っていない感じである。こんなに空いている飛行機も初めてである。
天気予報によれば、日本列島には縦に前線がかかっているらしい。もしかすると、飛行機が揺れるかもしれないと思っていたが、案の定、離陸して間もなく飛行機が揺れだす。といってもそんなに大揺れということではなく、心地よい揺り籠の如くであったので、到着間際まで気持ちよく寝てしまった。お陰で飲み物を飲み損なってしまったので相棒に飲み物が来たか聞くと、どうやら来なかったようだ。
羽田には10時ちょっと前に無事到着する。
もしかすると直通のバスがなくなるかも知れないと、トイレにも寄らずバス停に直行する。お陰で5分と待たずにバスが来た。因みに、バスは11時半頃まで有ったようだ。
今回も、激安ツアーを使い、相棒の用事に便乗してくっついていった北海道ツアーではあったが、行く所行く所全てが紅葉真っ盛りの中を900km近くも走り回り、北海道を十分に満喫することが出来たツアーであった。
中でも青巌峡はすばらしかった。何がって聞かれても、岩って言う訳でもないし、景色って言う訳でもないし、ましてや課題って訳でもないし、ちょっと答えにくいのだが、何しろすばらしかったのだ。
今度北海道に行く時はどこにしようかな。