阿寺渓谷のボルダーに行ってきました

   木曽路の石巡りその2
2006年11月 8日記

 きりら坂下道の駅で、早くに寝てしまったから、結構早くから目が覚めた。しかし、なんだか寒かったので、自動車の中でうつらうつらしながら明るくなるのを待っていた。

 周りが明るくなってきたので、湯を沸かし、インスタントコーヒーを入れ、インスタントラーメンをすすって、出発した。

 まずは昨夜、最後に偵察した場所に行ってみた。

 川原に降りて見ると、なんとなくインターネットで見た写真の場所のような気もしたが、上流方向に見える大きな岩まで行くのに、結構行きにくく思えたし、ここは第2の候補地として考えていた場所でもあったので、前夜最初に偵察した場所に行くことにした。

 前夜偵察で確認しておいた駐車場所に行ってみた。そこから歩くつもりであった。

 地図を広げると、目的の場所までは結構歩かなければならないことが分かった。どうしようか一瞬迷ったが、もう一箇所確認していた国道沿いの駐車場所の方が近そうだったので、そちらに移動することにした。

 その駐車場所からは、目指す場所まではそんなに遠くはないと考えたのだが、国道沿いに走る鉄道がなかなか渡れず、意外と遠回りになってしまった。

 目的の橋まで行き、川原を確認すると、どうやらインターネットで見た写真とは大分に違う感じがした。川原に下りるにも結構大変そうに見えた。多分ここだろうと当たりをつけてきた場所だったのだが、勘違いだったようだ。残念。

 最初に寄った場所まで戻るのもなんとなく能がなさ過ぎる気もしたし、なんとなく、良さそうな岩も少なそうな気がしていたので、次のターゲットであった、阿寺渓谷に行ってみることにした。

 国道を塩尻方面に少し戻り、ダム湖に掛かる橋を渡っていった。

 そういえば、ダムの下って結構ボルダーがある場所が多かったような気がしたので、対岸沿いの道をダムサイトまで行ってみた。しかし、その道は堰堤の上で行き止まりになっていた。

 引き返して、阿寺渓谷への道に入った。

 その道に入るとすぐに砂利道になった。そして、川原には結構大き目の岩がゴロゴロ見え出した。しかし、路肩には駐車禁止の立て札が立てられており、駐車はグランドの下の駐車場へとか書かれていた。

 その先にグランドがあるのかと考え、そのまま先に進んでいった。すると、木々に覆われた道から少し開けた道に出てきた。しかし、グランドのようなものが現れる気配は全く無かった。まずは偵察と、その先行けるところまで行くことにして、先に進んだ。

 連休中ということなのか、結構自動車が入っているようで、何台かの自動車とすれ違ったが、その都度、すれ違い用の退避場所まで戻ったりしなければならなかった。

 途中、トイレと東屋のあるちょっとした広場があった。ちょっと寄って見たが、川から少し離れた場所だったようなので、そのまま奥に進んだ。

 自動車が何台か置けるような場所が何箇所かあり、川原にはボルダーが結構点在しているようだった。

 段々谷が狭い感じになってきた。道も幾分細くなってきた。

 ちょっとした小屋の脇に自動車が何台か停められた場所に出た。どうやらキャンプ場のようだった。そういえばこの渓谷にはキャンプ場があったっけ。

 道路に、「この先有料スペース」だかと書かれた札の掛かった馬が置かれていた。道はまだ先に伸びているはずだがと思ったのだが、結構人の影も見えたし、何か言われるといやだからと、そこから引き返すことにした。

 来るときに目星をつけておいた場所に自動車を停め、川の方を偵察に行ってみた。

 道の脇になんだか淵と書かれた石碑が建っており、踏み跡が木立の中の急な斜面に川底まで伸びていたので、降りていってみた。

 少し大きめの岩の上に出た。淵というだけあって、そこから川原までは、崖になっていたから、降りられなかった。というか、函の中に降り立ったようだ。函の中にはボルダーは見えなかった。

 その後も、幾つかの駐車場所に寄り、そこからの踏み跡を川底まで降りてみたが、いずれも函だったので、ボルダーは見当たらなかった。

 そうか、観光客は函の景観を見に来ているのか。そういうところに道が出来ているのか。誰も川原の石がゴロゴロした景観なんて見に行かないよなぁ。納得。

 谷が開けてきて、川原にボルダーが見え始めた。少し先まで行くと駐車場所が現れたので、そこに自動車を停め、偵察に行ってみた。

 道を少し戻り、適当なボルダーに見えた辺りを探してみた。しかし、自動車から見えたボルダーらしいものがなかなか見当たらなかった。いずれの石も小さな石なのだ。自動車からはきれいなカンテを持ったボルダーに見えたのだが。

 川底が少し低くなってきて、少し高めの護岸が現れ始めた。川底にはそこそこ大き目の岩も現れ始めたので、適当な場所に自動車を停め、偵察に行ってみた。今度は、なんだか使えそうなボルダーが幾つか見えた。

 荷物を持って、川原に降りて見た。少し上流に少し大きめの岩があった。4mくらいありそうな結構大きな岩だ。

 下は少し被っており、その上は適当な傾斜の面が天辺まで続いていた。その面には、大分厚めのフレークが張り付いていた。そのフレークのカンテや、水平に走るリスなどを使えば登れるかもしれない。近づいてみたら、思ったよりも大きかった。

 岩を良く見たら、リップのフレークの付け根辺りのホールドになりそうな場所にチョーク跡らしいものが幾つか残っていた。そのリップをトラバースするためにどこかのボルダラーが触った跡なのだろうか。

 まず、ホールドがいくらかはありそうに見えた、フレークの面を登ってみようと、色々とホールドを探してみたが、結構ツルツル目の岩なので、小生に持てそうなホールドは多くは見つからなかった。ではと、フレークのリップを使おうと、探ってみたが、こちらも全く歯が立たなかった。結構面白そうに見えたのだが、少し残念。

 近くにあった、同じような高さの、先の岩よりはガチャガチャした岩を偵察してみた。

 川側の傾斜の少し立った面は登れなかったが、山側のガチャガチャしたところは難しくは無かった。

 山側にリップの立った垂壁をもつ岩があったので、リップを持ってマントルしてみた。スタンスは無く、リップの上にもホールドが見当たらなかったので、そのまま降りてきた。

 小さめの岩が一つ砂の上にあったので、SDでやってみた。ここまで来てやる課題ではなかった。

 このエリアは大体そんなところだ。ということで、次に移動することにした。

 路肩の少し広くなった、何台か自動車の停められそうな場所が現れるとそこに自動車を停め、川原を偵察に行ってみるということを何回か繰り返しながら下ってきた。

 そんな中、ハート型の結構大きな岩のある場所があった。高さは6〜7m位の傾斜はあまりないスラブ面を持った岩だ。これは登らなければなるまい。

 岩の下まで行ってみた。高い。しかし、傾斜はそれほど無く、おまけに斜めに数センチ幅の適当なバンドが走っている。2mくらい上がればそのバンドが使えそうだ。格好良いし、少し高めだし、10級ハンターとしては是非とも登らなければ。

 降り口を求めてその岩の周りを回ると、その岩の山側は、結構な傾斜で被っている。その被った面には順層のフレークが何層かに重なってホールドを提供している。おまけに抜け口にはおあつらえ向きのクラックまで走っている。これも登らなければ。

 あまりにもガバガバのホールドだったので、運動靴のままリップ下のクラックまで行ってみた。その斜めに走るクラックは天辺までしっかりとしたホールドを提供しているように見えた。そのまま上まで行っても良かったのだが、降り口も分からないし、万が一ということもあるので、そこから降りてきた。

 裏に回りこむと、裏は傾斜がゆるく、十分に降りられることが確認できた。

 それではと、スラブに挑戦してみた。本当は、バンドは使わずに、ど真ん中をまっすぐ登りたかったのだが、一人だし、落ちたくなかったので、しっかりバンドを使ってしまった。お陰で、殆ど不安なく上に抜けることが出来た。

 その姿をセルフタイマーを使って写真撮影していたのだが、なんだか迫力に欠ける写真しか写っていなかった。仕方が無いか。

 続いて山側の、被ったガバガバの面を登ってみた。上のクラックを使って、どっ被りから抜けるところが少しいやらしかったが、これも10級ハンターを満足させるラインであった。スラブと言い、このどっ被りガバといい、「初級者万歳岩」とでも言いたい岩だった。

 改めてスラブ面を見ていたら、やっぱり結構迫力がある高さだった。この迫力が写真に現れないのはあまりにももったいないと思えたので、デジカメを持ってうろうろしながらカメラアングルを探してしまった。

 なかなか良い場所が見つからなかった。手前の岩が邪魔をして、なかなか高さが表現できないのだ。あちこちと探し回った挙句、岩の上からのアングルを探し出し、もう一度写真撮影をしてみた。映像を確認してみたら、結構なアングルだった。

 行くときに見た川原方向に分かれる道に入ってみたら、川原付近まで降りたすぐ先で少し広い広場になっていた。

 そこに自動車を停め、川原を偵察してみた。そんなに大きな岩は無かったが、まぁ、そこそこ遊んでしまった。

 この阿寺渓谷だが、沢山ボルダーはあるのだが、三峰等に比べると、それほど密度が濃いと言う訳でもなさそうだ。小生が登れそうな岩となるともっと密度は減る。それでも、チョコチョコと移動しながら、一日、結構遊ぶことが出来た。

 その辺からはもっと岩が濃くなるようなのだが、岩が折り重なっていて、登れる対象はかえって減る気もしたので、適当に道から写真を撮りながら帰ることにした。

 明日は南木曽の積もりだから、また前夜の道の駅を目指すことにした。

 前夜は渋滞していた南木曽周辺の渋滞は無かった。

 前夜寄ったレストランに寄ってみたら、そのレストランは休みだった。そういえば、土曜日は15時頃までの営業とかの張り紙があったことを思い出した。連休中日の営業をなぜ15時とかの中途半端な時間で終わるのだろうと、その時疑問に思ったことも思い出した。歳はとりたくないものだ。

 実は夕食をこのレストランと道の駅のスーパーの食堂とどっちにしようか少し迷っていたのだが、これですっきりしたというものだ。

 道の駅のレストランがまだ営業していたので、覗いてみた。なんだか食べたいと思わせるものは見当たらなかった。

 スーパーの食堂に行って、メニューを見たら、コロちゃん定食だかというコロッケ定食があった。カツ丼をと考えて来たのだが、そのコロッケ定食を頼んでみた。すると、コロッケ二つのうちの一つをメンチカツにできると言うことだったので、迷わず一つをメンチカツにしてもらった。

 食事を終わり、お茶をもらいにいったら、五平餅を90円で売っていたので、それを頼んでしまった。そうしたら、おばさんが、「少し冷めてしまったがそれでも良いか」と聞くから、良いと言ったら、70円だと言った。おまけしてくれたのだろうか。その五平餅は串に団子状のものが三つ刺さっていた。

 情報館のようなところがまだ空いていたので、覗いてみたら、南木曽温泉の日帰り温泉施設の利用料が500円になる割引券がおいてあった。普通は700円らしいのだが、500円ならばと、そこに行ってみることにした。

 なおもぶらぶら見物していたら、道の駅のすぐ近くにも温泉があるらしいことが分かったので、その施設のパンフレットを探して見たのだが、見つからなかった。ちょうど、隣のレストランの人が出てきたので、その人にその温泉のことを聞いてみたら、5時までしか営業していないと言うことだった。

 もしやと思ったのだが、それが駄目だと言うことが分かったので、先ほどもらった割引券を使うべく、南木曽まで戻ることにした。

 どうせ戻るならと、木曽川の対岸の別の道を走ってみた。途中、川岸を走るらしい道にはいってみたら、むちゃくちゃ狭い道だった。仕方なく、もとの道に戻ったら、その道もごちゃごちゃして分かりにくい道だった。なんだか失敗した感じだった。

 南木曽から妻籠への道に入り、南木曽温泉に向かったのだが、段々山の中に入ってゆく、暗い道で、なかなかそれらしいところが現れない。割引券には信号からすぐのように書いてあるのに、と思いながら、カーナビを見たら、その道は19号線と書いてあった。256号線を走っているはずなので、一瞬間違ったかと自動車を停めてみたが、間違いなく妻籠への道であった。

 なおも不安になりながら走っていったら、妻籠の文字が現れた。間違いはないらしい。しかし、温泉は現れない。

 段々不安が増してきた頃にやっと電信柱にその温泉の看板が現れた。

 温泉の番台で、割引券を出したら、「本日はお祭りで全て500円だから、券売機で券を買え」といって割引券を戻された。そういえば、スーパーでも串カツが一本55円とか書いてあったっけ。って、道の駅は岐阜県、ここは長野県である。なんのお祭りなのだろう。

 営業は8時までだったが、結構ゆっくりとして、8時頃に上がってきた。

 また同じ道の駅に戻るのもと、その手前の賤母道の駅で泊まることにした。

 トイレに行く途中、ベンチ様のところで、自転車旅行中らしい二人が話をしていた。小生の自動車の両脇も社中泊のようだった。やっぱり連休中だった。


戻る

作成年月日 平成18年11月 8日
作 成 者 本庄 章