会津地方のボルダ−を巡ってきました

2004年 9月27日記
 道の駅で目を覚ます。今日はどうせ適当に遊んだ後は家に帰るだけだ。そう早く出ても仕方がない。と、思いつつ、やはり7時頃には道の駅を出発する。今日の目的は芦ノ牧温泉近くの水神岩だ。

 4号線を南下し、途中郡山の手前で会津街道に連絡する県道に分岐する。交通量はそこそこある道である。

 磐梯熱海で国道49号線に合流し、猪苗代湖の辺を走る。

 猪苗代湖が左手に見え出したところに駐車場が見える。通り越してから、あそこで湖を見ながら朝食を摂るのだったと後悔したが通り過ぎてしまったから仕方がない。また同じような場所を見つけて朝食にしよう。

 一時道は湖岸を離れるが、また湖岸を走り出して間もなく、遊覧船の発着所が出てくる。一瞬迷ったが、遊覧船の発着所によってみる。しかし、自動車を停めて朝食を作れるような場所は見当たらない。Uターンして戻ろうとしたら、その隣の湖岸沿いに公共の無料駐車場あった。ここに入ろう。

 遊覧船の発券所や、貸しボート屋があったが、湖が見える場所に自動車を停め、湖に面した後ろのハッチを開けて、自動車の中で湯を沸かし始める。自動車の前を通る人からは丸見えだが、左右からは一応は死角になる。

 そのままラーメンを食べ、コーヒーを入れる。そして、そのコーヒーを持って湖岸まで行き、岸壁の上に腰を掛けて、湖を見ながらコーヒーを飲む。無論、コーヒーの水は新川で汲んだ長命水である。

 会津若松の町の中で、まだ300kmほどしか走ってはいなかったが、その先のことを考え、ガソリンを入れる。他県ナンバーだったせいか、市内の案内図をくれた。

 国道118号線が阿賀川を渡ったところのドライブイン気楽屋の近くに水神岩はあるらしい。案内では川の下流か上流かは書いてはいなかったのだが、地図上では下流方向に岩記号がある。

 ドライブインの駐車場が結構大きいものと想像していたのだが、そのドライブインはあまり大きくは無い。自動車も何台も停められない。一瞬迷ったが、ドライブインの反対側に一時停車し、辺りを伺うと、ドライブインの横に細い道が入っている。一先ずその道に入る。

 道なりにその道を進むと、行き止まりとなり、学校のような建物の横に出る。で、ちょっとした広場があり、自動車が何台か停められている。

 丁度、そのうちの一台に人がいたので、水神岩のことを聞いてみたら、知らないという。序に、ここは自動車を停められるのか聞いてみたら、横の施設の駐車場だから、一般の人は停められないという。でも厚かましく、置かせてもらえるか聞いてみたら、端っこのほうなら置かせてもらえると言ってくれた。

 で、水神岩というかどうかはわからないが、少し大きな岩が有るということで、その場所と、そこへの行き方を、わざわざ途中まで案内してくださって教えてくださった。ただ、勝手に遊びに来ただけの者に、非常に親切に対応していただいた事に、非常に申し訳ない感じを抱いてしまった。

 教えていただいたとおり、竹やぶを少し漕いで、川原に降りてゆく道に出て、下流方向に歩くと程なく川原に出る。その道は、その施設まで入ってくる途中で右に入る砂利道を進むと入ってこれるらしいことも教わった。

 川原をほんの数分歩くと、大きな岩が見えてくる。手前には写真にあった岩が見える。ここに間違いない。

 それにしても暑い。日を遮るものは何も無い。恐らく、丸一日日が当たっているのだろう。おまけに今日は東京では30度を越えているらしい。会津でも恐らく30度近くまで行っているのであろう。

 一先ず荷物を置き、逆光を気にしながら岩の写真を撮る。

 雑誌の写真で見た岩の被った部分は丁度逆光になってしまって、丁度良い写真が撮りにくい。角度を変え場所を変えて何枚か写真を撮る。

 大きな岩が水神岩というのだろうか。その岩の手前の幾つかの岩を見て廻ったのだが、他にも岩が有るかどうか、岸側の少しだけ高い場所に移動して辺りを伺ってみる。

 その辺から岸側は深い草むらや潅木帯である。水神岩の周りのお堀のような場所の淵までその草むらは迫っている。従って、水神岩の裏側に行くにはその草を漕いでゆかなければ行くことが出来ない。大きな岩も見えないからと、水神岩の裏を見に行くことは諦める。

 折角来たのだから少しは登ろうと、岩に触ってみたが、何しろ暑すぎる。やる気が起きない。それでも記念にと、上半身裸になり、易しそうな場所を触ってみる。

 何時ものように10級クラスを、それも、10級マイナス、通称13級クラスを中心に触ってみる。それでも、スラブの最後のリップへの一手が、下が岩が出ていたので、一瞬怖い思いをしてしまった。

 登れそうな岩自体は3つか4つしかないから、そう幾つも易しい課題は無い。最初に目を付けた、2mちょっとの垂壁を触ってみる。

 ホールドもスタンスも余り無い。離陸できればリップが取れるのだが、離陸が非常に難しい。ホールドスタンスを探しながら右往左往していたら、結局いきなりリップを持てる場所まで移動してしまった。仕方がない。いきなりリップを取ってマントルする。

 その岩の岸側の少し被った面を持った岩の、その被った面を触ってみる。結局、左のほうのカンテを使って、上に抜ける。

 雑誌にあった被った場所を触ってみる。

 ホールドが持てない。その上のホールドがわからない。もう少し涼しければ、少しは時間をかけて遊べるのだが、余りにも暑いから、そんな余裕は無い。

 その岩の裏の13級クラスや、その横の10級クラスを触ったら、もう殆ど触るところは無い。

 写真の時間を見ると、10時40分頃に着いて、11時にはもうギブアップしている。都合30分もいなかったようだ。

 道から川原に降りる、自動車が何台か置けそうな場所にカヌーを積んだ自動車が停まっている。適当な流れの川だから、初心者にも良さそうな場所のようだから、結構カヌーの人達も遊びに来るのだろうか。

 その場所に近づいたら、その自動車はそのまま帰っていってしまった。少しでもお話がしたかったのに。

 帰りは、その道を最後まで歩き、ドライブインの近くまで戻って、自動車を置かせて頂いた場所まで戻る。

 先ほど案内頂いた方の自動車が見えない。施設の受付で、引き上げる旨の挨拶をさせてもらい、お礼を言って早々に引き上げる。

 まだ、12時前だ。帰るには早すぎる。会津にはまだ2箇所ほどボルダ−エリアがあると持参した資料には記されている。しかし、一箇所は山の中で、徒歩20分、おまけに非常にマムシが多いとある。こいつはパスだ。もう1つは国道沿いの石切り場の跡地で、徒歩2分。ジャミング、レイバックはもちろん、微妙なバランスのスラブから困難なオーバーハングまで色とりどりとある。こいつは行かなければ。

 場所は国道49号沿いの会津坂下町から新潟方面に車で20分のところとしかないが、国道沿いだから行けばわかるだろうと、もと来た道を会津若松方面に引き返す。

 少し渋滞の出始めた会津若松市内を通り、49号線に出て新潟方面に走り出す。

 会津坂下町との看板が出たところで時間を確認する。

 およそ20分ほど走ったところ辺りから周りをキョロキョロしながら走る。すると、キョロキョロするまでも無く、右前方に岩壁が見えてくる。

 その岩壁への入り口を通り越してしまったので、Uターンしてその石切り場の跡地に入る。

 平らな小さな広場があるのだが、壁の基部は草だらけである。広場の奥も草で覆われている。どうも時期では無さそうだ。

 一応、奥まで偵察に行く。

 壁は200mほど続いているのだが、その大半は大きな葉を付けた草を掻き分けて行かなければ行けない。手前の壁の基部へも、ちょっとした斜面があり、そこにも潅木が茂っていたりして、藪を漕いで行かなければたどり着けない。相変わらず日が直接照り付け、暑さは変わらない。いくらか風は通るが、涼しくは無い。

 岩に触ることなく引き上げようとしたのだが、折角来たのだからと、広場の隅に転がっていた高さ2m弱の小さなボルダ−に記念トライをすることにする。

 デジカメの台にするために、先ほどは引っ張り出さなかったマットを引っ張り出し、余りにも暑いので、またもや上半身裸になり、靴を履いて取り付いてみる。

 岩が小さいからデジカメまでの距離が短い。おまけに離陸すればもうマントルである。写真を確認すると、セルフタイマーが降りたのはマントルを終わりかけた時だった。

 構図的にあまりに頂けない。折角の写真だからと、もう一度撮りなおす。

 小生の自動車を見てかどうかはわからないが、一台の乗用車が入ってくる。しかし、程なく出て行った。

 そんなことは何時までもやっていられない。自動車に戻る。

 既に1時半を廻っていたので、自動車を日陰の近くに移動して、マットを木陰に敷き、コーヒーを沸かして、遅い昼食を摂る。

 資料には手前の川原はピクニックにも最適とあるが、川原への斜面は急で草が生い茂っていたから川原には降りられなかった。

 後は帰るだけである。カーナビをセットすると、会津若松を通らない道を示す。会津若松市内が渋滞気味だったので素直にカーナビに従う。

 ところが、この道が山道である。県道343号から国道400号に出て、会津田島で国道121号に合流する。お陰で、殆ど自動車に会うことも無く、そこそこ走ることが出来た。

 会津田島で道の駅に寄った後、そのまま国道400号で塩原に出る。

 塩原といえば野点岩だし、その岩の真横を通ったのだが、既に時間も遅いので素通りする。

 塩原の街中の渋滞も、予想したほどはひどくなく、僅かに渋滞した程度で西那須野町から国道4号を南下する。

 後はよく走る道だ。氏家の先で408号方面に入り、真岡に向かう。

 そろそろ夕食の時間である。牛丼屋を探しながら走ったが、牛丼屋は見当たらない。真岡の工業団地の中に丼屋という食べ物屋を見つけたので寄ってみる。

 店構えが少し高そうな感じがしたので一瞬躊躇したが、結局その店に入り、秋刀魚定食を食べる。まぁまぁだった。

 その後は、下館、筑波と通って、龍ヶ崎から千葉県内に入る。既にカーナビの指示は無視しっぱなしで、何時もの道を走る。

 広田半島で1日半ほど遊ぼうと出かけたツアーだったが、結局は今回も駆け足の何箇所も巡るツアーになってしまった。やはり、一人でのツアーでは、なかなかゆっくりと一箇所で遊ぶというのは難しいのだろうか。多分そんなことは無いと思うのだが。まぁ、登れないから、時間が余ってしまうだけなのだろうが。


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作成年月日 平成16年 9月27日
作 成 者 本庄 章